ツバサ
「なんだか緊張するな、こういう場所は」
この日、ツバサは時空管理局地上本部へとやってきていた。それというのもフェイト
から手伝ってほしい事があるという連絡を受けた。
フェイト
「あっ、ツバサ。おはよう、ごめんね、急に呼びつけちゃって」
ツバサ
「いや、問題ない。今日は全体練習でも蹴り始めで軽くの調整だったからね」
フェイトの案内で機動六課隊舎と書かれている建物に案内されて中に入ると数人の管理
局員が働いていて建物の雰囲気を見てふと思った。
ツバサ
「最近まで使ってなかったのか?随分と古びた感じがするけど」
フェイト
「JS事件って知ってる?あの時、結成された機動六課にいた頃に使ってそれ以来は空
隊舎になってたから・・・今回は事件解決のために再結成されたの」
ツバサ
「事件?」
フェイト
「ここだよ、入って、ツバサ」
言われて中に入ってみるとすでに何人かの局員が集まっており、奥のディスクには茶髪
でショートヘアーの蒼い局員服姿の女性が座っていてこちらに気づいて立ち上がる。
???
「まっとったよ~、ツバサ・ハヤカゼさん。いや、仮面ライダーストライカーって言う
た方がええかな?」
ツバサ
「一応、フェイト達には口止めしておいたのを破ったのを見るとそうせざるえない事件
って事かな?それにこんなところに一般人の俺を呼び出すのも妙だよな」
???
「察しが良くて助かるよ~。あなたに来てもらったのは、なのはちゃん、フェイトちゃ
んの2人から今回現れた未確認生命体に対抗できる力を持つのは今現在だとストライ
カーシステムを搭載した君の力だけみたいやね?」
ツバサ
「まぁ、そうみたいだね。んで?今までルフィアンが何度も出てきて動いていなかった
のはさすがに見過ごせないような事態が起きた・・・と見ていいのかな」
???
「これを見てもらってええかな?」
そう言ってつけられたモニターには倒れている管理局員と中央に立っている1体のルフ
ィアンが立っていたがその姿は今までのとは違っていた。
基本的に今まであったルフィアンは本当に生物的なモノだったのだがそこに映っていた
ルフィアンは機械的なアーマーのような部分と生物的な部分が混ざった形態を取ってお
り、その姿にはツバサは覚えがあった。
ツバサ
「こいつは、ハイポクシー杯で一度、俺を妨害してきた奴に似ている」
???
「この1体に手練れの魔導士小隊が全滅させられたんや。しかもこのあたりの海域を巡
回中に突如として現れて全員を撃墜したものの命は取られへんかった」
なのは
「何というか見せつけるようなやり方だった。この映像を取っていた子も存在がばれて
いたのに襲われる事もなくてわざわざ姿を見せさせて姿を消したの」
だがここで思ったのはルフィアンから感じた違和感。
ツバサ
「何というか・・・強い闘争本能を感じない。どちらかといえば・・・冷酷か?」
今まで戦ってきたルフィアンは必ず何か自分の中に何かに対する闘争心というか攻撃性
を強く持っていて荒々しさを常に纏っているような感覚があった。
ツバサ
「どちらかと言えば命令通りにただ遂行しているような機械的な気がする」
???
「この間の騒動も含めて新たな脅威がこの世界に生まれていると判断して今回、もう一
度、この機動六課を再招集したんやけどこの怪物達に対抗しうる戦力として仮面ライ
ダーとその開発者でもある博士にもご同行願ったいうわけや」
ツバサ
「博士も?・・・大体、研究施設を貸し出すとでも言ったのか?」
フェイト
「よくわかったね」
ツバサ
「まぁ・・・付き合い長いしな。博士とは」
自分自身もあの新型のルフィアンに関しては気になる部分もあるし、ほっておけない
ところもあるので目の前の女性に何か策士的な匂いを感じながらも乗る事にした。
ツバサ
「分かった、六課に協力しよう。でも最近、俺につけてる監視はやめさせてくれない
か?エースのお陰で存在がまるわかりで逆に気持ちが悪い」
エース
「モウスコシ ウマクカクレルコトヲ カレラニハ アドバイスシテオコウ」
???
