仮面ライダーストライカー   作:自分不器用ですから

27 / 43
game17~人を越えた戦い、絶剣vs覚醒の翼~

 

ツバサ

「絶剣?」

 

久々にログインしたツバサは合流したリーファから最近、有名になっているプレイ

ヤーがいて強い相手の噂を聞けばやってきて挑んでくるという。

 

リーファ

「最近、ALO内で辻バトルを嗾けて名のあるプレイヤーを次々に破っている凄腕

 プレイヤーで絶対無敵の剣、不敗の剣って通り名から絶剣なんだって」

 

ツバサ

「それで?なんで俺にそれを言うんだ」

 

リーファ

「って・・・あのね、ツバサってもうALOではかなり有名人なんだよ?サラマン

 ダー領でALO最強と謳われてたユージーンを倒したんだよ~!?」

 

ツバサ

「運の巡り会わせだ、それに一喜一憂してたら疲れるだけだぞ~?」

 

リーファ

「むぅ・・・・(やっぱりはやてさんが言ってた事と関係あるのかな?)」

 

(何て言うんかな。良くも悪くもブレないんや、ツバサは。戦いの中でも日常でも

 自分を崩す事が無い。でもそれがある意味、ツバサを眠らせてる気もするんや)

 

サッカー選手として勝利への欲は確実にある。だがそれはチームとして勝ち、その

ために自分はどういうプレーをするのか、自分を中心には考えないが故にレベルの

高い動きはするがそれ以上の何かを生み出す事がない。

 

リーファ

「ユージーンに勝った時も凄く涼しい顔で去っちゃったし、普通なら最強のプレイ

 ヤーに勝ったんだから大喜びするところだよ?」

 

ツバサ

「元々は向こうから嗾けてきた喧嘩だ。俺はそれを買って追い払っただけの事、あ

 れぐらいの相手なら慣れてるよ、もっととんでもないのと戦ったしな」

 

いくら最強とはいえゲームはゲーム。そのスキルに対しての動きや性質などを考え

ればゲームのスキルシステムに動く相手は読みやすい上にその他の戦闘技術は脆い

のでプロ集団と日常的な訓練をしているツバサからすれば鎧袖一触だった。

 

リーファ

「(何て言うか。ツバサってその現実での戦いは本気だけどその他の戦いは何だか

  本気になれてない感じがする。元が強いからそれでも済んでるけど)」

 

知り合ったはやての家で同居しているツバサの剣術指南役曰くは、もちろん本気で

やっているし、手は抜いていない。ただそれは通常から出せる実力内だけの話でそ

れ以上、ある意味では本質の本気を出せないのが今の彼らしい。

言うなれば『眠れる獅子』。彼の中でさらに強い彼が眠っていると称した。

 

(本人は買いかぶり過ぎやて否定してるけど。前に見た事あるんよ、シグナムとの

 模擬戦で撃墜される寸前で異常なほどの身体のキレと速度を見せて逆にあの子を

 一刀で追い詰め制圧してしもうた事あって・・・・)

 

シグナム曰くはその瞬間。ツバサの顔が戦いに喜ぶ修羅のような顔に見えたという。

 

リーファ

「(それが眠っているツバサってこと?でもこんな穏やかな表情のツバサがそんな

  修羅みたいな顔をするとも思えないんだけど・・・う~ん)」

 

ツバサ

「やれやれ・・・お前も俺を買いかぶり過ぎだ。さて飯でも食いにいくか、この間

 のアップデートで味覚信号認識も随分と向上したし、メニューも増えたみたいだしな」

 

リーファ

「って!待ってよ、ツーバーサー!わたしも行く~!!」

 

そういって先に飛び立ってしまったツバサをリーファも追いかける。

 

???

