そして今回の話は原作の流れを無視した力任せのごり押し展開になっております。
まぁ・・・ご都合展開みたいなもんです。
苦手な方は前半みないで後半からお読みください。一応、注意です。
ツバサ
「ここか・・・セリーンガーデン・・・結構な施設だな」
とある日、ツバサは次元航空船で管理局の管理外世界である『第97管理外世界』
所謂、なのはやはやて達の故郷である『地球』がある世界だ。
ツバサ
「ここが別の惑星だなんてのも信じられないが・・・仮面ライダーにならなかった
ら経験する事も無かった事だし、妙な感じがするな」
エース
「ソロソロマチアワセノ ジカンダ。イッテミヨウカ」
さらに今回は同行者もいた。
シャマル
「管理外世界だとミッドチルダでは治療可能な病気でも今だに不治の病になってい
るのね。その子は・・・AIDSだったかしら?」
AIDS・・・免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす
免疫不全症。
あの後、ユウキに呼び出されて自分の話をしてくれた。幼い頃に受けた輸血によっ
てHIVに感染し、世界初の医療用VRマシン『メディキュポイド』によるフルダ
イブ治療と無菌室での生活を余儀なくされている。
シャマル
「はやてちゃんが掛け合ってこの世界にも医療技術と施設の導入が示唆されたみた
いよ。すぐには無理かもしれないけれど。こちらにも管理局員がそれぞれの方面
で活動しているから始まれば劇的に重病患者の完治率はあがるでしょうね」
そして今回、この病院にも派遣管理局員が滞在しており、その管理局員にある薬を
渡す事になった。それがユウキの病気に対して効果のあるものらしい。
シャマル
「本来だと管理外世界で管理内のモノは使えないんだけれどね。普通の人と同じく
らいの状態に戻せるレベルで今回は薬剤の使用許可が得られたからよかったわ。
何でもない菌でも発症してしまうのがAIDSだけどはるかに菌に対しての抵抗
力は得られるからこちらの治療を継続してやれば恐らく大丈夫なはずよ」
ツバサ
「すいません、シャマル先生。無茶なことを言って」
シャマル
「ツバサ君がいきなり家に来てあんな真剣に頭を下げて頼むんだもの。皆、驚いて
たけれどそんなもの見せられたらわたし達もどうにかしないとって思うわ」
だがある意味ではツバサの中には葛藤もあった。
ツバサ
「全ての人の自由を護るのが仮面ライダー、その全ての希望と夢のフィールドを護
るのがストライカー・・・だけど俺がやろうとしているのは個人の考えで1人だ
けを助けようとする事。他に苦しんでいる人らを無視して通していいのかと」
シャマル
「確かにミッドチルダの技術を使えば助けられる患者は多いわ。でも今回助けてあ
げられるのはユウキさんだけ。なんであの子だけと知られる事はないけどそうい
う思いはあると思う。でも助けたいんでしょ。色んな事情や理屈抜きでユウキさんを」
ツバサ
「はい」
シャマル
「少なくともあなたが動いたおかげでわたし達も管理局も動いた。以前の管理局で
は無かったかもしれないけれど劇的に変わるわ。あなたの行動がこれからの夢と
希望のフィールドを護るための一歩になるの。自信を持って」
エース
「ソウダ ツバサ。ソレニ キミガマモリタイトオモウモノナラ ワタシモ ゼン
リョクデ キョウリョクスル。ソノタメニ ワタシモココニキタノダ」
そういって肩に手を置いて励ましを口にしながらにこっと笑って見せる。
シャマル
「ほらほら、これから女の子に会うのにそんな暗い顔をしないの。ほら、笑顔」
エース
「エガオダ ツバサ」
シャマルとエースも画面に笑顔の顔文字が写って励ましてくる。
ツバサ
「ああ、ありがとな、2人共」
自分の顔を両手で頬打ちするとエースとシャマルを引きつれて病院の施設内に入った。
医者
「こちらです。院長からは話を聞いていますので彼女の話相手になってあげてください」
ツバサ
「どうも」
通された部屋は無菌室と言って徹底的に管理されたクリーンルームでその中央には話
にあった医療用VRマシン・メディキュポイドがあってそこにはこの現実のユウキ、
『紺野 木綿季』が寝ている。
