仮面ライダーストライカー   作:自分不器用ですから

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game29~悪に生まれた戦士と青年が歩む道とは~

 

 

 

???

「仮面ライダー・・・憎い・・・その力のせいで俺は・・・俺は・・・ッ!!」

 

1人の青年はもがき苦しみながら立ち上がる。その腰に光る翡翠色の輝きを見て膨ら

む自らの憎悪を感じて机に置いてあるルフィアンドライバーを乱暴にとって腰に装

着し、ルフィアンへと変身する。

 

【バッドナンバー・・・29.Deathgame KICK OFF】

ルフィアン29

「ハァッ!ハァ・・・!!ハッ・・ハァッ!」

 

ルフィアンへと変身し、その痛みが和らいだのを感じて息を整える。

 

ルフィアン29

「仮面ライダーストライカー・・・なぜあいつは同じライダーなのに全てを得てい

 る・・・俺は・・俺は・・・ッ、全てを失ったのにッ!!」

 

ストライカーの戦闘が流れている壁の液晶モニターに拳を叩き付けてバラバラに破

壊して虚しくも雄々しい雄叫びを上げ、それは空間に木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詩乃

「こんな感じでいいのかしら?」

 

チチェ

「いいと思うヨ~?しっかりと筋肉を伸ばして解していくネー」

 

ジェンナーロ

「人の肉体構造も把握して体力学も学んだ方がいいな、後、トレーニング学も必須だ」

 

その日、詩乃はチチェ、そしてジェンナーロと共にある事をやっていた。

それはトレーニングメニューの補助やマッサージ、ケア方法などサッカー競技者が

行うフィジカルトレーニングを実際にやりながら学んでいた。

 

チチェ

「それにしてもジェロがそんなにEruditionとは思わなかったネー」

 

ジェンナーロ

「歳取るとな、体のケアは重要なんだよ。自分も知っとかないと実行できんしなッ!」

 

詩乃

「ジェロさん、後で体力学の講義をお願いします。自分なりに調べた事もあるので」

 

ジェンナーロ

「構わんぞ、いくらでも聞くといい!ガッハッハッハ!!」

 

それからしばらく実演とジェンナーロの話を絡めた講義は続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤス

「詩乃ちゃんを将来的なツバサのフィジカルコーチにですかぁ?」

 

オーナー

「ええ。この間、ちょっとお茶した時に彼女に夢を聞いたらコーチとは言ってなか

 ったけどライダーとサッカーで肉体を酷使しているツバサのケアやメンタル面で

 も支えたいって言ってて独学で知識も勉強しているようだったから」

 

ヤスはオーナーに来期に向けての戦力補強や構想についての取材をしている中であ

る意味で驚く発言を耳にした。

 

ヤス

「それやからって条件付きで早々にフィジカルコーチの契約組みます、普通?」

 

オーナー

「ツバサはうちのスターでエース。さらには将来的にマジックサッカーのレジェン

ドになる選手よ?その将来的な伴侶であり、一番、彼が安らぎを得られる存在がそ

 の道を志すというならこれほど適任はいないでしょ?何より同じ女だからこそ分

 かるのよ、詩乃ちゃんの本気がね?」

 

ヤス

「最近はジェロ達に聞いて選手レベルからの話も取り入れてるのを見た事あるけど

 もう結構な数のノート持ち歩いとったな、そいえば」

 

オーナー

「まだまだ、彼女に出したフィジカルコーチ資格レベルはSの最上級、いくらでも

 覚える事、学ぶこと、失敗する事はあるわ。やっとスタートしたくらいかしら?」

 

ヤス

「それで契約までやってまうオーナーが凄すぎですわ、相変わらず豪傑っすね」

 

オーナー

「女は度胸って昔から言われてるわよ?う~ん、あなたの持ってきた紅茶美味しいわ♪」

 

ヤス

「そりゃどうも~」

 

彼も紅茶をすすりながらこの豪傑オーナーの手腕に驚かされてばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ

「・・・・・・・・」

 

時計の音だけが響く自室でツバサはナンバーカードを翳しながら物思いに耽っていた。

あれから六課メンバーにみずからとストライカーの秘密を告げて自分自身の決意も同

じく告げて複雑な顔だったが納得はしてくれたようだ。

 

ツバサ

「まぁ・・・あいつらならそんな風に気にも留めずに笑い飛ばす・・なんて思ったがね」

 

ある意味、精神というか懐の強い奴らばかりだなと苦笑してしまう。

 

