別作品キャラなどを絡めた単発ストーリーなどをやっていきます。
それなりに長いシーズンになるかな・・・・そして今ようやくストライカー編が終盤に
なってまいりました。まぁ・・ドライブ編はほとんどだがなッ!!;つД`)
何とか夏場にはあげたいとおもいますので気長にまってください、何でも(ry
アインハルト
「おはようございます」
あくる日の朝。
アインハルトは目覚めて道場にやってくると一礼して中に入り、先に来ていた道場
の面々と挨拶を交わしていた。
出海
「おぉ?おはようさん、よく眠れたかい?」
アインハルト
「はい。お日様に当たっていたのかとても暖かでした」
この男性の名前は『陸奥 出海』。武術の達人であり、無手で人を殺める技を究め
た一子相伝の技『陸奥圓明流』の継承者、生まれてより数百年敗北を知らないとい
う流派でツバサも彼に体術を習っているがやはり体術では勝てないようだ。
ちなみに彼のトレーニングウェアのモチーフは彼の服装が元になっている。
伊織
「アインハルトも席について朝食を済ませてしまうのがよかろう。それから稽古を
始めるからしっかりと食べて鋭気を養うのだぞ」
こちらの男性は『宮本 伊織』。宮本武蔵の子孫であり、その剣術『二天一流』の
師範代を務めており、天才的な剣術の持ち主。
だが出海曰くは技はあるが優し過ぎるために戦いで非道になりきれない部分もあっ
てその分だけ自分の方が強いらしい。ちなみにツバサの剣術指南役の1人だ。
さくら
「あぁ~、お腹すいたーーー♪」
茶髪のショートヘアーに鉢巻、そしてセーラー服姿の少女がいて彼女もこの道場の
門下生であり名前は『春日野 さくら』。
ある人に憧れて武術を習い始め、この道場に入門した。天才的なセンスの持ち主で
出海とも渡り合えるほどの強いがこの間はツバサに負けて大泣きしたとか。
島津
「うむ、皆の衆、おはようッ!いやー、今日も目覚めのいい朝ネ」
宰相
「はいはい、今日は焼き魚に煮物と味噌汁、後は自家製納豆ですよ。お座りなさいな」
彼女は島津の妻で『島津 宰相』。文武両道の女傑であり、島津を拳1つで止めれ
る恐ろしい人物でツバサも以前はかなり道場に叩き伏せられていたようだが今現在
ではツバサには負けるらしい。
島津
「それでは」
一同
「いただきます!!」
食事が始まって驚いたのはさくらと出海の食べる量だった。
出海
「むぐむぐむぐ・・あぐ・・んぐ、んぐ・・・・宰相さん、おかわり」
さくら
「あぐあぐ・・・むぐぐむぐ、ずずずっ・・・・わたしも!」
アインハルト
「・・・・・・・(唖然。」
それを見てるだけでお腹が膨れそうなほどの勢いで次々におかわりしていく2人。
唖然としているアインハルトに伊織がおかしそうに笑いながら食事を促す。
伊織
「この2人はよく食べる。だがこれぐらい食べねば2人のように強い体は作れん。
マネはせずともしっかり食べ、しっかり動き、しっかり寝る、基本の生活をしっ
かりと繰り返していけば自ずと鍛えられよう」
ここで時計を見た伊織が食事を平らげて立ち上がった。
島津
「どうしたね、伊織どん」
伊織
「いえ、一度、大学にいって提出物を届けないといけないのですぐ戻ります」
こう見えても彼は大学で若き教授として歴史学などを講義しているのだ。ある意味
でこの道場の資金源の1つ、というより主な収入源でもある。
そうこうしている間に出海とさくらも満足したのか食事を終えたようだ。
さくら
「さてっとわたしも高校いってきまーす!」
出海
「ああ、いってこい」
アインハルトも食事を終えて食器を持って立ち上がろうとするのだがその食器を出