「機械系統にもジャミングが掛かるようにしとったんやけど中々にやるものやね、君
の相棒も。分かった、監視は解かせてもらう」
ツバサ
「というより自己紹介もまだなんだが?御宅の名前は?」
はやて
「わたしは時空管理局地上本部所属、そして本日付で機動六課部隊長に任命された
『八神 はやて』、これからよろしくなぁ~、ツバサ君、エース」
博士
「いや~、なんてEXCELLENTな研究設備なのかしら♪これならワタチシの研究も
捗るというものだわ!あぁ~、わたし好みにelegantな施設にしないと♪」
ツバサ
「はぁ・・・楽しそうで何よりだよ」
ヴィヴィオ
「ははっ・・・・(汗。」
その後、ヴィヴィオも遊びにやってきて2人で博士の研究施設を見学しに来ていた。
前の研究施設は博士の手作りでかなり古びた感じだったがさすがに管理局が手配した施
設や備品関係なだけにかなり大がかりな部屋になっていた。
博士
「それにしても以外だったわね。あなたが公安組織に手を貸すなんて。幼少時代の酷い
束縛警備のせいで毛嫌いしてたでしょ」
ツバサ
「今でも嫌いと言えば嫌いだけど少なくともなのはやフェイト、それにあのはやてって
人も悪い人じゃないし・・・信用してもいいと思える。あの新型のルフィアンも恐ら
くは脅威になるし、早いうちに倒しておかないと・・あとは」
そういって自分の胡坐の中に座って自分を見上げてくるヴィヴィオを見て思った。
ツバサ
「唯のサッカー選手じゃなくなったしね。俺なりに護らないといけないものが出来たか
ら・・・全てとは言わないけどそれぐらいは護るさ、仮面ライダーとして」
博士
「そう・・・。ならあなたには渡しておくべきものがあるわ」
引き出しから何かを取り出した博士がツバサに手渡してきた。それは「10」の数字が
描かれたナンバーカードで炎をモチーフにしたバック絵のカードだった。
ツバサ
「ナンバー10・・・ファンタジスタ・・・・?」
博士
「ファンタジスタとは閃きと創造性で観客を魅了し、全てを惹き寄せる最高の選手に贈
られる言葉・・・ツバサ、昨季のFCカルナログでのプレーを覚えているかしら?」
ヴィヴィオ
「あっ、わたしの大好きな試合です!ツバサさんが1人で6人抜きして逆転ゴールを決
めて年間ベストゴールにも入ったスーパープレイですよね♪」
博士
「そのとぉーーり!だけどあのプレーの神髄はそこではないわ、あの時、あなた何度も
周りの味方を視線で見ながらパスコースを探しつつ相手を自分に引き込んでいたわね?」
ツバサ
「あの時はボールもなかなか回ってこなかったし残り時間もあれば攻めるチャンスはこ
こしかないって思ったら体が動いてて自分が攻撃のスイッチを入れるって思ったな」
それまでのウイングスは劣勢な上に体力的にもきつくなってきていて攻める姿勢が消え
ていたのだが彼の前への推進力はウイングスに攻撃を復活させて攻撃陣の速効性のある
上がりが相手をかく乱してそれに乗じたツバサの突破がゴールを生んだ。
だがあくまでマークのきつくなるであろう自分は囮となり、引きつけたうえで仲間への
ラストパスを狙っていたのだがその視線の動きが逆に相手に迷いを生んで彼自身が攻め
込むチャンスが出来、語られるまでになる『6人抜きゴール』が完成したのだ。
博士
「そのプレーは味方サポーターだけではなく、敵サポーターですらスタンディングオベ
ーションで称えた・・・!このカードはそんな時に生み出し、そしてついに完成した
ナンバーカード・・・ツバサ!」
そういってツバサの手を包み込むように握ると笑みを浮かべていった。
博士
「あなたは機動六課のファンタジスタにおなりなさい。あなたのプレーで常に彼女達を
勇気づけ、鼓舞し、夢や希望を与えられる真のストライカーに。わたしがこのカード
をあなたに渡すのはそうなって欲しいと今、より想ったからよ」
ツバサ
「ファンタジスタ・・・か。俺より戦闘のプロばっかなのに俺にどうこう出来るとも思
えないが・・・お前はどう思う、ヴィヴィオ?」
ヴィヴィオを見て言うとやはりと言うかいつも通りにヴィヴィオは笑みを浮かべた。
