【完結!!】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !!   作:持麻呂

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第四十話

ーーー少し時は遡る。

 

 

 

2週間ぶりにナイトシティに帰ってきた。

いやはや、単身で帰ってくるのは身動きが取りやすいけど、寂しいものがあるね。

ジュディとグロリアは、実家でお留守番である。

まぁ、今は色々と立て込んでいるから、実家から移動出来ないっていう理由もある。

たまに会える日を楽しみにしてるから、暫くはデイビッドが悲しむなぁ。

 

まぁ、デイビッドの方も最近はそれどころじゃ無いから、あんまりクヨクヨもしていられないだろうけど。

とりあえず、レベッカとルーシーには後で顔を出しておこうか。

お土産やら、援助物資やらを渡さないといけないからね。

3人での生活もだいぶ慣れてきているみたいだけど、何時迄も楽しそうで私もハッピーだ。

 

国際宇宙港から迎えのデラマンに乗り込み、シティセンターの自宅に向かう。

グレンの自宅は、そっくりそのままデイビッド達に貸している。

保管庫に関しては、私にしか使えないので申し訳ないけど開かずの間と化している。

サーシャは、普段は私の許可している隠れ家や自宅をぷらぷらと渡り歩いて寝泊まりしていて、ふらっとグレンに行ってはデイビッドを2人の前で誘惑して遊んでいたりするらしい。

どこまで本気かわからないけど、2人が留守の時にデイビッドが(性的に)襲われかけたって話も聞いたことがある。

うーむ、案外侮れないな。

 

『ネイト様、また後ほど診療所の方へお越しください。傘下企業の10-Q(四半期報告書)が作成されております』

 

「もうそんな時期か。あっという間に四季が通り過ぎちゃうね。わかった、とりあえず荷物を置いたら、アフターライフに寄ってローグさんを乗せてから向かおう」

 

『承知いたしました』

 

デラマンは相変わらずのアルカイックスマイルであるが、最近は少し口角が上昇してきているような気がする。

徐々にだが、デラマンの感情についてもアップグレードしているようだ。

 

デラマンはデラマンで、有り余る資金を基に、遂に独自のデラマンタクシーAVを作り上げて、ハイグレードVIP用に複数台を運用するようになった。

年間契約で、その顧客に対して一台を丸一年割り当てるようにする方式は従来のままだが、各デラマンAVには製造順にシリアルナンバーが刻み込まれていて、そのナンバーは永久にその顧客のものになる。

たとえ、契約を解除したとしてもそのナンバーは他の客に使いまわされる事はない。

なので、契約者が1人増えるごとに一台を新造して、契約が終わった時点でそのAVはモスボールするか、再度の契約が完全にない(契約者の死亡確認)と分かった時点で廃車処分になるのだ。

これは、何でもかんでも特別に拘る上級階層にバカ受けした。

自分の為だけに存在するデラマンの新型AV。

これは、新しいナイトシティのステータスシンボルとなったのだ。

 

ちなみに、デラマンタクシー以外の事業全てにおける共同経営者である私は、デラマンのご厚意に甘えて契約者第一号としてNo.1のデラマンAVを頂戴している。

No.2はマダム・ローグで、次にサブロウの爺様に声を掛けたら直ぐその場で連絡を入れて、直々に番号を抑えてNo.3になっていた。

私がNo.1を持っていると聞いたら、是非譲ってくれと言われたけど契約上と仁義的に難しいので、代わりにどこか対外的な外交に乗って向かう時は最優先で貸し出す事にしてある。

これで面目も立つ筈だ。

本人もそれは大変助かると喜んでいたので、まぁ納得してくれているなら良いでしょう。

ミリテクやら他のメガコーポは、私とあまり関わりが無いので声の掛けようも無いし義理もないので、そこで指でも咥えていてもろて。

 

空を飛ぶと、地上を走るよりも圧倒的に早く目的地に着けるのは当たり前で、海上を一直線に横切って直接コーポ・プラザの自宅が入っているビルに乗りつけた。

荷物自体は大した量ではないので、屋上のAVポートに待機していたコンシェルジュに全部渡して、部屋に持って行ってもらう。

荷物の引き渡しを終えたら、そのままデラマンにアフターライフに向かってもらった。

 