海がひょいっと取り上げて自分のと一緒に持っていこうとする。
出海
「客人がもてなす側に気苦労をかけるもんじゃないぜ~?こういう時は、甘えてや
ってもらうもんだ。まぁ、性格が真面目、悪く言えば石頭だから難しいか?」
アインハルト
「い、いえ。確かに好意に甘えるのが下手と言われます。すいません」
出海
「はっはっは。こんなことで謝る事もないだろう、まぁ、片付けたら稽古に付き合
ってやるからそれまで準備なりゆっくりしていればいいさ」
アインハルト
「はい」
片付けに向かった出海を見送ってアインハルトはティオにトレーニングモードの服
を頼み、セットアップすると動作を確認して入念に柔軟運動をし始めた。
宰相
「うん、なかなかよく鍛えてるみたいね。柔らかくてしなやかな体をしているわ」
すると宰相さんがやってきて柔軟の手伝いをしてくれた。
アインハルト
「宰相さんも確か格闘がお強いんですよね。ツバサさんが言っていました」
宰相
「あの子に勝ててたのは前よ。大きな事件の後、顔つきが前より大人っぽくなって
からかしらね、体術のキレも重さも格段によくなって今は勝てなくなっちゃったわ」
これに関してはそういう事にまだ興味のない彼女も心当たりがあるようだ。
アインハルト
「詩乃さんと付き合い始めてからでしょうか?以前より穏やかな表情が増えましたし
前はウイングスだったり、仮面ライダーの戦いで表情が厳しい事が多かったです
から。わたし達の前ではいつも笑顔でしたけど」
宰相
「心底護りたいって想える人が出来たのが大きかったのかしら、いえ、それもきっか
けなのかもね。彼にとっての拠り所で心が安らげる場所が出来たのも大きいわ」
出海
「だからこそ静かで穏やかな精神のままで護るモノのために敵を砕くという凶暴な
意志を両立させる、島津のじいさんの言っていた新しい覇気の形をあいつは手に
入れたんだろうさ。俺の修羅とはまた違う『優しい修羅』って感じかね」
出海も片づけが終わったのか道場にやってきて軽く準備運動をして一息つくとアイ
ンハルトと向き合ってゆっくりと構えを取った。
出海
「さぁ・・・、始めるか」
アインハルト
「押忍!」
ここら辺はヴィヴィオから教えられた挨拶の返しをマネして気合いを入れ、駆け出した。
詩乃
「うん、どうかしらこんなもんで」
ツバサ
「ふむ、なかなかいい出汁加減だな。今更だけど料理得意だったのね」
一方、ツバサは詩乃の暮らしているアパートに泊めてもらって今は朝食の準備中だ。
ツバサ
「うん、こっちもいい具合だな。こんなもんだろ」
ツバサもそれなりに料理は出来るので2人で和食膳を作ってテーブルについた。
ツバサ・詩乃
「「いただきます」」
彼女の作った味噌汁をすすってみる。いい出汁とシンプルながらホクホクとしてい
て美味しい具材のジャガイモもなかなかにいい具合である。
詩乃
「はむ・・・・んむ、んむ・・・へぇ、意外と上手いのね、ツバサも」
ツバサ
「結構、こう見えても自炊してるんだぜ?まぁ、レパートリー少ないけどな」
詩乃は終始笑顔だった。
こうやって誰かと一緒に朝食をとるのはもう何年ぶりになるのかというレベルだ。
他愛のない話をしながら穏やかな朝を大切な人と過ごせる、夢のまた夢だった世界
の中にいるのが信じられなくもなるが嬉しい現実がそこにある。
詩乃
「今日はわたし達のリハビリ学校にいくんだったかしら。確か管理局の人が隠れて
生活を送ってるのよね、今回は許可をその人が出してくれたって」
ツバサ
「あぁ、こっちに結構な人数のミッドチルダ出身の魔導士がいるみたいだからな。