ヴィヴィオ
「絶対になれます、ツバサさんは、仮面ライダーは絶対に負けないヒーローだからそ
んな仮面ライダーならみんなの夢も希望も護れる頼れるファンタジスタになれます!」
ツバサ
「その心は?」
ヴィヴィオ
「う~んと、え~っと・・・わたしはツバサさんとストライカーの友達で一番のサポ
ーターですから!だから自信を持って応援します!してみせます!」
こうもはっきりと自信満々に言われてしまうと何も言えない。だがここまで自分を鼓
舞してくれる存在というのはとても大きい。
何だかんだでヴィヴィオのおかげで踏み出せた事もある、何とも不思議な子だった。
ツバサ
「ありがとな、ヴィヴィオ。おかげで自信出てきたよ」
そういって頭をいつものように優しく撫でると嬉しそうに笑ってくれた。
ヴィヴィオ
「~♪」
博士
「(う~ん・・もしかするとツバサの勝利のVENUSはこの子・・かもね~?)」
何だかいい関係な2人に親代わりだった博士も何やら嬉しそうである。
ここでまた来訪者が現れた。
スバル
「ツバサさん~!すいません、またトレーニングに付き合ってもらっ―――あれ?お話
中でしたか?」
現れたのはスバルですでにツバサとはトレーニング仲間で認識があり、早速、交流も
兼ねて他のメンバーとのトレーニングに誘いにきたようだ。
ツバサ
「いや、今行くよ。一緒に戦うんだったら今度はコンビネーションも考えないとな」
スバル
「はい!今日からみっちりやりましょう!」
ツバサ
「俺、一応、試合もあるんだからお手柔らかに頼むよ(苦笑。」
なのは
「それじゃ、まずはスバルとツバサのアタッカーコンビで組んでみようか!」
ここは陸戦用空間シュミレーター場にやってきて訓練をする事になり、まずはストラ
イカーと機動六課のフォワードチームと共にコンビネーションを確認する事にした。
ツバサ
「(さてとスバルは何度かやった事はあるからタイプはある程度理解してる。高い機動
力と一撃の殲滅力、空戦でも支障がないレベルの魔法使いというよりかは魔法拳士
ってところか・・・ティアナは初だがデバイス的に後衛タイプか)」
ストライカーはフォームチェンジが出来て状況や相手によってタイプを切り替えた戦
い方が可能だがシューズの使い方も大切になってくる。
個人で戦うより周りを見る必要もあり、ある意味、フィールドに出ている感覚だ。
ツバサ
「こいつでいくか」『STARTING READY?』
スピードスターをセットして変身する。
ツバサ
「変!身ッ!!」
『KICK OFF!』『№NINE・・・スピード!スター!』
ティアナ
「あれが・・・」
エリオ
「仮面ライダーストライカー」
キャロ
「本当に魔力を介さず変身できるんですね」
赤髪のショートヘアーの少年が『エリオ・モンディアル』とピンク色の髪を裏でテール
にしているのが『キャロ・ル・ルシエ』。2人はフェイトの教え子である。
RH『Sacred Cluster』
ティアナ
「2人共、拡散攻撃来るわよ!」
スバル
「了解、コンビネーションカウンターいくよ!ツバサさんも追撃お願いします」
ストライカー
「それなんだが俺がトップでいかせてもらっていいか?ちょいと試したい事がある」
『SHOES ARM!DUALBLADE!』
ティアナ
「なのはさんの拡散弾は範囲も広いし、下手にやるとそれで大ダメージよ。あれは射撃
魔法で撃ち落とすのが一番いい方法よ。何か手があるの?」
ストライカー
「波紋法の術書を見てると色々と応用法があったんで試したくなってね、ハァ・・・!」
独特な呼吸法と共に二刀を流れるような動きと共に構え、剣に波紋を帯びさせる。
なのは
「(ツバサが波紋を練り始めた。あの技はまだ不明な点が多いし注意しないと)シュート!」
ストライカー
「スゥ・・・・、ハァッァアア!!!」
駆けだしたストライカーは迫りくるセイクリッドクラスターを前に波紋を帯びた二刀を
振るい、なんと拡散弾をなのは目掛けて撃ち返した。
ティアナ
「うそ!?あの速弾を!」
スバル