ツバサ
「(ALOじゃ、元気娘だってのにこっちじゃあんな機械や施設設備で管理された場
所で点滴やらで延命されながら生きていたのか。筋肉や骨も痩せ細ってるな)」
ALOという仮想空間で伸び伸びと元気に飛び回っていた『ユウキ』と現実の世界で
懸命に治療を受け、生き続けようとしている『木綿季』。
あまりにも違いすぎる世界に心苦しくなりながらも彼女に声を掛ける。
ツバサ
「ユウキ、俺だ。ツバサだ、起きてるか?」
するとメディキュポイドの上部にある画面に『TALKING…』の文字が出る。
ユウキ
「うん、おはよう。ツバサ。約束通りに来てくれたんだね」
エース
「ワタシモイルゾ ユウキ」
ユウキ
「わぁ~♪本当にサッカーボールなんだ、それに向こうのまんまだね、声も」
そして隣に立っていたシャマルに気づいて聞いてくる。
ツバサ
「こちらは俺が昔から世話になっているシャマル先生。実はお前の病気に対しての知
識も豊富で今回は治療の援助に来てもらったんだ」
ユウキ
「・・・でもわたしの病気はもう手遅れなんだ。先生からも言われた」
シャマル
「ユウキさん、だったわね?」
ここでシャマルが口を開く。
シャマル
「3年間、闘い続けているあなたにこんな事を言うのは酷いのかもしれない。でも言
わせてちょうだい。もう一度だけでいいの、わたしを信じてくれないかしら」
ユウキ
「信じる・・・?」
シャマル
「治ると信じてあなたは今まで闘った。でももう長くない事は知っているのでしょ?」
24時間ほとんどフルダイブから戻る事も無く、3年間の闘病生活を送っていた。だ
からこそエースの演算補助があるツバサですら苦戦するレベルの戦闘能力を得られた。
シャマル
「あなたが生きたいと願うならわたしがあなたを必ず治す。あなたにとっての戦いの
場がALOやここなら医療の世界がわたしにとっての戦場よ、そしてわたしはそこ
から患者を助けて必ず生きて帰還する、だからわたしを信じて貰えないかしら」
ユウキ
「ボクは・・・・ボク・・・」
ツバサ
「ユウキ」
ここでツバサが言葉を口にする。
ツバサ
「実はな、お前を視覚だけでも外に連れ出してやれるかもしれないんだ」
ツバサ
「えっ?」
エース
「マズハ ユウキ。キミニユメトキボウノ フィールドヲ ミセル。サァ イコウ!」
エース?
『うわぁああーーー♪すご~い、速い、速い♪』
ツバサはエースをウエンブレーに装備されている設置部分に置いて海岸を走っていた。
しかしその声は普段のエースのモノではなかった。
ツバサ
「どうやら上手くいったみたいだな。エースにログインさせて視覚情報だけでも移
動出来ないかって思ってみたんだが成功だった」
いわばエースの中にメディキュポイドにある仮想空間を精製してそこにユウキをロ
グインさせてエースの視覚機能を使ってユウキに外の世界を見せようという事だ。
ユウキ
『それにしても本当に別の世界ってあったんだね~!月が2つもあるよ!?』
ツバサ
「俺達からすると普通なんだが逆に月が1個しかないってのに驚いたよ」
エース
「ハッハッハ。タノシンデクレテナニヨリダ ユウキ。ダガコノアトニ サラニ
オタノシミガマッテイルゾ?」
ユウキ
『何々!?教えてよ、ツバサ~!エース!』
ツバサ
「行ってからのお楽しみだ。こっちは時差があるから今は昼過ぎだな、間に合いそうだ」
折角の外の世界なのでツバサはあるイベントに連れていくことにした。
ティアナ
「あっ、来た、来た。おーい、ツバサ~!言われたとおりに連れてきたわよ~?」
やってきたのはクラナガン・ウイングスのホームスタジアムでそこにはティアナと
黒髪のショートにティアナより少し小柄な少女がいた。
ツバサ
「んっ・・・?おい、ティア。本当に俺のアカウントに登録されてるユーザーデー
タ分析して現実のプレイヤー連れてきたのか?」
ティアナ
「あんたがそう言ったからわざわざこうやって連れてきたんでしょうが」
ツバサ
「いや・・・向こうのリーファとだいぶ違うんだが・・・・」
リーファは金髪のロングヘアーだったのだが前にいる少女は黒髪のショートヘアー
だったのだが理由を察したが少女が理由を説明する。
??