たまには親子水入らずだったり、仲間と遊ばせるのもいいだろうさ」
というのもこれもツバサ発案で春休みという事もあり、施設を借りてユイとストレ
ア、ピナをこっちに連れてきて和人達に合わせようというのだ。
他の生徒は実家に帰郷して利用するのは彼らだけということだった。
ツバサ
「それにあそこ実は空戦・陸戦魔導師用の戦闘訓練施設が地下にあるからそこでち
ょっとした模擬戦を俺もやるつもりだからな」
するとクラクション音と共に道路を精製しながら現れたのはドライブから譲り受け
た新たな仲間シフトカー『ワールドクラス』だった。
彼が机に停車すると詩乃とツバサにクラクションを鳴らしながらドリフトする。
ワールドクラス
「!ッ!」
詩乃
「おはよう、ワールドクラス」
ツバサ
「おはようさん。こいつの調整が終わったから試運転を兼ねてな」
詩乃が手に取って脇に置いていたオイルと布巾を取ってボディーを磨き始めた。
こうやって拭いてもらうのが好きなようでご機嫌のクラクションが鳴っていた。
ワールドクラス
「~♪」
ツバサ
「(やっぱこいつも男か・・・・)」
エース
「(ボウヤダカラサ~・・・・)」
それから食事を終えたツバサ達は身支度を整えて和人達のリハビリ学校へ向かう事にした。
ツバサ
「ちゃんとしっかりつかまってろよ?でるからな」
詩乃
「ええ、時間に余裕はあるけど早めに行きましょ、ツバサ」
彼女を裏にのせてウエンブレーを発進させ、目的地へと向かった。
アインハルト
「(このタイミングなら撃ち返せないはず・・・ッ。右拳昇打)」
出海
「オオッ」
だが自分の懐深くに出海が踏み込んできて腰を鋭く回転させながら拳を振り抜いた。
アインハルト
「!?(タイミングは完璧だったのにこちらが撃ち込まれるなんて・・・ッ!でも前
にヴィヴィオさんに受けた一撃に類似していから体が動いた)」
さらに続けざまに体術を繰り出してくる、そして飛び上がって体を駒のように回転さ
せ、勢いをつけた蹴りを放ってくる。
この技も直感的に記憶から引き出されたモノと思い、即座に後退した。
出海
「へぇ~、旋を避けるか。と言ってもさっきの避け方は知ってる避け方だな、ツバサ
からこの技でも受けた事があるのかい?」
アインハルト
「ツバサさんに一槍をお願いしたとき、避けれる程度で。次に本気で打ってきた蹴り
には対処できませんでしたけど・・・出海さんも手を抜かれてましたよね」
出海
「まぁ、普段よりかはな。普通の奴ならあれでも床に大の字なんだがね」
闘っていて気づいた事がある。ある種のツバサに似ている部分だった。
アインハルト
「時折、出海さんが別の人に見える時があります、ツバサさんと戦っている時もある
種、そんな感じがするときもあるんですが・・・・」
打ち合いをしながらそんな事を言ってくるアインハルトに一度、距離を取る出海。
出海
「(ニィ)お前の言っているのは・・・・これのことかい・・・?」
アインハルト
「―――――ッ」
刹那、背筋を寒気が奔った。言うなれば鬼島津を前にした時と同じ、身体に突き刺
さるような殺気、だが島津とはまた異質の気、鬼とは別の異形の気だった。
出海
「・・・ふっ、陸奥っていう生き物は代々中に修羅を飼ってるのさ。お前さんが感
じている何かってのはこれの事だ、ツバサの奴にも同じ部類のがいるんだろうな」
人は人を辞め修羅と化すと獣が住むと言われている。
そして人を捨てる程の修練を積む陸奥の一族には代々、その修羅の獣を宿しており
好敵手との出会いはそれを目覚めさせ、本来の力を引き出すモノらしい。
出海
「元々サッカー選手のツバサに何故、俺らと同じ修羅が住んでるのかは分からん
