レイン
「・・・・・」
ツバサ
「レイン」
その声に振り返るといつもの飄々とした笑みを浮かべた新しいパートナーが来た。
ツバサ
「悪いな、待たせちまったか?ちょいと試合が延長戦に入って休憩入れたらこんな
時間だ、少しくらいしか出来なさそうだが行ってみるか」
レイン
「うん!がんばろ、ツバサ!」
ハイタッチを交わしあって並んでフィールドへと出て行く。ここ最近はオフ日など
を除けば試合や練習が終わった後にALOにログインしてレインと攻略を進めるの
が日課となった。睡眠自体もこちらで寝てしまえば同じ事なのでこちらで睡眠をと
り万が一に向こうで事件があった場合はすぐ行けるようにはしてあるらしい。
さすがに仮面ライダーである事やミッドチルダの話は出来ないので伏せてある。
レイン
「時間も時間だし、経験値とガルド稼ぎにしよっか。攻略はまた今度で」
ツバサ
「了解。だったらこっから北にいったフィールドがいいだろ。中ボスもいたしな」
あれから2人で行動しているので金銭やアイテムなども2人だけで調達しないと
いけないのもあるので攻略する日と装備充実にあてる日にわけているようだ。
ツバサ
「さてとこないだの攻略でボスダンジョンまでのアイテムは手に入ったわけだが
ここら辺からボスレベルも上がる話だし、2人ってのも危険かね」
レイン
「う~ん・・・前のフィールドのボスは2人で倒せたけどもしもの事を考えたら
やっぱり人数はいた方がいいよね・・・やっぱり」
二番目の新フィールド砂漠の島『ヴェルグンデ』を攻略しているのだがボスへt続く
ダンジョンまで攻略を進めてすんなりとボスまでは進めると参段を踏んではいたがや
はり2人だけで万が一を考えた場合、そろそろ追加メンバーが欲しいという話になった。
レイン
「むむむっ・・・さすがに人手不足はどうしようもないね。他に誘えそうなメンバー
もいないし、今更、キリト君達に頼むのも何を言われるか分からないし、特に・・」
ある1人のケットシーの事を思い出したのか身震いするレイン。これには彼も苦笑いだ。
ツバサ
「・・・まだあいつらがメンバーにスカウトされてなければだが心当たりがある」
レイン
「本当!?」
ツバサ
「ああ、明日はオフだから長めにプレイできる。出場する領もとりあえず・・・だな」
心当たりのメンバー達の顔を思い浮かべながらある意味での一抹の不安が過る。
レイン
「そういえばこっちで寝るって言ったけど家でも持ってるの?」
ツバサ
「んや、どこかの木の上で野宿だな。前もそれだったし」
泊まる家などを買う金もないのでフィールドの安全地帯でそのまま寝ていたようだ。
ログアウトしてからまた来るのも面倒なのでこちらで睡眠をとれば現実でも同様に
休息を取れている状態なのもあってそのまま寝てしまっている。
レイン
「って一応、体感温度とかもリアルなんだから体に悪いよ(汗。だったらわたしの
工房に来なよ。わたしもこっちで寝泊まりする事あるから・・・」
ツバサ
「そうか・・・・」
ふと詩乃の事が頭を過るが別に疚しい事をするわけではないと言葉に甘える事にした。
ツバサ
「・・・・・・(怒。」
レイン
「ご、ごめん・・・・」
清々しい朝のはずがかなりご立腹な様子のツバサ。その顔には紅葉マークがついていた。
ツバサ
「朝っぱらから耳元で大音量と張り手のモーニングサービスありがとよ(怒。」
レイン
「だからさっきから謝ってるじゃなーい!?いきなり目の前に顔があったからびっく
りしたんだもん・・・というかツバサだって人の事抱えてたじゃない(赤面」
ツバサ
「うぐ・・・・」
要約するとこういう事だ。朝起きた際にレインが目の前にツバサの顔があった事に
驚いて大音量の叫びと張り手をくらわせたのだがその前にツバサの方も詩乃と一緒
にいた時の癖が出たのか頭を自分の胸に抱えるような恰好を寝ながらしたようだ。
ツバサ
「(詩乃にバレたら絶対殺されるな・・・・)」
レイン
「(うぅ・・・まだ顔が熱い~(汗。」
何となく気まずい感じになったが互いに元に戻すために軽く運動がてら組手を始める。
レイン
「はぁああッ!」
ツバサ
「とッ、ハッ!」
レイン
「わっと!ハァッ!ハァァアッ!」
互いに相手が防げる程度の剣速で防ぎあいながら体を温めていくといつの間にか普
段の調子に戻ってきたのか、互いに笑みを浮かべて組手を続ける。
ツバサ・レイン
「「ハッ!!」」
互いの剣先が双方の身体ギリギリで止まり、ゆっくりと剣を引いて収めた。
ツバサ
「やっぱり本気のお前とやり合いたくなってきたよ、軽い組手でも剣技の妙は分かる」
レイン
「ツバサだってやっぱり強いね。利き手じゃないのに加えてまだ二刀を使ってないもの」
リズから貰った剣は性能は自分で試したがレインの前で二刀流は披露していなかった。
ツバサ
「さて今日は俺の心当たりを当たってみる事にするか、行くぞ、レイン」
レイン
「了解♪」
やってきたのは旧都にほど近い巨大な世界樹の元にある広場。
ツバサ
「懐かしいな・・・・」
レイン
「ここに何か思い入れがあるの?」
ツバサ
「んっ?まぁな、俺がこのゲームで本気になる事を学んだ場所でもある」
遊びと高を括って本気になれなかったあの頃。ここで出会った少女との戦いが本当
の自分を呼び覚まし、そして『本気』になる本当の意味を教えてくれた。
彼にとってはストライカーになった後に訪れた二度目のターニングポイントだった。
ツバサ
「・・・フッ。どうやら迎えに行かなくても歓迎してくれるみたいだな」
レイン
「えっ―――――ッ!」
刹那、レインも反応して剣を抜き、同時に抜いていたツバサと共に飛来してきたの
だろう襲撃者の剣を防いで弾き飛ばした。
???
「ッ!」
ツバサ
「ハッ!!」
即座にツバサが追撃していて激しい剣戟を繰り広げてそのまま上空に飛び上がる。
レイン
「ツバサ!」
ツバサ
「手を出すなよ、レイン!こいつとは俺がやる、ハァァアッ!!」
???
「セイヤッ!!」
激しい空中戦を繰り広げて双方が激突して鍔迫り合いに持ち込もうとしたのだがそ
こでツバサが相手の手元を蹴り上げて体を回転させて斬撃を放つが相手も体を回転
させて回避し、弾き合うと双方とも地上に着地して構え合う。
ツバサ
「・・・・・・・・・・」
???
