【完結!!】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !!   作:持麻呂

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ご感想にて結構需要があるのがわかったので、早速書いてみました。

二十四話の最後に、レベッカ達が観せられたBDの内容回になります。
初の試みですので、良かったらご感想頂けると幸いです。



間話(1)

数日前の夜にデイビッドに渡す用のBDを撮影しようと、雨上がりで霧の出るナイトシティを徘徊していた時のことであった。

 

 

 

今日も今日とて、デイビッドの為に刺激的なBD撮りに街を練り歩く。

どんな事件に遭遇しても大丈夫なように、行動インプリント連動フェイスプレートはバッチリ機能させている。

 

今日は珍しく、夜なのに霧が少し出ていた。

カリフォルニア州に位置するこのナイトシティでは、雨が降り終わると良く霧が出ることが多い。

街の中まで濃霧ということはないが、海が真隣にある影響なのか高層ビルが乱立するシティセンターの中までも軽くガスってしまうことがある。

そんな静岡のようになってしまったナイトシティを歩き、上層部が靄って見えなくなってしまったアラサカタワーを見上げる。

もう草木も眠る丑三つ時だと言うのに、この日本企業はまるで不夜城のように各階の電気が煌々と灯っており、中では社畜達がセカセカと命を削りながら社会の歯車を回しているらしい。

先日コールで話した後輩ちゃんも、いまは馬車馬の如く上司の尻拭いに東奔西走しているのだろうか。

その姿を想像して、思わず笑ってしまう。

いとあわれなり。

これぞジャパニーズサラリーマンの姿だろう。

後輩ちゃんは日本人じゃないけど。

 

まぁ、退社している私からしたら、もう関係のない話だ。

踵を返して、ヘイウッドへ向かう。

最近は、良くギャングとサイバーサイコシス相手のBDばっかりになってきていたので、ぶっちゃけマンネリ化してきた感が否めない。

デイビッドも飽きるだろうし、編集しているジュディも詰まらなく思うだろう。

私は既に飽きている。

やっぱり、好評だったのはアダム・スマッシャーとの追いかけっこだった。

他には、メタルギアの様なスリリングでセンシティブなステルス物が高評価だ。

実は、一度だけアラサカタワーに侵入したことがあるのだ。

と言うのも、デイビッドがグロリアさんからアラサカタワーの天辺から景色を見下ろせるくらいの人になって欲しいと、原作よりもだいぶ早い時期に言われたのがキッカケなのだが、じゃあ実際にはどんな景色なのかという話になり、白昼堂々と侵入することになったのだ。

前回の追い掛けっこBDは夜だったので、実はほとんど景色は映ってない。

アイツから無傷で逃げ回るのに、そんなもの見てる余裕もあんまり無いと言う事情もあったけど。

 

そんなわけで、エントランスは赤外線センサーもあって光学迷彩だけでは潜り抜けられないので、インフィニットジャンプで裏手の三階辺りにある通気孔から侵入して、様々なパークの恩恵を発揮しながらチェストバスターのように通気孔の中を徘徊する。

いや、目が合ったら殺さないとなので、バジリスクかもしれない。

なるべくノーキルノーアラートで行く予定ではあるのだが、何が起きるかわからないのが潜入なので、なるべく人目に付かないような移動には通気孔はもってこいなのだ。

途中、発狂する後輩ちゃんのような声を聞いたり、後ろ暗い会話が聞こえて来たりしながら上層階まで登っていき、疑似餌などのクイックハックも駆使して最上階のサブロウ・アラサカのオフィスに侵入した。

そこからの景色をしっかりの脳裏に焼き付けて、帰宅したのだ。

もちろん、調子に乗って最後はアダム・スマッシャーに見つかって追い回されるのだが。

 

しかし、天辺の景色とサブロウのオフィスの内装などは、見た人全員が感動していた。

普通はこの世界の殿上人達しか見れない光景なのだから、当然と言えば当然だろう。

 