「向こうのアバターはある程度、変えれるからこっちとは違うの!というか、ツバサ
・・・さんの方だってアバターと見た目違うじゃないですかー!」
ツバサ
「そういえばそう、・・・・・・」
少し目線が下に言ってまた戻る。
ツバサ
「うん、リーファだ」
ティアナ
「お前は一体、どこ見てから断定したぁあああああああああ!!!!」
至近距離からクロスミラージュの射撃をぶっ放すという危険極まりないツッコみが炸裂。
??
「も、も、もうちょっと断定材料とかあるでしょ!ツバサのえっちッ!?」
ツバサ
「というか、あれか。こっちで自己紹介するのは始め、おう!?だったか―――、
ぬぐぐっ!それと下手に敬語じゃなくていいぜ?言いにくいだろ」
今度はダガーモードで女の敵を排除にかかるティアナと組合ながら挨拶を交わす。
直葉
「へへっ、ありがと。えっとリーファこと『桐ケ谷 直葉』です。よろしく」
ツバサ
「あっちと変わらないけど正式名称は『ツバサ・ハヤカゼ』だ、改めてよろしくな」
ユウキ
『えぇ~~!!こっちと向こうで全然ちがーう!』
直葉
「あれ?なんかエースの声が全然違う気が」
ツバサ
「まぁ、お前に分かるように言えば今ここにいるのは『絶剣』のユウキだからな」
直葉
「ええええええええええええええええええ!!!?」
そしてこれまでの経緯とユウキに許可を得てなぜ彼女がエースの中にいるのかを説
明すると色々と衝撃を受けたようだった。
直葉
「というより同い年でそんな辛い事と闘ってたんだね・・・ユウキさん」
ユウキ
『リーファ、ボクの事も呼び捨てでいいよ?向こうでも仲良くなったんだし、こっ
ちでも仲間で友達!だから変に堅苦しいのは無し、OK?』
直葉
「・・・うん、OK!」
ユウキ
『それにね、ツバサとその先生のシャマル先生がね。わたしの病気を治してくれる
って約束してくれたからボクも頑張って生きてやるんだから!』
エース
「ウム ソノイキダゾ ユウキ。ナカナカイイカオニ ナッテキタジャナイカ」
中ではエースとユウキはアバターとして仮想空間内にいるのでどうやら中で木綿季
は、とてもいい顔になっているらしい。
ツバサ
「さて俺はそろそろ行かないといけないから時間までスタジアムの案内してくれる
か、ティア?後でお前らの席にウイングセットを持っていかせるからさ」
ティアナ
「しょうがないわね、わたしはデザートの方、ストロベリーでね?」
ツバサ
「あいよ。それじゃ、お前ら、ゆっくり楽しめよ~!」
そう言ってツバサの方はスタジアムの中に消えてしまった。
ユウキ
『ツバサ、どうしたのかな?』
直葉
「さぁ~?」
ティアナ
「ふふっ、今に分かるわよ。さぁ、行きましょうか」
そして数時間後、ユウキ達はスタジアムの特別シート『エキサイティングシート』に
きていた。このスタジアムにはいくつかの特別なシート席があってここは実況席の隣
であり、フィールド全体を一番近くかつ見渡せる絶好の場所にある席だ。
ユウキ
『すっごい音と声・・!スタジアムもすっごい盛り上がってる!』
直葉
「これから何が始まるんですか、ティアナさん~!」
ティアナ
「マジックサッカー第13節、クラナガン・ウイングス対キリークFCの一戦。
開幕から12節が終わって10勝2敗、かなり好調をキープしたまま来てる
からサポーターもノリに乗ってるから応援も凄いのよ、今」
ヴィヴィオ
「みなさん~!いっきっまっすっよ~!ゴー!ゴー!ウイングス!ゴー!ゴー!ウイングス!」
団員A・団員B・団員C・団員D
「「「「ゴー!ゴー!ウイングス!ゴー!ゴー!ウイングス!」」」」
ウイングスサポーター
[[[[[[[[[[[ゴー!ゴー!ウイングス!ゴー!ゴー!ウイングス!]]]]]]]]]]]]]]]
