ただのんびり生きていたかった人生…半人生? 作:フリスリンク
竜の女王の人化の見た目は、まんまドラクエウォークの竜の女王だと思ってください。
~~スピレ視点~~
「お父様?なんで俺………じゃなかった、私は戦闘経験を積まなければならないのですか?この城に攻め込んでくる者はいないはずですが……」
ハーゴン「備えあれば憂いなしですよ?いずれ、スピレは竜の女王様の後を継ぐのですから、心身共に鍛えていかなければなりません。……以前のように、悪しき者が来ないとは言い切れませんからね……」
「そうだとしても、ここ最近はずっとお父様との稽古じゃないですか!?勉強もしたいですし、本も読みたい!!……です。」
ハーゴン「……うーむ。しかし私たちが教えられる事は、全部できるようになりましたからね……あとは、実戦あるのみなのですが……」
俺、スピレは勉強が好きだ。本を読む事も好きだ。たまに来てくれる、ネドラさん達から話を聞く事が好きだ!!……戦いは嫌いだ。
そもそも、俺が戦わなくちゃいけない事なんてあるんだろうか?この世界を見守るお母様だって、戦った事はほとんどないらしいし……今は、昔と違って平和らしいし。
「……どうしても、私が戦わないと駄目なんですか?確かに、お母様を守らないといけない事は分かりますが……魔法壁だったり、強い魔法陣の結界で守るだけではいけないんですか?」
ハーゴン「それで問題が解決できるなら良いのですが……それだけで解決できない事もあります。戦う術を持っている方が、解決策の幅が広がりますし、何よりスピレ……あなたのためになります。」
「私のため…………」
ハーゴン「……まぁ、実感は湧きにくいですかね?さて、そろそろ竜の女王様の所へ行きましょうか。魔法陣の調節もしなくてはなりませんからね。」
………戦いが必要になる事なんて、なければ良いのに。平和な時に生まれた事は……運が良かったけど、これからどうなるか……想像したくない。話で聞いた事がある、テドンやレイアムランドにいる強い奴らに任せれば良くないか?……ネドラさん達には言えないけど……
お父様と一緒にお母様の所へ向かった。
…………………
俺とお父様は、竜の状態であるお母様の容態を確認する。その後、お母様に使われている魔法陣や台座の出力の調節を行う。……うん!!今日も大丈夫だ!!
一人でもできるけど、お父様はお母様絡みになるとうるさくなるからな……
竜の女王「いつもありがとうございます、ハーゴン。スピレもありがとう。あなた達のおかげで、さらに光の力を強化できそうです。」
ハーゴン「お褒めに預かり、光栄です!!」
「俺……じゃなくて、私もお役に立てて光栄です。」
竜の女王「ハーゴンもスピレも口調を崩して良いですよ?家族相手に気を張る必要はありません。」
「分かったよ!!お母様!!」
ハーゴン「スピレ?落ち着きなさい。まぁ、気持ちは分かりますが…………その口調で話せるスピレが羨ましいですね。」
竜の女王「ハーゴンも、スピレと同じように話しても良いのですよ?私はあなたの妻なのですから。」
ハーゴン「………………難しいのです。どうしても、私の中で強い葛藤が……………嬉しいのですが、どうしても口調が崩せず………申し訳ございません。」
お父様は、ずっとお母様に敬語を使い続ける。お母様の方が偉いし、お父様は神官長だから敬語以外は難しいのかな?俺が生まれる前から、こんな感じだったらしいし。
「お母様!!いつもの人化やってよ!!」
竜の女王「良いですよ?今は魔法陣の調節をしてもらったばかりですから、分身で我慢してくださいね?」
「うん!!」
お母様は、人化した自分の分身を光の力で作った。光の力が強くなってからできるようになったらしく、意識は共有されているらしい。
俺は、人化しているお母様の分身に飛びついて頭を撫でてもらった。抱っこもしてくれた。
ハーゴン「あ!?乱暴に扱ってはダメですよ!!いくら、分身とはいえ………」
竜の女王「良いではありませんか。我が子だって、甘えたくなる時はありますし……分身でも丈夫ですから、安心してください。………そろそろ、ハーゴンも慣れてほしいのですが。」
ハーゴン「申し訳ございません!!……しかし、どうも慣れないものでして。神聖なる女王様の夫になれただけでも、頭が嬉しさで破裂しそうだったのです……どうか、ご容赦を。」
竜の女王「そんなに私を神聖視しなくても……さすがに、これ以上このままでは…………これは、荒療治が必要ですかね?」
「ん?荒療治?何をするの?」
竜の女王「それは、こうするのです!」
お母様は俺を抱っこしている人化したお母様の分身を、もう一人作り出した。そして、新しいお母様の分身はお父様に向かっていく。
ハーゴン「じょ、女王様!?いったいなにを!?」
竜の女王「私と共に子作りをしたのにも関わらず、まだ妻である私に慣れていませんからねぇ……強引な手段を取るだけですよ?」
ハーゴン「な、なななな!!??」
「お母様に抱きつかれて嬉しくないの?お父様。」
ハーゴン「いや、え、その!?わ、私は……」
竜の女王「ハーゴン?今日こそは、妻である私に慣れてもらいますからね?」
お父様は……すごく動揺しているし、顔が真っ赤だ。夫婦なのに、恥ずかしいのかな?
