ただのんびり生きていたかった人生…半人生?   作:フリスリンク

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メルキドで怪しい子どもを見つけたネドラ。念のため、ルビスやキャリーに伝えて、包囲網を作ろうとしています。




自己満足のために書いていて、下書きもせずに思いついた事を書きなぐっているだけなので、話が変かもしれません。今に限った事ではないですけどね?

読んでくれてる皆さんに感謝いたします。


第52話 ゾーマの秘めたる心

 

 

 

~~ゾーマ視点~~

 

 

………もう夜になったか。時間が経つのは早いものよ。

 

 

このワシが、人間の営みを深く知る事になろうとはな………過去のワシでは考えられぬな。

 

他の者からすれば、ワシはただの人間の子どもにしか見えぬ。見捨てれば良いものを……わざわざ、ワシをメルキドまで送り、他の人間もワシの面倒を見るとはな。ワシの知っている魔物たちよりも……仲間意識が強い。人間同士ならば、こうも交流ができるのか……

 

 

ただ平和に住んでいた我々を迫害した、昔の人間とはかなり違っているようだ。昔の人間どもは、仲間意識が今よりも薄かった。……いや、ワシが知らぬだけで、このような光景が広がっていたのかもしれぬな。さすがに、全ての者と分かり合えるわけではなく、追い出されている人間もいたが………どの種族も同じ事だろう。

 

 

人間はなにゆえ、もがき、生きるのか………我々と同じく、希望を抱いているからだろう。家族との触れ合いも……この町で見て来たが、身近な者が生きているからこそ安心するのだろうな。

 

 

……………ワシは、今まで人間の醜い部分しか見れていなかったらしい。とても…死にゆく者が美しいとは思えん。我が配下が亡くなっていった時も……美しいとは感じなかった。それと同じなのだな。

 

 

 

 

 

 

しかし………しかしだ。

 

 

 

 

 

 

 

ワシの憎悪は決して消えぬ!!!!

 

 

 

どんなに人間の良い部分を見たとしても………我々が受けた傷は永遠に癒えぬ!!!

 

………それほどまでに、ワシは許す事ができない。今の人間には関係がないとしても。我々の理想郷のためには、あの忌々しいルビスや人間が邪魔なのだ!!!何故、我々は迫害されなければならなかったのか………神ルビスは何故、我々を見捨てたのか…………ワシの中で、燃え盛る炎のように感情が止まらないのだ。

 

 

………………………以前、戦ったあのネドラという異世界の魂を持つ者…………メタルスライムと共闘をしていたな。メタブレイブと言ったか?ワシには理解ができぬ……なにゆえ、人間と魔物が分かり合えるのだ?異世界の魂の影響か?………ワシの元配下である、サランと名乗っているサラマンダーとも共闘をしていた。異世界の魂の影響ではないのか?いくら、魔物の血をひいているとはいえ……できぬはず…………何故なのだ?

 

 

ワシには、理解ができぬものなのだろう……いや、理解できたとしても………ワシは認められないだろう。この憎悪がある限り………

 

 

酒場の店主「ゾーディ!今日もありがとな!!ほら、今日のお小遣いだ!!」

「いつもすまぬな。ありがたく受け取っておこう。」

酒場の店主「良いって事よ!!お前の仕事のおかげで、繁盛しているんだからな!!小さいガキなのに、しっかりし過ぎてるぜ!!」

酒場の店員1「ちょっと!?私たちだって頑張ってるでしょう!?ゾーディも役に立ってくれてるけどーー!!」

酒場の店員2「ゾーディだけずるいぞ!俺たちにも、もっと給料出してくださいよ!!」

酒場の店主「お前らは何を言ってるんだよ……賄いも出してやってるだろうが!!もっと金が欲しけりゃあ、もっと真剣に働きやがれ!!」

酒場の店員たち「ブーブー!!!」

酒場の店主「手を休めるな!!まだまだ、夜は始まったばっかだぞ!!」

「毎日、賑やかだな………では、ワシは失礼するぞ!」

酒場の店員3「また明日なーー!!」

酒場の店員1「ちゃんと寝るのよーー!!」

酒場の店主「またな!ゾーディ!!」

 

 

………全く……毎日騒いでいて疲れないのか?……あの雰囲気が、店の繁盛の秘訣なのかもしれぬな。我が軍を復活させたら、取り入れるのもアリかもしれん。

 