「みっけ!あれがALO最強を打ち破った新進気鋭のプレイヤー、ツバサだね!」

 

街へと向かう2人の後をつけていく紺色の長髪の少女。彼女も空へと飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サラマンダー1

「おおおおお!!!」

 

サラマンダー2

「この間は俺達によくも恥をかかせてくれたな、この新参野郎がッ!」

 

サラマンダー3

「もうルールも何もない。プライドを傷つけた罪はその身で償えッ!」

 

サラマンダー4

「オラァッ!!」

 

ツバサ

「たくっ、しつこい奴らだね・・・」

 

四方から向かってくるサラマンダー達をいなして得意の体術とプロレス技を駆使し

いとも簡単に相手を地面に沈めていく。

1人は避けてからの肘内を首に決め、2人目は投げてからその喉元に膝を落とし、

3人目は掌底で打上げ、ガンソードで牙突を決め、弾き飛ばしたところをトドメに

飛び蹴りを腹に叩き込んで4人目は武器を叩き落として眼前に剣を突き出す。

 

ツバサ

「失せろ、お前らじゃ相手にもならん」

 

サラマンダー3

「ふ、ふざけるな・・・!このガ―――――ぐへっ!?」

 

しかし言い終えるよりも先にその兵士は頭に何かが当たったようにそのまま地面

にねじ伏せられて呆気にとられたツバサが目の前に降りてきた人物を見てみると

紅いバンダナに艶やかな黒髪に小柄な背ではあるが見るからに元気娘という感じ

の少女でツバサを見るとにかっと笑い口を開く。

 

???

「ボクと手合わせしてもらえないですか!」

 

ツバサ

「帰れ。たくっ・・・少しはゆっくりさせろっての」

 

そういってさらりと踵を返して先を急ごうとするツバサにその少女が付きまとう。

 

???

「そんな事言わないでよ~!ボクだって強いから絶対にお兄さんも楽しくなるよ」

 

ツバサ

「俺はこっちには気分転換に来てるんだ。自分のしたいように戦うだけでお前と

 戦う理由も戦意も俺にはない、てか引っ付くな、鬱陶しい」

 

???

「えぇぇぇ~~~~!?」

 

リーファ

「あぁあーーーー!?」

 

そんな叫び声が同時に聞こえてきたと思って振り返るとリーファで隣に引っ付いて

いる少女を指さしながらワナワナと口を開いた。

 

リーファ

「ぜ・・ぜ・・絶剣のユウキ!!」

 

ツバサ

「絶剣・・・・?・・・・・はぁ?!このチビッ子が!?」

 

ユウキ

「ボクはチビッ子じゃないよ~!ボクはユウキって名前があるんだからさ、よろしく!」

 

屈強な戦士を想像していたツバサの斜め上を行く現実に完全に唖然とするほか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ

「ふっふ~ん♪楽しみだな~!」

 

ツバサ

「はぁ・・・なんでこんなことに」

 

結局はあの後、絶剣とツバサが戦うという噂を聞きつけた野次馬に囲まれてしまい

そのまま試合をする事になってしまって大きな大木がそびえる広場にやってきて野

次馬が円で囲みその中央にツバサとユウキが並びたった。

 

リーファ

「それでは審判はわたしが務めさせてもらいます。両者構え、試合・・・始め!」

 

ユウキ

「・・・・・、ッ!!」

 

刹那、気づけばユウキは自分の懐まで入り込んで剣を構えていた。

 

ツバサ

「!」

 

即座に反応して牙突を回避したが動きが乱れたところを怒涛の如く攻撃してくる。

 

ユウキ

「ハッ!ハッ!タァッ!!ハァアアアーーーー!!」

 

ツバサ

「(何だ、この速力!?今まで戦った奴とは桁違いだぞ・・・!こいつの反応速度

  を図った事とがあるがアミュスフィアで出来るような動きじゃ)」

 

わずかに距離が開いた瞬間を狙って突きを避けて上段回し蹴りを放ってくる。

 

リーファ

「隙が出来た・・・・!」

 

だがそれに合わせて相手も足を薙ぎに来たのだが飛び上がっての回転蹴りなので

身体をコマのように回転させて逆足を延ばし、さらに蹴りが跳ね上がってくる。

 

ユウキ

「危なッ!」

 

レコン

「なんだ、あの技。というよりスキルじゃなくてツバサ自身の技術かな」

 

彼はレコンと言ってリーファの仲間。リアルでも同じ中学の同級生らしく、彼女に

ALOを進めた人物。先行偵察を主体とした隠密行動が得意な特殊なタイプ。

 

ユウキ

「はぁぁああーーーッ!!」

 

ツバサ

「セイッ!!」

 

切っ先同士が激突した瞬間に波紋を流そうとしたのだが刹那、切っ先が消える。

気づいた時には目の前に切っ先が迫っていた。

 

ツバサ

「――――――――ッ!」

 

ユウキ

「おおおおおおお――――ッ!?うわっ!!」

 