「・・・・・・・・・・」
緊迫の沈黙が流れるのかゆっくりと剣を鞘に納めてやっと笑みが浮かぶ。
ツバサ
「相変わらずのキレの良さだな、元気そうじゃないか、ユウキ」
ユウキ
「へへっ~♪ツバサこそ相変わらずの巧い技だね、そっちも元気そう!」
その名前を聞いて驚いた。どうやら彼女が『絶剣のユウキ』だったらしく、本人は
始めてみたがALOでも有名な『無敵の双剣』が揃うとは思わなかった。
ユウキ
「それで。ツバサがボクのところに来るなんて珍しいね、最近全然会えなかったし」
ツバサ
「キリト達を驚かせるのにしばらくソロでやってたからな。こっちの旧フィールド
にはいたんだが漸く、新フィールドに出てきたってわけさ。んで用ってのは」
そういってレインに目くばせをする。『これはお前がやれ』という事らしい。
レイン
「あの、初めまして。わたしはレインと言います、あなたに折り入ってお願いが」
ユウキ
「?」
そしてこれまでの経緯と一緒に攻略するメンバーをツバサ経由で集めているという
話をして可能ならユウキに攻略に参加してほしいと願い出る。
ユウキ
「ふむふむ、確かにボス相手に2人だけってのも危ないね。それに相手があの大型
ギルドの
ツバサ
「んでさっと頭に浮かんだのがお前ってわけだ。実力は知ってるし、それに今の俺
とお前にどれくらい差があるのかも見ておきたいしな、勝つのは俺だがね?」
にやりと笑みを浮かべながらユウキの性格上、食いついてくる釣り針は心得ている。
ユウキ
「言ってくれるね、ツバサ。エースの補助なしでボクとやり合えるって事でいいのかな?」
ザルバ
『ゴチャゴチャ言うなら見せてやればいいだろ、ツバサ。特別に一瞬だけ力を解放
してやる、一度くらいは牙狼剣との相性ってのも見ておいて損はないだろ』
ツバサ
「そうだな、ユウキなら試すには丁度いい。それに協力するか、しないか判断できるだろ」
ユウキ
「いいよ、ツバサの力見せてもらうからね」
少し間をあけてユウキが剣を抜いて構えに入り、ツバサも納刀した状態で刀を持ち
前に翳し、持ち手を持って自分の前に切っ先を天に翳すように持ち直す。
ユウキ
「?」
レイン
「(来る・・・前に一度だけ見せてもらったツバサの真の力・・・・ッ!)」
ツバサ
「・・・・、ッ!」
そして抜刀し剣で自分の真上に円を描くように振るうとその軌跡と同じ光のエフェ
クトが現れ、その中が砕けて光がツバサを包み、それは黄金の輝きを放つ。
ユウキ
「何、この光・・・!――――ッ!」
刹那、光の奥からこちらへ向かってくる影が見えた。その姿は黄金に輝く身体に白
眼の瞳が自分を射抜き、獣の咆哮が木霊しているような錯覚にとらわれる。
ユウキ
「(黄金の・・・・鎧騎士ッ!?)」
直後に激突した衝撃で粉塵が上がり、そこからユウキが吹き飛ばされて出てくる。
ユウキ
「――――!!」
反転して着地するが信じられない者でも見るように粉塵に目線を向けていた。
少し粉塵が晴れてきたところで光が上空に消えるエフェクトと共に完全に煙が晴れ
て中からさっきと変わらない姿のツバサが現れて納刀していた。
ツバサ
「これであいさつ代わりにはなったか、ユウキ?」
不遜で不敵な笑みを浮かべながらユウキに問いかけ、応えを待つ。
ユウキ
「・・・・、ふっ。OKッ!ボクもツバサとレインのPTに入るよ」
レイン
「本当!?」
ユウキ
「うん。それにボクとしてもワクワクなお楽しみが出来たしね。2人の攻略に手を
貸す代わりに今度、その姿で手加減無しのガチバトルやってよね、ツバサ」
ツバサ
「おう、任せとけ」
そういってタッチを交わしてまず1人目のメンバーを確保したようだ。
???
「なんだぁ~?呼び出したと思ったら女連れとは二又現場にでも出くわしちまったか」
????
「もう、ユーリ!いきなりツバサに失礼です!」
????
「まぁ~でも青年のお仲間にハーレムPTしてる少年いるんだからまだいいんでないー?」
するとさらに3人のメンバーが現れた。1人は黒の長髪の青年
人はショートヘアーの小柄な
な紫の羽織姿の
ツバサ
「ここに来たって事は承諾って事でいいんだな、ユーリ、エステル、レイヴン?」
ユーリ
「まぁ、強い奴らと戦えるってのは魅力的だしなぁ。それにレア装備ってのも気になる」
黒髪の剣士は『ユーリ』。武器は古代武具級の太刀『ニバンボシ』でトリッキーな剣術
と強力なOSSを扱うオーソドックスな前衛型。
皮肉屋で面倒事を嫌うが有事には一番早く行動できる兄貴分のような青年だ。
甘いモノ好きでツバサと旧都などでスイーツめぐりをしているところを見かけた者も
いるとかないとか、そして自他共に認める不幸体質で面倒事からやってくる。
リアルでは万屋のような事をしていてたまに剣術道場の指南役もしているらしい。
エステル
「ツバサにはお世話になっていますし、こういった時にお礼をしないと、ですね」
前衛も出来るがメインは後衛での回復・補助。攻撃向きではないがOSSで作った魔法
剣という技があり回復・補助など前衛を支える技を多種多彩に持っている、言わば後衛
職のスペシャリスト、性格は天然でやんわりしているが意志は固く譲らない事もある。
リアルでは海外出身の良家の娘で外にあまり出られないがALOはどこまでも自由に自
分の足で歩き、冒険が出来るのでとても大切なモノらしい。
正式には『エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン』で『エステル』は長くて呼びにく
いというユーリの意見で縮められて今ではそっちを呼び名で自分でも名乗っている。
レイヴン
「おっさんは無理やり連れてこられたのよ、まったく人使いが荒い若人達だは(呆。」
闇妖精族の男性は『レイヴン』。彼も古代武具級の仕込み弓『セレスティアルスター』。
メインは遠距離・中距離の弓矢だがこの弓は双剣にも出来てそれによる接近戦も得意
でツバサともまともに剣術でやり合い、押せるほどの実力を持つ。
正確は飄々としていて雲を掴ませないような正確で女好き、だが思慮深い部分も持ち
合わせるところもあってか憎めないキャラとなっている。
リアルでは実はツバサの関係者で『聖王教会聖王騎士団』に所属している。
ALOは『おっさんの堅苦しいリアルを癒してくれる憩いの楽園』とのことだ。
ツバサ
「さてとこれでチームのメンバーが勢揃いしたってわけだ」
レイン
「これで一気に攻略が進みそうだね、ツバサ♪」
こうしてPTメンバーを確保したツバサ達はいよいよヴェルグンデ・ボス攻略へと