ツバサ

「多くの犠牲の元に生まれた戦士・・・プロトルフィアン・・そしてストライカー」

 

作られたとは言えこの世に生まれた人工生命体達を数えきれない程犠牲にした上で自

分も生まれ、そしてプロトルフィアンも完成された。

そして両親は自分の息子のクローンである自分にいずれ完成し、現れるであろうルフ

ィアン達と戦うために博士にプロトルフィアンを託し、ストライカーへと生まれ変わった。

 

ツバサ

「ほとんど両親の記憶はない・・・でも覚えているものもある」

 

元より幼い頃に疾走したと聞かされていた彼に両親の記憶はほぼ皆無と言っていい。

だが覚えている、確かな記憶として。両親に抱かれた記憶、包まれた記憶、そして

温もりの記憶、それは確かで安らぎ心落ち着く場所、そして愛情の記憶がある。

 

ツバサ

「この温もりも・・・あの表情や愛情も・・・本心だよな、母さん、父さん」

 

確かにクローンとして生まれた自分は彼らの本当の息子ではない。自分に影を重ね

て見ていたかもしれない、だが思い出にある表情や声、そして温もりはしっかりと

自分を認めて自分を支えてくれていた確かなモノと思える。

 

ツバサ

「・・・・・・・・・」

 

眼を閉じたツバサはそのまま深い眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ

「ここは・・・・・どこだ・・・・?」

 

見知らぬ施設。一見すると綺麗にされた白塗りの施設と芝生の引かれた場所だが妙に

殺風景で寂しさも感じればどことなく心がざわついた感じになる。

 

???

「うあああああああああ?!?!」

 

???

「助けて・・!?!?」

 

ツバサ

「ッ!?」

 

その声に振り返ってみると白い服を来た子供達が何かに襲われている。目の前で襲わ

れ、倒され、壊され、潰され、吐き気すら感じる死屍累々の光景が目に広がる。

 

ツバサ

「やめろぉおおおお!!!!変身ッ!!」

 

即座に変身したツバサがその後ろを向いている存在に拳を叩き込むが全く動じていない。

 

ストライカー

「・・なッ・・!お、お前は・・・ッ」

 

プロトルフィアン

「・・・・・出来損ないの戦士・・・消えろ」

 

ストライカー

「ッ―――――ぐぁぁああああああああ―――――あああ・ぁッ!?!?」

 

刹那、強烈な一撃によって貫かれて火花を散らしながら地面を転がり苦痛に悶絶し

そのまま貫かれた腹部を抑えながらその場に跪く。

そして目の前で逃げる子供に足が掛けられてさらに地に伏せられてスイッチに手が

掛けられる。瞬間、何をするのかを分かってしまう。

 

プロトルフィアン

「・・・・貴様と同じ出来損ない・・・・不必要な存在」

『BREAK!BREAK!!BREAK!!!』『DEATH SHOOT』

 

ストライカー

「や・・・めろ・・・ッ、やめろぉぉ・・・ッ!!」

 

そして気づいたその子供がいつの間にか最愛の人に、護るべき者に変わっていた事に。

 

詩乃

「たす・・・けて・・・・ツバサ」

 

ツバサ

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお―――

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――」

 

プロトルフィアン

「破壊」

 

刹那、閃光と共にその一撃は彼女を圧潰する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ

「――――ぅぅうああああああああああああああああああああああ!?!?!??」

 

一気に覚醒した意識と共に反射的に体を起こした。現実に引き戻されたはずなのに

脳裏には鮮明にさっきの映像が刻み付け、焼き付けられて消えない。

最愛の人が自らの目の前で過去のストライカーの姿の戦士に圧潰される光景が。

 

ツバサ

「ハァ――――ハッハッ――――ッ――――――ガァッ―――ハアッ――――」

 

呼吸がままならない。波紋の呼吸で落ち着かせようとしてもそれすら叶わない。

 

なのは

「どうしたの、ツバサ・・・?大きな声だし――――ツバサ!?」

 

フェイト

「何かあったの・・・――――ッ!?」

 

ベッドの上で胸を押さえながらもがき苦しんでいるツバサを見つけた2人は慌てて

駆け寄ると苦しんで呼吸すら出来ていない彼を見てただ事ではないと分かる。

 

フェイト

「すぐに楽な姿勢にさせてそれと服もはだけさせて呼吸しやすくして」

 

なのは

「分かったッ。レイジングハート、すぐにシャマル先生を呼んでッ!!」

 

RH

「All Right」

 