 

 

 

 

 

 

……………そんな悠長な考えはしない方が良いな。

 

 

 

 

 

 

 

今日一日中、かなりの視線を感じた。今も感じているが……おそらく、ルビスの配下の可能性が高い。

 

この姿になってから、こんなに多くの視線を感じる事はなかった。………ルビスどもに勘づかれたか。

 

気配を正確に感知できるようになるまで、回復できれば良かったが……やはり、付け焼き刃の力では限度があるか。負の感情は……それほど得られなかったからな……仕方あるまい。

 

 

今もワシの後ろをつけて来ておるな……姿は分からぬが、それで騙されるワシではない。

 

 

 

 

出せる力を全て使う。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワシはすでに覚悟ができておるぞ?

 

 

 

 

 

 

 

……………………………

 

 

 

 

レムオルとしのびあしを使って今日一日中、あの怪しい魂の子どもを監視していたけど……一生懸命に酒場で働いていたな。本当に大魔王ゾーマなのか?でも、あんな魂は他の人では見られないものだ。

 

 

正直、ルビス様やキャリーさん達には申し訳ないけど、ゾーマであってほしくない。連絡した俺が言う事はおかしいけど………

 

あんなに、人と話していたんだ。至って普通の談話だ。酒場の店員たちとも仲が良いみたいだし、しっかりしている子どもなんだよ。手を抜かずに働いていて……

 

 

あの子どもがゾーマであってほしくないと思いながら、酒場から出たあの子の後をついていっている。そのまま、家族の元か孤児院みたいな所か、教会か、宿屋に…………普通に帰ってほしい。

 

 

 

フオォォォン…………

 

 

な!?浮いた………いや、飛んだのか!!どこに行くんだ!?………あの方角は!!

 

 

 

ルビス様!!キャリーさん!!あの子どもが空を飛びました!!

 

(キャリー『!!……紛れる事に成功しているメルキドでは、正体を現さないつもりですか!!逃がしませんよ!!』)

 

(ルビス『キャリー!!深追いは禁物です!包囲網を崩さないように、あの子どもを追ってください。ネドラさん、あなたも警戒を怠らないようにしてくださいね?』)

 

分かりました!気を付けます!!

 

 

 

 

 

俺は、空を飛んだあの子どもの後を追った。あの方角は、ゾーマの城があった場所だ!!

 

 

 

…………………………………

 

 

 

 

 

ゾーマ「……やはり、跡形もないか。闇の力が残っているやもしれないと思ったが………全て破壊されているな。忌々しい………!!!!」

 

 

…………やっぱり、ゾーマなんだな。今、両手に持っている二本の勇者のつるぎを使わないといけないか。

 

 

すでに龍人化はしてある。ホーリーモードも、光の衣も、補助魔法もかけてある。戦う準備は整っている。

 

 

ゾーマ「………姿を現さぬのか?ルビスの配下よ。」

 

 

バレているか……ゾーマが相手だしな。……このまま倒させてもらうぞ!!!

 

 

 

 

ガキイィィィィィィィン!!!!!

 

 

 

ゾーマ「姿を現さぬとは……よほど、余裕がないと見えるな。ワシの前では意味がないぞ?」

「………そうみたいだな。」

 

 

今、防いできた力は……闇の力じゃない。光の力だ!!まさか、ゾーマが光の力を使うなんてな。

 

俺はレムオルを解いた。それと同時に、エルフののみぐすりを飲んで魔力を回復しておく。維持にも結構、力を使ったからな………

 

ゾーマ「そうか。確かお前はネドラと言ったな?」

「へぇ……大魔王ゾーマに覚えててもらえるなんてな。」

ゾーマ「忘れるわけがなかろう。この姿になった原因の一つなのだからな。それに、お前は異世界の魂を持つ者……忘れる方が難しいと思わないか?」

「……それもそうか。それにしても、その姿の原因か……やっぱり、逃走用の手段だったわけだ!前よりも遥かに力も気配も弱くなっている。闇の力に至っては、まるで感じられない!!」

 

 

闇の力を感じられないからこそ、見つける事が大変だったんだけどな。人間の子どもの姿になっているなんて、考えもしなかった。

 

ゾーマ「そこまで察していたのか……まぁ、バレたところで意味はない。」

「そうかな?また使ったら、今度こそ捜索されて終わりだぞ?」

ゾーマ「使用すればの話だ。………安心していいぞ?あれは、かなりの力を消費するからな。今、使ってしまえば、ワシは身動きすら取れなくなるだろうな。」

 

