ただのんびり生きていたかった人生…半人生? 作:フリスリンク
おや?アンの様子が……
着々と、大魔王ゾーマ討伐の準備が出来てきている。
ひかりのたまは、みんなに渡してある。ルビス様やキャリーさん達には、大量に渡しているし、それぞれラーミアの祭壇で強化された勇者のつるぎを持っている。
母さんと一緒に、アレフガルドの魔物を殲滅したり、ラダトームなどの人が住んでいる場所を守ったりもしている。……魔物の数が減った気がしないけどね……
上の世界の、光の力の影響を受けた状態でこれだ。一応、保険をかけているけど……不安は拭いきれない。
しんりゅう様と母さんと、何回も修行をして強くなってるけど………大丈夫だろうか……?
全然マイナス思考が消えてくれない。気分転換にネクロゴンドの洞窟とか、天界の洞窟に行くか!!魔物を食べられるだけ食べてやる!!!
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大魔王ゾーマ討伐のため、今日も修行をしようかという時にコハビンさんがテドンに来た。……なんだか、焦っているような……?
「ようこそ!コハビンさん!どうしたんですか?慌てているように見えますけど……」
コハビン「えーとだな……なんと言えば良いか……そうだ!魔力をたくさん回復する道具なんだが、エルフの里で作ってるみたいだ!エルフののみぐすりって言うんだが……」
「エルフののみぐすり……ですか?」
まさか、今のエルフの里にあるとは思わなかったぞ!?魔力を全快……とはいかなくても、多く回復できるなら欲しいな!!
「それを俺に言ったって事は、いただけるんですかね?」
コハビン「もちろんだ!ただ、エルフの秘密の作り方だからそれは教えられないそうだ。あとは、すぐ大量に生産ができないから、ほんの少しずつしか渡せないそうだ。」
「それでも十分ですよ!!教えてくれて、ありがとうございます!!」
コハビン「そうか!日をまたぐ事になるが、持ってくるぞ!女王様に、坊やが喜んでいた事を伝えられるな!」
エルフののみぐすりの製造方法は気になるけど、秘密ならしょうがない。とりあえず、魔力の回復方法がまほうのせいすいとか、いのりのゆびわ以外にも出てきたのは大きい!!
「何か物々交換等はありますか?」
コハビン「いや、それはない!一日で作り出せる量のうち、ほんの少ししか渡せないから、タダで良いそうだ!」
「分かりました!何か必要な物があったら言ってください!エルフの女王様にも伝えてくださいね?」
コハビン「分かった!!それでな………えーと……」
どうしたんだろう?コハビンさんがこんなに言いづらそうにするなんて………
「コハビンさん、何か問題が起こりましたか?確実に解決できるとは言えませんが、力になりますよ!!」
コハビン「……問題と言えば問題……なのか?別にエルフの里に危機が迫ってるとかじゃないんだ。」
「?そうなんですか?じゃあ、いったい何があったんです?」
コハビン「………女王様から聞いたんだが、嬢ちゃんの精神が不安定だそうだ。女王様では原因が分からないらしい。」
「え!?アンが……本当ですか!?」
何回もアンがこの村に来てるけど、そんな様子には見えなかったぞ!?
コハビン「……俺から言える事は一つだけだ。嬢ちゃんの気が済むまで、一緒に居てやってくれ!!」
「……………はい?それはどういう事……」
コハビン「俺はこれで失礼する!!またな!!」
「あ!?ちょっと!?コハビンさん!?……行っちゃったよ。」
いったいなんなんだ?エルフの里の危機じゃない?でも、あのコハビンさんの取り乱しようは……?分からん。
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なんだか、頻繁に来ているアンだが……正直、精神が不安定なところが分からない。一応、アンが来たら教えてほしいという事をメタランに伝えて、俺もすぐテドンに戻れるように、テドン南の修行場にいるようにしているが………分からん。本当にどういう事なんだ?
コハビンさんの事は伏せて、疑問に思った事を聞いてみるか!あれだけ、コハビンさんは取り乱してたんだ。何かしらあるだろ!!