しかし何とかそれを紙一重で回避し、身体を投げ出すように飛び、下から蹴り上げ

を放ったがこれは簡単に避けられる。

 

ユウキ

「(斬れるッ!)」

 

ツバサ

「ハッ!!」

 

だが振り抜いた足が鋭く逆方向に振り抜かれてきて反応したユウキはバックステッ

プでそれを回避し、お互いに構えなおして距離を置いた。

 

ツバサ

「~♪~♪♪やっぱり思った通りだね、ツバサ、すっごい強いッ!」

 

ツバサ

「たくっ、とんでもねぇ奴だな。旋はおろか、虎月の裏までかわしやがって」

 

驚く事ばかりだった。はっきり言えばアミュスフィアの解析速度と演算速度で出来る

とは思えないほどの戦闘速力に加えて反応速度、そして人間離れした動きと剣術、こ

のALOでかなりの人数に挑まれて退けていたがレベルが桁違いだった。

 

ツバサ

「(剣じゃ間合いが追いつかないか・・・。それに波紋のタイミングも・・・んっ?)」

 

自分でようやく気付いた事があった。今までの戦いではなかった感覚。ALO最強と

称されたユージーンと戦った時もあまり考えずに普段通りに動くだけで戦闘技術と身

体能力のアクセルで倒したのだが今は違った。

 

ツバサ

「(こいつをどう倒すか、頭の中で思考を巡らせてる自分がいる。それにさっきから

  胸の鼓動が鳴りやまねぇ・・・)」

 

クラブガンソードの腰につけなおした。

 

ユウキ

「・・・・素手・・・・!」

 

ツバサ

「(こっちでも模擬戦でもALOでもどちらかというと『訓練』だとか『遊び』ぐら

 いで考えてた『戦い』って認識してたのはルフィアンとだけでシグナムに言われた

 お前は眠っているってのはこういう事だったのかね)」

 

訓練や模擬戦の時、自分は本気でやっていると思っていたのだが『戦い』とは思って

いなかった。だが自分を目標にしてくれているヴィヴィオ達は本気で自分にぶつかっ

て『戦い』を挑んできていた。自分がそれを『戦い』と思わなかっただけで。

 

ツバサ

「(眠っているか・・・買いかぶりと思ってたが本当に寝ていたのかもな)」

 

ユウキを見据えて笑みを浮かべながら話を始めた。

 

ツバサ

「悪かったな、ユウキ。どうやら俺は本気の意味を忘れていたらしい。俺の仲間の1

 人が俺は眠ってると言ったが俺は買いかぶりだと思った、だが本当に寝ていたのか

 もしれない・・・そして今、寝てたのが起きたかもしれない」

 

ユウキ

「本気じゃなったって事?」

 

ツバサ

「かもな。ALOを始めても今の今まで唯の遊び、気分転換ほどぐらいにしか考えて

 無かった。だから戦ってる意識も何もなかった。それで本気も出せなかった」

 

これにユウキが今度は口を開く。

 

ユウキ

「ボクは本気だよ。ボクだけじゃない、確かにALOはゲームだけどこの世界が現実

 の世界より大切に思っている子だっている。ボクの仲間だって自由に外の世界を歩

 けない人にはこの世界は自分の羽で自分の意志でどこまでも行ける。だから本気で

 このALOを生きてる、それは遊びなんかじゃない。ボクもALOで本気で生きてる」

 

ツバサ

「あぁ、お前の剣を受けてやっとわかった。誰にだって人からすれば些細な場所でも

 一番輝けるフィールドがある、現実ではできない夢や希望のフィールド、このAL

 Oはもう1つの現実。だからこそ本気でやらなきゃ意味がない」

 

呼吸を整え、精神を集中し、その眼がゆっくりと開けられ眼光は鋭くなった。

 

ツバサ

「エース・・・・全力の本気でいくぞ」

エース

「(ツバサノ フンイキガカワッタ。ドウシタノダ・・・?)リョウカイダ ツバサ」

 

リーファ

「なんだろ・・・ツバサのあんな顔、初めて見た」

 

レコン

「何て言うか、凄みが増したような気がするね」

 

それは相対しているユウキもその変化を敏感に察知していた。

 

ユウキ

「・・・さっきも強いと思ったけど全然違う・・・凄い気・・というか圧力・・!」

 

だが驚いていたのはそこだけではない。剣を一刀に変え、さらに無手で構えた事だ。

 