向かう事になった。
ツバサ
「さぁ、行こうかと勇んで来たのはいいものの・・・・」
エステル
「は・・・ははっ・・・・(苦笑。」
ツバサ
「だから不用意に触るなと毎回毎回言ってんだろうが!!この天然ボケ姫!?」
エステル
「だ、誰が天然ボケ姫です!?知識の探求というのはどうしても抑えられないものなんです!」
ツバサ
「お前の知識の探求に巻きこまれて何で俺までトラップ引っかかってモンスターハ
ウス連チャンルート通らされる羽目になるんだ、あぁん!!?」
エステル
「うぅ・・・・」
元から本の虫だったエステルにとってALOのダンジョンやら細かく壁画に書かれ
ているヒントの文やら装置が珍しくフラフラと勝手に歩く癖があり、それを止めよ
うとした時に運悪く装置を作動させてしまい、2人で別ルートに転送されたのだ。
エステル
「で、でもさすがツバサですね、モンスターハウスでも1人で次々に撃破ですもの」
ツバサ
「そりゃどうも・・・(こいつ、難癖あるからあれだが後衛としては一流なんだよ
なぁ・・・OSSのサポートソード、剣を媒体にして色々な支援魔法を発動する
こいつオリジナル技だがそれのおかげってのもあるし)」
しかも接近戦が苦手なわけでもなく、物理防御もPTの中では高く、それなりに前
衛でも戦えるのでフォローもそれほど重視してやらなくていいのもあった。
だが直後に何か激突音のようなものが聞こえてきて視線を合わせると走り出す。
エステル
「もしかしてわたし達以外にもここに入った方がいるんでしょうか?」
ツバサ
「お前みたいなドジを踏む奴がまだいたってのが驚きだがなッ」
エステル
「もうー!!ツバサは意地悪です!」
ツバサ
「文句言ってないで走れ!もうそろそろさっきの激突音の場所に入るぞ!」
坂を上って開いているモンスター部屋に視線を向けるとすぐにそこにいた3人の後
姿を把握してエステルに指示を飛ばす。
ツバサ
「エステル!アスティオンを頼む!」
その言葉に剣を構えると光の輪がエステルを囲い、剣に収束すると発散して魔法が
発動するとツバサに同じ光のエフェクトが掛ってステータス上昇マークが浮かぶ。
エステル
「はい!聳えよ望楼 鋭き頂に心眼を持て アスティオン!」
魔法攻撃力を1分間の間50%増加させる魔法属性持ちのSSとの連携技を発動する。
ツバサ
「お前ら!!伏せろ!!」
????・?????・????
「「「!!」」」
そして牙狼剣に焔が宿り、それが一気に燃えがって尾のように放出される。
ツバサ
「鳳ッ!吼ッ!破――ッ!!」
下段から一気に振り上げて炎を巻き上げ、それを渾身の力を込めて振り下ろすと爆
炎が吹き上がって轟音と咆哮を上げ、火の鳳凰が猛スピードで地を砕きながら突進
して伏せた3人の真上を通過し、向かってきていた猪型のモンスター群に直撃し、そ
の一撃で死亡エフェクトごと焼き払い跡形もなく消え去った。
ツバサ
「さすがエステルの強化魔法・・・いい仕事をしてくれるな」
エステル
「お役に立てれば幸いです、皆さんの回復をしないと 聖なる活力 此処へ」
剣を翳すと周りに光の輪が展開されてそれが発散すると3人に内側から光が一瞬放
たれるエフェクトが掛ってHPが回復される。
エステル
「ファーストエイド」
ツバサ
「そういえば居たな、お前らの中にもこっちの姫様レベルの天然ボケ娘が・・・」
呆れたような顔で見知った顔の1人を見て深いため息を吐く。
ストレア
「いや~・・・なんか気になって触ったら罠だったみたいで失敗、失敗♪」
リズベット
「ふざけんじゃないわよ!?そのおかげでこっちはアイテムごっそり使う羽目にな
ってもうジリ貧になりかけてんじゃない!?」
フィリア
「そうそう!」
エステル
「み、皆さん落ち着いて、落ち着いて・・・・(汗。」
ツバサ
「しゃあない、俺らの少し分けてやる」
自分達の所持している回復アイテム一式を3人に分け与えて体勢を整えさせた。
ツバサ
「お前らがいるって事はキリト達も来てるのか?」
フィリア
「うん、ボス前の部屋の鍵が見つからなくて二手に分かれてたんだけど」
そしたらこの状態になったという事だ。
リズベット
「にしてもそっちは何でそんなに余裕綽綽で来れてんのよ、こっちは必死こいてたのに」
ツバサ
「まぁ、こっちには支援特化のヒーラーがいるからな。それにここレベルなら雑魚だろ」
フィリア
「それはたぶん、ツバサとかキリトが言える事だと思うよ・・・」
リズベット
「というかそっちの子が使ってる技、どれもOSS?見た事ない技ばっかりだったけど」
そしてこちらの状況を説明して今いるメンバーも軽く説明する。
フィリア
「全員がOSS複数持ちとか、なかなかあれ作るのも大変なのに」
ストレア
「ツバサもさっきOSS、使ってたよね?でもOSSって支援技使えたっけ?」
エステル
「えっとスキル発動を剣を媒体に設定してそれに支援スキルを登録と補正を何度かし
て作ったんです、OSS『サポートソード』って言うんです」
ここでずっと黙っていた相方が声を掛けてくる。
ザルバ
『おい、ツバサ』
リズベット・フィリア
「「・・・・・・」」
声を上げたザルバをリズベットとフィリアの2人が見つめて沈黙が流れる。
ストレア
「あっ、指輪が喋ってる」
リズベット・フィリア
「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!!!?」」
お互いに抱き合って凄い速度で交代し岩陰からザルバを指さしてまるで化け物扱いだ。
ザルバ
『失礼な小娘共だな、俺様はザルバだ、魔導輪型使い魔なんだから喋って当たり前だろ」
リズベット
「つ、使い魔・・・?装備型の使い魔なんて聞いた事ないんだけど」
そしてザルバについても説明をした。
フィリア
「ALO発売初期の装備なんだ・・・というか忘れられるくらいのダンジョンって
どんだけ難しい難易度なの?」
ザルバ
『簡単にいえばここの2倍レベルのモンスターがうようよいるだけだ。そこにこい
つが来て俺様を使う資格を得て今にいたるってわけさ』
ツバサ
「それなりに高い人工AIを積んでるから使い魔と思えない饒舌さだがな」
リズベット
「ていうか、あんた・・・まさかそこをソロでやったんじゃないんでしょうね・・・?」
そしてあっけらかんと言い放つ。
ツバサ
「こいつがいたフィールドくらいしか歯応えある敵いないんだからしゃあないだろ。
他のフィールドじゃ楽過ぎて修業にならないし」