「アン?ちょっと良いか?」
アン「な、なに?ネドラ。」
「最近、他のエルフを連れてきてないけど、大丈夫か?喧嘩したとか関係が悪化したとか……」
アン「それはないから安心して?ここを良く思ってる子たちが、エルフののみぐすりを作ってるのよ。」
「ああ!そういう事か!良かった。テドンのせいでアンが孤立したのかと思ったから………杞憂で良かった……」
アン「な、なんか心配をかけたみたいで……ごめんね?」
「いや、こっちこそ、変な勘繰りをしてごめん。」
違うのか……良かったけども。じゃあ、何がアンを精神不安定にさせてるんだ?………聞き出せない可能性の方が高いな。
アン「ネドラ!そ、その……何か気づかないかな?」
「気づく?何かって………思いついた事を片っ端から言えば良いのか?」
アン「え!?う、うん……」
「まず、アンの髪型が毎日違うだろ?緑色の長髪を活かして、いろんな髪型にしてる。次は、たまに耳にピアスを着けてるとかかな。緑とか青のピアスをしてたよね?服装も動きやすいものだったり、いかにもアパレラ監修のオシャレをしてたり………今日は動きやすい服装か。たまに顔が妙に赤い時もあるな…………」
アン
「も、もういい!!もういいから!!一旦ストップ!!」
「え!?な、なんで!?間違ってた!?」
アン「間違ってないわよ!!というか、全部気づいてたの!?顔が赤いのは分からなかったけど……たぶん、顔が熱いときだ!!」
全部気づいてたってどういう事!?気づいたらダメだったの!?しかも、なんかボソっと言わなかったか!?
「いったいなんなのさ……?」
アン「なんなのさって……なんで、その時に言ってくれなかったのよ!?気づいた時に!!」
「ええ!?そんな事言われても!?……友達とはいえ、ズケズケと言うなんておかしいでしょ?その人が好きでその格好をしてるのにさ……」
アン「それは、そうかもしれないけど……なんか、ひと言感想言ってくれても良いじゃない!」
「俺が言ってもなぁ……絶対に言われ慣れてると思うし……実際に旅人とか観光客から言われてたし。」
アン「例えば?悪口じゃないわよね!?」
「悪口じゃないよ……普通にかわいいとか、似合ってるとか、弥美みたいなモデルさんかなとかかな?アンが完全にアパレラ監修の服装をしてるなって気づいた時は、俺もモデルかなとは思ったし、似合ってるとも思ったけど……」
アン「ふ、ふーん!なるほどねー!」
本当になんなんだよ!!??
アンの感情の起伏が激しすぎるだろ!?これが精神不安定!?てっきり、病んでるもんだと………まだ、分からないけど。今も顔が少し赤いけど……ちょっと照れてるような感じだし。
まぁ、この様子だと大丈夫そうかな?エルフの女王様とコハビンさんの心配は、杞憂だったのかもな……それが一番良い。
アン「なんだ、ネドラもかわいいと思ってくれてたんだ……」
「なんだ?……なんでも良いか。それじゃあ、俺はちょっと修行をしてくるよ。」
アン「え!?い、行っちゃうの!?」
「うん。え?どうかした?」
アン「えっと……私も連れていってくれない?」
「アンも修行をしたいの?」
アン「え、ええ!もっと強くなりたいから!」
別に良いんだけど、アンが来るとなると天界に行けないな……エルフの女王様の外出許可は、テドンだけだ。……レイアムランドにも行ってしまっているけど、他よりも安全な場所だし……
「じゃあ、テドン南の修行場に行くか!!アンもそれで良い?」
アン「分かったわ!よーし!強くなるわよー!!」
……本当に感情の起伏が激しいな。また、心配になってきた……
……………………………………………………………………
テドン南の修行場で、日が傾くまで修行をした。
アンも少しだけ、体術が上達してきたようだ。……母さんやしんりゅう様と修行をしている俺には……全然効かなかったけどね。
テドンに戻ってきた俺とアンは、いつも通りに過ごすはずだった。
いつもは、俺が自宅に帰り、アンはエルフの里に帰るかテドンの宿屋に泊まる。
……なんだけど、今日だけはおかしかった。
「スヤリン?なんで、俺も宿屋に泊まらないといけないの?家に帰りたいんだけど……」
何故か、宿屋スライムのスヤリンが俺の行く手を阻んだ。………自宅があるのに、なんでわざわざ宿屋に泊まる必要があるんだ?
宿屋スライム「サランが言ってたんだ。間違えて、ネドラのベッドを破壊したんだってさ。だから、アンと一緒に宿屋に泊まってほしいらしいよ?」
俺のベッドを破壊!!??
なんでそんな事になるんだよ!?俺、何か悪い事した!?あれか!?レッドオーブの時の朝帰りを根に持ってるのか!?
………母さんが歩いて来た。なんで堂々と来れるんだ!?息子のベッドを破壊してるんだよね!?
「母さん?なんで俺のベッドを壊したの?」
ネドラ母「すごく理由はあるんだけど……言えないわね!!」
言えないだと!?理由があるのに!?