「魔力弾を剣で弾き返した?!」
なのは
「なっ!?くっ!!」
拡散弾を拡散弾で相殺し合う攻防一対の戦いが始まり、完全に不意を突かれたなのはが
隙を露呈したのを見逃さない。
ストライカー
「スバル!ティアナ!今だッ!」
ティアナ
「ッ!スバル、シフトB、クロスファイア・シュート!」
スバル
「おおおおおおおおおッ!!」
一度に自身の拡散弾とティアナの誘導弾、さらにはスバルの突撃の3連続を食らって
ガードを破られたのだがなのはも即座にスバルをバインドで拘束し、動きを封じる。
だがそれも即座に破られて見てみるとピンポイントで腕と胴体のわずかな隙間にガン
ソードの柄頭を当ててバインドを破る。
なのは
「武器に波紋を流してそれを投擲物にッ!」
ストライカー
「スバル、スイッチ!」
スバル
「はいッ!」
『HARD SHOES!SONIC!』
ストライカー
「ハッ!」
そういってそこで後方宙返りをしたスバルの真後ろからソニックシューズとスピード
スターの強襲が間髪入れずに飛んできてこの一撃で完全になのはの防御と体勢を崩し
大きく仰け反らせ、さらにティアナも即座に詰めていた。
ティアナ
「なのはさんッ」
彼女のデバイス『クロス・ミラージュ』の第二形態『ダガーモード』を喉元に突き付
けてさらには裏にストライカーがガンモードにして銃口を向けていた。
ストライカー
「試合終了、だな」
なのは
「・・・・降参で~す」
ここで模擬戦は終了してそれぞれ体勢を解き、インナーの状態に戻る。
なのは
「あ~ん、や~ら~れた~!(泣。」
ストライカー
「機動力+機動力でやってみたが速攻で倒すには使えるかもな。長丁場みたらおすす
めしないけど・・・ってどした、スバル」
いきなり抱き着かれてそのパワーにさすがに変身していても痛みが走った。
スバル
「凄いです!普通の魔力弾ならまだしも、拡散弾を炸裂させずに弾くなんて。もしか
してアインハルトみたいな技ですか?!」
ストライカー
「あんな大そうな名前の技じゃない。ただ波紋っていうのは伝導率の高い物質とそう
じゃない物質があって水や油は伝導率100%なんだけど魔力もそれに近いみたい
でヴィヴィオとの練習でも一度、やってみたんだ。てか離せ、苦しい!?」
どうやら魔力も水や油に近い形があるようで形のないモノという共通点からか伝導率
が高く波紋を流しやすかったようだ。
その他にも植物や他のエネルギー質のものにもどうように流しやすい事も分かった。
ティアナ
「でも衝撃を与えれば拡散弾は炸裂するのよ?どうやって」
ストライカー
「波紋を流すのには一瞬あれば十分。刃が少しでも触れれば瞬間、波紋で拡散弾を包み
込んでそっくりそのまま弾き返せるってことさ。さらには俺の波紋で強化されてるか
ら相手より威力は多少上になって優位にも立てる」
なのは
「う~ん、その波紋っていう力はかなり便利だね。応用性を考えれば色々な手段に使え
そう、メインは肉体強化に当ててるんだろうけど」
スバル
「でもあの弾速を的確に弾き返して同等の勝負をするなんて凄いです♪」
そしてまた何の臆面もなく抱き着いてくるスバルに露骨な隙を露呈した。
ストライカー
「だから分かった、離れろ!てかあたってる、胸、胸!俺が男なのを思い出せーッ!?」
ティアナ
「あんたも男ね~、やれやれ」
ストライカー
「お前な・・・」
スバル
「ははっ~・・・気を付けます」
以前の訓練よりストライカーの動きが向上しているというのも波紋により肉体強化によ
って通常以上に動きが機敏になっているおかげでもあった。
しかし波紋の呼吸が乱れると途端に強化も弱くなるのでリスクもあった。
なのは
「よ~し、それじゃメンバー代えてどんどん行ってみようか~!」
一同
「「「「はいッ!」」」」「了解っと」
対ルフィアン策として再結成されて『機動六課』。そしてツバサも本格的に事件解決に
乗り出す覚悟、そして渡されたナンバーカードの意味を考え、決めきれずにいる覚悟を
抱えながらも新たな仲間と共に新たなフィールドへと足を踏み入れる。
次回へ続く!