 

確かに、逃走用にしているって事は普段使いができないという事でもある。万全の状態ではない今のゾーマが使えば、さらに力が弱まるだろうけど………

 

「どうせ、本当の事は言わないだろ?敵を前にして………前の凄まじい強さを誇っていた時なら、分からないけどな?」

ゾーマ「信じるも信じないのもお前次第だ。好きにするが良い。………やはり、時間稼ぎにも気づいていたか。」

 

 

話している間にも、ゾーマは複数の魔法陣を展開していた。全部、俺の光の力で破壊してやったが……ゾーマも余裕がなさそうだな。

 

「お互いに、真っ向からやるしか道はないんだよ。お前がどこからか手に入れた、光の力を使うしかない。」

ゾーマ「………付け焼き刃だが、悪くない力だぞ?忌々しい光の力に頼る事は屈辱だが……お前の言っていた事を思い出してな。ワシが闇の力ではなく光の力を使っていたなら、お前は闇の力を使っていたと………」

「………俺の言葉から、忌み嫌う光の力を使う事に至ったのか。」

ゾーマ「お前たちが置いたであろう、ひかりのたまから力を得たのだ。この状況を見越してな。」

「………そうか。なら、この俺の攻撃も読んでいたか!!」

ゾーマ「巨大な拳か!!警戒していないと思ったか!!………な、なんだと!!??」

 

 

ホーリーフィストだけが使えるわけじゃないぞ?

 

 

レムオルで隠していた、大量のゴッドハンド及びガイアフォース。ここに来るまでに、隠しながら準備をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くらえ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガアァァァァァァァン!!!!!

 

 

ドドドドドドドドドド!!!!!

 

 

 

 

的は小さいけど、さすがにいくつかは当たっているはずだ!!これで済むと思うなよ!!!大魔王ゾーマ!!!!!

 

 

 

ゾーマ「ゴホオァァ………!!!!ふ、防ぎ切れなかったか。!!!ぐぅ……!!やはり、突っ込んで来るか!!」

「やっぱり、見た目で判断しちゃダメだな!!………お前が、ただのしっかり者の子どもだったら!!!」

 

 

勇者のつるぎ二刀流で、ゾーマを切り刻んでいく。さすがに、ゾーマも無抵抗ではなく、光の衣のようなオーラを出して防御している。……光の力が相手じゃあ、勇者のつるぎを完全に活かしきれない!!くそ!!??

 

「こんな思いをしなくて済んだんだけどな!!!!!」

ゾーマ「ふざけるな……!!ワシは大魔王ゾーマ!!人間なんぞに……何度も敗けてなるものかあぁぁぁ!!!!!!」

 

 

ゾーマが大量の魔法陣を即座に展開し、光弾を放ってくる。………その程度の光弾なら、くらっても耐えられるんだよ!!

 

 

 

 

ドシュッ!!!

 

 

 

 

ゾーマに右手に持っていた勇者のつるぎを、人間の心臓の部分に突き刺した。それと同時に魔力版元気玉で、ゾーマから魔力を奪い取り続ける。………さすがに、突き刺したら……!!

 

 

 

 

 

ゾーマ「ゴオホォォェ…………!!!???」

「……………もう、終わりだ。ゾーマ。」

 

 

俺は、突き刺した勇者のつるぎから離れた。……もう、ゾーマからは弱々しい気配しか感じられない。だが、念のため距離をとる。……端から見たら、ただの子どもだ。見ているだけでもツラい。

 

ゾーマ「ハァ、ハァ、ハァ……以前の力を、考えれば、当然か……ネドラよ……見事だ……よくぞ、ワシを倒した……」

「……相手を褒める余裕があるのか。やっぱり、油断できない相手だよ。お前は。」

ゾーマ「フ、フフ……お前のような、配下がいれば、ルビスを……あの忌々しい、神を……滅ぼせた、だろうな。」

「……ルビス様をかなり恨んでるみたいだな。普通そこまで傷をつけた、俺を恨むと思うんだけど……何があったんだ?」

ゾーマ「あの神は、我々を……見捨てたのだ!!平和に生きていた、ただそれだけの、存在を……人間に、迫害された、我々を!!」

 

 

迫害された?人間に?

