【完結!!】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !!   作:持麻呂

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誤字脱字訂正ありがとうございます!!

前回の間話4の皆さんからの評判が予想以上に良かったので、時間があった時にぼちぼち書いて完成したら、本編から切り離して短編四話くらいで別作品として出してみようと思います笑


第五十三話

フィンのリパー、フィンガーズを後にして、クーラーボックスを持ちながら同じジグジグ・ストリートの中にあるパチンコ店に向かう。

フィンガーズから出た時には、既に入り口には3人の死体が無く血の跡が残っているのみだったので、早速彼等は別の人間の生活の糧になったようだ。

まぁ、私だってちゃんと忠告はしたし、先輩のように問答無用でぶっ殺してないので、自業自得だとあの世で反省してほしい。

 

ジグジグ・ストリートの表通りに入るまでは気が抜けないので、ジャケットの背中側に隠していたM221サラトガを片手に持って見せびらかしながら歩き、表通りに入ったところでスリングに付けて再び背中側に隠す。

しかし警戒は怠らず、空いている方の手はすぐにでもヌエを引き抜けるように、常に懐に入れておく。

脇のホルスターに手が掛かっているので、サンデヴィスタンなんかを使われさえしなければ、咄嗟に反応出来るはずだ。

 

とは考えていたものの、表通りに入ってからパチンコ店までは100mあるかな?といった距離なので、なんなく店内に入る事ができた。

左右を見ると、ジャラジャラと音を立てながら銀色の小さい球が上がっては複雑な動きをして落ちてくるを繰り返し見ながら、一喜一憂している人達を見ると何が楽しいのか私には全然分からないが、きっと彼等は楽しいのだろう。

 

『パチンコだったか?俺がガキの頃からあるが、まだ生き残ってやがるんだな』

 

ジョニーが熱心に遊戯している客の横から、パチンコ台の盤面を覗き込んで関心している。

となると、少なくとも50年以上前から遊ばれているギャンブルのようだ。

 

いつまでも入り口に突っ立っているわけにもいかないので、店内をよく見渡すと奥に続く道と玉暖簾が見えた。

そちらかと思い玉暖簾を潜ると、短い廊下がありその先にはオオゼキのようなガタイのとても良い大男が立ち塞がっていた。

その脇から、奥の部屋に1人の老女がデスクに向かって何が仕事をしているのが見える。

アポイントを取るために、そのガードマンをしているオオゼキの前に立って、手に持っているクーラーボックスを見せながら自己紹介した。

 

「ハァイ、こんにちは。えーっと、私はVよ。フィンガーズのフィン・ガースタットから、ここにいるマダム・オカダに荷物を届けて欲しいって依頼を受けたんだけど、アポイントは取れるかしら」

 

「…今確認を取るからすこし「タメ、ええからそのまま通してや」…どうぞ」

 

奥からワカコ・オカダと思われる声がして、タメと呼ばれた大男が横にズレて道を開けてくれた。

すこしおっかなびっくりで部屋の中に入ると、白髪をひっ詰め髪にした老婆が椅子に座って私を待っていた。

彼女がワカコ・オカダのようだ。

 

「よう来たなぁ。アンタがVなんやって?」

 

「あ、はい。Vです。貴女がマダム・オカダで合っていますか?」

 

「合ってるで。それに、マダムなんて他人行儀やのうて、ワカコでええよ。噂は聞いとるで?」

 

「では、ワカコさんと…噂、ですか?」

 

私の噂とは一体なんだろうか。

まだ今日がサイバーパンクの初日だと言うのに。

ニヤリと笑ったワカコさんは、少しイタズラが成功したかのような雰囲気を醸し出している。

 

「そうや、アンタのことはネイトからよう聞いとるで。なんやエライ目に遭うたそうやな」

 

「え?先輩から、ですか?」

 

『おいおい、こりゃ一発図られたんじゃねぇのか?』

 