フィリア
「ツバサってドMのドSだよね、やっぱり」
ツバサ
「失礼極まりない事言ってくれたな、おい」
ストレア
「ははっ~♪博士が言ってた、ある意味、自分を苛めるのが好きなのよ~って♪」
ツバサ
「俺は変態か!!!誤解しか招かない発言はやめい!!」
エステル
「噂に聞いてましたけど面白い方々ですね、ふふっ♪」
ザルバ
『それよりさっき言いかけで終わったが』
ツバサ
「なんだ、ザルバ」
ザルバ
『あちらさんで歓迎のPARTYを開いてくれてるみたいだぞ、ツバサ』
見てみると扉の向こうに数人のプレイヤーが待ち構えていてアバターに表示されてい
る部分を見るとどうやら
シャムロック1
「悪いがここからは通すわけにはいかないな、無敵の騎士殿」
シャムロック2
「あなたならこちらのルートでも視野に入れてると見て人員を立てておいて正解だわ」
ツバサ
「(エステルのドジに巻きこまれただけだがな・・・)そちらから来たって事はそっ
ちにボス部屋までのルートがあるって事か、んでわざわざ逆走して来たと」
シャムロック3
「この人数に勝てると思う?あなたがいくら今までこちらの小隊を撃破し続けてたと
言っても今度は中隊レベルの人数、退いた方が賢明と忠告するわ」
シャムロック4
「さぁ、さっさとここから出て行きな?怪我したくないだろ?」
それを最後まで聞いてからザルバと視線を合わせてもう一度、視線を彼らに向ける。
ザルバ
『面倒だからさっさと薙ぎ払え。二刀斬撃で一払い出来るだろう』
ツバサ
「そうだな、雑魚にかける時間も勿体ない、さっさと斬り払おう」
シャムロック8
「あぁ?この人数が見えないのか?お前ら少数PTで勝てねぇよ、分かれ、それくらい」
エステル
「あの~・・・」
言いにくそうにエステルが口を開いて驚愕の一言を吐いた。
エステル
「あなた方では相手にならないのでここは穏便に逃げてください、弱そうですし(汗。」
そして流れる長い沈黙。
リズベット
「何言ってくれてんの、この子ーーーーー!?」
フィリア
「お姫様みたいなキャラだと思ったら天然ブラックキャラだったーーー!?」
ストレア
「そうだ!そうだ~!ツバサ、そんな奴らなんてぶっ飛ばしちゃえー♪」
これには予想通りにキレるシャムロックメンバー。
シャムロック1
「な、なめるんじゃない!!全員、奴らを潰せ!もうゲームをしたくなくなるほど、潰せ!!」
シャムロック一同
「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
そうして前衛が突進してさらに逃げ道を塞ぐように後衛が魔法で援護射撃の弾幕を張ってくる。
ツバサ
「やれやれ・・・血気盛んで結構だが・・・、エステル、裏は任せるぞ」
エステル
「お任せを。絢爛たる光よ、干戈を和らぐ壁となれ フォースフィールド!!」
これを見てツバサは牙狼剣とアクアマリンを引き抜いてザルバが牙狼剣に口から緑の
焔を吐いて纏わせ、アクアマリンからも蒼のオーラが放出されてそれが螺旋を描いて
衝撃波を発生させて双剣を天に掲げる。
シャムロック10
「な、なんだ!?」
ツバサ
「OSS・・・・烈火炎装、氷光閃華・・・・!」
そして一気に加速して緑の炎と蒼のオーラが尾のように放出され構える。
シャムロック11
「馬鹿め!お前はよくても裏の奴らは終わりだ!」
だがこれにエステルが笑みを浮かべ、その顔は勇壮なモノに変わる。
エステル
「申し訳ありませんが誰一人、倒されません。この堅牢の盾は」
襲い掛かる魔法の弾幕に防御の体勢を取る面々だがエステルは顔色一つ変えず悠然と立つ。
直後、直撃したかに見えた魔法弾幕は彼女達に当たる事もなくすべて防がれてしまう。
シャムロック12
「な、何!?」
エステル
「あなた方程度の技では破れはしません、今です、ツバサ!」
双剣を構えて一気に相手陣内に入り込み、まずは後衛を烈火炎装とオーラを纏った斬
撃で薙ぎ払い隙も判断も与えない連続攻撃で一気に後ろを壊滅させる。
逃げようとしてもアクアマリンによるOSS『氷光閃華』による氷結効果で動きを封
じられ身動きが取れないところを烈火炎装の斬撃で無慈悲に斬り捨てる。
シャムロック5
「嘘だろ!?一瞬で後衛ラインが全滅!?」
だがそんな言葉を発する時間を取った事すら間違いだ。刹那、狩人が得物を見据える。
シャムロック5
「―――――はっ!ぐげっ!?」
二刀の牙突を食らいそのまま左右に両断され死亡エフェクト共にリメインライトに
なってそれに気づいた時には最早、中隊の隊列は崩壊させられていた。
シャムロック1・2
「「おおおおおお!!!」」
左右から同時に斬り掛かってくるが片方の剣を牙狼剣で薙ぎ払いもう1人の剣に当て
て防ぎ、アクアマリンの能力で氷結魔法を即座に発動し足を止めると冷静に武器を持
つ手を斬捨て二刀を振りかぶって一刀両断、さらに裏から襲い掛かってくる相手も軽
々とパリィで払い、そして蹴り主体の体術で捌いていく。
ツバサ
「ハッ!!」
シャムロック6
「ぐああああああ!?!?」
二刀により薙ぎ斬りでさらに1人を撃破したが二刀を左右に振った直後を狙ってくる。
シャムロック3
「隙を見せたな!!」
シャムロック14
「終わりだッ!!」
左右からスキルを発動して隙をついたつもりだったが冷酷なまでに相手は冷静である。
シャムロック3・14
「ガッ!?」「何―――ッ!?」
踏み込んで来た足に振り抜いていた状態から双剣を手首のスナップで落とし、拳を
さらに落としてアンカーのように足の甲に剣を突き刺す。
ツバサ
「フッ!ハッ、ハァッ!!セイッ!ッ!!」
シャムロック3
「ぐあ!?げほっ、ご―――ガッ!?」
痛みで動きが鈍った相手に強烈なハイキック、そして後ろ蹴りでスキルを中断させ
さらに足掻いて攻撃をしかけてくる相手に無情なカウンターを浴びせ、牙狼剣の刺
さった相手を脇腹へのミドルと踵落としで沈め、剣を抜き、もう片方の相手を斬捨
てさらに残った1人も斬り上げから飛び回し蹴りからトドメの回し蹴りで壁に叩き
付け、死亡エフェクトと共にリメインライトとなった。
シャムロック14
「そんな・・・たった1人に・・・
敵部隊を完全に制圧・壊滅させたツバサは涼しい顔で牙狼剣を収め、アクアマリン
も地面から引き抜いて腰のホルダーにしまい、身を翻し、エステル達に歩み寄る。
リズベット
「相変わらず・・・・」
フィリア
「無茶苦茶な強さ・・・・」
SAO時代からの付き合いである2人は最早、常人を逸した仲間の強さに呆れていた。