一応、到着する前にローグに連絡を入れておく。

 

『こんにちは、マダム。四半期の報告書が出来上がったようなので、これから診療所へ向かうのですがご一緒に如何ですか?』

 

『誰かと思えばネイトか。また戻って来ていたんだね。ちょうど今は暇を持て余していたんだ。乗せて行ってくれるんだろう?』

 

『それは勿論。今向かっている車内ですし』

 

『それは重畳だ。外で待ってる』

 

2週間前にナイトシティに戻って来た時もアフターライフに顔を出しているので、そこまで久しぶりではないけれど、一応礼儀として戻ってきた時には必ず連絡なり顔を出しに行くなりしている。

出会ってから早3年経っているが、相変わらず関係は良好で良いビジネスパートナーの1人として、公私共にお世話になっている。

やっぱり、あの捜索能力は何度お金を払ったとしても手放したくないからね。

便利すぎる。

 

アフターライフの前のちょっとした広場に着陸しようとすると、中に入れないから入り口に何時も屯している二流三流共が、慌ててバイクやらを退かして自分達も避難し始める。

たまにこうやって乗り付けるので、前から屯しているサイバーパンク達はある意味慣れたもので、デラマンAVが降りてきたらさっさと場所を空けてくれるのだ。

一番最初は、生意気にも退かない連中が居たので、空中でホバリングしているAVから飛び降りて、3人ほど達磨にしてあげたら次からは直ぐに退いてくれるようになった。

学習する連中は嫌いじゃない。

 

アフターライフの入り口には、洒落たコートを着込んで腕を組んだまま仁王立ちしているローグが待っていた。

デラマンのウィング式のサイドドアが開いた後、ローグの手を取って座席にエスコートする。

ローグも慣れたもので、何も言わずに私の手を取って対面の座席に座った。

常備されているシャンパンを渡す。

 

「相変わらず伊達だね。アンタは」

 

「生来なれば」

 

肩をすくめて、アメリカ人の様に大仰に戯けてみた。

ふうん、とローグが小さく笑う。

お互いに冗談だと分かっているのだ。

 

「で、相変わらず先行決算書やら報告書は紙媒体なんだね。何度も言うけど、そろそろ紙にこだわなくてもいいんじゃないのかい?」

 

軽くシャンパンに口をつけてから、窓の外の景色を見てそう言う。

 

「いえ、アラサカを始めミリテクやカン・タオの諜報員が常に情報を狙っているので、ネットランナーに抜かれないようにするには、紙で保管するのが一番ですからね。読み終わったら、燃やしてしまえば誰にも内容が分からなくなる。それに、今の診療所の奥之院を突破するには、アダム・スマッシャーくらいの戦闘力が必要ですから、実質ナイトシティでは私を含めて2人しか盗めません」

 

私とアダム・スマッシャー以外はゼロだろう。

まぁ、2077年になった後のVは突破出来るかもしれないが…

変わってしまった未来の事はわからない。

 

「はっ、あのサイコ野郎と同じくらい強いヤツがそうそう居てたまるか。…まぁ分かったよ。私の懐に関わってくる話だからね」

 

そう言って、長い脚を組み直してグラスに残ったシャンパンを一口で飲み干した。

まぁ確かに、毎度毎度診療所に出向かないといけないのが面倒なのはわかる。

このサイバー時代に、なんて思っているだろうけど、こう言うことに関しては面倒臭がってはいけないのだ。

メガコーポほど、本当に大事な情報に関しては印刷して、金庫に仕舞ってある。

便利になった世の中であるほど、原始的なものには敵わないのだ。

 

もう少しでデラマン診療所に着くかと言う時に、突然コールが入った。

相手の名前は後輩ちゃんだ。

 

『おや、後輩ちゃん。どうしたの?』

 

そこには、だいぶ焦った顔の後輩ちゃんが映し出された。

なにやら、後ろでドンパチしているらしい。

 

『先輩!助けて下さい!大ピンチです!ついでにジャッキーとデイビッドも大ピンチなんです!!』

 

なに?