そんな感じで一度アラサカには侵入を果たしているので、同じやり方はもう通用しないだろう。

今度はミリテクに忍び込むのも面白いかもしれないけど、ミリテクのケツモチは新合衆国なのでバレたら面倒くさい。

それに、行動インプリント連動フェイスプレートの出所はミリテクなので、それを阻害するような装置を持っていてもおかしくないから、他よりも少しリスクがあるだろう。

好んで忍び込むような場所ではない。

 

どこかに良い事件でも転がってないかなぁと思っていたら、いつの間にか周りには人の姿が全く見えず車も走っていない。

辺りを見回しても、もうダウンタウンとは言えカルマン渦が出来るほどに霧が濃くなって来た。

はて、朝霧ならまだしも夜にこんな霧が出るものかなと、UIに出ているマップを頼りに霧の街ナイトシティを進む。

ダウンタウンはヘイウッドが近いので、日中でも耳を澄ませば銃声が聞こえて来たりするのだが、静まり返って自分の足音さえ聞こえるようなダウンタウンで、遠くからの銃声さえ聞こえない。

基本的に、ナイトシティは夜中であってもうるさい街なのだ。

これは流石に、少し異常を感じてきた。

 

もう少しでウェルスプリングスに掛かろうというところで、いままで音すらしなかった背後から、微かに物音がする。

咄嗟に振り向いても霧に阻まれて何も見えない。

じっとそちらを見ているが、また後ろで何か倒れる音がするので振り返る。

さっきまでの進行方向の地面に、何かが落ちていた。

 

そちらに近づいて行くと、高所からの落下でペシャンコになった人間の死体だった。

上半身と下半身が千切れてしまっている。

クロームをあまり入れていなかったのか、ほとんど生身のようで酷い有様だ。

生臭い血の匂いが鼻腔をくすぐる。

よく見ると、マックス・タックような全身にフィットするタイプの服を着ているようだ。

しかし、一体どこのビルから落下して来たのだろうか。

上を見上げても、どこの建物も五階より上が見えない。

 

まぁ、死体に対して私はどうすることもできないので、軽く手だけ合わせて先を急ぐ。

シティセンターから、一向に車とすれ違わない。

この500万人都市で、そんなことあり得るのだろうか。

夜中の二時三時といっても、必ず自動車は走っているはずなのだ。

今までそんなこと一度も経験したことがない。

 

ふと気付くと、前方に何か見えて来た。

近寄って行くと、さっき手を合わせたばっかりの真っ二つになったペシャンコ死体が落ちている。

はて、道を曲がった覚えはないので、元に戻って来てしまったなんてことは無いはずだ。

そんなはずは無い、マップUIは絶対だ。

よく見てみると、ここはウェルスプリングスとダウンタウンの境界線の道路である。

やはり、真っ直ぐ進んで来ていた。

 

となると、この死体はなんだろうか。

改めて調べてみると、なにか所持していることがわかった。

それはデータチップで、上着のポケットから取り出すとどうやら破損はしておらず、中を確認出来そうだ。

軽くスキャンを掛けて、中にウィルスやデーモンが仕込まれていないかを確認してから、チップソケットに差す。

 

中には幾つかの写真と、ログが残っていた。

写真は、どうやらどこかのビルの中を盗撮したようなもので、何となく見覚えがある。

次はログの内容を確認してみた。

 

 

【エージェントR

 

私とMは、当初の予定通り潜入に成功した。

新合衆国の明確な敵である、アラサカに一泡吹かせるまたと無い機会だ。

また、この作戦はそちらを再びドッグタウンに潜入させるための、陽動作戦でもある。

アラサカタワーをナカトミビルにするのが、そこから見えたら教えてくれ。

それと、これ以上の支援が出来ない我々をどうか許して欲しい。

最後に、Sに色々と思う事もあるだろうが、いつか許せる日が来ることを望んでいる。

アイツは自分の命が惜しいだけの哀れな奴なんだ。

 

追伸

そこから再び出ることが出来たら、その時は2人で飲みに行こう。

 

エージェントF】

 

 

どうやら、どこかの潜入工作員だったようだ。

メールのやり取りだったようだが、何故写真と一緒にチップにログを残したのだろうか。

エージェントとしては、落第点な気がする。

それとも、死ぬつもりは無かったからこんな大胆だったのか?

