ただのんびり生きていたかった人生…半人生?   作:フリスリンク

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一気に時間が飛びます。ダラダラ書いても良いんですが、あくまでも自己満足の物なので…………ご了承下さい。


次回が最終回です。番外編は………気が向いたらですかねぇ。


第59話 勇者アルス16歳

 

 

 

~~勇者アルス視点~~

 

 

 

僕は勇者オルテガの子ども、アルス。………お父さんに勇者ってつけると、お父さんが苦笑いするんだよな……なんでだろう?

 

 

いつも通り朝起きて、お母さんの手伝いをして、お爺ちゃんと散歩をして、お父さん達と稽古をして………自慢じゃないけど、かなり充実した毎日を送っている。

 

 

昔は、悪い魔物が多くて大変だったらしい。お父さんが魔王バラモスという、巨悪を倒して平和になったそうだけど……お父さんの旅の話を聞いているうちに、僕も旅がしたくなった。

 

 

お父さんみたいに、世界を平和にするなんていう立派な目標はない。ただ、お父さんが見てきた景色を見てみたい………話を聞いているうちにそう思ったんだ。

 

 

でも、平和になったからと言っても、まだ悪い魔物は残っているらしい。もっと実力をつけないといけない。お父さんとまともに戦えるようにならないと難しいって言われたけど………平和なのに過酷なのかとも思う。………一人旅なら、平和でも大変か。自分で、いろんな事をやらなきゃいけないし。………昔はなかったらしいけど、ルイーダさんの酒場で、旅に同行してくれる人を探せるし……さすがに一人旅はハードルが高い。

 

 

 

旅がしたいと家族に伝えてから、僕の師匠たちが本格的に修行をつけてくれるようになった。

 

 

 

 

ずっと昔から………それこそ、赤ちゃんの時から僕の世話をしてくれているメタルスライムがいる。メタブレイブという名前のメタルスライムだ。僕の師匠のうちの一人……一匹だ。

 

 

さすが、師匠だけあってとんでもなく強い。アリアハンの近くにいるスライムの色違いなのに………なんで、こんなに強いんだろう?

 

「メタブレイブさんって、なんでそんなに強いの?どんな修行をしたら、そんなに強くなれるの?」

メタブレイブ「うーん……強くなる方法かー……地道に努力をする事かな!強くなる事に近道はないからね……そんな簡単な方法があったら、みんながやっているし。あと、僕だって最初から教える立場になれるくらい、強かったわけじゃないからね?」

「え!?そうなの!!??だ、だってすごく強いじゃないか!?魔法だってすごいし、持ってる剣だって見えないぐらい速い時があるし!!」

 

 

メタブレイブさんの弱いところなんて想像がつかないんだけど!?昔はどんな魔境だったんだ!?

 

メタブレイブ「アハハ!!アルスからしたら信じられないのも無理はないよ。……昔は、僕たちメタルスライムは全員弱かったんだ。それこそ、いろんな旅人や魔物に狙われるくらいにね?」

「そ、そうなんだ………魔物にも!?魔王がいた時なんでしょ!?なんで、仲間にまで襲われるの!?」

メタブレイブ「メタルスライムの仲間は、メタルスライムだけだったんだよ。弱肉強食ってヤツさ。弱い魔物は、強い魔物に蹂躙されるだけ………」

「で、でも今は世界中にいるんだよね?ルイーダさんの酒場に来ている、旅人さんから聞いた事があるし………というか、僕がテドンとレイアムランドに連れて行ってもらった時に、たくさんメタルスライム達がいたじゃないか!?」

メタブレイブ「メタルスライムのリーダーであるメタランと、話し合いに応じてくれたネドラとサランのおかげだよ。それがなかったら………メタルスライムの住む安全な場所はなかったし、僕たちメタルスライムが強くなる事もできなかったと思う。」

 

 

ネドラさんとサランさんが受け入れたから………今のメタルスライム達は強くなったのか。………そう考えると、余計にネドラさん達に頭が上がらないな………貴重なたねを今でもたくさんくれるし、稽古をつけてくれるし、お父さんの旅を助けたらしいし…………ネドラさんもいろんな事をしているんだなぁ。