ストレア
「やったね、ツバサ!(bッ!)」
ツバサ
「おう(dッ)」
ザルバ
『鎧を発動して無い割にはなかなかの烈火炎装の威力だ、腕を上げたみたいだな』
ツバサ
「まぁ、これでも鍛えてるからな」
エステル
「先を急ぎましょう、ユーリ達ももしかしたらついているかもしれません」
リズ達を引きつれてダンジョン最深部、ボスの部屋を目指す。
しばらく走り続けた先に大きく開けた空間に出て目の前の扉が大きく開いていた。
ツバサ
「もうキリト達は中に入ったのか?」
リズベット
「でもこの部屋の鍵はわたし達持ってなかったのよ?どうやって」
ユーリ
「おい、お前ら!」
声に振り返るとどうやらユーリ達は今到着したようだ。
レイヴン
「あぁ~、もうあのシャムロックの連中しつこすぎておっさん疲れたわ~(汗。」
レイン
「ツバサもエステルも無事で何よりだよ」
エステル
「そちらも大丈夫ですか?」
ユウキ
「うん!ユーリと2人でシャムロック全員ボッコボコにしてやったよ♪」
こいつが暴れたなら本当にぼこぼこにされたんだなとある意味哀れに思うツバサ。
リズベット
「あんた哀れそうな顔してるけどあんたも大概な事やったでしょうに」
ザルバ
『何言ってる、苦しまないように出来るだけ即座に倒してやっただろう』
ツバサ
「せめてもの慈悲だな」
フィリア
「うん、それって慈悲じゃないね」
ストレア
「ははー♪」
そんな面々を見てユーリとレイヴンが脳内会話でこの状況を憂いていた。
レイヴン
「(青年・・・おっさんこのノリ結構疲れんだけどー・・・)」
ユーリ
「(知るか。こいつらの仲間内はこれが普通なんだ、ちょっとは慣れろ)」
あらためて向き直ると中から嵐のような暴風が吹き荒れてきてそれに引き込まれる。
ツバサ
「このボス部屋行くときのやり方ってのはもう少しどうにかならないのか!?」
レイン
「こういう仕様なんだからしょうがないって――――うわっ!?」
ユーリ
「さてとこっからが本番だな!」
エステル
「気を引き締めていきましょう!」
ユウキ
「よぉー!頑張るぞ~!レイヴンもしっかり頑張ろうね~!」
レイヴン
「ユウキちゃんも青年達も元気ねー・・・おっさん、ぐったりだわよ」
ツバサとレインに続いてユーリ達もその嵐の中に飛び込んで暗闇に消えていく。
リズベット
「わたし達もいくわよ!」
フィリア
「了解!」
ストレア
「OK~!」
リズ達も次々にその暗闇へと飛び立ってボス部屋へと向かった。
キリト
「くっ!こいつ、弱点のコアを攻撃してもなかなかダメージが通らないッ!」
キリト達はヴェルグンデの砂漠の地を総べるゴーレム『ヒルディスヴィーニ』との
戦闘を開始していたのだが同時に入ったシャムロックメンバーは相手の広範囲を薙
ぎ払う回転攻撃から落石の連続攻撃をまともにくらい早々に倒されていた。
アスナ
「二刀流で攻撃力が高いはずのキリト君の攻撃であれだなんて!」
シノン
「ブレス攻撃来るわよ!!」
リーファ
「皆、散って!」
開いた口から広範囲を巻き込む流砂ブレスを吐いて薙ぎ払いにかかるがそれを散開
して回避し、アスナ、リーファ、シノンの3人が遠距離から連続魔法と矢の雨をコ
アに集中させてそこにキリト、クラインが飛び込む。
キリト
「ゲイル・スライサー!」
クライン
「残月!」
コアに追撃をかけ続けるが元からの防御力が以上に高いのかダメージが通りにくい
上に蓄積ダメージによる怒り状態に移行したのか体が赤く光り輝く。
キリト
「落石、連続で来るぞ!」
キリトの声と同時に空中に魔法陣が描かれてそこから無数の落石が飛来する。
シノン
「回避から・・・即、連続攻げ――――」
だがすぐに気が付いたこの攻撃パターンはツバサとのコンビで使うカウンターコ
ンビネーションで今、その肝心のツバサはいないのだ。
この攻撃だと前でツバサが相手を止めるか、攻撃で時間を稼いだところをシノン
が溜め攻撃を撃ち込むというSAOからの攻撃パターンが無意識に出てしまった。
アスナ
「シノのん!!止まっちゃ駄目、狙われるわ!」
シノン
「しまっ――――」
完全に隙を露呈したところにその巨大な腕の拳が目の前に迫り、回避が出来ない。
シノン
「ッ」
だが飛来してきた緑のエネルギー体の剣がシノンを貫いてそのまま拳は上を通り
抜けてそのまま宙に投げ出されるが別の影が彼女を捕まえてその影は少し遠目の
岩陰に降り立った。
シノン
「・・・・?あれ・・・?痛みがない・・・ってナニこれ?」
自分の身体には確かにさっきの剣が刺さっているのだが見てみるとHPが全快している。
レイン
「ごめんね、緊急事態だったから手荒な真似しちゃって」
すると裏に立っていたのはレインでその手には自分に刺さっていたエネルギーの
剣を弄びながらそれについて聞きたそうなシノンに軽く説明する。
レイン
「わたしの仲間のスキルを応用してわたしのカンストスキルと合わせた誘導型の
支援型OSSなんだ。もちろん元は攻撃専用魔法だけどね」
そしてさらに降り立った中年男性プレイヤーが弓を構えると上空のキリト達を狙う。
レイヴン
「漢相手じゃやる気でないけど、お仕事はしないとね、愛してるぜッ!!」
天高く放った矢は弧を描いてキリト達に命中するとHPが回復した。
キリト
「さっきの攻撃じゃなくて回復SSだったのか?」
アスナ
「あんな技見た事ないわ」
レイヴン
「そんじゃ青年達ッ!いっちょ、いった~い一発頼むぜぇい!!」
リーファ
「えっ?!」
クライン
「上?ありゃぁッ・・・!」
上を見上げてみると蒼と赤の炎、そしてその後ろに2人の影が飛来してくる。
ツバサ
「いくぞ、ユーリ!エステル!」
エステル
「聳えよ望楼 鋭き頂に心眼を持て アスティオン!」
ユーリ
「頼むぜ!」
エステル
「お任せを。刃に宿れ、更なる力よ シャープネス!」
2人にそれぞれ、ツバサには魔法攻撃力強化、ユーリには物理攻撃力強化を施す。
ツバサ
「おぉぉおおおッ、蒼紅!鳳吼破!!」
蒼炎と紅炎の鳳凰が螺旋を描きながらヒルディスヴィーニの頭部コアに直撃して
焔の渦が全身を襲い継続ダメージを与え、そこにユーリも飛来する。
ユーリ
「腹ぁくくれよ!天狼滅牙!!」
流れるような連撃を入れたトドメに強烈な旋回斬で追撃し、その場から離れる。
ツバサ
「フィニッシュ!」
そしてさらに上を向くとユウキが飛来し、エステルの手を取って一緒に加速した。
ユウキ
「いくよ!エステル!」
エステル
「はい!」