ほどなくしてシャマルが部屋に駆け込んできて事の重大さを即座に理解したのか直

ぐに治療にかかる。レイジングハートから連絡を受けて症状は知らされていたので

すぐに酸素供給マスクをつけさせてまず低酸素状態から脱する処置をとる。

 

シャマル

「フェイトちゃん、鞄から治療薬を取って頂戴!それとなのはちゃんは今から投与

 するからツバサ君をバインドで動きを止めておいて、抑えるのが難しいわ」

 

苦しみのあまりに暴れはじめたツバサをなのはがバインドで拘束し抑える。

 

なのは

「ごめんね、ツバサ。もう少しで楽になるから頑張って・・・・ッ」

 

シャマル

「少し痛いけど我慢してね、ツバサ君」

 

そして酸素吸入と薬物投与を施されたツバサは暴れていたものの少しずつだが呼吸

が戻ってきたのか暴れなくなってきて思考も戻ってきたようだ。

 

ツバサ

「俺・・・俺は・・・?あれ・・・?何が・・ここは・・・?」

 

なのは

「落ち着いて、ツバサ。ここはあなたの部屋、部屋から凄い叫び声が聞こえてきて

 来てみたらツバサがもがき苦しんでたの、何があったの?」

 

フェイト

「大丈夫・・・?凄い汗だよ?」

 

汗を拭かれながら今までの事が思考として戻ってきてしまった。そうあの光景が。

またフィードバックしてしまったのだ、悪夢の映像が。

 

ツバサ

「うぁ・・あぁ・・・、―――――ッ!?」

 

頭を抱えながら必死にその光景を振りあ払おうとする。また大量の汗が噴き出してくる。

 

シャマル

「ダメ、ツバサ君!落ち着いて、また呼吸が止まったら障害が起きるかもしれない、

 気をしっかり持って!しっかりして!」

 

ツバサ

「ハァ―――ハ――――ッ――――ハ―――――」」

 

なのは・フェイト

「「ッ」」

 

なのはとフェイトの2人が左右からしっかりとツバサを抱きしめて体を摩り、そし

て泣きじゃくる子供をあやすように優しく温もりと想いが伝わるように彼を支える。

 

なのは

「大丈夫、何も怖くないよ、落ち着いて。わたし達がついてる、絶対に支えるから」

 

フェイト

「以前のようにあなたを護れないなんて事絶対にしない、もう何がっても護るよ?

 だから落ち着いて・・・しっかりとわたし達を見て・・・、ね?」

 

ツバサの額に自分達の額をつけてしっかりと存在を見つめさせてそして自分達に抱

き寄せた事で彼もやっとその温もりに現実にしっかりと戻ってきた。

 

ツバサ

「ハッ・・・!ハッ・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、うぁ―――――」

 

そのまま気絶してしまったツバサをしっかりと2人が抱き留めてフェイトとなのは

の2人の膝の上で大量の汗と乱れた呼吸はしていたが落ち着いたようだ。

シャマルが脈拍や呼吸を見て安堵の表情を浮かべると2人も同様の表情になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィヴィオ

「ツバサさん!!!」

 

勢いよく開いたドアの先には点滴を打たれながら少し疲れた表情はしていたがいつも

の落ち着いた顔つきのツバサがベッドに寝ていた。

慌てた様子で駆け寄ってくるヴィヴィオに苦笑しながら応えた。

 

ツバサ

「ヴィヴィ、心配するな~・・・俺なら大丈夫だから・・って心配はかけちゃったな」

 

ヴィヴィオ

「何ともないんですか?なのはママとフェイトママがとっても苦しんでたって」

 

ツバサ

「ははっ・・・・ちょっと波紋を使い過ぎて呼吸困難になったんだ、バカだな、俺って」

 

今は落ち着いているおかげで夢の事を思い出しても冷静に考えられたのだがあの時の

衝撃は今でも鮮明で未だに悪寒が背中を走る、今までにない悪夢だった。

少し涙目で心配させてしまったヴィヴィオを膝まで抱き上げていつものように頭を優

しく撫でてもう大丈夫だと伝える。

 

ヴィヴィオ

「~♪」

 

ツバサ

「ってヴィヴィ、もうこんな夜遅くだろう。ママが心配するから早く帰りな」

 

ヴィヴィオ

「で、でも~・・・・」

 

ツバサ

「・・・ならこれからなのはが来るからそれまでだぞ、いいな?」

 

ヴィヴィオ

「はい~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詩乃

「ふぅ・・・少し時間が掛っちゃったわね」

 