 

「……害を与えたんじゃないのか?」

ゾーマ「違う!!人間から、襲われたのだ!!………人間が憎いのだ……ワシの憎悪は、消えぬ。」

「憎悪が消えない……簡単に済む話じゃない事は分かる。でも、なんで俺たちがお前を追っている時に、メルキドで暴れなかったんだ?気づいていたんだろう?」

ゾーマ「……………………なぜ、だろうな?」

 

 

人質を取れる状況だったのに、それをしなかった。わざわざ、ゾーマの城跡地に俺たちを誘導した。………ゾーマは認めたくないんだろうな。あくまでも、憶測に過ぎないけど。

 

ゾーマ「ワシは……以前、戦った、メタルスライムと、サラマンダーが、羨ましく、思う。」

「……………そうか。俺にとって、大切な存在だよ。」

ゾーマ「フ、フ、フフ、ワシの、理想郷……お前が、我が、配下、なら……………………グフッ!」

 

 

 

 

………………立ったまま、死んだのか。最期まで、凄いヤツだったな。

 

 

ゾーマの言っていた事が正しいなら、ゾーマ含めて魔物は迫害された。人間たちには一方的にやられて、憎悪を募らせた。そして、自分たちを助けなかったルビス様と、迫害した人間たちを滅ぼして、魔物の理想郷を作ろうとした。

 

……母さんから聞いた情報だと、自分の配下は大切にしていたらしいし、魔物の楽園を作ろうとしていたらしいから……本当だったんだろうな。

 

キャリー「ネドラさん!!ついに、ついにやり遂げましたね!!」

「キャリーさん……巻き込まれなくて良かったです。」

キャリー「あの戦いに参戦できず、申し訳ありません……私たちでは、力不足で……」

「ゾーマにとっては、かなり追い詰められていたと思いますよ?俺を倒せたとしても、キャリーさん達がいますからね…………」

キャリー「?ネドラさん?どうしましたか?どこか痛んだりとかは……………」

「いえ、ルビス様に聞きたい事ができたんです。……ゾーマが遺した言葉が気になってしまって。」

キャリー「……ルビス様が見捨てた、という話ですか?」

「はい。どうも引っ掛かってしまっているんですよ。」

 

 

ん?この気配は……ルビス様か。ここまで来てくれたのか。

 

 

ルビス「全て、見させてもらいました。まずは、ネドラさん、大魔王ゾーマ討伐を成し遂げてくれて、ありがとうございます。キャリー達も、お疲れ様でした。」

キャリー「勿体なきお言葉です……!!」

「………ルビス様………………」

ルビス「……やはり、大魔王ゾーマの言葉の真意を確かめたいですよね。…………言い訳になってしまいますが、私たち神は過干渉をしてはいけません。仮に、魔物が人間を襲ったとしても、世界としての脅威度が低ければ見守る事しかできないのです………」

「やっぱり、そうでしたか。前に話してくれた、神々の影響力が問題なんですよね……」

 

 

理屈は分かるけど………それで、大魔王レベルの存在が出てくるとなると…………やるせないな。

 

キャリー「ネドラさん……私たち、ルビス様のつかいが力不足だったばかりに……!!」

「いえ、そんな事はないですよ!!……防ぎようがないですよ……何が世界の脅威になるかなんて、考えてもキリがありませんし。……ただ、今のままだと後手に回るしかないんです。どうしたら良いかは、俺には分かりません……」

ルビス「………少なくとも、ネドラさんの知る物語と酷似している状態です。いずれ来るであろう、脅威を知る事ができていますが………完璧に対処はできないと思いますし……」

 

 

もう似ているだけで、だいぶゲームの内容と離れているからな……ドラクエ1と2の知っている内容も通用しないだろうな。

 

ルビス「……ネドラさんに頼りっきりではいけませんね。これは、私たちの問題です。キャリー達と対策を練らなければなりませんね。ネドラさん、重ね重ね…感謝します。」

「いえ、お役に立てたのなら、なによりです。……あのゾーマの死体はどうしますか?」

ルビス「私たちで管理をします。大魔王ゾーマの体ですからね。キャリー、あの遺体を適切な処理をした後、念のため封印しましょう。」

キャリー「はい!!かしこまりました!!」

 

 

 

