ただのんびり生きていたかった人生…半人生? 作:フリスリンク
アリアハンの宴から一週間が経った。………短期間に三回も宴会をやっているな。こんな事は滅多にないぞ?まぁ、良い思い出になったけどね!!魔王バラモス討伐の肩書きも、オルテガさんにあげられたし!!(強制)
セーニャさんは……本当にどうしたもんかな……?まぁ、後で考えるとするか。アンにも相談しながら。
現在……昼頃、メルキドに来ている。ルビス様がなんとかしてくれたけど………どうしても、自分の目で状況を確かめたかったんだ。それで何かが、できるわけじゃないけど………ただの偽善だ。
………町の活気はそれなりにあるけど………ゾーディ(大魔王ゾーマ)という子どもがいなくなってからなのか、少し落ち込んでしまっていた。………やっぱり、影響が出ていたか。そりゃそうだよな。
酒場の店主「ん?ボウズ!ここは酒場だぞ?一応、ジュースも出せるが………」
「よく見た目で子供扱いされますけど、俺は19歳なんです。これでも大人なんですよ………カルーアミルクでもいただけますか?」
酒場の店主「ま、マジか!!??それは悪かった!今、用意するからカウンター席に座りな!」
………うん、まぁ、しょうがないよね………グスン
カウンター席に座って、飲み物を待つ事にした。……一応、聞いてみるか。
「この町に来るのは初めてではないんですけど……何か、雰囲気が変わりましたかね?」
酒場の店主「初めて来たわけじゃないのか。雰囲気っていうのは………この町全体の事か?」
「ええ……朝と夜が明確に分かるようになってから、何回かこの町に来てたんですけど……少し暗くなったというか……」
酒場の店主「そうか……まぁ、みんなの人気者だった子どもが故郷に帰っただけだ。それで、みんなが少し気落ちしちまってるんだよ。ほら、カルーアミルクだ。」
「ありがとうございます!………やっぱり、美味しいなぁ。どこの酒場に行っても注文するんですよ。」
酒場の店主「へぇ!もしかして、結構ザルだったりするのか?」
「そうですねー……酔った事はないですね。両親共々酒に強いので、酒に対する強さが受け継がれたのかもしれません。」
前世では悪酔いした事はなかったけど、そこそこ酒に酔う事があった。今世では一切酔わないんだよな……父さんと母さんの遺伝子がそうさせてるのかも?まぁ、大量に飲めると考えれば嬉しい事だけどな。ジュースも好きだけど。
………じゃない!!ゾーディ関連の事を聞かないと!!……とはいっても、もう聞ける事は少なそうだな。故郷に帰ったゾーディの事を思って、落ち込んでいるって話だから………
「そういえば、さっき言っていた子どもって……少し変わった口調のしっかり者の子どもの事ですかね?」
酒場の店主「なんだ!知っていたのか?ゾーディの事をよぉ!!」
「ゾーディっていう名前なんですね。この町に来る旅に挨拶をされてましたから………子どものリーダーみたいな印象でしたよ?」
酒場の店主「……そうだな。あいつは小さなガキなのに、しっかりしててよ。凄いんだぜ?小さな体で、大きい酒樽を運んじまうんだからな!!給料を出すとはいえ、メチャクチャ働いてくれてたんだよ!!客からの印象も良かったし、従業員からも印象が良かったんだ!」
「そうだったんですね………」
ゾーマには、怒りによる龍化や龍人化しか見せていないから、通常状態の俺を知らなかったはずだ。龍人化すれば、身長も高くなるし、完全に大人の見た目になるからな。弱体化したゾーマには、俺の事を気づけなかったんだろう………名前もメルキドで名乗ってないしな。
俺もルビス様から「魂を見分ける能力」を教えてもらっていなかったら、分からなかったしな。もし、ルビス様から教えてもらう前に、気づかずに俺とゾーディが仲良くなっていたら………攻撃が鈍ってたかもしれない。
「でも、故郷に帰っただけなら……いつか会えるかもしれませんよね?」
酒場の店主「………そうなら良かったんだが……別に死んだわけじゃないぞ!?そこは勘違いしないでくれよ?神ルビスの事は知ってるだろ?その神様から、みんなに伝えられたんだよ。たぶん、メルキドにいた奴ら全員が聞いてたはずだ。」
「………ルビス様ですか。直接会ったんですか?」
酒場の店主「いや……脳内に語りかけてくるって感じだった。周りの奴らもそんな感じだったらしい。それで、こう言われたんだよ。確か、この世界に迷い込んでしまった、天界の子ども……だったか。」