応援団と団長兼チアリーダーに任命されたヴィヴィオと団員達が応援を始めるとそ
れと同時にサポーターも応援の大合唱が始まり、地鳴りのようにスタジアム全体を
振動させるようなさらに轟音が響いてきた。
ユウキ
『耳が割れそう~~!?すっごいね、リーファ!』
直葉
「う、うん!わたしの世界でもサッカーの試合観に行ったことあったけどこんなに
大音量じゃなかったよ、てか耳が本当に割れそう!?」
ティアナ
「これからもっと凄くなるから覚悟してなさ~い?ほら、あいつが出てくるわよ」
ユウキ・直葉
『「あいつ?」』
そして場内のアナウンスでまずは相手チームの選手が呼ばれていき、今度はクラナ
ガン・ウイングスの選手たちがコールされる。
「GK~!№1!バーデン・ラーフ!」
「CB!№5!ユウト・トナーガ!」
「CB!№6!ロベルト・ダイナ!」
「CB!№13!アレンドロ・ネス!」
「DMF!№8!ジェンナーロ・ガット!」
「DMF!№17!ミシェル・アンカーズ!」
「LMF!№25!シュン・ナカムラ!」
「RMF!№26!シンジ・カワ!」
「ST!№11!インフィ・レッド!」
「CF!№9!チャイカ・サーチェ!」
最後にコールされる選手が現れるとさらに歓声が大きくなる。
「そしてチームキャプテン!CF!№10!」
ユウキ
『あー!』
直葉
「サッカー選手って言ってたのは聞いたけど優勝チームの選手だったんだ!」
ティアナからスタジアムを案内された際にウイングスについても聞いていたのだ。
ティアナ
「そう。昨年の優勝チームキャプテンで二年連続得点王でMVPでエースナンバーの」
そしてピッチに現れる背番号10番を背負い、キャプテンマークを巻く男。
「ツバサ!ハヤカゼ―!!!」
ピッチ中央に整列して審判団と相手キャプテンと握手を交わし、コイントスでボー
ルと攻撃サイドを決定し、それぞれの場所へ散る。
円陣を組んでしばらくの後、各チームともに気合いの雄叫びを上げる。
ツバサ
「油断せず行こうッ!」
チーム一同
「オゥッ!!」
そしてそれぞれの選手がポジションについて入念に体をほぐしはじめる。そして中
央にセットされたボールに相手チームのFW2人が入り、開始の笛を待つ。
「さぁ、キックオフ!試合が開始されたー!」
前半は静かな立ち上がりとなり、相手はパスを回しながらウイングスの隙を突こう
とするのだがまずツバサが相手DFに迫り、味方にパスして回避するのだがそこに
今度はシンジが仕掛け、またパスを返したところをツバサとシュンの2人でブロッ
クに行き不用意に出してしまったパスをインフィがカットしてカウンターに入る。
「一気にカウンターに入るウイングス、インフィからサイドのチチェへ!」
そして受けたチチェが相手DFの股を抜いたスルーパスをサイドに走り込んでいた
シュンに通してダイレクトシュートするが横っ飛びで弾き、ボールが上がる。
これにいち早く反応していたのはやはりこの男だった。
ヴィヴィオ
「きたーー!!ツバサさんの十八番!フェイバリットシュート!」
ツバサ
「フッ!」
飛び上がり、縦回転をしながらジャストのタイミングで足を振り抜く。
強烈なジャンピングボレー『サイクロンショット』が炸裂して速攻の1点が入った。
「ゴオオオオオオオオル!!!ウイングス先制!ツバサがまずは挨拶代りの必殺シ
ュート!サイクロンシュート炸れーーつ!!味方が駆け寄り祝福します」
ヴィヴィオ
「はい、皆さん!ナイスゴール!ナイスゴール!ツ・バ・サ!ワァーー!!」