しかし、ナカトミビルとは随分と物騒な内容だ。

アラサカタワーをそんな事出来たのは、今も昔もお騒がせジョニー・シルヴァーハンドくらいなものだ。

5年後には、Vくんちゃんもしそうで恐ろしい。

あの企業は、この新合衆国では恨みを買いすぎている。

 

チップをインベントリに仕舞って、この死体に向けて軽く合掌をした。

ログを見た限りだと、さっきの死体はエージェントMで、この死体はエージェントFということになる。

エージェント呼びとは、まるでメンインブラックだな。

 

これ以上、この死体から得られる物はないので、人っ子1人見当たらないが見られないに越したことは無い。

その場を後にしようとしたその時、正面からズシッズシッと重量のある物体が近付いてくるような足音が聞こえて来た。

やはり、足音の方向に目を凝らしても、濃霧のせいで全く見えない。

脳内で勘が警鐘を鳴らすので、回れ右してその場を離れた。

来た道を引き返しながらどこか入れる商店を探してみたが、バーはおろかどこの店も閉店しており真っ暗だ。

こういうところはゲームとは違うので、今日みたいな日は恨めしく思ってしまう。

 

それにしても、ダウンタウンなのだから一件くらいは開いている店があっても良いと思うのだが、今日に限って霧の影響もあるのか本当に全部閉まっている。

耳を澄ますと、だいぶ距離を離したがまだ足音が聞こえていて、真っ直ぐ自分の方に付いてきているような気がする。

 

とにかくここから離れなければ。

人混みがあればそれに紛れ込めるのに、こうも誰にも会わないと不安になる。

さすがに、シティセンターまで戻ればアラサカやミリテクのビルには明かりが灯っているだろう。

そこまで行ければ誰かいるはずだ。

ダウンタウンを早足で抜けようと道を急ぐ。

 

そろそろ、シティセンターのビル群が見えてくるはずで、ビルから発している明かりで確かに薄らと霧が明るく見える。

もうここまで来れば一安心だと思って、歩く速度を落としたら、後ろから追って来ていたはずの足音が前から聞こえて来た。

 

「そんなバカな」

 

さっきの足音の音紋と、今前から聞こえてきている足音の音紋をスキャンすると完全に一致する。

どうやって回り込んだっていうんだ。

絶対におかしい。

もうこちらも足音を立てることなんか、そんな些細なことを気にしている場合では無い。

 

グレンの自宅に向けて、全力疾走する。

血中酸素を操作できるインプラントで、酸素濃度を高めて疲れ難くしながら、ダウンタウンを抜けてウェルスプリングスに駆け込んだ。

ウェルスプリングスもコーポプラザと同じように、車にも人にもすれ違わない。

ふと脳裏に、このまま自宅に帰っても良いのかとよぎる。

家にはお尋ね者のサーシャが居るので、後ろに付いてこさせるままに帰宅するのは問題だ。

 

「クソ、ダメだ。…こうなったら、対峙するしかないのか?」

 

改めて、行動インプリント連動フェイスプレートがうまく機能しているかを確認する。

じっと立ち止まって足音が来るのを待ったが、もう少しの距離でぴたりと止まった。

霧の中動かず、目を凝らしてよく見てみるが何も出てこない。

しかし、視線もそこから外したく無い。

一分程だろうか、ぴくりとも動かずに見ていたがやはり物音ひとつせずに何かが飛び出してくる気配もしない。

 

「気のせいなんかじゃ決して無いのに、一体なんなんだ…」

 

一向になにも起こらないので、踵を返して再びグレンへ向かおうとしたら急に何かにぶつかった。

霧のせいでよく見えなくて、壁にでもぶつかったのだろうか。

それにしては随分と硬質な壁である。

鼻をさすりながらぶつかったものをよく見てみると、真っ黒な鉄板のようなプレートで、白い文字で小さくARASAKAと書いてあった。

 