「………天界?天国とは違うんですか?いや、でも死んでいないなら違う……?そもそも、ルビス様と関係があったのか………?」
酒場の店主「俺も詳しくは知らないが……そういう住める場所があるんだろうよ。その天界っていう故郷に帰らせたらしい。神様が語りかけてくるんだ。本当の事だろうさ。……結局、場所が分からない以上、行きようがねぇんだ……」
「………そうでしたか。すみません……こんな事を聞いてしまって……」
酒場の店主「別にいいぜ?あんたも挨拶をするくらいだったんだろ?無関係じゃないだろ。」
ルビス様……ありがとうございます。俺の代わりに言ってくれて。それにしても、今の話を聞く俺の演技は……知っている人たちからしたら、白々しいにも程がある。
その事については………俺は全部知っているからな……
この後、酒場の店主と何気ない会話をして酒場から出た。一応、メルキドを全部見回って様子を見たけど……やっぱり、以前よりは活気がないな。全く活気がないわけじゃないけどね………
大魔王ゾーマは、どんな気持ちでメルキドの人たちと交流していたんだろうな……?もう、分かりようがないけど。
折れた剣……王者の剣については放っておいた。素材として俺がいつでも出せるし、アレフガルドにあるオリハルコンも放っておいているから必要がない。
…………あとで、武器屋スライムのガンキンと、レイアムランドの鍛冶屋スライムのベルクに直してもらうか。もちろん、俺が能力で素材を出してな。ルビス様かキャリーさんに渡すために…………
……………………………………………………………………
しんりゅう様と母さんとメタブレイブと修行、レイアムランドでベロニカさんとメタンガとアンとの修行、ネクロゴンドの洞窟と、天界の洞窟で素材と食料の確保、自宅で世界樹のしずくの生産、テドン南の修行場の外周で、きせきのきのみが生るゾンナルの樹の世話、武器屋スライムのガンキンと鍛冶屋スライムのベルクに素材(折れた剣数本を含む)を大量に提供、父さんのポルトガの船の護衛仕事の手伝い等々…………
それが、今俺がやっている内容になる。
時々、アリアハンに行ってルイーダにちょっかいを出されたり、アルスの面倒をほとんどいるメタブレイブと一緒に見たり、オルテガさんやマリアさん、お爺さんと話したりする。
どうやら、大臣がルイーダの酒場の原型を作ってくれたようだ。俺の助言が役に立ってなによりだ。今のところ、ただの大きな酒場?……交流場みたいな感じだけどね。……ただ、もう魔王も大魔王もいないんだよなぁ。まぁ、今後何が起こるか分からないし、あった方が良いよな!!
竜の女王様の城にもたまに行く。竜の女王様は相変わらず元気で、俺が確認しに来る度に光の力が強くなっている。ひかりのたまも、城の中だけじゃなく城の外をかなり埋め尽くしているしな……ハーゴンさんの魔法陣って凄いよな!?ラーミアの祭壇を越えているんじゃないか!?出力だって調節できるし!!
ハーゴンさんに以前渡した、いくつかの改良型の世界樹のしずくと超ばんのうぐすりは役に立っているみたいだ。もし、竜の女王様が病気になった時に備えられれば、どんなに良い事か。
かなり効果のある薬ができたらしい。どうやら、ひかりのたまを砕いて俺が渡した物と混ぜたらしいが………飲んで大丈夫なのか?まぁ、ひかりのたまはガラスとかじゃないし、光の力の塊だからな。それに、ハーゴンさんが自分の体で試したらしいから大丈夫だろう。
俺もハーゴンさんから渡された粉薬を試したが………メチャクチャ元気になった。疲れが吹っ飛んだしな!!………だけど、母さんの叶えた願いのせいで、永遠の健康と不老を手に入れてしまっているからな………俺だと、薬の効果がちゃんと出ているか確認しにくい。また、世界樹のしずくと超ばんのうぐすりを渡しておいた。
………ひかりのたまを大量に貰ったけど……もう使い道が……………ハーゴンさんみたいに、俺も別の物を作ってみるか?例えば、赤き始祖の葉から作る健康ドリンクに砕いて混ぜたりとか、さらなる世界樹のしずくの改良とか………
そんな感じで生活をしている俺だが…………どうにも、やる気が出せなくなっている。せっかく、平穏……平和が訪れたのに………なんでだろうな………?