団員A・団員B・団員C・団員D
「「「「ナイスゴール!ナイスゴール!ツ・バ・サー!ワーーー!!」」」」
いきなりの先制ゴールにサポーターは一気に湧いて大歓声が鳴り響く。
ユウキ
『前にテレビで見た事あるけど生で見るのってやっぱり大迫力だねー!?』
直葉
「ツバサってすっごい巧かったんだね。いけ、いけ~!ツバサ―!」
そして味方から手荒い祝福を受けながら自陣へと戻っていく。
インフィ
「ナイスだ、ツバサ!今日はキレてんじゃねぇの、お前!」
シンジ
「確か別の世界の女の子を招待してたんだっけ。もしかしてこれか?」
ツバサ
「アホか!俺の友達でゲームのライバル。わけは話してアレを用意してもらったろ?」
ジェンナーロ
「そうだったな、よし、あれをかっこよく見せるためにも絶対勝つぞ!全員、気合
入れろ!気合い!一点先制の後は危ないぞ!!集中しよう!集中!!」
ユウト
「集中!集中!もう一点、いこう!一点!」
一同
「オウッ!!」
そして一点先制されながらも戦術としてそれを貫く事に徹底しているのか下手に攻
めてくる事はせずにパスを回しながら今度は高い位置でのパス回しで一瞬、DFラ
インが移動したウイングスを見て即座にMFからロングボールが放り込まれる。
相手FW
「裏を取った!!」
バーデン
「悪いが遅すぎるッ!」
だがそこに立ちはだかるからこそのこの男、守護神『バーデン』。
猛烈な突進からジャンピングパンチでボールを弾き飛ばし、それを中央のジェンナ
ーロが競り合い、こぼれ球をシンジがキープする。
シンジ
「(まずは落ち着かせていくか)」
攻撃陣も速攻の押収でばたばたしていたので一度、ボランチのミシェルとパスを回
しながら攻撃のリズムを落ち着かせてそこにインフィも入ってトライアングルを形
成し、その3人でパスを回してゆっくりと相手の出方を待つ。
インフィ
「(ッ)」
そしてインフィが持った時にスルスルとツバサが中央に上がって行ってアイコンタ
クトを取り、2人で練習していた連携の合図と分かり、そこに鋭いパスを送る。
相手DF
「ハヤカゼを潰せ!」
相手DF
「人数掛けてプレイさせるな!いけ!いけ!」
そしてボールを受けて少し中に切り込んだところでヒールでバックパスをする。こ
れにチチェが奔りこんでのミドルシュートがゴールに流し込まれた。
「ゴーーーーール!!!二点目!!前線のいい連携からチチェの狙いすましたシュ
ートがネットに突き刺さるッ!チチェの今季4点目で突き放します!」
チチェ
「NiceASSISTね、ツバサー♪」
ツバサ
「だから飛びかかり抱擁はやめーーーーうげっ!?」
この後、キリークFCが1点を返し、一点差に詰め寄ったところで前半が終わる。
ウイングスはサイドのシュンに代えて『背番号7・デビット・ベイカム』が入った。
「さぁ、後半からは貴公子・ベイカムが入ります。今日もその右足から魔法が生まれるのか」
「彼はチームの生え抜きで中堅選手ですからね。経験でチームに変化が欲しいところです」
そして早々にベイカムにボールが入るとハーフラインほどであまり深くない位置か
ら前線に走っていたツバサを見つけてその右足から正確無比なロングボールが蹴り
だされて計算しつくされたボールは加速したツバサの丁度足もとに入った。
直葉
「よし、行けッ!」
ユウキ
『(ドキドキ)』
「ロングパス!その先には・・・・ツバサぁぁああああーーーーー!!!」
それを吹かさず足もとに少し入ったがダイレクトボレーで蹴り込み、強烈なドライ