ネドラ母「とりあえず……スヤリン?ネドラを宿屋の部屋に連れていってね?」
宿屋スライム「了解。ほら、ネドラ。なんだか僕も分からないけど来て。部屋を用意してるから。」
「納得いってないんだけど?」
ネドラ母「良いから良いから!お詫びに良いベッドを作ってあげるから!!古かったし、ちょうど良い機会ね!!」
俺にとっては良くないんですけど!?……こうなった母さんは止められない。ちくしょう………
俺はスヤリンについていった。……宿屋で寝るなんて、変な夢騒動の時以来じゃないか?たまには良いか。
…………………
アン「い、いらっしゃい……」
本当にどういう事なの???
……なんだか、少しだけ頭痛がした。変だな、母さんがしんりゅう様に願った時、永遠の健康も叶えてもらってたよな?へんだなーー……
「スヤリンさん?どういう事ですか?」
宿屋スライム「サランが、二人を同じ部屋に泊めてやれって言ってたんだ。空き部屋に案内すれば良いと思ったんだけど、ダメなんだってさ。まぁ、夜中にも旅人が、泊まりに来るかもしれないから、配慮したのかも?」
スヤリン、たぶん配慮じゃない。意図的だ。
どう考えたっておかしい。急に俺のベッドを破壊して、宿屋に泊まれっていうのがまずおかしい。
スヤリンは、純粋に母さんの言う事を聞いて行動してるだけなのが分かる。スヤリンは悪くない。……止めてほしかったかけどね?
さらにおかしいのは、アンがこの状況をすんなり受け止めている事だ。
これは……母さんとアンはグルだな?
俺が知らないにしても、エルフ流の交流じゃないだろ!?そうだったら、アンが顔を真っ赤にする事はないはずだ!!
…………段々、辻褄が合ってきた。コハビンさんがなぜ焦っていたのか。アンは基本的に動きやすい服装をしていたのに、最近…動きにくい服装だったり、アパレラ監修のオシャレをしていたり、髪型を頻繁に変えたり、顔が赤くなってたり………
宿屋スライム「ベッドは大きいから大丈夫だよね?結構前になるけど、サランとディアンとネドラで寝た事あるよね。」
「うん、大丈夫だと思うよ。ありがとね。スヤリン。」
宿屋スライム「じゃあ、ごゆっくり~~。」
………スヤリンの気配が遠くなっていった。……いい加減、アンに直接聞くか。
アン「ね、ネドラ!とりあえず、ベッドに座ってよ!」
「先にシャワーを浴びたい。アンはシャワー浴びた?」
アン「う、うん……私は、もう、使ったから……」
「分かった……聞きたい事があるんだけど良い?」
アン「………いいよ。」
「間違ってたら、笑い飛ばしてくれ。俺も笑い話にできるからさ。……俺の事、異性として好きか?」
アン「……………はい。」
……そうなのか。できれば外れてほしかったけど……そうか。俺が、恋愛の方面で鈍感だったら良かったのかもしれないけど……そうじゃない。
「いつからか聞いても良い?答えられる範囲で良いから……無理して、答えなくても良いけどね?」
アン「気づいたら……かな?最初は、初めての里の外の友達って思ってたの。」
「……俺を子ども扱いしてたな。今も言うほど身長伸びてないけど……」
アン「茶化さないでよ…………テドンに初めて行く前から、ネドラの事を意識し始めたの。そこからは……何て言ったら良いか、分からないけど……会えない時間がイヤになって……」
初めて出会ってから、そんなに時間は経ってなかったのか。確かに良く見てくるなぁとは思ったけど……俺の行動が珍しいからかと思ってた。
「分かった。答えてくれてありがとう。アン。」
アン「ううん……ネドラは、私の事をどう思ってる?」
「……俺は、親友だと思ってる。死なせたくないとも思ってる。………誰に対しても、恋愛感情を抱いた事はなかったなぁ。」
この世界で、誰かを異性として好きになった事はない。前世では3回ぐらい好きになった事があったし、男女の仲になった事もあるけど……この世界は、常に死が近くにあったからな。
平和ボケしてる余裕はなかった。恋愛している人たちには悪いけど………死にたくないという本能が、ずっと俺を支配し続けていた。
アン「そうなの?………本当に今まで、恋愛感情はなかったの?誰にも………?」
「そうだよ。そりゃ、綺麗だな、かわいいな、とか思った事はあるよ?でも……恋愛感情までは考えた事がなかったからなぁ。だから、ごめん。恋愛感情としては、異性として考えてない。」
この世界で、相手を振るなんて思わなかった。……アンが涙を流している。アンを泣かせたくなかったんだけどな……
アン「そっか…………どうやったら、異性として見てくれる?」
「え?………そうだな、大魔王ゾーマみたいな危険なヤツがいなくなればかなぁ。どうしても、その不安が邪魔をするし……死にたくないし、大切に思ってる人たちも死なせたくないから。」
アン「ゾーマの事を一時的でも忘れられたら……どう?」
「………分からない。ってなにを……!!!!」
……キスされた?え?アンから?え?
