エデン条約編とあまねく奇跡の始発点は戦闘が多いのでお気に入りです。
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*......ん。*
目を覚ますとガタガタと揺れる暗闇の中にいた。
(ここは...そうだ。僕、拉致されて...。)
*あ...セリカ!?*
ここまでの記憶を思い返して、僕のことを庇ったセリカを思い出す。
よく見ると目の前に意識がないセリカがいる。
声をかけながらセリカを揺さぶった。
*セリカ!大丈夫!?*
「う、うーん....。」
*セリカ!どうしよう!?拉致されちゃった!*
「.....へ!?」
その瞬間、セリカが勢いよく跳ね起きる。
「こ、ここは!?攫われたって!?」
*た、多分トラックの中でカタカタヘルメット団に...。*
「え、えーとちょっと待って!今思い出してるから!」
「あ、あう....頭が...。」
どうやら若干パニックになってるらしく、少し時間を置くことにした。
「そ、そうだった。私、襲われて.....。」
「フリスク!怪我とかって....?」
*僕は大丈夫。セリカこそ、僕を庇って....*
「あ、あぁ!私があんな攻撃で怪我するわけないでしょ!」
苦笑いを浮かべながら、セリカはそう答える。
*....そう、それならいいんだけど...無理はしないでね。*
「それは分かってるわ。それよりここがどこか把握しないと...あそこの隙間から少し光が漏れてるから、外が見えるかも...。」
そう言い光のところへ歩みより、セリカが覗く。
しかし覗いていたセリカの顔が一気に青ざめる。
「....砂漠....線路!?」
「線路がある場所って....ま、まさかここ、アビドス郊外の砂漠!?」
*それって、どこなの?*
「ここからじゃ、どこにも連絡が取れないのよ!もし、脱出できたとしても、対策委員会のみんなにどうやって知らせれば.....。」
連絡が取れない。
それは孤立を意味することであり、かなりの絶望感が今、セリカを襲っているのだろう。
それもそうだ。あんなに頼もしいみんなが自分を助けてくれないのだ。
セリカはいつも対策委員会にいるからみんなの頼もしさをしっているだろうし、自分ではこの状況を解決することはできないのも分かっているだろう。
「どうしよう、みんな心配してるだろうな....。」
でも
*セリカ。*
「.....?」
その絶望が諦める理由にはならない。
自分が「こうどう」できる限り、いつかは「みのがせる」し、「にげれる」
だから行動しないことには始まらない。どんな理由があろうとも「放置プレイ」はかえってみんなに迷惑だしね?
*じゃあ、心配されない様に早く帰らないとね。*
そして僕は座り込んでいるセリカに手を伸ばす。
(なんだろう。自分よりも年下の子なはずなのに...)
(この包み込まれる様な頼もしさは....。)
「.....うん....そうね!泣き寝入りなんて性に合わないわ!」
「さっさと脱出して、昨日のこと、みんなに怒らないと!」
そうしてセリカは僕の手を掴んだ。
*セリカといっしょにみんなのもとへかえる
そうおもうとケツイがみなぎった。
「さて、そうと決まればどう脱出しようかしら....。」
*それなんだけど...僕に任せてくれない?*
「え?それは構わないけれど...。」
「ケータイ」はとられていなかった...。ならやることは一つ。
いじけんボックスからグローブをとりだし、装備する。
そしてパンチカードを破り捨て、レジェンドヒーローを食べる。
*セリカ!戦闘の準備をして!*
「え、えぇ!」
そうして放たれたパンチは、荷台の堅牢なドアを内側から鍵ごと壊した。
*さて、行くよ。セリカ!*
そうして戦闘体制を整えようとセリカの方を見ると、唖然としながら目を丸くしていた。
そしてすぐにセリカが声を出す。
「いやいやいや!ちょっと待って!何よ今の!?あの荷台のドアかなり分厚かったわよね!?あなた、そんなにパワーあったの!?」
あ、しまった....。脱出することばかり考えていて、セリカの前でアイテムを使うことに何の抵抗も抱いてなかった....。
*え、えーっとね。セリカ、それは....。*
どう言い訳しようか考えていると辺りに銃声が響き渡り、僕の体の横を銃弾が通り抜ける。
*ッ!?*
直前で身を捻り交わしたが、危うく脇腹に当たるところだった。
そして銃弾が飛んできた方向を見るとトラックから異常を感じた2人のヘルメット団が片方はこちらを睨みつけ、もう片方はトランシーバーを持っている。
「おい、お前たち!一体何をした!?」
「人質が脱走したぞ!今すぐこっちに増援をよこせ!」
「あんたたち!フリスクに何してんのよ!」
僕が撃たれたことに怒ったのか、セリカが銃を乱射した。
「ぐぇ!?」
「うが!?」
銃弾は彼女らの頭に見事に命中し、2人は気絶した。
「とりあえずコンパスは持ってきてるから、学校を目指すわよ!」
*わかった!*
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走り出してから数分
できるだけ戦闘は避けてきたが、あまりにも数が多い。この先に進むためには戦闘は免れなさそうだ。
「分かっていたことだけど、やっぱり数が多いわね....。ざっと30はいそうよ。」
*僕はあんまり多人数の戦いに慣れていないんだよね...。*
そう、僕がやってきた戦闘は多くても3体までの敵しか出現しなかった。
そういう風に『設定』されていたから。
でも今回は違う。
ここまで多人数の戦い...ましてや『連携プレイ』になると、どういう行動が正解なのかがわからない。
こういう時、先生がいたら...いや、考えるのはよそう。
何が正しいかなんて、戦闘の中で見つかればいいだけだ。
諦めなければ絶対に攻略できる。
皮肉なことにそれを教えてくれたのは散々僕らをこき使った『奴』なのが癪だけど...今はそんなことどうだっていい。
大切なものを守るためにそれを活用しない手はない。
多少EXPが溜まってしまっても...何とかなると信じよう。
*それじゃあ僕が合図を出したら...いくよ!*
「分かったわ!」
セリカから見えない角度でビチャビチャを飲み干す。
そして合図を出した瞬間、僕とセリカは同時に物陰から飛び出る。
カタカタヘルメット団が現れた!