があいつの中にも獣はいる。まぁ、俺のようなタイプの獣にもなれるし、別の
タイプの獣になれる変わった奴だがな」
アインハルト
「あの時の・・・・」
ツバサが島津と軽く『遊んだ』時に島津の殺気が薄くなった際に彼が自分とは別
の殺気を放っていた所謂、『優しき殺気』の事だと思った。
出海
「お前さんは、得ようと思っても無理だからやめときな。あれは天性的なもんも
あるが・・・アインハルトには合わない。伊織同様に優し過ぎる」
アインハルト
「あの高みにはたどり着けないと・・・?」
出海
「いや、そういうわけじゃない。お前の技はいわば修羅の技、そいつは修羅にしか
使えない。だがお前じゃ無理だ、さっきも言ったがな、要するにお前が使うべき
技が合ってないのさ。簡単に言えば覇王流がお前に追いついていないか?」
アインハルト
「まだまだわたしはクラウスの力には程遠い・・・覇王流を抜けるわけないです」
だが出海の見解は違うようだ。
出海
「クラウスってのがお前の先祖らしいが先祖の覇王流の目的と今のお前の目的はち
と違う。根本は同じだ、だが根本の目的からの手段の使い方が違う」
そういって駆け出した出海は今までとは桁違いの速度で体術を繰り出してきて対応
出来ないアインハルトが不用意に出した手を掴みとって反応すらさせずにその体を
宙へと投げ、完全に体を逆さにされたところを背中に蹴りを叩き込まれる。
アインハルト
「うぐっ!?」
出海
「陸奥圓明流・雷、本来なら延髄に入れて首の骨をへし折る技。さっきのが本気な
らお前さんはもう死んでる、これが修羅の技だ、んで」
またもや怒涛の如く攻撃を繰り出してきたのだがさっきとは少し違った。
アインハルト
「鋭さは変わっていない、でも怖さが先ほどより薄れている」
出海
「ぼさっとしてるなッ!」
虚を突かれて反応すら出来ない隙に腹部に掌底が迫り、痛みに備えるアインハルト
だったのだがただ手が当てられただけで衝撃音は自分の裏から聞こえてきた。
見ると壊れていたのは裏の壁で衝撃が裏へと突き抜けていたようである。
出海
「相手を殺さず制す、こいつが言わばツバサや島津さんの修羅ってとこかね」
一応は確認してみるのだが背中への一撃以外は全く痛みが無かった。
アインハルト
「今のは・・・」
出海
「圓明流の技を応用してお前の身体を抜けて裏に気をぶつけただけだよ。今のはま
だ戦う余裕があったと思うが要するにこういう事だ。修羅の技は相手に隙も感覚
も与える気はない、何せ相手を殺す事を前提にしているからな」
彼が言いたいのは覇王流も元は高め合う技だったのだろうがクラウスの境遇がそれ
を人を殺める修羅の殺人拳へと変えた。
だが自分は殺める必要はない。その修羅の技は自分には合わないだろうと。
島津
「むぅ、ハヤカゼどんが言っておったのはそういう事だったようじゃの」
いつの間にやら島津もやってきて蓄えたひげをいじりながらアインハルトの前にど
んと座ると彼女にもそこに座るように促す。
島津
「わしの昔の話ばしたんは覚えとるとね。かつては人を殺める一刀必殺の剣を極め
るため修羅の如く一心不乱に剣を振るい申した・・・じゃが戦えば戦う程、自分
が追い求める示現流とかけ離れてしもうてのぉ」
強さは強さ。ただそれを追い求めれば求道者ではなく、唯の破壊者となる。
島津
「もう何百年も前となれば本人の気持ちは分からんとね。じゃけんど同じ道へと足
を踏み入れた者として言える事もある。恐らくは守らねばならぬ者を失ったクラ
ウス殿はすでに虚無の境地にてただ拳を振るう者になっておっただろうの」