「アン!?なんで……」
アン「ファーストキスは、好きになった相手にあげたかったから。」
「俺はアンを振ったんだぞ!?」
アン「振ってないよ?」
「………は?」
アン「だって、ネドラがそういう事を考えた事ないんだもん!だから、振られた回数に数えない!!」
な、なんだか無茶苦茶だ!?俺は、俺に恋愛感情を抱いてくれてるアンを振ったんだぞ!?なんでそうなる!?
アン「絶対に意識させてやるんだから!!覚悟しておいてね!!」
「覚悟ってなに!?俺、何をされるの!?」
アン「良いから!!シャワーを浴びたいんでしょ?早く浴びてきてよ!それで、一緒にこの大きなベッドで寝よ?」
そんな横暴な!!??
…………………………………………
宿屋のシャワーを浴びて、体を洗って……寝る身支度をして、アンがいるベッドの前まで来た。
……本当に一緒に寝るの………?
アン「ほら!早く早く!!」
「さっきの事があったのに……よくそんな元気だな。」
アン「私なりに答えが出たから良いの!!」
「全く………これで良いか?」
アン「うん!!」
なんでさっきより元気なんだよ……下手すれば、絶縁されるかと思ったのに………なんで、抱きついて………いい、におい、だ、な……………ZZZZZZZZZZZZ…………
……………………
~~アン視点~~
ネドラ「ZZZZZZZZZ……………」
「あれ?ネドラ!?おーい!!……ウソでしょ!?」
寝るの早くない!?もっと、私に意識してほしかったのに!!爆睡してるーー!!!
……はぁ、大丈夫かなぁ?サランさんに協力してもらったのに………いや、まだよ!!絶対に振り向かせてみせるんだから!!私が初めて好きになった男の子なんだもん!!……大人だから、男の子じゃないわね。男性って言わなきゃ!!
………それにしてもネドラの寝顔……かわいいわね。初めて見た……こんな無防備な姿って、かなりレアじゃない!?それだけ、私を信用してくれてるのかな?安心してくれてるのかな?
まさか、私のオシャレを覚えててくれてたなんて……言ってくれてもいいのに……ネドラの言葉で言ってほしいのに……まぁ、最終的に聞けた良いけど!!
「ネドラ、寝てるから聞こえないと思うけど言うね。私、あなたを好きになって良かった。あなたのおかげで、毎日が楽しいの。」
最初に会った時は、不思議な気配のする子どもだなって思ってた。……18歳って言われた時はビックリしちゃったわよ。でも、ネドラと会ってから毎日が楽しくて……いつの間にか、友達を通り越しちゃった。テドンにも連れていってくれたし、お母さんとも話してくれたし…………あの時のネドラは怖かったけど、あれは知らないで文句を言うヤツが悪いわ!!
いろいろ経験して、強くなって、私が困ってる時も助けてくれて……これで、嫌いになる方が難しいわ!!
でも、ちょっとだけ、ネドラに言いたい事があるの。できれば、ネドラには私だけを見てほしい。レイアムランドにいるベロニカさんとセーニャさん、それと弥美さんを見ないでほしい。でも、そんな事を言ったら嫌われちゃう。……実現は無理だし、我慢するわ。
私も大切な人たちを殺したくはないの。……今の実力だと返り討ちにあっちゃうけど、もし実力が私の方が上になったとしても、女の子はできれば殺したくない。
だから
私を見ていてね?ネドラ……
ネドラと出会ってから約一年で、アンのアプローチが激しくなるようです。
ネドラの前世の男女関係
ネドラ(の中の魂)の前世の男女の付き合いは、相手側から仕掛けている。元々、かなり距離感が近く、そういった仲になるのも時間の問題だった。付き合いの期間は高校から。幼馴染ではない。実は、主人公が転生(憑依)するまで付き合っていた。実質元の主人公の体は死んでいるので、前世の彼女はとても悲しんでいたし、引きずってしまっている。
主人公の体はすでに火葬済み。
前世の主人公の死因は、急性心臓死。(そのあとすぐ魂が移動)
死ぬまで付き合っていた彼女は三人目であり、一人目は幼馴染、二人目は中学の同級生。幼馴染には振られ、中学の同級生は進路の関係上、別れた。中学の同級生が気を使って、先に振った。主人公も先に振って、自分が悪いように仕向けようとしたが、先手を取られてしまった。
全員、相手側から告白されて付き合っていた。
ちなみに、ネドラが前世の死因を知る事はない。