2人揃って牙突の構えを取ってから通常移動などで使える高速移動『エアリアルド
ライブ』を併用しながらスキルを発動する。
ユウキ・エステル
「ヴォーパル・ストライク!」「エア・ディバイド!」
4連続で頭部コアにダメージを叩き込まれて一気にHPを削り取った。
アスナ
「ツバサ!それにユウキまで!」
ユウキ
「やっほー!アスナ♪」
ツバサ
「随分と手こずってたみたいなんで手助けに来てやったぜ?黒の剣士さん?」
キリト
「相変わらずの減らず口の再会に涙が出そうだよ、だが助太刀助かる」
ユーリ
「へぇ、こいつが噂の黒の剣士様か、そのうち一手、試合ってもらいたいね」
エステル
「ユーリ!今はボス戦です、気を緩めてはいけませんよ!」
レイヴン
「相変わらず好戦的ねぇ~・・・さっさと終わらせましょ~よ、おっさん疲れたは」
げんなりと言う感じのレイヴンに苦笑しながらも武器を構えなおしてボスを見る。
レイン
「そうだ、支援使いすぎてエステルのMP減ってるから回復するよ、皆」
そう言ってツバサ達にそれぞれ今度は紫のエネルギー剣を渡すとそれが光を放つ
と同時にそれをエステルに投げつけてそれが刺さるとエステルの中に光として吸
収されてエステルのMPが一気に全快する。
リズベット
「さっきから思ってたんだけど何なの、そのスキル?相手にさして発動するなんて」
レイン
「エステルのOSS『サポートソード』のスキルスクロールを貰って作ったわた
しのOSS『エアリアル・メディック』、さっきのはPTを組んでるメンバー
から一定値のMPを吸収して刺した相手に分け与える技なの」
シリカ
「こんなに凄いOSS持ちのプレイヤーがこんなにいたんですね・・・凄いです」
どうやらさっきの怒涛のOSSのオンパレードを見て劣等感を覚えたようだ。
だがこれに今度はツバサが笑みを浮かべてシリカの頭をクシャクシャと撫でる。
ツバサ
「こいつらはゲーム初めてまだまだ新人だぜ?俺達はSAOからの熟練者なんだ
今度は俺達の技を見せてやらないと、行けるだろ、シリカ?」
ウインクをするとその意味を理解したのか、彼の横に並び立って武器を構えた。
そういってツバサと共に飛び立ったシリカは彼と動きを合わせて頭部コアを狙い
そのためにユーリとユウキの2人が囮役としてターゲットを取る。
エステル
「今のうちに皆さんに保険をかけておきます、希望の曙光を見よ、大地に尽きし
その時も リヴァイブ!」
するとキリト達のステータスバーに天使が祈るようなマークの状態付与が施される。
フィリア
「これは・・・?」
エステル
「これで死亡したとしても自動蘇生されます、といっても最大2回までですが」
シノン
「自動蘇生スキルってあなたそんな技まで使えるの?」
レイヴン
「こう見えても嬢ちゃんはヒーラーのスペシャリストだから、ねッ!とッ!」
そうこうしている間にエアリアルドライブで完全に裏を取った2人が同時に攻撃を
しかけ、基本攻撃をほぼ同時のタイミングで直撃させ最後の一撃を当てた直後に2
人の発動可能スキル欄の1つが発動可能状態になった。
クライン
「あれは!」
キリト
「SAOで作った
直後に2人の身体が黄色に輝いてピナも加えたSAO時代の必殺スキルを発動する。
シリカ
「全力でいきますッ!ツバサさん、一緒にお願いします!」
ツバサ
「あいよ!頼むぜ、ピナ!」
ピナ
「きゅるるる~~~!!」
2人でスキルエネルギーを纏った剣戟を左右対称になる動きで入れて飛び上がり、
2人が掲げた剣にピナがブレスを吐いて剣にエネルギーを纏わせる。
ツバサ・シリカ
「「必殺!
龍の爪を模したエフェクト共にダメージを負わせて離れたところに今度は直後に
ツバサにさっきの紫の短剣が刺さってMPが回復してそこに別の人影が写る。
アスナ
「いくわよ、ツバサ!」
ツバサ
「久々の姫騎士様とのコンビか、失敗して突かれないように気をつけなきゃな!」
アスナ
「まったく相変わらずで何より!」
ツバサ
「遅れるなよ!」
同時に踏み込んで流れるような剣捌きから共鳴奥義へと連携する。
ツバサ・アスナ
「「
アスナ
「最大戦速で押し切るわ、READY!」
ツバサ
「GO!」
凄まじい突きのラッシュが壁のように襲い掛かり、凄まじいHIT数を叩き出して
牙突の構えから最大戦速のまま渾身の一閃を放つ。
アスナ・ツバサ
「「瞬迅双裂閃!!」」
ここでまたヒルディスヴィーニの身体が赤くなり怒り状態になってその口から流砂
ブレスを吐いてきたところにユーリが前に立ちふさがる。
ユーリ
「させるかよ、守護方陣!」
光の円陣が包み込んで流砂ブレスからアスナとツバサを護り抜く。
そして裏に飛びのいてシノンの前に降り立つと牙狼剣を一度、納刀する。
ツバサ
「用意はいいか、相棒?」
シノン
「えっ?」
これに呆れたような顔でため息を吐くと納刀した刀を担ぎながら歩み寄る。
ツバサ
「あのな、確かに最近、レインとばっかだったが忘れてないだろうな?俺の相棒は
お前だぞ。まさかもう俺とのコンビプレーの感覚忘れたとか言わないよな」
そういってシノンの頭をシリカ同様にクシャクシャと撫でながら飄々としたいつも
の笑みを浮かべて納刀状態の牙狼剣を構えた。
シノン
「・・・・そうね・・・あんたみたいな無茶苦茶な男の相手出来る女なんてわたし
くらいだもの、あんたの相棒を出来るのはわたしだけだったわ・・・ッ!」
一同
「(惚気だ・・・完璧な惚気だ・・・・)」
だがそんな視線も気に止めず、切っ先を天に掲げた状態から抜刀して剣で自分の真
上に円を描くように振るうと軌跡と同じエフェクトが発生する。
ツバサ
「・・・・ッ!」
眼光が鋭さを増したと同時にその体全てを黄金の鎧が包み、その顔は雄々しき白眼
の狼の仮面をつけ威風堂々、仁王立ちするとその背には神々しい金色の文様が浮か
び上がると体からは炎が上がって黄金の鎧騎士へと変身が完了する。
キリト
「黄金の・・・・」
アスナ
「騎士?」
ここでユイがザルバも含めたこの黄金騎士の情報を収集したようだ。
ユイ
「元々は開発当初にフェンリルをモチーフにした神殺しの狼騎士として作られたみ
たいですね、でも開発当初の映像ではここまで輝いてなかったはずです」
それにはザルバが答えた。
ザルバ
『どうやらこの牙狼剣のおかげらしいな。元々から俺様を使うプレイヤーのために
用意されていた装備を運よくレインが引き当てたってわけだ。その剣とこの鎧を
持つ者だけが真の狼騎士の姿になれるって設定だったようだぜ』
??