戦闘が始まるとカタカタヘルメット団は困惑している様子だ。
(今なら試したいことを試せるかもしれない....。)
そうして1人に素早く接近し、銃ではなく装備しておいたバレエシューズによる蹴りをカタカタヘルメット団にお見舞いする。
「うわっ!?なん...ぐふ!」
*...!やっぱり!*
そう、試したいこととはキヴォトスの住民の"DEFの特殊性"だ。
彼女たちは銃に対する耐性が異常なほど高い。
だから撃たれてもかすり傷ほどで済む。
しかし打撃などのいわゆる"近距離からの物理攻撃"に関してはせいぜいウォーターフェルのモンスターくらいのDEFの値しか発揮されない。
まぁ個人差はあるだろうけど、それでも慣れない遠距離戦を続けるよりかはマシだ。
「くそっ!お前たち迎撃しろ!相手は2人、こちらのほうが数的有利がある!畳みかけろ!」
「背中がガラ空きだ!」
*くっ....!*
一人一人の強さはそこまででもないけどやっぱり数が段違い。背後を取られてしまう。
「させるわけないでしょ!」
「ぐは!」
間一髪、凶弾が放たれる前にセリカがヘッドショットをお見舞いする。
「私がいる限り、フリスクには指一本触れさせないわ!」
*じゃあ、この調子でいくよ!セリカ!*
「ええ!」
「ちょ、調子に乗るなよ!お前ら!あともうちょっとで増援が来るんだ!お前たちに勝ち目なんかあるもんか!」
そう、確かに僕たちには時間がない。でもそれはヘルメット団も"同じ"だ。
だって....
(ドカーーーーーーン!!!)
その瞬間、けたたましい爆発音が辺りに響き渡る。
しかしその爆発は僕らに向けたものではなく、カタカタヘルメット団の方に向かって放たれていた。
「えっ!?な、何!?爆発!?砲弾にでも当たったのかしら...。一体、どこから?」
「セリカちゃんとフリスクくん発見!生存確認しました!」
「......あっ、アヤネちゃん!?」
「こちらも確認した、ドヤ顔のセリカとバレエシューズを履いたフリスク発見!」
「!?」
*....いらないところ報告しないでいいから...。*
「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが更に可愛くなった!そんなにいいことあったの?ママうれしいわー。」
「うわあああ!?う、うるさい!!ドヤ顔なんか!!」
「嘘!この目でしっかり見た!」
「恥ずかしがらないでください、セリカちゃん!私たちがちゃんと褒めてあげますから!」
「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!黙れーっ!!」
"よかった。セリカ、安心したよ。"
「な、何で先生まで!?どうしてここまできたの!?」
"ダテにストーカーじゃない。"
「ば......ばっ....!」
「バッカじゃないの!?」
「だ、誰がストーカーよ!冗談やめて!!ぶん殴られたいの!?」
*愛されてるね。*
「どこをどうみたらその感想が出てくるの!?ふざけないで!!」
「うへ、2人とも元気そうじゃーん?無事確保完了ー。」
「よかった.....セリカちゃん....私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって.....。」
「アヤネちゃん....。」
"フリスクも無事でよかったよ...。いつまでたっても帰ってこないから心配だったんだ。"
*ごめんなさい...。先生。*
"いや、生徒を1人にすること自体がダメだったよ...。こちらこそごめん。"
先生とお互い謝った後、シロコが声を上げる。
「ん。まだ油断は禁物。戦術サポートシステムを使って制圧はしたけど、まだここは敵陣のど真ん中だから。」
「だねー。多分敵さん怒り狂って攻撃してくるよー。」
「そういえば...セリカちゃん達っておそらくトラックで拉致されたんですよね?」
「え?えぇ、まぁそうだけど...。」
「どうやって脱出したんです?」
「それはフリスクがパンチでバコーン!っと....。」
"「「「「.....え?」」」」"
セリカが状況を説明して少しの間のあと、一斉に僕に視線が向く。
これはまずいかも...と思っていたら
「あっ、カタカタヘルメット団の兵力、多数確認!!」
「更に巨大な重火器も多数確認しました!徐々に包囲網を構築しています!」
「敵ながらあっぱれ.....。それじゃー、その話は後のお楽しみに取っておくとしてせっかくだから包囲網を突破して帰りますかねー。」
「.....気をつけて。奴ら、改造した重戦車を持ってるわよ。」
「知ってる、Flak41改良型。」
「それじゃ.....。」
そうしてみんなが銃を構える。
「行こうか?」
今回はキャラ紹介はなしです。
あと一部の人には残念なお知らせ。おそらくこの対策委員会編でキャラさんが戦闘に出ることはありません。というのも私はキャラを切り札的な存在としてみているので対策委員会編で出てくるレベルの敵ではキャラさんを出すほどでもないと思ってるんですよね。しかし、なんとなくこの辺の章で出そうという目安はつけているのでそれまで楽しみにしていてください!
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