ブ回転がかかって豪快なボレーを叩き込んだ。
「ここで相手を突き放す3点目ーーー!!ツバサ、今日2点目が決まったー!!」
さすがに時間も後半。相手は高身長のプレイヤーを揃えたパワープレイに出てきて
後方から次々にロングボールが蹴り込まれる。
DFそしてチチェがボランチ気味の位置まで下がりボールを弾き出しに協力する。
ティアナ
「また随分とポジションが流動的になってきたわね。インフィがサイドでミシェル
が前に来たわね。対パワープレー用かしら」
直葉
「ティアナさんってサッカー詳しいんですね」
ティアナ
「まぁ、仕事で色々とあった時はサッカー見てるのよ、最近になってからだけどね」
紅白戦などでも試したパワープレー&高身長プレイヤー対策の陣形に変更して2ト
ップがシンジとツバサ、ミシェルがサイドに入る。
そしてインフィがトップ下の位置からパスを回す相手の後方より強襲してボールに
足をかすらせて中途半端になったパスをCBのロベルトが足を振り上げる。
ロベルト
「弾丸スルーパス、受け取れッ!インフィッ!」
ダイナマイトとも称されるその弾丸シュート型のパスをインフィに送る。
インフィ
「(あのおっさん、わたし潰す気か、おい!?上等だ、それなら・・・)」
一瞬の視線の動きで味方の位置を確認し、ボールを下から触れてコースを変えて速
いループ気味のダイレクトパスがサイドのミシェルに入る。
インフィ
「(受け取りやがれ、ミシェルッ!)」
ミシェル
「Nice♪」
相手DF
「人数掛けろ!前に行かせるな!」
1対2になったミシェルだったが笑みを浮かべると距離が開いている相手の股目掛
けてボールを蹴りだすのだがその後ろには誰もいない。
直葉
「パスミスだッ」
ユウキ
『焦ったのかな・・・!』
しかし次の瞬間、2人は驚きの声を上げる。
「おぉおッと!!ミスに見えたボールは回転がかかっていたのかその場でバックス
ピンがかかって勢いが殺された!ミシェルが一気にDF2人を抜き去る!」
ユウキ
『すっごぉーい・・・ALOしか知らなかったけど外の世界にはあんなゲームの魔
法みたいな事が出来る人がいるんだね~!魔法使いみたいだよ♪』
ティアナ
「あながち間違いでもないわよ、それ?なんせ『小さな魔女・リトルウィッチ』の
異名を持つ選手だからね、ミシェルって」
まさに自分から自分へのパスとも言えるプレイで一気に抜き去ったミシェルはさら
に駆け上がってまた止めに来た相手を上体のフェイントからルーレットで抜き去り
一気にPA内に入り、最後の1人をシザースからエラシコを利用した股抜きで抜き
GKと一対一で股抜きシュートを狙えるところだったが笑みを浮かべる。
相手GK
「なっ」
軸足の後ろを廻って蹴り足を交差させボールを蹴るラボーナで完全にタイミングを
外し、全員が反応できなかったのだがボールはツバサの眼前に来ていた。
ツバサ
「ッ」
それをヘディングで押し込み、4点目を挙げる。
「ゴール!ゴール!ゴール!ゴール!ツバサのハットトリックで3点差ー!」
ゴールしたツバサに集まる攻撃陣だったがやられた感のある顔でミシェルを言う。
ツバサ
「お前、あの時、シュート狙えただろ?」
ミシェル
「NO、NO。今のはパスが一番の選択だよ。それに今日はツバサがヒーローに
ならないとね?ほらほら」
指さす先を見てみるとティアナ達と一緒に精一杯の応援を送る直葉とユウキの姿が
あった。ユウキも画面が「><♪」なのでとても興奮しているらしい。
このまま終わるかにも見えたのだが最後に最大の見せ場がやってきた。