ボン!!!!!!!
あ、お父様が倒れちゃった。………抱きつかれただけで?
「お母様?お父様が顔を真っ赤にしたまま、倒れちゃったけど………」
竜の女王「………ここまで耐性がないとは……このまま続行しましょうかね?慣れてもらわなければ困ります。」
お父様はすぐに起き上がったり、倒れたりを繰り返していた。お母様は、なんだか考えているみたいだ。「もっと過激な事をしないといけないのでしょうか?そうすれば、今の抱きしめる行為も慣れてくれます……よね?」……小声でお母様が何か言っているけど……何を考えているんだろう?
とりあえず、お父様の弱点はお母様……これは変わらないらしい。
戦闘訓練も終わったので、お母様と一緒に本を読んだり、たくさん勉強をした。
………………………………………………………
この城に住んでいるエルフやドワーフ、動物たちはみんな良い人?たちだ。いろんな事を教えてくれるし、遊んでくれるから退屈しない。
だけど、欲を言えばこの城の外……世界を見て回りたい。お母様が教えてくれたこの世界全体の見渡しじゃなくて、直接俺が行って見てみたい。
能力で世界を見渡しても、実感が湧かないし……つまらない。
外に行きたいと言っても、お父様はあまり良い顔はしない。お父様は俺を心配し過ぎだ。お母様は、誰か頼れる人たちと一緒なら良いと言ってくれているけど………お父様に頼んでも、お母様の魔法陣の調節で忙しいから、滅多に城から出られないらしい。他のみんなも、お母様を守るためにいなくちゃいけないらしい………
「そういう事なので、俺……じゃなかった、私を外に連れ出してくれませんか?ネドラ様!!アン様!!」
ネドラ「別に俺たちの前だったら、口調を正さなくても良いよ?……スピレを外に……か。ハーゴンさんと竜の女王様に聞かないとな。」
アン「私たちの判断じゃあ……難しいよね。私はスピレのお願いを叶えてあげたいけど……」
たまにここに来てくれる、ネドラさんとアンさんに話をした。今日も目的は、お母様の安否確認だったみたいだ。その用事を済ませた後に話しかけた。……また、大量のひかりのたまを持っているよ……お母様、ひかりのたまをあげるのが好きなのかな?
お父様が言うには、ネドラさんはお母様の大恩人らしい。なんでも、ネドラさんの知識や治療薬のおかげで、お母様が死なずに済んでいるとか。……俺にとっても、外の話をしてくれるから恩人だ!!
「どうしてもダメですか………?」
ネドラ「俺としてはダメじゃないよ?大歓迎なんだけど……ハーゴンさんの過保護っぷりを見てるとね……」
アン「たぶん、ハーゴンさんは外にいるいろんな人を警戒してるんじゃないかな?スピレに何かあったらって……スピレの事を想っているから、心配してくれてるんだと思うわよ?」
「それはなんとなく分かりますが……納得がいかないんですよ!!外に行きたいんです!!」
ネドラ「うーん……………だったら、レイアムランドはどうかな?あそこなら、旅人も観光客も来ないし。」
アン「!!確かに!!知っている子たちしかいないから、安全だわ!!………雪が降ってるから寒いけど……」
レイアムランドって……お父様の魔法陣開発に役に立った場所だよね?ネドラさんが言うには、不死鳥ラーミアの祭壇があるっていう………一年中、雪が降っている雪原地帯だよね?
ネドラさんは、「ハーゴンさんと竜の女王様に話してくる」と言って、また城の奥へ行ってしまった。
「……レイアムランド……興味はありますけど、俺……行けますかね?」
アン「たぶん、問題はないはずよ?悪い魔物も人もいないから安全だし……そもそも、人が来ないから大丈夫よ!」
「いろんな人にも会って見たいですけど……贅沢を言い過ぎても、みんなを困らせちゃいますよね……」
アン「うーん……まぁ、さすがに全部を同時に叶えるのは難しいかなぁ。一つ一つ、焦らずに!だよ?」
「……そうですね。俺のために行動してくれてるわけですし、これ以上望むのは悪いですね。」
アン「望む事自体は良い事なんだけど……スピレの立場って、ネドラが言うにはすごく大事なポジションなんだって。だから、何事も慎重にやらないといけないんだってさ。」
大事なポジション?俺の立場?……お母様の子どもだからか?そんなに特別な事なのかな?