ワカコ・オカダ程の大物フィクサーに、私の事を話していたとはどういう事なのだろうか。

ただ、目の前の人物からは害意と言ったものは今のところ感じ取れない。

ジョニーの言うように図られていたとしても、きっとそれは悪いものでは無いのだと思う。

 

「私とネイトは数年前から知り合いなんや。少し前にわざわざ顔を出して来はって、後輩が来たらあんじょう頼みます言うて帰りはったんよ」

 

「そんな事を先輩が…」

 

「次に会うたら、感謝しとくんやで。あぁそうや、荷物を持って来はったんやったな。ここに置いてや」

 

先輩はいつだって私のことを気に掛けてくれている。

野菜も肉もそうだけど、リハビリだって飼い猫だって全部先輩が助けてくれている。

昨日だって、デイビッドの家で面倒を見てもらっている飼い猫の写真を送ってくれたりしたのだ。

今日はこの依頼が終わったら、先輩にコールしてお礼を言おう。

 

もうこれが終わった後のことを考えながら、ワカコさんが指差す目の前のデスクの上にクーラーボックスを置いた。

これにも電子錠が掛かっており、フィンから先んじて送られて来ていたのだろうか、易々と電子錠を解錠してみせて、自分のものだと私の前で証明してくれる。

 

「中身はキチンと確認しないとやなぁ」

 

パカリと無造作にワカコさんがクーラーボックスを開いた。

途端に、部屋には何とも形容し難い嫌な臭いが漂う。

これは、何かが痛んでいるような少し腐っているような…

それを無理矢理薬品で保存しようとした感じの臭いだ。

強いて言うなら…病院の臭いを10倍くらいにした感じ。

 

思わず顔を顰めてしまう。

こんな事なら、鼻を換えた時に嗅覚リミッター機能があるやつにして貰えば良かったかも。

それか、自分で嗅覚をon/offにできるやつ。

すこし後悔しながら、能面のような無表情で中身を確認しているワカコさんの様子を窺う。

クーラーボックスの中に手を入れて、中身の向きを変えたりしながら確認しているようだ。

部屋の外まで漏れているのだろう。

タメと呼ばれていたガードマンの大男がこちらを覗き込んでいる気配と衣擦れ音がした。

 

『クソが、こりゃあの地獄で散々嗅いだ臭いじゃねぇか!もう沢山だ!』

 

ジョニーは臭いの正体を知っているようだ。

 

『ジョニー、この臭いは一体何なのよ』

 

『あぁ?決まってんだろ。これは人体が腐った臭いだ。概ね、手抜きだかやり方を知らなかったんだか、エンバーミングや冷凍をしなかったんだろうよ。冷蔵だけだとそりゃこうなる』

 

確認が終わったのか、ワカコさんはクーラーボックスの蓋を閉じて冷蔵機能を再稼働させた。

そのまま席を立ち上がったと思ったら、外に手を洗いにいったのか暫くしたら戻ってきた。

 

「待たせて悪いなぁ」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「えらい臭かったやろ。中身、聞きたいんちゃうか?」

 

「…知らない方がいいこともあるので、遠慮します」

 

「ほう、随分と賢明やなぁ。まあ、見ても気持ちのええもんやあらへんし、その方がええやろう」

 

もう用はないようで、よっこらせとクーラーボックスをデスクの上から降ろして、それに向かって冷たい目で一瞥をくれてからこちらに向き直った。

 

「ほな、チップを渡さんといかんな」

 

「いえ、報酬はフィンから貰えると思うので」

 

「報酬は報酬や。チップは別やで。それに、私が彼に依頼するようたのんだんや。依頼料を半分持つ言うてな。せやから、内容も大したことあらへんし報酬もしょっぱいやろ。気にせんと貰っておけばええんや」

 

「…あー、なるほど。そう言うことなら…」

 