遅くまで講義を受けていた詩乃は足早に転送装置のある場所に向かっていた。

 

シャマル

「・・・・ええ、今は安定してる。落ち着いて眠っているわ」

 

すると茂みの先から声が聞こえてきて覗き見てみるとシャマルが誰かと連絡を取って

いるようでその顔は普段のにこやかさは無く医師の顔だった。

 

シャマル

「それにしても少し驚いたわ、彼があんなに取り乱して怯えるなんて」

 

詩乃

「・・・・?」

 

シャマル

「分かったわ、どちらにせよ今日はここに泊まってもらうからチームの方には明日

 直接、合流してもらう事にする、ええ、それじゃ」

 

電話を切って一息はくと持っていた缶コーヒーを飲みながら別施設に入って行った。

 

詩乃

「もしかして・・・ツバサ?ツバサが取り乱した?怯える?」

 

名前は出なかったものの恐らくはツバサの事だろうと思うのだがある意味では信じ

られない話でもあった。

いつも不遜に不敵に笑って何があろうが自信しかない顔の彼が取り乱して怯えるな

んてまず考えられないと思った。弱さを見せないイメージしかないのだ。

 

詩乃

「でもどうしよう、ツバサの場所も分からないし・・・なんだか胸騒ぎがする」

 

彼女の後を追って病院内に入ったのだが彼の姿は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは地上訓練施設。そこで激しい金属音が響き渡っていた。

 

ストライカー

「ッ」

 

ホログラムを利用した仮想戦闘機兵を使ってツバサは戦闘訓練を行っていた。

 

『BATTLE ENDED』

 

ストライカー→ツバサ

「はぁ・・・はぁ・・・・アァーーーッ!!」

 

大きく肩から息をしながら大の字でその場に倒れ込んで夜空を見上げる。

そしてまた思い出すあの悪夢。だが今は冷静にそれを見つめ直していた。

 

ツバサ

「(自分の過去を話して人じゃないと自覚してたからか恐れてたんだ、それを知って

  自分から皆が離れていくんじゃないかと・・・居心地のいいこの場所が無くなる

  んじゃないかって・・・あの夢はそんな弱さそのもの)」

 

過去のストライカー、プロトルフィアンという弱さに負けた。そう解釈出来た。

 

ツバサ

「にしても俺は詩乃がどうにかなるだけであんなに崩れちまうもんなのか」

 

今までになかったあんなに恐怖を感じた事は。戦いや強敵とあった時の恐怖とは

違う、もっと根本的な自分の本当の弱さを抉ってくるそんな恐怖だった。

 

ツバサ

「(強くなるんだ・・・あの弱さを越えて強く、そして護れる力をつけなきゃ・・・

  支えられてるばかりじゃなくて。じゃないとあの夢は現実に――――――)」

 

徐に開いた視線に広がる星空に無意識の言葉が飛んでいく。

 

ツバサ

「絶対にさせるか」

 

天道

「お婆ちゃんが言っていた」

 

身体を起こすとこちらに歩いてきたのは天道だった。

 

天道

「人は人を愛すると弱くなる・・・けどそれは恥ずかしい事じゃない。なぜならそ

 れは本当の弱さじゃないから」

 

ツバサ

「相変わらずなポエムな登場だな、どうしたんだよ、こんな夜に」

 

天道

「ただの人形相手じゃ、歯応えがないだろう。少し揉んでやろうと思ってな」

 

ツバサ

「やるのはいいけどクロックアップは勘弁してくれよ、あれやられたら手も足もで

 ないんだから。てかほぼ時間停止状態とか卑怯極まりないだろ」

 

天道

「俺は常にすべての先を行く・・・安心しろ、あれは使わない。俺は強いからな」

 

ツバサ

「・・・いいぜ、丁度、退屈してたとこだし、一度、お前とも手合せしたかった」

 

するとどこからともなく彼の変身する際に使うカブトムシ型の機器『カブトゼクタ

ー』が飛来して手元に収まり、ツバサもドライバーをセットする。

 

ツバサ

「訓練で疲れてるかもしれないがいくぞ、エースッ!」

エース

『リョウカイダ ツバサ。STARTING READY!』

 

天道

「変身」『HENSINN』

 

ツバサ

「変!身ッ!」

エース

『KICK OFF!』『№ZERO・・・フォ!ワード!』

 

同時変身し、クラブガンソードを構えてカブトへ向かうストライカーに対してカブ

トは自分のゼクターのホーン部分に手をかけてそれを逆方向へたおした。

 