リーファ

「絶剣相手に素手で戦うって無茶苦茶だよ!確かに体術も強かったけど」

 

レコン

「でも何て言うか・・・素手になってから構えが自然?な気がするよ」

 

その顔には不敵な笑みが浮かび、その体からは目には見えないが何かオーラのよう

なモノが包み、風で砂煙が舞うのだがそれが不規則な動きで螺旋を描き始めていた。

 

ユウキ

「(本当に目を覚ましちゃったみたいだね・・・こりゃ~・・。すごい冷静な感じ

  な気がしたけど・・・まさか中にこんな凄いのが潜んでたのね)」

 

自らも精神を研ぎ澄まし、剣を構えて加速する状態になる。

 

ユウキ

「いいの?素手になんかなって」

 

ツバサ

「向こうで練習してたのとALOに慣れ過ぎて自分の戦い方をこっちで忘れてたよ、フッ!」

 

そういって走り出したツバサにユウキも一気に加速し、双方が激突する。

 

ユウキ

「はぁああ!!」

 

エンジンがかかったユウキの突きはさらに速さを増し、閃光の如く、駆ける。

 

ツバサ

「(遠目の安全圏から打つのは誰でも出来る。だがストライカーは)」

 

眼前に迫る閃光、鼻先一寸の距離で考えるより先にさらに速く体が反応する。

 

ユウキ

「なっ!」

 

リーファ

「避けたッ!?」

 

ツバサ

「(フィールドの敵地、その場所で一瞬の閃きと嗅覚でゴールを決められる選手、そ

 れが俺だッ!どんな状況にも相手にも負けない、それが俺のストライカー像ッ)」

 

一気に懐に踏み込んでその伸ばしてきた腕を取り、関節技を決め、動きを完全に止

めて膝蹴り、ボディーブロー、ユウキの足を跳ね上げてそのままドラゴンスクリュ

ーで浮き上がらせたところに片手をつき、そこから踵落としを繰り出す。

 

ユウキ

「ッ」

 

翅を広げて即座に低空飛行で回避し、身体を反転しながら距離を置くのだが隙を与

えずすでに接近していたツバサが高速連続体術を繰り出す。

さらに所々でクラブガンソードの攻撃も加え、ジャグリングのように放り投げてそ

こに体術、さらに高低差のある位置でキャッチしながら斬撃も加える。

 

ユウキ

「やばい!やばい!やばい!すっごく楽しくなってきたーー♪」

 

ツバサ

「いい意味でお前は戦闘狂だな」

『SHOES ARM!

 

その場でぴょんぴょんと飛び跳ねながら楽しくてしょうがないという表情のユウキ。

ツバサが今度は二刀を構えるのだがその構えにリーファは覚えがあった。

 

リーファ

「あれ、道場の書物で見た事ある、確か二天一流『円極の構え』。宮本武蔵の技だよ」

 

二刀の刃先を交差させる構えを取る。二刀を始めてから唯やみくもに振るだけでは

使いこなせないとなのは達に聞いたところ彼女の世界には二刀を極めた武芸者の流

派があるらしく、実際に赴いて道場でも修業し、文献なども譲り受けてミッドチル

ダに戻っても訓練を続けて実践でも扱えるレベルにしていた。

 

ユウキ

「さぁ~!続きしよ、続き!」

 

そういって斬り掛かってくるユウキの刃を二刀を組んで受け止め、上段から一気に

振り下ろし、そこからさらに反動を利用して斬り上げ、さらに突きに転じようとし

てユウキが反応した瞬間に上段からもう一刀を勢いよく振り下ろす。

 

レコン

「スキルも使ってないのにとんでもない手数の連続攻撃、あれもその二天一流?」

 

リーファ

「それぞれが構えからの技、構えから構え、二刀で相手に応じた連続攻撃をしかけ

 る二天一流の技の1つで水形だったと思う」

 

ユウキ

「(次から次へと攻撃が飛んでくるッ。強弱打にフェイント、油断してたら蹴りま

  で飛んでくるしッ!わたしが防戦一方になるなんて初めて、でもッ!)」

 

隙をついた高速の連続突きを繰り出し攻撃を中断させるがそこからは互いに攻防一

対の乱撃戦が始まり、段々と互いにHPにも余裕がなくなってくる。

 