出海
「目的を見失った力ってのは振るっちまうと歯止めが効かなくなる。ただ目の前の
戦場から戦場へいつしか戦うのが理由になりかねない、ある意味、本当の意味で
獣になった修羅って言い方をすればいいかね」
そしてアインハルトに島津が訪ねる。
島津
「アインハルトどんは、何のために拳を振るうとね」
アインハルト
「・・・かつては覇王流が最も強いという事を証明するため。そのために無差別に
戦いを繰り広げていました、でもヴィヴィオさん達と出会って本当に強い人達と
戦ううちに目的が分からなくなったんです」
覇王流の力を証明したい、それは変わらない。『クラウス』の夢は自らの夢と思っ
ていたはずなのに自分の中で別の理由が生まれていた。
本当に強いファイター達との戦いの中で勝利の渇望、心躍る勝負と相手との出会い
と『自分』の力を証明したいと思うようになった。
出海
「あくまでも前者は覇王流継承者として背負う者、ある意味で義務、使命感からく
るもんだが後者は違う。お前自身の渇望と願いだ、今この時代で拳を振るってい
るお前が歩いて見つけたお前だけの戦う理由だ」
島津
「アインハルトどん、これから先へ行くためにもおまはんは自分の覇王流をみつけ
んしゃい!古き楔を持ちて新たな次代の覇王流を作り上げるんじゃ」
アインハルト
「新たな覇王流・・・・?」
島津
「クラウス殿の記憶を引き継いだんは次代に生きる者に違えた自らの覇王流と同じ
道を歩ませんとするためと思っておる。そのために記憶を残し、そこからさらな
る時代へと語り、留め、また託すため想いと共に覇王流という力も残したんでは
無かろうかとわしはそう思っておるんよ」
自らの掌を見つめながらクラウスの記憶を徐に辿る。
想いを寄せていた人、大切な友人であり好敵手、支えてくれていた人達、そんな中
で互いに高め合い純粋な武人として強くなっていただろうクラウス。
運命の悪戯に弄ばれ、武人は覇王となり戦場を駆ける鬼神になった。
出海
「前にヴィヴィオって子もここに来てな。お前さんの話をしてたよ」
アインハルト
「ヴィヴィオさんがですか?」
出海
「ツバサに引っ付いてあいつと同じトレーニングしてたんだが子供にはかなりハード
な練習だったんでためしに何でそこまで追い込んでるんだって聞いたら、追い込ん
でるつもりはなくて一緒に練習できるのが楽しいって言ってお前さんと真正面から
向き合って未来を見つめて歩ける手伝いがしたいってな」
アインハルト
「わたしが未来を歩ける手伝い・・・」
出海
「はっきり言ってお前さんが言った覇王流を認めさせるなんて夢はもう叶ってるだろ
うさ。なんたってヴィヴィオを始め、あの子の話を聞いている限りはお前は皆から
認められてるし、尊敬の念も受けてる。クラウスじゃなく『アインハルト・ストラト
ス』としてな」
皆が見ているのはクラウスではない。今、その拳を振るうお前だと言った。
島津
「おまはんの完成形というのはもしかするとハヤカゼどんかもしれんのぉ~。あの若
者は蹴球の道と武人の道、2つの道を究めんとする男ね。流派などは無い、じゃが
その生き様、姿勢、人の道を示し現し、そして導ける何とも不思議な男よ」
宰相
「そうね。出海ちゃんや伊織君があんなに楽しそうに戦う相手なんて初めて見たし、
さくらちゃんも負けて大泣きしてたけど晴れ晴れとした顔をして今では尊敬の念も
込めてる、夫と同じ殺気の力もあるのに何故か、人を活かしてしまう不思議な子ね」
アインハルト
「・・・・たぶんツバサさんは仮面ライダーだから、だと思います」
その言葉に全員がアインハルトを見る。