いつのまに、後輩ちゃんとあの2人が知り合っていたんだろうか。

あの2人を巻き込んでおいて、大ピンチとはかなり大事だ。

性能を弄られたアボジー・サンデヴィスタンを使えるデイビッドをして、ピンチってどう言う状況なんだろうか。

発信場所をカント君を使って逆探知すると、サウス・バッドランズの更に先の方。

州境が近いところだった。

 

『…分かった。場所は…バッドランズの先だね』

 

あまり時間がなさそうなので、巻き込めないローグを診療所に降ろしてから向かおうと思った。

 

「その様子じゃあ、何かあった様だね」

 

「分かりますか?実は、私のアカデミー時代の大切な後輩が、どうやらジャッキーとデイビッドを巻き込んでピンチらしいのですよ」

 

「へぇ、あの2人と居てもピンチとはね。面白いじゃないか、私も援護してやるから直接向かいな」

 

「よろしいのですか?かなり面倒かもしれませんよ」

 

ローグが鼻で笑うと、片手をひらひらさせる。

 

「構やしないよ。遠慮せずにいきな」

 

そう言うので、直接向かうことにする。

座席の脇にあるスイッチを操作すると、座席の下から隠されている保管庫が前方に迫り出される。

その中から、ネコマタを取り出してローグに手渡した。

 

「へぇ、ネコマタとはね。いい銃じゃないか」

 

ネコマタを手にしたローグが、表面を撫でながらニヤリと獰猛な笑みを浮かべた。

 

「フルオプションですから、それなりに使いやすい筈です。デラマン、悪いけど目的地変更してほしい。座標は今送る。」

 

デラマンにサウス・バッドランズの座標を送ると、すぐにモニターに映るデラマンが頷いた。

 

『承知いたしました。先程お聞きした様子から、負傷者がいる可能性を考えまして、救急AVも一台緊急で手配いたします』

 

さすデラだ。

正に打てば響くようだ。

 

グイッとAVが傾いて、進路を変更し急速に郊外へ向けて加速しているのが分かる。

法定で定められている高度の限界まで上昇し、障害物を無くして一直線に向かうつもりの様だ。

高度が高くなると、向こうのほうに微かに黒煙が立ち昇っているのが見える。

キロシの最大望遠にしてみるが、熱と空気の揺らぎで何が起きているのか全く見えない。

 

もどかしさを感じながら、3人が無事で居てくれる事を祈るしかない。

ジャッキーとデイビッドには、私が渡せるクロームの中で最高の物を装備させているので、ちょっとしたマックス・タックに襲われても第4ウェーブくらいまでは耐えれるくらいには仕上がっている。

問題は後輩ちゃんだ。

あの子がどんな装備をしているか分からないから、どこまで耐えれるのか予測できない。

 

市街を抜けたら、デラマンAVで出せる最高速で飛ばしてもらっているので、黒煙が出ているところまでグングン近付いている。

キロシの望遠でも、なんとか見えるところまで近づけたのだが、ちょうど一台のバンが黒塗りの武装AVに行手を阻まれたところだった。

側面を向けて何かしている様だが、白煙を棚引かせてロケット弾だか小型ミサイルだかがバンに撃ち込まれるのが見えた。

 

クソ、少し遅かった!

バンのボンネットと地面がほぼ同時に爆発して、バンは前転しなかったもののツンのめる様にして破壊された。

フロントガラスをぶち破って、後輩ちゃんが車外に放り出されるのが見えてしまった。

あの落ち方は大変良く無い。

 

這い出てきたジャッキーに、空中から銃撃が加えられるのも見えた。

デイビッドは、バンが陰になっているのか姿が見えない。

いや、バンの後ろから腕が出ているので、どうやら銃を盲撃ちしているらしい。

 

武装AVが着地して、数人の戦闘員を吐き出してからまた離陸するのが見えた。

デラマンに、敵の武装AVの上を取るように頼む。

 

「マダム、私はあのAVを仕留めます。貴女には残敵の狙撃をお願いしたい」

 

「任された」

 