 

「………なんで、メタブレイブさんもネドラさんも僕の修行に付き合ってくれるの?お父さんは、ネドラさん達と友達だから分かるけど………友達の子どもにまで、普通気にかける?」

メタブレイブ「僕の答えは単純だよ!!赤ちゃんの時から知っている、アルスが大事だからだよ!!それに、君は努力をちゃんとする良い子だし、強くなりたいと望んでくれてる。僕も弟子をとってみたかったしさ?ネドラもそう思ってるはずだよ?………たぶん、弟子の事は考えてないだろうけどね。」

「………そっか、ありがとう。僕、頑張るよ!!」

 

 

そうか、僕が赤ちゃんの頃から………お父さんが言うには、僕が生まれる前からネドラさんと友達だったらしいし、家族ぐるみの付き合いなんだ。赤の他人じゃないんだ!!

 

………なんだか、変な事を聞いちゃったな。メタブレイブさんもネドラさんも師匠。それで良いじゃないか!!

 

 

 

 

 

 

もう一人の師匠であるネドラさんは、僕にサバイバルの知識を教えてくれる。………みんなから見たら、小さい子どもに教えられているような感じなんだよな……こう見えて、34歳とか頭がおかしくなる。人と魔物のハーフって、これが普通なんだろうか?

 

 

ネドラさんは、修行にも付き合ってくれる。だけど……………

 

ネドラ「たねを食べて、修行をすればもっと強くなれるぞ!!」

「………それは分かってるけど、こんなたくさん食べないとダメなんですか…………?」

 

 

 

 

 

ドーーーン!!!

 

 

 

いくらなんでも、多すぎだよ!?食べきれないよ!?ネドラさんが平然と出すって事は、いつもこんなに食べてるって事!?

 

ネドラ「………まぁ、食べられる分だけで良いよ?正直、魔物を食べた方がたねを食べるよりも強くなれるし、お腹を満たせるからね。旅にも魔物食の方が適してるし。」

「魔物食はなぁ………確かに、旅の最中に食料を持つのは大変だから、基本現地調達になるんでしょうけど………魔物かー……」

ネドラ「気持ちは分かる!!凄く分かる!!俺も、母さんに無理やり食べさせられる環境じゃなかったら、今でも慣れてなかったと思うから!!」

「………毎回、サランさん……アグレッシブ過ぎませんか?」

ネドラ「………否定はしないよ。まぁ、魔物の感性だからね。人の考え方に当てはめない方が良いよ?」

 

 

ネドラさんはよく耐えられたよなぁ………いくら、人と魔物のハーフだとしても、ネドラさんの感性は人間っぽい。片方の親が魔物だと、大変そうだな。まぁ、その環境になったら合わせないとやっていけないんだろうけど…………

 

ネドラ「そういえば、生活魔法の調子はどう?上手くいってる?」

「なんとかできてますよ?洗い物とかもすぐに終わるので、旅に出たらすごく便利ですね!!」

ネドラ「それは良かった!!使いやすいように、改良を重ねた甲斐があるよ!!……じゃあ、次は水の魔法……ザバかな?」

「お願いします!!」

 

 

ネドラさんから教えてもらった、ザバ系統の魔法……普通に飲み水にできるらしい。威力を高めれば攻撃魔法だけど、これって生活魔法じゃないの?ネドラさんいわく、最初から攻撃方法として開発されたから攻撃魔法らしい。ようは使い方か。

 

僕が使える雷の魔法……デイン系は珍しいみたいだ。ネドラさんもできないらしい。勇者が使える魔法らしいけど………お父さんが使っているところを見ているから、納得できる。でも、僕は勇者じゃないと思うんだけど………お父さんの子どもだから?

 

 

ネドラ「魔法は、組み合わせて使う事も考えた方が良いぞ?例えば、さっき教えたザバを撒き散らして、デインで感電させやすくしたり、ザバをぶつけてヒャド系で凍らせやすくしたり………」

 

 

………なかなか怖い考え方をしている。強い人は、みんな考えている事なんだろうか?というか、デイン系を使えないんだよね?ネドラさんは。なんで、すぐにそういう発想が出てくるの!?