「アラサカ?」

 

よく見ると壁みたいだったが、ゴツい胴体部であり丸太のようにぶっとい手足が生えている。

そのまま視線をスーッと上げると、頭二つ分高いところに煌々とひかる赤い点が2つ…

 

 

「会いたかったゼェ…」

 

 

「ぎゃぁぁぁぁーッ!!!」

 

絶叫したら、人間の頭くらいはありそうな硬質金属製の拳を思いっきり自分の顔面目掛けて振り抜かれる。

咄嗟に頭を横に傾けてやり過ごしたが、サイドの小さく編んだ髪が1束持って行かれた。

パンチひとつで物凄い威力だ。

まともに食らえば、チタン骨が入っていても相当なダメージを受けそうである。

 

近接攻撃を受けた反射で、強化腱と強化足関節、リロイ靭帯システムとチタン骨、エピモルフィック骨格、スプリング式関節の合わせ技で、強烈な蹴り上げを目の前の硬質金属プレートに叩き込んだ。

一歩下がられて、胸部アーマーでは無く右肩の肩部アーマーで受けられたが、そのまま粉砕する。

さすがに、勢いを殺されて右腕までは持って行けなかった。

 

「おおっと、随分な挨拶だナァ…探したんだゼェ?」

 

「散々ビビらせやがって、クソッタレが。私はお前なんかに会いたくなんて無かったよ。…アダム・スマッシャー」

 

破壊された肩部アーマーをパージして、サッサッとキザな仕草で肩を払う。

 

「そんな事言うんじゃねぇヨ。俺様はオマエに会いたくて仕方が無かったんダァ。それにしても、逃げ回る足だけ立派なメスガキだと思っていたが、とんでもネェジョーカーだったとはナァ…こりゃツイてるゼェ」

 

「ハッ、テメェなんかいつでもぶっ殺せるから、今まで見逃してやってたんだよハゲコラ」

 

「オマエ如きに、俺様が殺されると本気で思ってんのカァ?随分と頭がメデテェナァ。あぁ、よく見たらウジが湧いてるゼェ」

 

「そう言うテメェは脳みそまで機械になっちまってんじゃねぇのかよ」

 

お互いの鼻息が掛かりそうなくらい顔面を近付けて、パチキかましながら超至近距離でメンチを切り合う。

お互いにブチ切れそうでカタカタと末端が震える。

 

「デカブツのクセに手が震えてやがるじゃねぇか」

 

「こりゃ武者震いってヤツだろうがヨォ。オマエこそ、足腰立ってんのカァ?」

 

 

 

「ブッコロス」

「死ねやクソボケ」

 

2人とも考えることは同じである。

ドンドンッと下腹部で銃声が鳴り、残った生身の内臓が撹拌されたような衝撃に見舞われる。

その衝撃で体が後ろ側に吹き飛ぶ。

下っ腹に大口径の機関銃が二発もぶち込まれたから当然だ。

胃液が迫り上がってきた。

 

もちろん、こちら側もしっかりとアダム・スマッシャーにキツイ一撃をお見舞いしている。

ブーリャCOMRADE’S HAMMERのただでさえ強烈な一撃が、ハンドガンパーク【グランドフィナーレ】の効果で威力2倍になってアダム・スマッシャーを襲ったのだ。

腹部の分厚い特殊複合装甲が弾け飛び、弾体が小爆発を起こして内部機構を一部破損させる。

たたらを踏んだアダム・スマッシャーの腹部からは、冷却液か何かの白濁した液体が零れ落ちた。

堪らずといった様子で膝を突く。

 

一方の私は地面を転がって止まり、血混じりの胃液を吐き出す。

 

「ウォエッ…ウォエェェ…ゴホッ、クソが!女の子のお腹は大事にしろって、親から習わなかったのかよ…ゴホッ」

 