少しだけ減速したデラマンAVから、落下位置予測アプリを使って武装AVの天板目掛けて飛び降りた。

インベントリからエラッタを引き抜いて、着地のほんの少し前に振り抜く。

スパッと天板が断ち切られ、100kg近い私の身体が落下の加速のまま切れ目の入った天板をぶち破る。

どうやら、ちょうど真下に1人居たらしいが、そのまま押し潰して車内にダイナミック搭乗する。

血飛沫でめちゃくちゃになった車内には、もう1人と操縦士が居たので、我に返る前にサクッとエラッタで分割して始末した。

首を失った操縦士が操縦桿に倒れ込み、加速しながら地面に向けて加速していくので、サッサと飛び降りて脱出する。

上空からは、ローグが地上の敵に向けて狙撃をしており、ちょうど後輩ちゃんの前に立った敵の頭を吹き飛ばしたところだった。

しかし、嫌な予感がしてサンデヴィスタンを使い急いで駆けつけると、後輩ちゃんの胸の真ん中に風穴が開いている。

 

「後輩ちゃん!!」

 

ゴポリと後輩ちゃんの口から、血液が吐き出された。

クソ!心臓を撃ち抜かれているので、打つ手が無い。

スキャンしたが、生体モニターと血液ポンプは持っている様だが予備心臓は導入していない様だった。

心臓が破壊されたせいで、どちらも動作不良を起こしているらしい。

このままだと、脳に血液が行かなくて本当に死んでしまう。

 

咳と一緒に吐血する後輩ちゃんと眼が合ったが、寒いと口だけ動かして、そのまま目を閉じて呼吸も止まってしまった。

一か八かで、自分の持っている予備心臓にゴムチューブを繋げて、慎重に悟で頸動脈を切開しそこにチューブを差し込んだ。

予備心臓に人工血液を注入して、搭載されている機能で空気を抜いてから循環させる。

流量を制御して、脳を仮死状態に置く事で20分くらいは時間の猶予を得ることが出来た。

しかし、身体もこのままだと臓器が死んでしまう。

デラマンが手配した救急AVが来るのにも、まだ時間が掛かりそうなのでギリギリかも知れない。

 

「チーカ!Vは助かりそうか!?」

 

完全に残敵が掃討されたのか、ジャッキーがこちらに走ってきた。

その後ろから、片脚を引きずりながらデイビッドも近づいてくる。

今、ジャッキーなんて言った?

 

「後輩ちゃんがVだって?」

 

「お?おう、そう呼んでくれって言ってたぜ」

 

マジマジと後輩ちゃんの顔を見る。

毎回名前を聞こうと思っていたが、その度に忘れたりタイミングが合わなかったりして聞けずじまいだった。

まさか、後輩ちゃんがVちゃんだったとは…

読めなかった、このリハクの目をもってしても…

いや、こんな茶番をやっている場合では無い。

 

何か、何かこの状況を覆せる一手は無いものか。

辺りをスキャンしながら見回すと、破壊されたバンの近くにハイライトされた黒いアタッシュケースが見えた。

 

「ジャッキー!その黒いアタッシュケース持って来て!」

 

「分かった!」

 

ジャッキーが急いで取って来てくれる。

黒いアタッシュケースの表面には、アラサカのマークと文字が書いてあり、キーは電子錠になっているらしくセキュリティレベルが一定以上出ないと開けられない様になっているようだ。

 

クイックハックで開けるためにスキャンすると、どういう事なのか勝手に認証が解除されて上蓋が開いた。

衝撃吸収用のポリマー剤に包まれた中身は、小型の補助電源とバッテリーによって通電されている一枚のチップ。

私には、あまりにも見覚えがあり自身も開発に関わっている物だった。

 

表面には、『Test Prototype Relic』の文字。

そんなバカな!?

これの輸送計画はまだ当分先のはずだ!

なんでこんな所にあるんだ!

おかしい。何か、何か私の知らない所で知らない計画が動いているのか?

気に食わない…

サブロウの爺さんで無いことだけは確かだ。

 

「な、なぁ、それなんなんだ?」

 

後ろから、デイビッドがおずおずと声を掛けてくる。

 

「これは、まだ治験段階にあるインプラントの試験用試作品第一号だよ。これから、人間に対して使用する予定だったものなんだけどね」

 

「うーん、厄介ごとの香りしかしないな…」

 

しかし、まだ副作用やら人間に使用したらどうなるかが分からないのだ。

このままでも、刻一刻と後輩ちゃんの命のタイムリミットが迫っているのも確か。

 