ゾーマの体は、ルビス様の聖なる炎で焼かれた後、ルビス様の塔に封印された。ゾーマの体に突き刺した、一本の勇者のつるぎも一緒に。どうやら、新しく地下を作ってそこに封印したゾーマの遺体を安置するらしい………これから、どうなるかは分からないけど、ゾーマを倒せた事はよしとしよう。

 

 

 

 

 

 

…………念願のゾーマ討伐を果たせたのに、気分が晴れないなぁ。あれだけ、必死になってゾーマの捜索をしていたのに……平穏に暮らしたいのに不安だから、ゾーマを殺す気でいっぱいだったのに。

 

神様だって、干渉したくてもできないし……神様に頼りっきりになったら、世界の存続の危機に陥りやすくなる。

 

 

考えすぎても良くない。俺にできる事なんて限られているんだから。

 

 

 

 




大魔王ゾーマの行動理念もオリジナル設定です。ネドラは、少しネガティブ思考になってしまいました。


大魔王ゾーマ

元は、ただのどこにでもいるヒトガタの魔物だった。人間に害を与えず、仲間の魔物と共に平穏に日々を送っていた。
大昔の人間に一方的に仲間を虐殺されたり、暮らしていた場所を奪われたりされた事で、人間に対する憎悪を募らせていき、憎悪が増大する度に闇の力も強大になっていった。大魔王ゾーマの使う闇の力は、憎悪ありきのものであり、ドルマ系等の闇の魔法とは系統が違う。(ドルマ系等の魔法は憎悪を滾らせる必要がない。)魔物たちの理想郷を作るために、行動していた。

結果的にではあるが、人間が信仰する神であるルビスも強く恨むようになった。神ルビスの名前は、平和に生きる魔物たちも知っていた。ゾーマは、神々のルールを知らない。それゆえ、自分たちがこんなにも苦しんでいるのに、助けてくれないルビスにも憎悪を抱いた。

ゾーマと共に暮らしていた魔物たちは、全員亡くなってしまっており、自身の闇の力で魔物を作り出すようになった。ゾーマが作っていない、天然物の魔物も存在しているが、見分けがつかない。

下の世界であるアレフガルドを闇の力で支配した後、アレフガルドにいる創造した魔物を、光溢れる上の世界や天界に送り、さらなる支配を目論んだ。ギアガの大穴を作り、維持をするほどに平穏に暮らす人間が許せなかった。もし、上の世界や天界を支配できたとしても、それだけでは止まらなかった。

ゾーマはどんな魔物に対しても、自身の配下であれば優しく接しており、失敗作たちに対しても真摯に向き合い、助けようとしていた。そのため、魔物同士の仲はともかく、ゾーマへの忠誠心がとんでもなく強かった(一部例外あり)。
サラマンダーのネドラ母は、ゾーマによって作り出されている。それぞれ、創造した魔物の思考や感情に制限をかけていないため、多少例外が生まれた。(ゲームでいう、はぐれモンスターのようなもの。)

ゾーマに作られたバラモスは、上の世界に送り込まれた後に、上の世界に魔物を作り出していた。しかし、場所が光の力が強い世界であったためか、強い魔物はあまり作れなかった。
上の世界のメタルスライム達は、バラモスによってほとんど作られているが、バラモスに対する忠誠心は一切ない。理由は、弱い自分たちを守ってくれなかったからである。

ちなみに、アレフガルドに生息しているメタルスライム達は、ゾーマに忠誠を誓っているため、和解が困難である。

ゾーマは、異世界から迷い込んでくる魂からの負の感情によって、闇の力を増幅させる事に成功している。しかし、パワーアップのみであり、知識は手に入れる事ができなかった。
主人公であるネドラがもし、ゾーマの配下として生まれていた場合は、あまり役に立てない存在になっていた。ネドラの「死にたくない」という本能や思考が原因で、魔王軍から隙を見て脱退して、上の世界に逃げてしまう可能性が高いからである。それに加えて、勇者が何とかしてくれるという他力本願な部分もある(本編でも最初はそうだった)ので、ゾーマの思い描く理想とは程遠い。おそらく、はぐれモンスターになってモンスターじいさんの世話になるか、勇者にすり寄る事になる。

緊急用の「存在を書き換える呪法」は、自身の作り出した失敗作たちのために開発したものである。自分にかけると、多大なデメリットがある事に気づいていなかった。(失敗作たちにも効果がある者と、効果がない者で結果はバラバラだった。)まだまだ、未完成であった。
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