アインハルト
「敵を砕くための修羅の如き力、でもそれはルフィアンだけを砕く力でルフィアンに
魅せられた人をいるべき夢と希望のフィールドに導く戦士・仮面ライダーストライ
カーとしての力、そしてそれを振るうための想いと覚悟、それがたぶんあの人の持
っている不思議な力・・・『優しき修羅』なんだと思います」
出海
「・・・はっはっは!なんだお前さんも分かってるんじゃないか、そいつがお前が持
つべき力、そして作るべき覇王流の形だろうさ。まだまだ若いんだ、ゆっくり時間
を掛けて作るといい。お前の世代から始まる新たな覇王流と覇王の物語を」
島津
「ふむ・・・その心と想いそのものが『仮面ライダー』・・・なのかもしれんね」
アインハルト
「新たな覇王流の物語・・・わたしの拳で」
ここで島津が両の膝をバチンと威勢のいい音を叩くと徐に立ち上がり宰相に言う。
島津
「筆の白旗の準備じゃッ!!新たな時代の始まりにこの島津、一魂を込めた一筆を若
き武人に送らばならんね」
宰相
「はいはい、お待ちなさいな。あなた達、備え、始めッ!」
門下生の野郎共
「「「「「「「「オォォォオォオオオオオオオオオス!!!!!」」」」」」」
次々に入ってくる野郎共が巨大な白旗を持って広げ、さらに巨大な筆に硯、そして墨
をバケツ一杯に持ってきて一心不乱に磨ぎはじめた。
アインハルト
「(ポカーン)(唖然。」
口をあんぐりと開けて唖然とした表情でその光景を見守り、準備が出来たのか旗の左
右に並ぶと後ろで手を組み待機の状態で整列した。
島津
「・・・・・・カァッ!!」
気合と共に筆を取り、旗へとまず一筆目をおろす。同時に門下生が演武を開始する。
島津
「ぬぅぅぅうう・・・・!!!キェェエエエエ!!!」
門下生一同
「「「「「「「示ッ!!」」」」」」
島津
「むぉぉぉおおおお!!!カァアアアアア!!!!」
門下生一同
「「「「「「「現ッ!!」」」」」」」
島津
「ぬぅぅん!!ぬぅん!!キェェーーー!!」
門下生一同
「「「「「「「覇ッ!!」」」」」」」」
島津
「ホォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!オウッ!!」
門下生一同
「「「「「「「王ッ!!」」」」」」」」
島津
「キエェエエ!!!ぬぅぅん!!おぉぉおお!!!チェストォォオオオオオ!!!」
門下生一同
「「「「「「「流ッ!!」」」」」」」」
島津
「新たな小さき覇王の船出に次代の流派の名前を送り申す・・・その名をッ!」
門下生一同
「「「「「「「示ッ!現ッ!覇ッ!王ッ!流ッ!!」」」」」」」」
それぞれの文字の前で演武をしながら広げられた白旗には『示現覇王流』の文字が
刻まれてアインハルトの前に島津が歩み寄る。
島津
「悩みんしゃい、考えんしゃい。そして鍛え、究め、そしてまた鍛え、この名に恥
じぬ優しき覇王となった時、次代へとこの名を託しんしゃい。おまはんがクラウ
ス殿から託されたように次なる覇王へと託すためその楔となるがよか」
その大きな手でアインハルトの頭をワシワシと撫でて豪快に笑った。
アインハルト
「流派の名、ありがたく。ありがとうございました」
空手の挨拶のように島津と出海の2人に礼を込めて動作をする。
宰相
「良かったわね、アルトちゃん♪ところであなた?」
島津
「ん?どうかしたね、宰しょ―――――ごはぁぁぁ・・・・・・」
刹那、島津の身体が宙に浮いた。そしてその下では見事な左拳昇打を決めた宰相。
アインハルト
「・・・・・・(ポカーン(唖然。」
まるでスローモーションのように宙を舞い、その巨体が道場の床に落下した。