このTPRは、原作の本家本元とは違い、試験用に作られた試作品第一号だけあってその機能もだいぶ違う。

元々は脳死している人間に使用することが大前提で、修復用のナノマシンも搭載しているが、それは機能不全に陥っている脳の機能を回復させるためにある。

ただし、脳の機能というものは複雑で、外傷等で損傷した脳機能が回復したからと言って脳死が治るわけでは無いから、元の脳みその持ち主の意識が戻るとは限らない。

それに、意識を司る前頭葉にはあまり働きかけず、身体的機能を司る部位を優先的に修復するようにしてあるので、よっぽどの事が無い限りは本人の意識は戻ることはない。

その状態で、生体部品でもって作られたこの試作品第一号が、神経に直接枝を伸ばしていき、ガッチリと食い込んで前頭葉の代わりを果たすのだ。

もちろん、relicと同じように人格コンストラクトが入っているので、脳死状態の本人に変わってその身体を動かせるようになる。

もちろん、DNAが人格コンストラクト本人に作り変えられたり、身体も変化しないし、脳みそを乗っ取られるなんてこともない。

まだそこまでの機能を搭載出来るほど出来上がってはないので、2077でVくんちゃんがえらい目に遭う様な状態にはならない筈である。

 

問題は、脳死していない人間に使ったらどうなるか分からないのだ。

前頭葉が二つある様な状態になるので、ただ頭の中に同居人が居るみたいなだけなら良いのだが…

それに、ナノマシンの設定が重篤な生命維持器官の損傷を修復すると言う設定なので、脳死のみの相手に実験する予定だったから、上手く心臓の修復に使えるか分からないのもある。

そして、最後の問題は、『誰』のコンストラクトが入っているのか分からないのだ。

製作にあたって、サブロウの爺様から後になって処分しても気分を悪くしないコンストラクトを『神輿』から選別して、その中からランダムで選出すると言っていたので、関係者の殆どの人が中に『誰』が入っているのか知らない。

 

アタッシュケースを持っている手から、義体化しているので出るわけのない汗が滲み出ている様な感覚がある。

後ろで見ている2人も、何も言わない。

わたしが躊躇っているのを理解しているからだろう。

 

その時、デラマンAVから降りて来たローグが強い口調で言った。

 

「ネイト、アンタが躊躇うんじゃないよ。アンタらしくも無いじゃないか。それが何なのか私は知らないが、もしその後輩が助かるかも知れないんだったら、やってから後悔しな」

 

脳裏に衝撃が走った。

確かに、それもそうだ。

どうせこのままだと、助かるかどうかギリギリのラインなのだから、やるしか無い。

失敗したら、私が死んだ時に向こうで殴られよう。

鈍く光るTPRを後輩ちゃんのチップソケットに添える。

 

「南無三!!」

 

一気呵成に挿入した。

既に重篤な機能不全に陥っている身体に差し込んだので、間髪入れずにTPRが起動して後輩ちゃんの全身にナノマシンが展開される。

心臓が破壊されて血流が止まっていても、自分で移動できる能力を持っているので、心臓や傷んでいる臓器に移動しては自己増殖して臓器の再生を始めた様だ。

体組織の生命維持に必要の無いところから、修復に必要な有機物を分解して修復するので、身体の特定部位が少し小さくなる。

徐々に、胸に空いた風穴がゆっくりとだが塞がり始めた。

 

このまま上手く機能してくれれば、この場で死ぬ事はもう無さそうだ。

 

「チーカ!救急AVが来たぞ!」

 

ジャッキーに釣られて上空を見ると、一台のデラマン診療所付き救急AVが降下して来た。

着陸したAVの中からはトラウマチームが降りて来てびっくりしたが、どうやら後輩ちゃんがトラウマ保険に加入していたから便乗して来た様だ。

 

デイビッドとジャッキーには、ローグと一緒にデラマンAVに乗って来るように指示して、トラウマチームと共に後輩ちゃんを救急AVに乗せた。

ある程度心臓が回復したら、予備心臓を外して血流を戻さないといけないから離れるわけにはいかない。

 

急ぎ、診療所に向かうように頼んだ。




実は、Vちゃんのラストスタンドは謎兵士には当たっていませんでしたとさ。
ローグの姉御には、やっぱりネコマタがよく似合うと思いますねぇ。
ゴツいライフルは正義

今回結構無理矢理感はありますが、勘弁してください…

幼女はこの小説に

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