「ならこの黄金騎士の名前はこの剣から貰うかね、さて騎士っぽくシグナムみたい
な感じで名乗りでもしてみますかね」
そういって幅広・両刃で大型、束頭と刀身に紋様のついた牙狼剣を引き抜くと同時
に新たな騎士の名を高らかに叫ぶ。
牙狼
「我が名は
ヒルディスヴィーニがその拳を左右連続で繰り出してくるが悉く防ぎ弾き飛ばす。
レイン
「シノンさん!」
シノン
「?」
レイン
「ツバサとの連携攻撃があるならそれをお願いします!そちらの攻撃にわたしも彼
と作った連携攻撃を合わせた連携合体奥義、いってみよう!」
シノン
「・・・・フッ。面白いじゃない、ついてきなさいよ、レイン!」
ザルバ
『何だかんだで意気投合してないか、あいつら』
牙狼
「それならそれで構わない、いくぞ、ザルバッ』
ザルバの口から緑色の炎が吹き上がって牙狼剣を包み込むとそのままヒルディスヴ
ィーニにへと飛び上がって突きの構えのまま突進する。
シノン
「カウント!5・4・3・2・1!」
レイン
「サウザンド・レイン!螺旋展開!」
そのカウントに合わせてレインも彼との連携スキルを用意してそれに備える。
シノン
「スパークルシュートッ、FIRE!」
すると光の螺旋を描いて一閃の矢が高速で直進し、牙狼の背中に迫るのだがそれを
回転しながら避けて丁度、その矢が自分の真横を通り過ぎる瞬間に加速をかける。
レイン
「今だッ!螺旋を描いて貫く槍となれ!」
その号令と共に無数の剣が螺旋を描いて牙狼に集まり、矢と共に突き出した牙狼剣
の周りに集まってそれが1つの鏃のように一体となり、弓撃・剣撃・魔法の3つの
力を結集した連携奥義の突進型のOSSが完成した。
リズベット
「いけっ!!」
ユーリ・エステル
「決めろッ!」「いけます!」
ユウキ・リーファ
「「ぶち抜けーーー!!」」
ヒルディスヴィーニがこれに流砂ブレスを最大出力で撃ち、牙狼と激突する。
牙狼
「はぁぁぁぁぁああああああああ――――――」
咆哮と共にさらに烈火炎装は燃え上がり、シノンとレインの援護攻撃を巻き込んで
その流砂の渦を突き進み、そしてその牙は渦を喰い千切った。
牙狼
「ハァァッ!!!」
黄金騎士の刃が砂丘の渦を突き破り、そのまま口から突入し、ヒルディスヴィーニ
を完全に貫通して崖の上へと着地するとヒルディスヴィーニのライフが完全に尽き
て轟音を立てて死亡エフェクトと共に消え去った。
ツバサ
「――――――ッ、・・・・ふぅ・・・・」
そして光が上空へと吸い込まれるエフェクトと共に元の姿へと戻った。
アスナ
「やったわ♪」
キリト
「ヴェルグンデ、ボス攻略完了だな!」
歓声の声と共にそれぞれとハイタッチを交わしながら攻略成功を喜び合う声が響くのだった。
キリト
「それでは・・・ヴェルグンデ攻略を祝してーーー!」
一同
「かんぱーーーい!!」
それから空都ラインに戻った面々は攻略記念パーティーを盛大に開く事にした。
同時に正式なレインとユーリ達の歓迎会も同時進行となったので今日はエギルの店
を貸切でやる事になったらしい。
ユーリ
「俺はユーリ。まぁ、何か用なら適当に呼んでくれ」
エステル
「わたしはエステリーゼ・シデス・ヒュラッセインと申します。お見知りおきを」
ツバサ
「リアル名称を名乗ってどうする、天然ボケ姫・・・・(汗。」
エステル
「もぉおーーー!!ツバサはいつまでその名前を言うんですか!意地悪です!」
レイヴン
「相変わらずのコントねー、おっさんこっちの方がいいわ~。おっと俺様の名前も
紹介しとかないとね、とりあえずレイヴンって事で頼むわ」
リズベット
「なんか胡散臭い感じよね、レイヴンって、いや、おっさん呼びの方が愛嬌あるか?」
レイヴン
「案外、リズちゃんって酷いのねー!?まぁ、レイヴンでもおっさんでも隙に呼ん
で頂戴よ。おれっち、かわいい子なら大歓迎だからさ――――、ごふっ!?」
綺麗なユーリの裏拳が顔面に入ってそのまま卒倒するレイヴン。
ユーリ
「少しは自重しろよ、おっさん(呆。」
レイン
「えっと改めましてレインです。色々と分けありですがよろしくお願いします」
ツバサ
「最早、隠すのをやめたなお前」
レイン
「もう開き直った、うん」
ザルバ
『まぁ、何かあると分かってた方が潔くていいだろうさ』
ボス撃破の立役者になった事でどうやらレインも何かあるのだろうが一緒に戦う仲
間として迎え入れられたようで賑やかな面々と打ち解けているようだ。
ユウキ
「良かったね、レインもみんなと仲良くなれて」
ツバサ
「まぁな。・・・ところで人を皿にのせられたご馳走を見る眼で見るのやめい」
彼の隣に座ってキラキラした瞳で見つめられている。
どうやらあのボス戦での戦いで披露した牙狼の力を見てよりツバサとの1対1をや
ってみたくなったらしく先ほどからテンションが高い。
ユウキ
「だって~♪あんなの見せられたら早く戦いたくってウズウズするじゃん♪」
ツバサ
「お前は良くも悪くもゲーム脳だな・・・・(溜息。」
キリト
「もちろん、俺の事も忘れるなよ、ツ・バ・サ?」
ツバサ
「もう1人、根っからのゲームバカがいたの忘れてた・・・・(汗。」
さらにまだいたようです。
ユーリ
「おっ、なら俺も予約いれとくぜ~?そっちの絶剣と黒の剣士様とも手合せ願いたいね」
アスナ
「わたしも久しぶりにツバサとやってみたいかも」
頭痛が何割増しの勢いで増えた気がしたツバサだった。
ツバサ
「このPTはバトル脳以外はいねぇのか・・・おい」
シノン
「あら、人気者でいいじゃない。ただ下手なボスより厄介なだけでしょ」
ツバサ
「お前は随分と簡単に言ってくれるな、やるの俺だぞ、俺――――んっ?」
シノン
「・・・・・・・。じゃ」
耳元で何かを囁かれてそれだけ言い残すとシノンは席を立ってレインの元に歩みよ
ると何かまた言われるのかとレインが少し緊張した顔になる。
レイン
「あ、あの・・・・」
シノン
「あなたのゴタゴタが片付くまでツバサの相棒は任せるわ」
レイン
「えっ?」
シノン
「ただし相棒を裏切ったり、邪魔するような事をしたら問答無用でぶっ飛ばすから
。それまではわたしもあなたに協力するわ、とりあえずそれだけ」
踵を返してキリト達の席に戻るとまた料理を食べ始める。どうやら一先ずはゴタゴ