カブト

「キャストオフ」『CAST OFF』

 

彼の全身を包んでいた重厚なアーマーにスパークが奔り、連結部分が浮いて発散状

態から一気に吹き飛んで中から赤を基調とした細身の状態のカブトが現れてカブト

ムシの特徴ともいえる角が持ち上がってそれと同時に機械音が響く。

 

『CHANGE BEETLE』

 

ストライカー

「オオッ!!」

 

カブト

「ハッ」

 

互いに武器がぶつかり合って火花が散り、体術で応戦しながらガンモードで撃ちあ

い回避し、瓦礫の中を疾走し、応戦を繰り返す。

そしてまた2人が激突しようとした時に互いの足元に銃撃が襲う。

 

「2人でやるより人数入れてチーム戦の方が色々と考えられていいんじゃない?」

 

チチェ

「そうそう~♪1人で考えてたっていい事ないヨ、ツバサ?」

 

瓦礫の上にいたのはチチェと進之介の弟分と以前に紹介されてこちらの増援部隊と

して駆けつけた『仮面ライダーマッハ』こと『詩島 剛』だった。

 

「そんじゃ、いきますか、チチェ、用意は?」

 

チチェ

「いつでもOK。ミリア、READY?」

ミリア

『リョウカイヨ。STARTING READY?』

 

そして剛も腰に変身ベルト『マッハドライバー炎』をセットしてさらにバイク型で

シフトカーと同じ系統の機器『シグナルバイク・シグナルマッハ』を装填する。

 

剛・チチェ

「「レッツ」」「変身」「TRANSFORMER~!」

 

『RIDER!MACH!!』

 

チチェ

『KICK OFF!』『№FIVE・・・エアー!マスター!FLY HIGH!』

 

白のボディーを基調として棚引くマフラーと専用武器『ゼンリンシューター』を装

備した『仮面ライダーマッハ』がエアマスターと共に並び立つ。

 

マッハ・エアマスター

「「さぁ、試合開始だ・ネ!」」

 

銃撃しながら下降してくるのをカブトと共に回避する。

 

ストライカー

「って、それ俺の台詞だ!勝手に使うなっつうの!」

エース

『シュヤクガ ダレカニキメゼリフヲトラレルノモ カメンライダーノ テンプレ

 ダネ~。キミモレイガイデハナカッタヨウダヨ ツバサ』

ストライカー

「なんだ、そのメタな発言は!?お前もおかしなこと言って―――うおッ!」

 

マッハ

「ツバサ、俺のスピードについてこれるかな~?いくぜッ」

 

ストライカー

「スピード勝負なら買ってやる、吠え面かくなよ!」

エース

『OK!KICK OFF!』『№NINE・・・スピード!スター!』

 

互いにはなからフルスロットルで乱戦を繰り広げ始めてカブトとエアマスターも激

突し、牽制射撃しながら戦闘を始めた。

 

エアマスター

「ソウジとやるのは初めてですネー?お手柔らかにお願いしまース」

 

カブト

「お前に加減が必要とは思わないがな、いくぞ」

 

それからしばらく地上訓練施設から激しい戦闘音が響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ

「・・・・・ふぅ・・・・やっぱ訓練後の珈琲は美味いな」

 

訓練後、公園のベンチに座って夜空を見上げながら珈琲を飲んでいた。

 

ミシェル

「だ~れ~だ?」

 

そういっていきなり視界が塞がれるのだが最早クイズにすらなっていない。

 

ツバサ

「エセ外国人キャラのミシェルだろ」

 

ミシェル

「ってエセってひどいナ~?まぁ、ハーフではあるんだけどさ」

 

どうやら自主トレの最中だったようで少し息が乱れていて顔も少し紅い。

 

ミシェル

「クラブで聞いたよ?何だか病院にいきなり運ばれたーっテ?」

 

ツバサ

「まぁ、いろいろあってな」

 

ミシェル

「あとさっきシノが探してたけどもう夜も遅いから一度、帰って見つけたら連絡を

 入れるようにするって約束したからちゃんとTELEPHONEするんだヨ?」

 

ツバサ

「そうか・・・いろいろと悪い」

 

ケラケラと笑いながら別にいいヨと気にしないように言う。

 

ミシェル

「いいよ、いいよ。2部チームからの仲だしね、ツバサとは」

 

ツバサ

「そういや随分とお前とも付き合いは長いんだな・・・2部からウイングスの創設

 、そして今に至るまでホットラインとしても最古コンビって奴か」

 