弥美「どうしたのじゃ?ネドラよ。考え事か?」
「考え事といえば……そうなるのかな?ちょっとやる気が出なくてね……」
アン「確かに最近、ボーっとする事が増えたよね?」
「やっぱりそう思う?」
弥美「……確かに、声に覇気がないような感じもするが……特に気にする事はなかろう?体の調子が悪いわけではあるまい。」
「体の調子は良い方だと思うよ?でも、なんか足りないというか、変な感じがするんだよな………」
メタラン「………たぶん、大魔王ゾーマの事が解決したからじゃない?それに時間を使ってたから………それも、私が止めるぐらいに必死になってたし。」
………そうか。そういえば、ゾーマ捜索のために結構時間を使っていたな。それがなくなった事が原因か?
メタラン「テドンの復興とか、大魔王を倒すために修行するとか、オーブ探しとかもなくなったから………きっと、今まで必死に頑張っていたものが全部解決したから、その反動が来たんだと思う。」
「………ようは、頑張り過ぎたのが原因か。」
弥美「まぁ、ネドラは無気力を主張しておるが、今のお主のやっておる事も大概じゃぞ?」
アン「……確かに、いろんな所に行ってるね?修行も続けてるし、家だと回復できる薬とか作ってるし。」
メタラン「ネドラの中では、たぶん修行以外は命に関わる事じゃないからかな?……ゆっくり休んでも良いんだよ?何もしなくてもさ。」
「………さすがに、そういうわけにはいかないよ……」
もう、考えられる厄介な事は……今はない。なら、平和な世界の生き方をしないと………仕事……定職に就かないと。
「平和になったらなったで、考えないといけないのも大変だな……まぁ、俺の場合は贅沢な悩みだけど………」
アン「何を考えてたの?贅沢な悩みって……」
「仕事に就かなきゃってね?はぁ……就活はどうすれば……」
今世では16歳で大人だし……みんなが通る道なんだよな。前世の価値観でいえば、高校卒業から働き出す人もいれば、大学卒業で働き出す人もいる。俺は後者だったなぁ……懐かしい。……………そういえば、19歳ってこの世界でいえば就活は遅れている方なんだろうか?
弥美「就活などと考えておったのか?確かに、害のある魔物は減ってきておるが、洞窟等の閉鎖的な場所では無限に魔物が出るのじゃぞ?お主は、それを倒すだけで仕事になっておるではないか!!」
「………そういうものか?」
アン「何を仕事として考えるかにもよるけどさ?ネドラって、竜の女王様のお城に行って、竜の女王様の様子を見に行ってるんでしょ?」
「行ってるね。それがどうかした?」
アン「ハーゴンさんに回復の薬とかも渡してるんだよね?」
「そうだよ?……え、それがいったい何に繋がるんだ?」
アン「………普通に仕事じゃないの?それって。家でも回復の薬を作ってるし、健康ドリンク?って飲み物も作ってるし………テドンの武器屋と、レイアムランドの鍛治場に素材も出してるじゃない!!もう、普通の人の仕事の比じゃないくらいに働いているわよ!?」
弥美「服屋にも、素材を持ってきてくれておるしな。」
メタラン「ネドラ………大魔王の討伐もしたし、なんだったら現在進行形で……しんりゅう様という神様の相手をしているんだ。ネドラは客観視をした方が良い。」
ええー……それって仕事か?まぁ、大魔王ゾーマの討伐は功績になると思うけど……仕事って言われたら微妙だな。俺にとっての脅威を排除しただけだし………しんりゅう様の件も、俺が都合良く利用させてもらっているだけだ。
世界樹のしずくや健康ドリンク作りも趣味みたいなものだし、竜の女王様の城に行くのは安否確認だ。………勇者の家に行くのも安否確認だな。ゾンナルの樹の世話だって、戦力強化に繋がると思ってやってたし(趣味にもなっている)。
素材提供は………確かに仕事かもな。ネクロゴンドの洞窟と、天界の洞窟で素材と食料の調達をしているし。………食料は良いけど、素材に関しては………叶えられた願いの能力で出している物の方が多いからな………仕事に数えて良いかが分からない。しんりゅう様が叶えてくれなかったら、素材を出す能力はなかったわけだし。
「……うーん……しいて言うなら、魔物食の調達が今の俺にとっての仕事になるのかな?」