 

「ネドラさん以外も、強い人はそういう事を考えてるんですか?」

ネドラ「………それは、分からないなぁ。俺はたぶん、生活魔法を開発する時の癖がついてるんだと思う。戦いに便利だったら、それはそれで問題ないし。でも、相手も考えているかもしれないっていう警戒は必要かもね。悪い魔物だけじゃなくて、山賊もいるから………」

「確かに………油断できませんね。」

ネドラ「まぁ、そういう風に考えるヤツ……俺がいるんだ。いてもおかしくないよ?……さて、稽古をするか!!ちゃんと、メタスラシリーズの装備をしてくれよ?」

 

 

ネドラさんとの稽古………!!今、そういう話をしたばっかりだ。やってくるに違いない!!

 

 

稽古の準備は整った。よし!!!

 

「いきますよ!!ネドラさん!!」

ネドラ「全力でこい!!」

 

 

 

ガキイィィィン!!!!!

 

 

 

剣と剣のぶつかり合い……当然、魔法だってアリだ。

 

予想通りにザバを応用した攻撃をしてきたけど………僕のデインを利用するなんて!!??ギガデインも利用されちゃったよ!!??

 

 

結局、今日もネドラさんに攻撃を当てられなかった。当てたと思っても、魔法壁で防御されている。なんなら、魔法壁に剣がめり込んで抜こうとしたところに、属性剣と属性銃に狙われた。………あんなのをどうやって防げばいいんだ?

 

 

メタブレイブさんもネドラさんも、僕に考えさせてからやり方を教えてくれる。今日も考えないとな!!無難な方法だと、こっちも魔法壁で防いでから…………………

 

 

 

……………………………………

 

 

 

~~オルテガ視点~~

 

 

 

 

アリアハン……勇者の家………

 

 

 

レーベ周りの気性の荒い魔物退治が済んで、家に戻った。昔のようには、もう体を動かせんな……老いというものはどうにもならんが、まだ俺にできる事はある。マリアや親父には心配をかけてしまっているが………旅をしていない今は、こうして家に帰っているからな。どうか、大目に見て欲しい。

 

 

 

………そろそろ、アルス達が帰ってくる頃か。

 

 

 

アルス「ただいまー……」

マリア「お帰りなさい。アルス……今日も疲れているみたいね?」

ネドラ「すみません、マリアさん……俺がちょっと負けそうだったので、力加減を間違えてしまったんです。」

「ほう?アルスは、ネドラに力を出させるぐらいに強くなったか!!」

アルス「………こういう時のネドラさんの言葉は、当てにならないよ?お父さん。」

ネドラ「酷い言われようだな……本当の事なんだけどなぁ。……じゃあ、俺はテドンに帰ります!」

マリア「いつもありがとね!!気をつけてね?」

「まぁ、ルーラがあるからすぐに帰れると思うが……体調を崩さないようにな!」

ネドラ「オルテガさん?子ども扱いしてます?」

「そんな事はないぞ?少し過敏じゃないか?」

ネドラ「……まぁ、そういう事にしておきますよ。では、失礼しました!!お爺さんにもよろしくと伝えてください!!」

 

 

ネドラはルーラを唱えて、空へ飛んでいった。ルーラが使えて羨ましいものだ。あれから、一向にルーラの魔法が使えなかったからな………ルーラの球があるから、問題はないが。息子であるアルスは、ルーラを覚えている。………なぜだ?