元々、ウイングスの発足時にオーナーから2部チームでも攻撃のラインを組んでい

たツバサとミシェルは一緒に連れてこられて総合で見てもウイングスのゴールで多

いのは中盤の彼女からツバサへのロングスルーパスからだった。

 

ミシェル

「エースから少し話聞いたけど怖い夢みたんだって?」

 

ツバサ

「ってあいつとはナンバーカードで意識が共有状態だから多少は向こうにも映像が

 言ってたのか・・・たくっ、エースの奴め」

 

ミシェル

「こっからは予想だけどその夢ってたぶんシノの夢でショ?」

 

ツバサ

「ッ」

 

ミシェル

「フッ、やっぱりネ。たぶんツバサがそんなになるなんて一番、大切な人が出てき

 た夢でなんかよくない事をみちゃったんだろうナーってね」

 

こいつは何故にもこんなに的確に人の弱いところをついてくるのかと不思議になる

のだが今更考えてみると試合中でも焦ったり、苛立ちを感じた時はミシェルがよく

クールダウンさせるような言動で頭を冷静に保たせてくれたように思う。

 

ツバサ

「お前は魔法使いかなんかか?人の心を見透かしたように言いやがって」

 

ミシェル

「そうだヨ~?なんたって小さき魔女、リトルウィッチだからね、わたし」

 

おどけたような笑みを浮かべて下をチロりと見せてまたケラケラ笑う。

 

ミシェル

「でもね、もっと自信もっていいと思うよ?」

 

ツバサ

「何がだよ」

 

ミシェル

「シノに何かあった夢ってのは今のツバサ見て解ったけどサ。でもそんな事には

 ならないと思う。だってツバサは強い、そんなツバサがいれば皆だって強くい

 られるヨ、皆に自分が支えられてるって前に行った事あったけどちょっと違うネ」

 

立ち上がってまっすぐに夜空を見上げて話を続ける。

 

ミシェル

「皆がツバサに支えられて皆がツバサを支えてる、そういう事なんだよ。ツバサの

 事だからその夢は自分の弱さで支えられなくても強くなんて思ってたりサ」

 

ツバサ

「(その通りですけどナニカ)」

 

ミシェル

「ハハッ・・・(汗。でもさ、それは弱さかもしれないけど強さでもあるよネ?だ

 ってツバサが笑ってればシノも笑ってる、ツバサもシノが笑ってると笑えてる

 存在が弱さにもなるし強さにもなる、大事なのはどっちで入れるかだヨ」

 

そしてツバサの前に立って前かがみの体勢になっていいスマイルで言った。

 

ミシェル

「だからいつでも自信満々の顔でいてヨ。それならシノも笑顔でいられる、その

 笑顔がもっとツバサを強くしてくれる、自信満々でいっつも皆に笑顔や希望や

 夢をあげれるのがわたしの親友でチームの『ツバサ・ハヤカゼ』だヨ?」

 

しばらく考えてからいつもの飄々とした笑みを浮かべて言った。

 

ツバサ

「フッ・・・結構、大変だな、俺って」

 

ミシェル

「大変だヨ~?だってヒーロだからさ、でもだからツバサにぴったりだヨ」

 

ツバサ

「そうかい」

 

ミシェル

「YES♪」

 

それから話をしばらくしてからミシェルはまた自主トレに戻っていった。

 

ツバサ

「・・・っとそういえば詩乃の奴に連絡いれないといけないか」

 

ポケットから携帯端末を取り出して彼女の番号にかけるとしばらくの待機音の後

に画面に詩乃が映った。

 

詩乃

『ツバサ?大丈夫なの?いきなり病院から姿を消したって聞いて』

 

ツバサ

「大丈夫だよ、ちょっと訓練施設に行ってたんだ。勝手に出てったのは悪かったよ」

 

詩乃

『・・・ねぇ、ツバサ。シャマル先生が言ってたの聞いちゃったんだけどツバサが

 取り乱して気絶したって・・・それ本当?』

 

ツバサ

「なんだ聞いちまったのか・・・カッコ悪いったらないな・・・あぁ、そうだよ」

 

詩乃

『どうしたのよ、あなたがそんな風に取り乱すなんてわたし想像つかなかったわ』

 

ツバサ

「前に・・・SAOの時だったか、俺の死んだ夢見たって言ったろ?こっちに来て

 今度は俺がお前の死ぬ夢見るはめになっちまったよ」

 

詩乃

『わたしが死ぬ夢・・・?』

 