思わず頷いてしまう。

子供のお使いの様な依頼をフィクサーが出すのも問題があったりするのだろう。

そう言った依頼は、こうやって第三者を挟んで行われたりするのかもしれない。

それから、ワカコさんから500エディも送金されて来た。

びっくりしてしまう。

いくら何でも貰いすぎだ。

 

「ワカコさん!」

 

「私はな、ネイトに大きい借りがあるんや。私が言うてもあの性格やし、そもそも本人の資産が有り余っとる。絶対に受け取らんやろ?せやから、代わりにこうしとるんやで。これ以上は文句言ったらあかんよ」

 

そう言われてしまうと、流石に黙るしかない。

心遣いを有り難く頂戴する事にした。

 

『ま、相手がくれるって言ってんだから、丸っと貰っとけば良いんだ。今の俺たちには、金はいくら合っても足りないんだからよ』

 

ジョニーの言う通りだ。

先輩からしたら、そもそも貸したとすら思っていないかも知れないが、車を買ったりする為に資金を借りているし、今日は使わなかったが銃弾もタダじゃない。

車の燃料代もある。

先立つものはいくら合っても困らない、か。

 

「…ありがとうございます」

 

「それでええよ。そうや、ヘイウッドのパドレもVアンタに挨拶したい言うとったのを忘れとったわ」

 

パドレ…パドレと言ったらフィクサーのパドレで合ってるのかな?

でもなんでフィクサーのパドレが私なんかに…

これも先輩繋がりなのかしら。

 

「パドレ…さんも先輩繋がりなんでしょうか?」

 

「それはどうか分からんわ。本人に直接聞いた方がええ」

 

「なるほど…分かりました」

 

頷きを持って返す。

実際にパドレが私に用があるとしても、それをワカコさんが知らなくても当たり前だ。

あとで聞きに行ってみよう。

ワカコさんから、パドレの居る場所の情報を教えてもらい、今日はここでお暇させてもらうことにした。

流石に今日は疲れた。

 

「では、そろそろこの辺りで帰ります。今日はありがとうございました」

 

「今度は、ネイトと一緒に茶でも飲みに来はったらええよ」

 

別れ際に、さいならと声を掛けられて一礼してから部屋を出た。

ボディーガードのタメが、部屋から出て来た私をジロリと見て来て、何故か分からないけどニコーラの缶を差し出してくる。

え、なんでニコーラ?

困惑しながら受け取ると、そのままニヤッと笑ってあとで飲めよと言ってきてそのまま門番に戻ってしまった。

なんでニコーラ…いや、先輩の影響でシラスコーラよりは好きだけどさ。

 

なんか形容のし難い疑問に頭を捻りながら、ジグジグ・ストリートの表通りに出て貰ったニコーラの缶を開ける。

プシュッと炭酸が抜ける音がして、仄かにニコーラの爽やかでいて甘い匂いが鼻をくすぐった。

キンキンではないが、まだ十分に冷たいそれを喉に流し込んだ。

うまい!

 

『ニコーラってまだ有ったんだな。もうとっくに廃盤になってたと思ってたぜ』

 

私の味覚情報から再現したのか、同じニコーラの缶を持った状態でジョニーが現れる。

車を駐めた駐車場までの道のり、珍しくジョニーが私の横を一緒に歩きながら、ニコーラを歩き飲みしていた。

 

「へぇ、これって結構古かったのね。私は最初はシラスコーラの方が好きだったんだけど、先輩の影響でこっちの方がいつの間にか好きになっちゃってたのよねぇ」

 

『シラスコーラも前からあるが…俺が生身だった頃もニコーラの方が人気だった気がするな』

 

「そうだったのね。まさか、私の方が少数派だったのかしら…でも、ここだとみんな両方とも飲んでるイメージなんだけど、実際のところどうなのかしらね?」

 

『まあ、俺からしたらどっちでも良いし、こんな物よりも本当は酒の方が良いぜ。お前の記憶の中だと小便臭ぇビールばっかりだし、たまにはちゃんとした酒くらい飲めよ』

 