「さぁ、シンジのドリブル突破から誘発したファールでFKのチャンス!おぉ~と
?いつもならツバサ、インフィ、今だったらベイカムがはいるところですがここ
のFKはどうやらツバサ1人に任せるようです、ウイングス」
FKの位置にはツバサ1人が立ち、助走距離をとって大きく息を吐いた。
直葉・ユウキ
「『(ドキドキ。ドキドキ。)』」
ティアナ
「(ほら、あんたのファンになってくれた子達が見てるんだからカッコよく決めな
さいよ、ツバサ。戦士としてのストライカーだけじゃない、あんただって・・・)」
MAXにまで高まった集中力のまま振り抜いた左足から繰り出された放物線は何者
にも触れられることもなく、ゴールネットに突き刺さり、その瞬間、抑えられてい
たサポーターの声が一気に爆発して爆音のように響き渡る。
「決まったぁあああ!!!!試合終了間際にトドメの一撃ー!5対2ーーー!!」
直葉
「やった♪やった♪やったー♪すごい~!ツバサ――――!!!」
ユウキ
『~♪~♪~♪』
大はしゃぎの直葉にユウキもエースの身体を借りて飛び跳ねて大興奮の様子だった。
そしてフィールドを見る眼にはとてもキラキラした輝きが見える。
そこにはフィールドの仲間からもみくちゃにされながら腕を突き上げるツバサの姿。
ティアナ
「(皆に夢と希望を与えられるサッカーのフィールド戦士なんだから)」
こんな事を想い乍ら、ティアナも直葉達と声援を飛ばす。そして試合終了の笛が響いた。
試合が終わってからクラブハウスに戻ってきたツバサを直葉達が出迎えた。
直葉
「す~~ごかったね!わたし物凄い大はしゃぎして応援しちゃった、喉が痛いよ」
ユウキ
『ボクも楽しかった~!ALO以外であんなに楽しいって想えたの初めてだよ♪」
ツバサ
「はっはっは、そりゃよかった。俺も気合い入れてプレーしたかいがあったよ」
ティアナ
「それにしてもまさかチームであんなのを用意してるとは思わなかったわよ」
試合終了後、サポーター達への挨拶の際にチームメートが徐にユニフォームを脱い
で肩を組むとそのユニフォーム全てを読むとメッセージになっていた。
『心』『は』『共』『に』『共』『に』『戦』『お』『う』『ユ』『ウ』『キ』
監督やサブのメンバーも含めて応援メッセージのカードを掲げながらユウキに向け
た応援メッセージを送ったのだった。
直葉
「わたし、世界は違うけどウイングスのファンになっちゃった。観ててすっごい楽
しいし、ワクワクするサッカーみたの初めてだったもん!」
ユウキ
『ボクも!ボクもー!』
ツバサ
「それなら2人にはこれもプレゼントだ」
そういって2人に差し出したのはウイングスのホームユニフォームでそれには選手
全員のサインと応援メッセージが書かれたモノだった。
しかもレプリカではなく、選手が使う本物のユニフォームだった。
直葉
「わぁ~♪ありがとう、ツバサ!」
ユウキ
『ボクはどうしようかな、持ち帰る時』
直葉
「ならわたしが持っていくよ。ツバサから話は聞いたから届けられると思うし」
ユウキ
『ほんと!ありがと、リーファ!』
ティアナ
「そういえばそろそろユウキ達を元の世界に送らないとね。エースも一緒に来て。
ユウキのコンバートもしないといけないからね」
エース
『リョウカイダ ティア』
2人を次元航空船が停泊している空港まで送り、そのロビーで別れの挨拶をした。
直葉
「それじゃ~ね、ユウキ。またALOで会おうね」
ユウキ
『ボクも向こうにいるからいつでも来てね♪』