そして彼女にその時みた夢の事とそれでその事態が起きた事を説明する。

 

ツバサ

「あの時、お前が俺の部屋に来てずっと寄り添ってた理由が今頃分かったよ。あん

 なに恐怖を感じるなんて思わなかった・・・今でも怖くなるよ、あの悪夢は」

 

詩乃

『ツバサ、大丈夫・・・?』

 

ツバサ

「今はな。自分なりに色々と考えて色々と言ってもらって頭の整理も出来たから

 もう大丈夫だよ、俺は誰にも負けない仮面ライダー・・・だろ?」

 

いつもの笑みを見せて詩乃に質問を投げかける。

 

詩乃

『・・・ええ、それがわたしの惚れた人。それがあなたよ、ツバサ』

 

ツバサ

「・・・ありがとう。また今度、来いよ。次は2人でゆっくりと、な?」

 

詩乃

『うん、楽しみにしてる。おやすみ、ツバサ』

 

ツバサ

「ああ、おやすみ」

 

通信を切って一息はくとどこからともなくクラクション音が聞こえてきて見てみる

とそれはシフトカーワールドクラスと一緒に歩いてきたのは士だった。

 

「柄にもなく大泣きしたらしいな、ツバサ」

 

ツバサ

「大泣きしとらんわ、気を失っただけだ」

 

「より酷いぞ、それは」

 

ワールドクラス

「!!」

 

ワールドクラスが肩に停止してクラクションというなの言葉を発した。

 

ツバサ

「お前も連れてくるならもう少し気の利いた奴連れてきてくれよ、ワールドクラス」

 

ワールドクラス

「~~・・・・」

 

どうやら落ち込んでいるらしい。

 

「少しは自分の事について整理は出来たのか」

 

ツバサ

「まぁ、とりあえずはな。まだまだ強くはいけない・・・ってところだがね」

 

「・・・・。お前は十分に強い」

 

ツバサ

「え?」

 

「お前は今まで何度も人を救ってきた、仮面ライダーとしてな。お前はそれでも

 自分を強くはないというがお前に足りないモノはそれだ」

 

ツバサ

「足りないモノ・・・?」

 

「何を失おうと戦い抜く覚悟。お前は強い、たとえ1人になろうと戦い抜く力も持

 っている、足りないのはその自覚と覚悟。支えは必要だ、だけどな、それに依存

 し過ぎて自分の力と強さを忘れるな。たった1人になろうと何かを失おうと仮面

 ライダーとして戦う覚悟・・・その先にお前の想いを叶えるだけの強さがある」

 

そして自笑二も似た顔で言葉を続ける。

 

「お前は自分をルフィアンと同じ存在と思っているかもしれないが仮面ライダーに

 なった時点でまずは人じゃなくなる。力を得たからな、人は強さは持っているが

 力は持たない。それ故に怪人達に力で支配される」

 

ライドブッカーからディケイドのライダーカードを取り出して弄び始めた。

 

「だから仮面ライダーは人を越えた力を持っている。怪人達と同じ力で戦うために

 な。だからこそ人では無くなってしまう。現にそう差別されたライダーもいる」

 

ツバサ

「・・・俺はある意味、幸せ者って事かね。妬みはあるが認められてる」

 

「人なんてある意味、残酷だ。自分と違うだけで人と違う怪物とみなす。例えどん

 なに助けようと命を賭けようと理解されない、そんな現実もあるのが仮面ライダ

 ー、いや、言葉を変えれば奴ら悪の怪人と戦う正義の怪人・・・といった処か」

 

ツバサ

「だが明確に分けられてる。そこには確かな違いがある」

 

「例え生まれた場所や理由が同じでもそこから必ず仮面ライダーとなる者が現れる

 、次々と。怪人の力に人の強さを持った存在、だからこそどちらでも選べる。怪

 人として生きるのか、それとも人の心を持って仮面ライダーになるのか」

 

そして背凭れにしていた手すりから離れると手を振りながらその場を去っていく。

 

「お前は自他共に認める夢と希望を護る仮面ライダー、この世界に生きる人間だろ」

 

ツバサ

「・・・あぁ、そうだったな。簡単な事だったよ、応えなんてもんは」

 

士に手を振り返して見送るとワールドクラスが語り掛けてくる。

 

ワールドクラス

「!!」

 

ツバサ

「?」

 

するとワールドクラスの身体が炎に包まれてカラーがウイングスカラーへと変わって

さらには地球儀を模したマークにウイングスと六課のマークが3つ連なる特殊なモノ

へと変わってワールドクラスがさらにクラクションを鳴らした。

 