自分の下腹部を見ると、軍用アラミド繊維で出来たコーポレートシャツを貫いて、その下に着ていた襟なしのアラサカのポリカーボネート製防弾アラミド繊維ベストまでも貫通して、皮下アーマーでやっと止まったらしい。

ご丁寧に、こちらも炸裂弾をぶち込まれていたようだ。

服とベストは被弾箇所がボロボロになっている。

弾は止まっても衝撃までは殺せない。

キチン、細胞アダプター、周辺インバースなどで衝撃を散らしていてもこのザマだ。

 

久しぶりに減ったHPバーが、急速に回復していく。

もはや機関砲サイズの機銃弾を受けても、HPは1割ほどしか減っていなかったのは少し呆れた。

 

「オマエも結構なサイボーグだナァ。なぜ二発も受けて立てるんダァ?」

 

「私もテメェと同じく特別なんだよ。それよか、私の一撃でイッちまったのか?腹からザーメン溢れてるぜ」

 

「随分と優しい愛撫だったからナァオイ。思わずイッちまったゼェ」

 

そう言いつつ、左肩の三連装ミサイルポッドから小型ミサイルを発射してくる。

横に回避しながらケレズニコフを発動させて、引き伸ばされた体感の中ブーリャを構えるが、先にサンデヴィスタンを発動させたアダム・スマッシャーが射線から逃れつつ、残像を引いて機関銃を連射してきた。

先にミサイルに向けてブーリャを撃ち込み、命中を確認しないでこちらも追いサンデヴィスタンを発動させる。

リロードを挟む余地はないので、更に二発放たれたミサイルに向けてインベントリから出したカーネイジGUTSで迎撃するべく、射線上に強力な散弾をばら撒いて置いた。

 

向こうが先にサンデヴィスタンが終わったので、こちらも停止させると続けてミサイル三発分の爆発が周囲の霧を霧散させる。

 

「良い性能のサンデヴィスタンだナァ。どこ製ダァ?」

 

「アラサカ製じゃないとだけ言っとくよっと」

 

再び同じタイミングでサンデヴィスタンを再稼働させて弾丸をばら撒き合うが、私の方が性能が上なので幾分早く動ける。

こちらもGUTSの散弾をアダム・スマッシャーの未来位置にぶっ放し続けるが、ちょこまかと進路を変更して避けられた。

やはり、先にアダム・スマッシャーの方が発動終了するので、合わせてこちらも停止させる。

こちらの効果時間を知られないようにするのと、少しでもリチャージを稼ぐのに都合がいい。

 

そこからは、お互いの足で走り回りながらガチンコ勝負になった。

とにかく被弾しないことを最優先に、散弾を撃ち続ける。

一度、アーマーで耐えれるかアダム・スマッシャーが棒立ちで試してみたようだが、装甲も傷付くし非装甲部分にダメージが入ったので、余裕で怯んでノックバックしていた。

それからは絶対に被弾しないように、アダム・スマッシャーのクセに遮蔽物なんて使っていやがる。

お互いに遮蔽物越しに撃ち合い、お互いの遮蔽物を壊そうと爆発物を投げつけ合う。

向こうはプロジェクタイルランチャーを使い、こちらはオゾブの鼻を投げ付けるが、どうやら破壊力はオゾブの鼻の方が強力なようだ。

どんどん紫色の爆炎が舞うたびに、コンクリート製のキオスクのような売店が砕けていく。

こちらは、ビルの一階の商店に侵入して、塀と柱を壁にしているので、まだ戦い易い。

ここにきて、アダム・スマッシャーの馬鹿でかい図体が仇になったようだ。

 

だんだんと千日手になってきたので、ここは一気に詰めて決着を付けることにした。

GASH対人グレネードを遮蔽物の売店ギリギリに投げ付ける。

着弾したグレネードが飛び上がり、弾体から照射された21本のレーザーがめくら撃ちをしていた機関銃を膾斬りにして、アダム・スマッシャーのいる方向に向かって進んでいった。