弥美「はぁ……お主は……もっと自己肯定感を上げた方が良いのう……」
アン「今まで、とても大変な事をしてきたのに……ネドラったら、全く自慢しないんだもの……もっと自分を誇ったり、褒め称えたりしても良いと思うわ!!」
メタラン「…………私、ネドラの自分への考え方について心配になってきた。」
みんなして……なんでだよ………確かに、凄い事はしたと思うけど……どんな事にも、前世のゲームの知識が関わっているからなぁ。イレギュラーはあったけど、それでもゲームの知識を利用しているだけだし、なんか自慢できないんだよね………知らなかったら、何もできずに死んでいたと思うし………この「ネドラ」の体だって、本来のネドラから譲り受けたものだ。開発した技だってなぁ………
まぁ、今さらだよな。この世界は、たまたま俺の知っているゲームの物語に近い世界だった………死なないためには、知識を利用するしかなかった。
「うーん………でもなぁ……この無気力感を何とかしたい………でも、どうすれば良いんだ………?」
弥美「………これはある意味重傷じゃな。」
メタラン「どうすれば、気分的に元気になれる?」
アン「……こうなったら……………!!」
メタラン「ん?どうした?アン。何か思いついたのか?」
アン「ちょっとね………ネドラ!!これから暇でしょ?宿屋に行こうよ!!」
「え?確かに暇だけど……宿屋に?まだ、昼過ぎだよ?何をするんだ?」
弥美「………ああー……そういう事か。メタランよ、わらわ達は邪魔になってしまう。ここでお開きにしようぞ?」
メタラン「え、邪魔になるの?なんで?」
弥美「いいから!!メタラン!!はよう、わらわと来るのじゃ!!」
メタラン「え、ちょ、待って!?私を持ち上げてなんでネドラ達から離れるの!?教えて!?なんで!?」
弥美「今は、アンに頼る事しかできないのじゃ!!あとで、理由は教える!!」
………弥美がメタランを連れて(誘拐か?)、テドンの服屋に行ってしまった………急にどうしたんだ?アンにしか頼れないとは?
アン「……気を使わせちゃったね。まぁ、いいや!!察してくれてるし……ほら!ネドラってば!!」
「ちょっと!?アンも急にどうしたんだよ!?宿屋で何をするか教えてくれよ!!」
アン「……えっとね?………………………」
その後、俺とアンは宿屋に行って、昼過ぎから翌日の朝までハッスルしてしまった…………アンから、宿屋に行くっていう時点で察するべきだったな………
考えたら、避妊道具がなくて避妊してなかったな……まぁ、できても良いけどさ。
俺はある意味元気になり、ハッスルした後はげっそり状態に………アンは体の調子やツヤが良くなり、腰が痛い状態になった。
………無気力ってこう治すんだっけ?違うよなぁ……
……………………………………………………………………
みんなに励まされた事(一部過激な事があったが)で、無気力状態からある程度回復した………と思う。みんなに確認しても、ボーっとするところは見てないとの事。………こういうのって、たまに自覚症状がない時があるから困るんだよなぁ……
そんな事を考えていると、メタランからやる気を出す方法を教えてもらった。
それは、新技を開発する事!!!!!
そうだよ………なんで、気がつかなかったんだろうか!!大魔王ゾーマを倒した事で、その発想が思い浮かびづらくなっていたが………しんりゅう様に色々試す事ができるじゃないか!!!
しかも、攻撃魔法だけじゃない。これから、平和な世の中には生活に使えるような魔法も必要だ!!
魔法はイメージ!!やってやるぞ!!!
ゾーディの状態で、ラーの鏡を使ったとしても大魔王ゾーマの姿には戻りませんし、鏡にはゾーディとしての姿が映ります。存在を根本から書き換えてしまっているので、ゾーディの姿が真実の姿として反映されます。
ネドラが無気力状態から、なんとか回復しました。メタランから提案されて、新技の開発をやるようです。ネドラのやる気がかなり上がりました。
………実は、透明文字を一ヶ所忍ばせました。ヒントは、ネドラとアン、不自然な空白です。興味があったら、探して見てください。……あくまでも、わたくしの自己満足です。