ツバサ

「何?今の俺ならどんなワールドクラスにもなれるからこれにボディチェンジしただ

 って?お前まで俺にとんでもないプレッシャーをかけにきたな」

 

ワールドクラス

「!」

 

ツバサ

「今なら本当の仮面ライダーの心がある、それなら自分の力を最大限に出せる・・・

 ってお前の出力が予想より低かったのは力抑えてやがったのか」

 

ワールドクラス

「~♪」

 

自分を使わせるに相応しい仮面ライダーの心を得るまで加減していたらしい。

 

ツバサ

「使えるようになったんだってならこれから存分に働いてもらうぜ、相棒よ」

 

ワールドクラス

「!!」

 

猛烈なエンジン音を鳴らしながら勇んで応えるワールドクラスを連れて歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

「ぐあああああ!!?あぁぁああ!?あぁあうぅぅおぉぉおお―――――!!!」

 

男は酷くなる痛みにもがき苦しんでいたルフィアンドライバーを装着していれば痛み

から逃げることが出来たのに最早、それすらも効果が無くなってきた。

 

???

「まだ俺から何かを奪う気か・・お前は!お前は!俺から何もかも奪ったのに今度は

 俺の命か・・?俺を壊すのか・・・ライダーが・・仮面ライダーがああああ!!」

 

そしてその体が黒いオーラに包まれ、次第に翡翠色の輝きを覆い隠していく。

 

???

「消してやるッ・・・全てを・・・!!俺を拒んだモノ、世界、ライダーをぉぉお

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

叫声。心からの憎しみ、怒り、悲しみがけけたたましい獣の咆哮を上げさせる。

 

?・?????29

「・・・・・・・・・・・・・・・うぅ・・・・お・れは・・・?」

 

ゆっくりと立ち上がった、見てみると自分の手は異形のモノへと変わっていた。

どうやらルフィアンになったようなのだがふとひび割れている鏡に目がいき、そこ

に映る自分の姿に驚愕した。

 

?・?????29

「なんだ・・・姿がルフィアンの姿が変わっている・・・?この顔は・・・」

 

それは恨み憎んでいた自らの過去の姿、しかしそれは今は禍々しい姿、ルフィアン

に包まれてみる影はなくなっている。どうやら新たな形態になったらしい。

 

?・??????29

「そうか・・そういう事か・・・ははっ、ハッハッハッハッハ!!!!」

 

狂喜にも似た笑い声を上げて全身に漲る力にようやく心酔する。

 

?・??????29

「感じる・・・感じるぞ・・・!!全身に漲るこのパワーッ、今までなど比ではな

 い全てを変える力ッ!強さッ!そうか・・・今までの痛みはライダーの弱さを俺

 のルフィアンの力が喰らい、ライダーの力が足掻いていた弱さの叫断・・・・、

 ふははははッ!!俺はついに弱さを食らった!!俺は勝ったんだッ!!」

 

そして新たな自らの力を握りしめながら決意を新たにする。

 

?・??????29

「最早、組織も何も関係はない・・・俺は・・・俺の本能の俺の求めるままに戦う

 。全てのライダーを倒し・・・俺の存在を全てに認めさせるッ!!俺が全ての頂

 点に立つ者になる・・・!!」

 

H・ヴィリアン20

「目標確認。これより拘束を開始」

 

その声に見てみると自分よりはるかに高い№のヒューマノイド・ヴィリアンが現れ

て自分に向かってくる。どうやら組織が動いていたらしい。

 

?・??????29

「無駄だ・・・最早そんな№など何の意味も力も・・・・」

 

肉体から湧き出るその圧倒的な力が刹那、解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満天の星空の下、燃え上がる焔と瓦礫が崩れ落ちる施設。

 

???

「もう俺を止める者は何もない・・・さてまずはストライカー・・・・」

 

壊れかけても映像が流れる画面を見つめて不敵、不遜な笑みを浮かべる。

 

???

「お前から潰してやる・・・待ってろよ・・・・」

 

足元に転がる残骸を邪魔だと言わんばかりに蹴り飛ばして歩みを進める。それは見

るも無残に破壊されたヴィリアン達だった。

そして青年はその胸に宿った憤怒の力を持ち、新たな一歩を踏み出す。

悪に生まれ光を選んだ青年と悪に生まれさらなる漆黒を求めた青年の交わる事がな

い2つの道が少しずつ邂逅を迎えようとしていた。次回へ続く。

 

 

 

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