ユウキ

「(勝ちたいッ・・!こんなスキルに頼るのは初めてだけど勝てるならッ!!)」

 

ツバサの攻撃と同時に普段はほとんど使っていなかったスキルを発動する。

 

ユウキ

「パリングッ!!」

 

盾のようなエフェクトと共にツバサの攻撃が大きく弾かれて隙を露呈してしまう。

 

ユウキ

「これがボクの全力ッ!はぁあああああああああああ!!!!!」

 

ユウキの剣が光を放ち、今までで最も速い加速から凄まじい速度の連続突きを放った。

衝撃が身体を突き抜け、思わず剣も手放してその体は地面から離される。

 

ツバサ

「(こいつは・・・・ッ!?やべぇ・・・ッ!!?)」

 

一気にライフを減らされて体が宙を浮いたところに最大出力を込めた突きを放つ。

 

レコン

「まずいよ!」

 

リーファ

「ツバサッ!負けるなーーーッ!!」

 

エース

「マダシアイハ オワッテイナイゾ!ツバサ!」

ツバサ

「・・・・分かってる・・・・」

 

瞬間、視界に入ったユウキの剣めがけて逆手に持ち替えた切っ先を振り下ろす。

 

ツバサ

「ってのッ!!」

 

振り下ろした切っ先がユウキの剣先に当たって機動を反らし、さらには強打を打っ

たのが仇となって波紋を流し込む隙を与えた。

それによってユウキの腕に衝撃が走って反応が鈍り、反撃に転じる。

 

ツバサ

「オォッ!!今度はこっちの番だッ!!」

 

身体を回転させながら上段斬り、斬り上げると同時に剣を放り投げた。

 

ツバサ

「(手数の多さなら剣より体術の方が速いッ!この好機・・・逃しはしないッ!)」

 

練りに練っていた波紋を一気に解放し、身体能力を強化し高速のラッシュをかける。

 

ツバサ

「オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!

 オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オウラッ!!」

 

ユウキ

「がはっ・・・・ッ」

 

波状攻撃のように降り注いでくるスピードラッシュをまともに食らい体がくの字に曲がる。

 

ツバサ

「迸れ、ハート!突き抜けるほどにヒートッ!刻むぞ、血液のビート!!」

 

凄まじい高速連続体術で反撃の隙も与えないラッシュからのラッシュが襲い掛かる。

 

レコン

「ツバサの身体が!」

 

リーファ

「黄金っていうか、山吹色にッ!」

 

ツバサ

「奥底から波紋が止めどなく湧き上がる!震える!滾る!果てなどないほどにッ!」

 

全身から迸る波紋のエネルギー波は黄金に輝く山吹色へと変化し、拳は最高速に乗る。

 

ツバサ

「山吹色の波紋疾走!!(サンライトイエロー・オーバードライブ)」

 

最早、弾幕レベルのラッシュが炸裂して全身全霊を込めた強打が炸裂して大爆発と

共に粉塵があたりを包み込み、爆風でリーファ達の視界もおおわれる。

 

リーファ

「きゃああああああああああああ!!??」

 

レコン

「どうなってるんだよ、このバトル!?」

 

そしてしばらくして粉塵も収まり、ギャラリー達も冷静さを取り戻してきた。

果たしてこの勝負の行方は・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ

「・・・・・・・・」

 

ユウキ

「・・・・・・・・」

 

双方とも地面に大の字で倒れてしまっていた。そしてリーファとレコン、そして他

の観客もそれぞれのライフバーを見ると双方ともレッドになっていた。

 

ツバサ

「チッ・・・~・・・最後の最後までやってくれるな・・・この元気っ子が」

 

ユウキ

「へへっ~・・・ボクだって簡単に負けられないもん、なにせ絶剣だからね~♪」

 

そして勝負の映像が流れたのだが最後の強打が当たる直前にユウキもスキル技を発

動して間一髪直撃させたらしく、ほぼ同士討ちのようになっていた。

 

ツバサ

「・・・なるほどね・・・こりゃ・・・悪くないな。戦いの狂喜に浸るってのも」

 

ユウキ

「ボクもすっごい楽しかった~~~♪ありがとね、ツバサ!」

 

寝転がったままで拳を突き出してくる。苦笑しながらも拳を彼も合わせる。

 

ツバサ

「こっちこそありがとさん」

 

いつの間にか辺りからは拍手がなり始めてこの名勝負を楽しんだという事だろう。

 