5秒もあればかなり近付ける。

エラッタを抜いて、売店の逆から堪らず飛び出して来たアダム・スマッシャーに対して脇構えで駆け出す。

機関銃を破壊されて、咄嗟にサイドアームのアサルトライフルを撃ってくる。

照準が定まっておらず、弾道がブレブレだ。

 

「うろたえ弾なぞっ!!」

 

最後の最後にサンデヴィスタンを発動させて、一瞬で間合いを詰める。

上段から振り上げた状態で発動を停止させて、一気に振り下ろした。

 

「もらったぁっ!!」

「小娘ェェェッ!!」

 

さしものアダム・スマッシャーといえども、1日に10回を越えるサンデヴィスタンの使用は堪えたようで、もう発動させる様子もない。

しかし、それでも何かしらのクロームを発動させたのか、致命傷を避けるように半身をずらした。

体幹を斜めに断ち切る軌道は、上半身を逸れて右腕を肩から寸断するにとどめた。

地面に丸太のような腕が転がる。

 

こちらにプロジェクタイルランチャーを向けながら、アダム・スマッシャーが後ろに飛び退いた。

残心したまま、こちらも駆け出そうとすると突如上空から探照灯が照射されて、ついでにマシンガンの掃射も受けたので、エラッタで反射させながらこちらも後退を強いられる。

 

上空を見上げると、アラサカのAVが二機も空中に浮遊しており、キャビンからはニンジャ部隊がこちらに銃器を向けているのが見えた。

 

「卑怯だぞ!増援呼びやがったな!!」

 

「俺様が呼んだんじゃネェ!クソが!余計な事しやがっテェ!」

 

イラついた様子でアダム・スマッシャーが、奇跡的に無傷で路駐してあった車を蹴りの一撃で廃車にする。

さしもの私も、奥の手を切らずにニンジャ部隊とアダム・スマッシャーの両方を相手にするのは分が悪い。

ここは素直に退却することにした。

 

「チッ、邪魔が入った!また会おう!!」

 

「小娘ェ!次は殺してやるゾッ!!」

 

ムカつくので、地面に落ちたままの右腕をサンデヴィスタンでちゃっかり回収してから、スモークグレネードをばら撒いて煙幕を張り、AVのダウンウォッシュで消え散る前に光学迷彩で姿を消しながら、インフィニットジャンプでビルの屋上まで一気に登って隠れる。

自分の腕が回収されたのが分かったのか、下の方でアダム・スマッシャーがブチギレている声を尻目に、コソコソと逃げ出した。

 

そこからは、一時間ほど掛けて光学迷彩を多用しながらグレンに帰宅したのだった。

 

このBDはジュディとエブリンからは諸手を挙げて大絶賛の嵐。

売り出せないことを悔やまれつつ、BDとしては大満足の出来をデイビッドに持って行く。

 

大喜びで観てくれるデイビッドが、私は大好きだ。

 

 

 

「どうだった?素晴らしい出来だろう」

 

「すっげぇよネイト!!強い強いと思っていたけど、あんなに強えなんて!」

 

「ふふふ、そうだろうそうだろう。でもねデイビッド、私にはあと二段階変身を残しているのさ」

 

「マジかよ!?」

 

さて、また今度時間があったらアダム・スマッシャーに絡みに行こうかな。




初めて多機能フォームの特殊効果使ってみました。
いかがでしたでしょうか?

せっかくなので、冒頭はホラーのようにしました。
ちなみに、何故ネイトをアダムスマッシャーが追いかけて来たかというと、本人は気付いていませんが、行動インプリント連動フェイスプレートの変装が特に指定して変更していない場合、プリセットで決められた顔に変装するので、前回アラサカタワーの屋上で追いかけっこをした時と同じ顔になっているのに気付かず、ノコノコとシティセンターを徘徊しているところを見つかってしまったからでした。
ちなみに、アダムスマッシャーは中指立てられた事を根に持ってます。

もしこんな間話読んでみたいよ!と言うご意見ありましたら、採用するかどうかは別としてご感想頂けたら幸いです。

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