出海
「あちゃぁ~・・・・」
門下生一同
「「「「「「「島津塾頭ぉぉぉおおおおお!!!!!?」」」」」」」
宰相
「書くのはいいのよ、書くのは。でもこの惨状をどうしてくれるのかしら?」
見てみると壁やら床が墨で凄惨な状況になっており、よくよく見てみると宰相の着
物にも少し墨がついてしまっていて笑顔の仮面の笑顔のまま門下生の方をみやる。
宰相
「あなた達も何故、下敷きをしかなかったのかしら?何故、幕を張らないのかしら?」
門下生一同
「「「「「「「「ガクガクブルブル」」」」」」」」
そして今度は本当に極上スマイルをアインハルトに向け乍ら恐ろしい一言。
宰相
「見てなさい、アルトちゃん?あなたのためにまず示現覇王流の原型に出来る体術
をこの木人人形共でしかと目に焼き付けさせてあげるから♪」
出海
「やべぇ・・・・宰相さんがマジでキレちまってる・・・・(汗。」
アインハルト
「は、は、はぃぃぃぃ・・・・・(ガクガクブルブル。」
最早、地面どころか大気すら揺らすほどの震脚からその手に焔にすら見える気が迸
り、それを天に掲げて咆哮を上げる。
宰相
「男共!!おしおきの時間よッ!!天破拳王流ッ!!!」
島津
「ま、まつとね!!?お前がそれやると―――――」
出海
「逃げるぞ、アインハルト!!?」
アインハルト
「へっ?!へっ!?へぇ~~~!?」
アインハルトを脇に抱えて全速力で道場から離脱する出海と混乱するアインハルト。
そこに丁度、やってきたツバサと詩乃。
詩乃
「そんなに強いのその人?」
ツバサ
「ああ、前は連戦連敗。今になって漸く勝てるようになったぐら―――」
宰相
「破断!!烈震、拳ーーーーーーーッ!!!!!!」
刹那、目の前で吹き飛ぶ道場。そして断末魔と共に空を舞う屈強な男達。
しばらく瓦礫と人が降り注ぐ光景を唖然と見つめる詩乃と引きつった笑みを浮かべ
るツバサの2人の視線の先には大きく抉れた地面に拳を突き刺さらせている男達よ
り何分の一の体格の女性でお淑やかな笑みを浮かべて2人を見やる。
宰相
「あらあら、お恥ずかしいところを見せちゃったわね。さっきね、アルトちゃん
が新しい流派を創るっていうんで原型の技を披露したのよ、木人人形共に♪」
ツバサ
「へ・・・へぇ~・・・・木人人形ですか・・・・は、ははははっ・・・・」
すぐさま詩乃に腕を引かれて物陰で状況確認が行われた。
詩乃
「(何なのよ、あの人!?あれ、人じゃないわよ!間違いなく怪人か何かの類よ!?)」
ツバサ
「(アホか!?間違っても本人の前でそれいうなよ!お前に手を出さないかわりに俺
がお空の星にされるはッ!!あの人ああ見えて昔は武神なんて言われてたんだぞ!?)」
宰相
「何かおっしゃいました?(にっこり。」
詩乃・ツバサ
「「いえ、何も」」
宰相
「ふっふっふっふ♪アルトちゃん、気に入ってもらえたかしら?」
アインハルト
「お、押忍!!師の技、しかと受け取りました!?ありがとうございました!Sirー!?」
慌てふためいた普段使わない言葉使いになってしまい怯えている様子のアインハルト。
出海
「はっはは・・・かつて『武神闘姫』と呼ばれた腕は伊達じゃないな・・・はっはは・・・」
俺よくこの人に勝てたなと一応は勝利した出海とツバサは疑問を思わざるえなかった。
ともあれアインハルトは自らの覇王流を見つける第一歩を踏み出した。
流派『示現覇王流』はこの時より新たな歴史を刻むこととなる、そんなお話になるの
はまだまだ先の話ではあるがアインハルトの中で何かに火がついたのは言うまでもない。
次回へ続く!