「………慎重過ぎるのも良くないと思います。」
アン「あはは……きっと、大人になれば緩くなると思うわ!……それにしても、ハーゴンさんが竜の女王様以外でここまで過保護になるとは思わなかったわ。やっぱり、子煩悩なのかもね!!」
「昔のお父様は、今のお父様と性格というか……何か違ったんですか?」
アン「私から見た感想だけど、竜の女王様の存在がハーゴンさんにとって生きる目的って感じだったわ!他の人たちにも優しかったけど、竜の女王様に関係する事だとすぐに飛びついてきてたわね……忠誠心というか、とにかくすごかったわよ?」
「そうだったんですか……今でも忠誠心はすごいと思います。お母様には敬語ですし、タジタジですし。」
アン「た、タジタジ?」
お父様は夫婦なのに、お母様からのハグだけで顔を赤くして倒れちゃうからなぁ……
アン「ん?あ!ネドラの気配!!」
ネドラ「おーい!二人ともお待たせ!!」
「ネドラ様!!どうでしたか!?」
ネドラ「レイアムランドだけなら、大丈夫だってさ!!だけど、スピレの準備をしたいからハーゴンさんの所に来てほしいって言ってたよ?」
「そうなんですか!?やったああぁぁぁ!!!」
アン「良かったわね!!スピレ!!」
初めての城の周り以外の外だ!!ようやく行けるんだ!!そうと決まれば、さっそくお父様の所に行こう!!
……………………………………………………………
お父様とレイアムランドへの外出準備(なんだか武器とか、食料とか回復薬とか……いろんな物をふくろに入れられた)をして、お母様たちに「いってきます!!」と言って、ネドラさんのルーラでレイアムランドに連れていってもらった。3泊4日……楽しむぞーーー!!!
レイアムランドは、雪がずっと降っていてとても新鮮だった。やっぱり、遠隔で世界を見渡すとはわけが違う!!この場所の空気も感じられるし、気温も感じられる!!
ここで知り合った、ベロニカさんとセーニャさん、それとメタンガさんとベルクさんと、とんでもない数のメタルスライム達と遊んだ!!
ベロニカさんと雪だるまを作ったり、ベルクさんに鍛治の事を教えてもらったり、メタンガさん率いるメタルスライム軍団と雪合戦をしたり、セーニャさんに植物の事を教えてもらったり…………すごく楽しかった!!!!!
何もかもが、新しかった!!俺が住んでいる城にはない事がたくさんあって………他の場所にも、楽しい事があるんだろうなぁ!!
気になるーーー!!!!!
いろんな施設や、ラーミアの祭壇も見た!!祭壇の中心に立つと光の力が貰えるらしい……ネドラさん達から聞いていた事を実際にやれる日が来るなんて!!!
祭壇の中心に立つと、すごく強くなった感じがした(祭壇の中心に立っている間、俺の体は眩しく光っていた)。………痛みが来るまで立ち続けようとしたけど、30分くらい経っても痛みが来なかった。途中から、ネドラさんのホーリーパサー?で光の力を痛くなるまで貰った。
……ネドラさんが何故か疲れていたけど、なんでだろう?ホーリーパサー?って疲れるんだろうか?周りのみんなも驚いていたなぁ。
……………………………………
………楽しい時間はあっという間に過ぎていった。もう、3泊4日の滞在が終わってしまった………お父様との戦闘訓練の時は、あんなに長く感じたのに………不公平だ!!!
でも、わがままを言うわけにはいかない。レイアムランドのみんなに別れを告げて、ネドラさんのルーラで城に帰った。
城のみんなが出迎えてくれた。お父様は泣きながら、「無事で良かったです!!スピレ!!」と大げさに抱きしめてきた。………やっぱり、過保護だ。でも、心配してくれる事は嬉しい。………ただいま。
お母様にも「ただいま!!」と言った。お母様は、俺の事を遠隔で見ていたらしく、「楽しめたようでなによりです。」と言ってくれた。………レイアムランドであった出来事を話したかったのに、全部バレてるの?
まぁ、言いたいから言うんだけどね!!俺はこういう楽しい事をしてきたんだってね!!!
また行きたいなぁー……今度はレイアムランドだけじゃなくて、テドンにも行きたいなぁ!!
…………まずは、お父様に説得しないとか。
大変だああぁぁ……………
表と内心で口調が違うスピレ。表でもブレる時がありますが……子どもですが、精神的にはかなり成長しているようです。ハーゴンと竜の女王の教育の賜物ですね。
スピレは少なくとも、バラモスを余裕で倒せるくらいの技術と実力がありますが、戦い自体が嫌いなので本領発揮ができません。性格は後方支援向きですね。
ネドラの光の力をホーリーパサーで、大量に受け取れるぐらいに光の力の適正は高いです。(それでネドラは疲れていました。ちゃんと自然回復します。)
過保護なハーゴンを説得できるかどうか……スピレとネドラ達次第ですね。