レコン

「もう人間を越えたレベルの戦いだったよ・・・!絶剣はもちろんだけどツバサも

 あんな実力を隠してただなんてね、驚いてばっかりだ」

 

リーファ

「あれが眠っていたツバサの本当の本気・・・初めてみたな、楽しそうに戦ってる

 ツバサって。・・・はっ!いけない、2人の回復!回復!」

 

レコン

「あっ!」

 

慌てて駆け寄り2人に回復結晶と呼ばれるHPを%回復できるタイムでユウキとツ

バサの2人を回復し、お互いに起き上がる。

 

ユウキ

「あっ!そろそろ戻らないと皆が心配するかな、ボク、帰るね!」

 

ツバサ

「仲間がいるのか?」

 

彼女によればバーチャルホスピス『セブンガーデン』と呼ばれる医療施設で出会った

メンバーで構成させらたギルドらしく、今はユウキがリーダーをしているようだ。

 

エース

「ナルホド ユウキ キミハ イリョウヨウノVRマシンヲ ツカッテイルノデハナイカ?」

 

ユウキ

「!」

 

レコン

「医療用VRマシンってもしかしてメディキュポイドの事かな。僕は見た事ないけど」

 

エース

「マチガイデハナイヨウダネ。イリョウヨウVRマシンノ セイノウナラワタシノ

 エンザンソクドニ タイオウデキルシ キミハ コノセカイデ ナガイアイダ 

 クラシテイタノダロウ?チョウキカンダイブノ オンケイニヨル チカラ カナ?」

 

ユウキ

「噂には聞いてたけど本当にベルトが喋るんだね。それにそういう知識もさすがに

 豊富だ。すぐにばれるとは思わなかったよ」

 

ツバサ

「どうりで動きが他のプレイヤーと桁違いなわけだ。俺もエースの補助がなけりゃ

 危ないところだった理由も頷ける」

 

ユウキ

「逆に言ったら補助ありとは言え、ボクと互角にやり合えてるツバサが異常だよ」

 

ツバサ

「んだと人が素直に関心してるのにこの元気娘は」

 

ユウキ

「ははっ!そのうち、ツバサも招待するからね!皆も気に入ると思うんだ」

 

そういってぴょんと飛び跳ねて空へと飛びあがると元気に手を振って別れの挨拶を交わす。

 

ユウキ

「それじゃ~ね、ツバサ!また戦ってね~~!!」

 

見送りながら溜息交じりとも苦笑とも取れる表情を浮かべるツバサ。

 

ツバサ

「糖分は遠慮願いたいところだな・・・つうか、どっと疲れたは・・・」

 

その場に座り込んで大きく息を吐く。

 

リーファ

「だ、大丈夫ー?ツバサ?」

 

ツバサ

「まぁ・・・何とかな。しかし・・・このALOってのも結構、楽しいもんだな?」

 

にやりと笑みを浮かべながら振り返るツバサの顔を見てリーファも笑みを浮かべる。

 

リーファ

「もちろんじゃん♪今更、気づいたのー?ツバサ!」

 

リーファに肩を借りて立ち上がったのだがここである事に気づいてしまった。

 

ツバサ

「・・・・・・・あれだな・・・・」

 

リーファ

「?」

 

ツバサ

「結構なものをお持ちで・・・・」

 

リーファ

「おもち・・・?・・・・はッ」

 

肩を貸していたせいでかなり密着しており、当たっていたのだ。出ているところが。

 

リーファ

「ツ、ツ、ツッ!?ツバサの!!えっちぃぃいいーーーーーーーーーーー!!!!」

 

ツバサ

「ちょ!?おま?!まて、今の状態でスキルはやめ――――ギャァアアアーース?!」

 

断末魔の叫びが木霊する世界樹の広場。

 

はやて

「なんや一皮むけたいうか、吹っ切れたと思ったけど相変わらずやな、ツバサ」

 

そしてそんな光景を遅れてきて遠目から見つめていたはやてがぽつりと一言。

 

はやて

「これが噂に聞いたラッキースケベか~。面白そうやし、後でツバサで遊ぼかな~♪」

 

腹黒狸に目をつけられてリーファのスキルで吹き飛ばされさらに背中に悪寒が奔る

ツバサが現実世界に戻って女難の相に沈んだのは言うまでもない。

次回へ続く!

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。