「あら、センツォンくらいは飲んでるわよ」

 

『あれは良い酒だぜ。だけど、他のも飲めよ。ビールかセンツォンだけじゃねぇか、お前』

 

ジョニーが生意気にも、そんな文句を垂れながら飲み終えた缶をそこら辺にぽいっと捨てる。

もちろん、缶は本物ではないので光を放ちながら粒子となって消え失せた。

そんな感じで他愛も無い話を続けていたら、あっという間に駐車場に着いたのだが、案の定と言うかやってて良かった防犯対策と言うか…

地面には4人のモヒカンがひっくり返って痙攣していた。

盗もうとしたのか、見かけない珍しい車だと思って触ってしまったのか、どちらにせよ間抜けが罠に引っ掛かって高圧電流に晒されたらしい。

どうやら、倒れ方を見るに感電した仲間を助けようとして次々に感電したようだ。

 

腕に目立つタトゥーが入っていることから、どうやらタイガークロウズらしいが車上荒らしだか車両窃盗をしようとしているあたり、下っ端も下っ端だろう。

さて、コイツらをどうしようかしら。

 

『あんなチャチな仕掛けでも、案外効果があるんだな。効果抜群じゃねぇか』

 

今だにドアノブから手が離れないで感電している、バカ第一号の脇に座り込んでジョニーがせせら嗤っている。

 

「さて、コイツらどうしたら良いと思う?」

 

一旦車の方の罠を切ってから、気絶している4人を見下ろす。

正直に言って、殺した方が楽で良いのだがあとで面倒なことになりそうだし、放置したらしたで舐められそうだから嫌だし、悩む。

 

『身包み剥いで、金目の物だけ貰って捨てときゃ良いんじゃねぇか?誰も気にしねぇだろ』

 

「それもそうねぇ。これは私の車にちょっかい掛けてきた方が悪いわよね」

 

と言う事で、早速服を弄って金目のものを漁り始める。

所詮下っ端なので、大したものは持っていないようだが、ちょっとしたアクセサリーや銃弾、もちろん物としては一番高価な武器類を回収していく。

それから、一人一人のポートにジャックインして、直接先輩直伝のクイックハックをお見舞いしてエディもきっちりと頂いた。

4人も集まればそこそこ良いお金になる。

 

「見てよジョニー。エディだけで3000エディも集まったわ!これで少しは良い装備が買えるかも」

 

『生きるってことは誰かの犠牲によって成り立つわけだ。俺たちは今日コイツらの尊い犠牲によって飢えずに済むって寸法だな』

 

「先輩のおかげもあって、チップもかなり貰えたからこれで暫くの生活費には困りそうに無いわね。でも、武器やクロームなんて買ったら一瞬で無くなりそうだけど」

 

『命には変えられねぇよ。分かってんだろ?ケチったら死ぬぜ』

 

「頭では分かってるんだけどねぇ…。これからも倹約生活は続きそうね」

 

しかし、先輩が頼んでくれたからか、ワカコ・オカダという大物フィクサーに名前を覚えて貰ったのはかなり有り難い。

もしも私が1人でサイバーパンクになっていたとしたら、一体どれだけの時間が必要か分かったものでは無い。

これで、アフターライフに出入り出来るようなサイバーパンクに一歩スキップして近づけたような物だ。

アラサカ社員だった時は、会社の威光によって社員証をチラつかせれば入ることができたが、今の私では必ず門前払いされるだろう。

ジャッキーやデイビッドが一緒に居れば、もちろん入れてくれるとは思うが。

それでは意味がない。

そもそも、一流のサイバーパンクの定義ってなんだろうか…

伝説になったらそれは大体死んでいるし、一歩手前ってこと?