 

アルス「………行っちゃったね。」

マリア「あら?もっといてほしかったの?ネドラさんに頼めば、泊まってくれると思うけど……」

アルス「そうかなぁ?奥さんがどうのこうの言ってたから、無理だと思うんだけど………アンさん、かなりネドラさんにくっついてるところを見るからさ……」

「確か、嫉妬深いとか独占欲が強いと聞いたな。テドンでも、何回かはその光景を見ているが………大丈夫だろう。」

 

 

確証はないが………事前に話せば、要求は通るはずだ。そこまで、アンが束縛していない事を祈るしかないな。

 

アルス「ネドラさんとよく喋るけどさ、どうしても勉強とか修行がメインになっちゃうから、ネドラさんの過去をあまり聞いた事がないんだよね………お父さんとお母さんは知ってる?ネドラさんの過去の事。」

マリア「うーん……ネドラさんの過去ねぇ。詳しくは聞いた事ないわね………メタブレイブさんから、修行をしているとか、魔法を開発しているとかなら聞いた事があるけど。あなたはどう?」

「………まぁ、断片的には知っているが……どれも凄く内容の濃い話でな。」

アルス「断片的なのに内容が濃いの!?……ネドラさん、あの見た目で何をしてきたんだ?」

マリア「ダメよ?見た目は関係ないわ!ネドラさんも気にしているんだから………ルイーダちゃんに子ども扱いされてた時は、どうしたら良いのか分からなかったわね……」

アルス「ルイーダさんよりネドラさんって、歳上だよね?………ルイーダさんの方が失礼な事をしてたのか。」

「まぁ、それもルイーダが子どもの時の話だ。」

 

 

後から知った、龍人化が町のなかでも使えたら良かったんだが………事情を知らない者からすれば、驚かせてしまうからな。人と魔物の子どもは育ちにくいのだろうか?おそらく、サランの生きた年数を考えれば、ネドラも長生きするとは思うが………

 

「うーむ……ネドラに話して良いかどうか、聞けば良かったな………そういえば、アルス?魔物食についてはネドラから聞いたか?」

アルス「聞いたよ?たねを食べるよりも強くなれるし、お腹も満たせるとか………それがどうかしたの?」

「以前、テドンに連れていった事があっただろう?あの時に出された食事は、全部魔物の素材を使っているんだ。」

アルス「そうなの!!??初めて知ったんだけど!?」

マリア「あの時は、私もビックリしたわね……しかも、美味しかったから余計に………」

 

 

魔物を食べる発想はなかったからな………ディアンもネドラも、サランから仕込まれたようだしな………サランがいなければ、こういう事も知らなかったわけだ。

 

「まぁ、ネドラに関するエピソードは本人から許可を取ろう。俺たちが知らない事はまだまだあるぞ?」

アルス「すごく聞きたい!!お爺ちゃんにも聞かせようよ!!」

マリア「お義父さんには、ちょっと刺激が強いんじゃないかしら……?アルス達が一回聞いてから判断しましょう?」

「まぁ、まずは許可を取るところからだ。焦らずとも、ネドラはまた来てくれる。」

アルス「それもそうだね!」

 

 

 

こうして、平和に家族と過ごせるとは思わなかったな……戦いに明け暮れたあの旅をしていた時では、考えられない程だ。ネドラと関わってから……俺にとって、全てが良い方向へいった気がするのは気のせいだろうか?

 

 

俺たち家族を見るネドラの……あの優しい目は……何を映していたのだろうか?まるで、本来ならば見られない光景を見ているかのような…………いや、考えすぎだろう。

 

 

魔王バラモス討伐の手柄を押し付けられた事は……今でも多少思うところがあるが、ネドラは神々のつかいにも信用されるぐらいの良い者だ。それは間違いない。

 

 

今の俺は、家族と共に生活をしているオルテガだ。旅をしていたオルテガは、もういない。

 

 

ゆっくりと、人生を楽しもうではないか。

 

 

 

 




勇者アルスの成長でした。アルスは、全てではありませんがオルテガ、メタブレイブ、ネドラとの修行によって、かなり技を覚えています。レベルは70相当です。たねによるドーピングもあって、ゲームだったらとっくにステータスがカンストしています。


勇者アルスの身長は175cmくらいです。……15年経ってもネドラの身長は…………まぁ、龍人化があるので。

ネドラの開発した全ての技(生活魔法を含む)が、かなり改善され、より良いものになっています。



次回、最終回です。

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