ツバサ
「ああ、だけど。ユウキと会うのはALOだけじゃない」
そういってユウキと向かい合ってにかっと笑いながらこう言った。
ツバサ
「直葉と2人で今度はそのユニフォーム来て応援に来てくれ。お前が元気になって
外に出られるようになったら今度は今日以上に盛り上がるダービーマッチとか、
優勝決定の試合なんかで招待してやるからよ」
ユウキ
『ほんとー!?うん!ボク、絶対に頑張って病気なんか倒してみせるからね♪』
エース
「ホホォ~?モウスッカリ ゲンキニナッタヨウダ ウレシイカギリダ」
直葉
「・・・へへっ、ツバサのおかげでなんか勇気貰えた気がした♪」
ツバサ
「・・・そうかい」
何やらまんざらでもなさそうな顔で笑みを浮かべるツバサ。夢や希望を護るライダ
ーとしてその言葉は何よりもうれしい一言だった。
ティアナ
「それじゃ、行きましょうか。それじゃ、、またね。ツバサ」
直葉
「さよなら、ツバサ!」
ユウキ
『またね~!』
エース
「フトルカラ ネルマエニ アマイモノヲタベルンジャナイゾ ツバサ」
ツバサ
「お前は一言余計な事を付け加えるな、エース!!」
一同
「はっはっははは♪」
本当の自分として仮面ライダーとしてではなく、ツバサ・ハヤカゼとしてユウキと
直葉に夢と希望を与える事が出来たツバサは充実感を胸に飛び立つ航空船を見送る。
なのは
「ツバサ」
振り返るとなのはがいて隣に並んで同じく航空船を見送る。
なのは
「今日は大活躍だったね、なんか最近のツバサのプレー、見違える気がするよ」
ALOを始めてユウキと出会ってからか吹っ切れたようなプレーをし始めて今まで
のチームプレイはもちろんだが自ら敵陣に攻め込んでいくいい意味での強引さが足
されて模擬戦でもはるかに動きが良くなっていた。
ツバサ
「ユウキに教えられただけさ。どんなフィールドでも本人にとっては一番輝ける場
所でそういうのに人は憧れて憧れられてそんな場所を護るのが俺だってのを改め
て気づいてね。本気じゃない奴がフィールドにいたって誰もそうは思わない」
なのは
「昔の眠ってるって言われてた自分の事?」
ツバサ
「多分、そういうプレイをしたこともある。だけど無意識というか無我に近い時に
出来ただけで自覚しては出来てなかった、サッカーでもストライカーになっても」
そう言い乍ら、にやりと笑みを浮かべて言った。
ツバサ
「ストライカーの強さはヴィヴィ達に戦う者としての夢や希望、それに勇気を与え
られてた。だけど俺自身じゃない。ストライカーの強さを振るっただけで俺自身
は戦ってなかったかもしれない、だけどユウキから『本当の本気』を教えてもらった」
あの時の心が躍り、高鳴る鼓動は今でも覚えている。本気にならなければ辿り着け
ない場所というものがあった事に気づかされた。
自分で分かる本気ではなく、理性を越えた先の『本当の本気』。
ツバサ
「期待しててくれよ?サッカーでもストライカーでもエースになってやるからさ」
なのは
「ふふっ・・・♪本当に変わったね、ツバサ。えいっと」
いきなり腕に組み付いてきて慌てはじめるツバサ。
ツバサ
「お、お前は何してるんだ、おい!」
なのは
「そういうところは変わらないね~?彼女出来た時、なよなよしてると嫌われるぞ~?」
ツバサ
「お前・・・遊んでるだろ、俺で」
なのは
「あそんでませ~ん、たのしんでまーす♪」
ツバサ
「同じだろ!?」
なのは
「はっはっはっは♪」
こうして自分として成長できた実感を覚えながらツバサは岐路についた。次回へ続く。