タも片付いたかなと安堵の表情を浮かべる面々。
そんな中、ツバサが席を立って今日は先にログアウトする事にしたらしい。
ツバサ
「俺の相棒からお許しも得たんだ、また頼むぜ、レイン」
レイン
「う、うん!しっかりバックアップするからこれからもよろしくね、ツバサ!」
背を向け乍ら手を振ってそのままログアウトしていったツバサだった。
詩乃
「・・・・確かここでいいのよね」
あの後、詩乃もログアウトしてやってきたのは管理局が管理している彼女が通って
いたリハビリ学校でその一室にはミッドチルダへのゲートがあってそこに入ると作
動し、光に包まれた直後に目の前に広がるのは2つの月と満点の星空。
ツバサ
「よっ、来たか。詩乃」
そこはミッドチルダの管理局内にある一部の一般人にも開放されている公園でその
近くのベンチですでに待っていたのか、缶コーヒーを飲んでいるツバサがいた。
ツバサ
「ほい、カフェオレ」
詩乃
「ありがと、・・・・・うん、温かくて美味しい・・、―――あっ」
ツバサ
「さすがに冷えるし、久々だしな、会うのも」
詩乃
「うん」
すぐに抱き寄せられて詩乃の方も抵抗も無く彼に体を預けるようにしてまたお互い
に飲みながら満天の星空を見つめて何を話すでもなく時間を過ごす。
ツバサ
「にしてもいきなりどうしたんだ、あんなに警戒してたのにレインを許したりして」
詩乃
「・・・あなたを信じただけ。ツバサが一緒に戦ってもいいと思っている人なら何
かあるのだとしても信じるに値するモノはあるだろうなって」
ツバサ
「・・・そうかい」
詩乃
「それにわたしだって人の事は言えない・・・わたしだってまだあなたに・・・」
ツバサ
「別に気にしちゃいないさ。誰にだって言いたくない事の1つや2つあるだろ。そ
れを無理に言おうとするな、何が合っても支えるし、傍にいるさ。俺のことを知
ってもお前はこうやって一緒にいてくれたんだしな」
無理をしようとする詩乃の頭を撫でてあやすように言葉をなげかける。
ツバサ
「詩乃はもう1人じゃない・・・キリト達もこっちにはティア達もいる、だから何
があっても大丈夫さ。あいつらは受け止めてくれる強さがある、俺も含めてな」
詩乃
「ツバサ・・・・」
ゆっくりと距離が縮まってその距離がなくなりそうになる瞬間、詩乃の口元に指を
おいて制すると若干、怒りと呆れの2つが混じった顔で詩乃の持っていた簡易版の
クラブガンソードを借りてガンモードにすると茂みにむけて乱射する。
するとその茂みの中から雪崩式に大人数が出てきてそれに大きなため息を吐く。
ユウスケ
「おわ!!まて、落ち着け!ツバサ、俺はこいつらを止めようとしただけだー!?」
はやて
「ユウくんだけ逃げるのずるなーい!?」
ジークリンデ
「わーーん!!ヴィクター、助けてー!?」
ヴィクトーリア
「わ、わたくしだって巻き込まれた方ですわ!!」
天道
「お婆ちゃんが言っていた人の恋路を邪魔するものは豆腐に蹴られるってな」
映司
「君もそれやった当人でしょ!てか重い!早く俺の上からどいてくれって!?」
スバル
「あれ?何かこのパターンって前にもあった気が・・・・」
ノーヴェ
「なんか記憶が霞んでて思い出せないけどすぐ逃げるぞ!!嫌な予感しかし―――」
しかしそんな面々の前に本当に後から来てこの状況に溜息をツバサと共に吐いた
2人組+ツバサが禍禍しいオーラを放ちながら極刑確定の罪人達の前に立つ。
なのは
「人の恋路を邪魔する奴は・・・・」
フェイト
「豆腐(魔力型)にO☆HA☆NA☆SIされるんだったっけ?」
ツバサ
「冷奴もいいがたまには焼き豆腐ってのもいいよな?おい、愛すべき馬鹿野郎共」
『GUN MODE!HEAVY!』
なのはとフェイトの魔力によって作られた豆腐の形に似せた魔力錘とヘヴィーシュ
ーズをセットした重火器ガンモードを構えるツバサ。
一同
「発言権は?」
それに対してにっこりと天使と仏の笑みを浮かべながら執行の言葉を言い渡す。
なのは・フェイト・ツバサ
「「「ない♪」」」
直後、桃色と黄色、そして爆音が響いてそこには大量の黒焦げ人形が出来たとか。
シノン
「・・・・・・ぷっ」
なのは・フェイト・ツバサ
「「「?」」」
シノン
「はっはっはっはは♪ほんと・・・お腹痛い・・・ふふっ♪ははははっ♪」
最近は本当に楽しい事がばかりだった。キリト達とのALOやこっちの世界に来て
もツバサを初めとするライダー達やなのは達ともこうやってバカをしたり、楽しい
時間を過ごしているうちに心から笑える事が多くなった。
ツバサ
「やれやれ・・・こいつらも少しは役に立ったみたいだな?」
なのは
「まぁ、怪我の巧妙ってこれも言えるのかな?」
フェイト
「そういう事でもいいと思うよ?ふふっ♪」
天道
「だがお楽しみを取られて少し残念じゃないのか、ツバサ?」
ツバサ
「・・・お前、さっきそっちでなのはにぶっ飛ばされたよな・・・・?」
さすが天の道を往き総てを司る男である。
詩乃
「・・・・♪」
自分でもそうしたのかは分からないがその時の心境的に舞い上がっていたのかもし
れないが軽く駆けだしてツバサの首元に抱き着くように自分に引き寄せた。
ツバサ
「なんだ、詩―――んぐっ?!」
詩乃
「・・・んっ・・・・・」
なのは・フェイト
「「ワーーーオ♪」」
何やら面白いモノをみるような感じで乙女な視線を向ける2人をキッと睨みながら
慌てて詩乃を自分から引き離して地面に降ろすとしてやったりな詩乃の顔。
ツバサ
「お前な、いきなり何しやがるんだッ!?(焦。」
詩乃
「ん~・・・なんだかテンション上がってきちゃった♪」
天道
「お婆ちゃんが言っていた、恋は麻薬のようなもの。だが女性を輝かせる良薬にも
なるってな、今の朝田がそうなんだろうな」
慌てふためくツバサが可愛く思えたのかまた抱き着いてそのまま心からの笑顔と笑
い声をあげる詩乃。
まだ自分自身の過去を隠してしまってはいる、だからこそレインの事も察しがつい
たこともあるがだからこそ彼女の助けになろうと心を決められた。
自分の事を教えてくれた最愛の人にいつか必ず前に踏み出す勇気を見せられるよう
になるとその温もりを感じながら踏み出す勇気を貰う詩乃であった。
次回へ続く。