今度ジャッキーに会ったら聞いてみましょうか。

久しぶりにエル・コヨーテ・コホのタコスも食べたいしね。

 

タイヤで轢かれそうな部分を軽く足でどかして、車に乗り込んだところを見透かしたかのように先輩からコールが入った。

 

『やぁ、無事に2つとも依頼を達成出来たね。1日にトータルで3つも達成出来たのだから、初日として考えれば上出来とも言える。よくやったね後輩ちゃん』

 

『先輩!ありがとうございまっす!ワカコさんから聞いたっすけど、先輩が口利きしてくれてたんすね!助かりました!』

 

『おや、バレちゃったようだね。ちょっと色々と有ったからねぇ。気にしないで良いよ。さて、報酬を送ろうか』

 

先輩から500エディも送金されてきた。

これもきっと色を付けてくれているに違いない。

さっきジョニーに言われたように、有り難く頂戴する。

 

『ありがとうございます!ここから、あとで先輩に少し借金返済しますよ』

 

『いや、ピンハネしてこれだから、そのピンハネ分を返済に回しているのでそのまま貰っておきなさいな』

 

どうやら、そういう体にしてくれているらしい。

何から何まで、頭が上がらなくなる。

 

『ほんとすか!そしたら、新しい武器か改造パーツでも買って次に備えます!』

 

『あとでそこら辺は安く流してあげるよ。さて、今日はゆっくり休むんだよ』

 

『はい!』

 

じゃあねとコールが切れた。

先輩に言われた通りに、今日は帰ってゆっくり休もう。

コーポプラザにあった私の家は、アラサカ社員では無くなった時に差し押さえされてしまっていたので、先輩が部屋の荷物を全て買い取ってH10メガビルディングに新しい家を用意して、そこに全て収めてくれていたらしいのだ。

飼い猫はいまデイビッドの家にいるらしいので、後日迎えに行ってみよう。

 

ジャパンタウンからH10メガビルディングへは、橋を渡ってリトルチャイナに行けば良い。

ぶっちゃけ、デラマン診療所のほぼ真ん前だから、定期検診とか行きやすくて良いかも。

H10メガビルディングの駐車場に車を持って行き、自分で直接駐車した。

現行の車両なら、登録してある駐車場へ自動で向かってくれるのだが、このオンボロにはそんな機能は付いていないので仕方ない。

まぁ、クイックハックでおかしくならないメリットはあるのだけれど、自動運転がないデメリットの方が大きく感じる。

 

早速部屋の方に向かってみることにした。

初めてH10メガビルディングに入ったのだが、ここも他のメガビルディングと同じで薄汚い。

まぁ、H4メガビルディングに比べたらどこもマシかもしれないけど。

道がゴミで物理的に封鎖されていないし、エレベーターで行きたい階に行けるのだから、ここはあそこよりは圧倒的にマシだ。

あそこは本当に、現地人でさえ外に出れないかもしれないのだから、聞いていて頭が痛くなる。

管理会社は何をしているのだろうか…

 

自分の部屋番号を先輩からメールで教えて貰っているので、その階に向かう。

反対側の廊下には、NCPDが突入している部屋があるし、2軒隣の部屋の前ではアダルトBDでも見ているのか電動式オナホールで公開オナニーをしている変態もいる。

…世紀末かな?

ちょっと同じ階の人とは関わらない方がいいかもしれない。

そう思いながら部屋の電子錠を開けて中に入ると、いい感じに元々持っていた家具を部屋の中に再配置していてくれて、個室の方に行くとコーポプラザのロッカーに仕舞っていた武器や弾薬が並べて置いてあった。

これは助かる!

今日の報酬で買える武器よりもグレードの高いものが揃っていたので、まさかそれすらここに運んでくれていたとは思わなかった。

心の中で先輩に感謝の念を送らずにはいられない。

 

『これで、一旦武器に関しては考えなくて良くなったな。そしたら、次は防具じゃねぇか?』

 

「うっ…せっかく頭から追い出していたのに…。私のアラサカ社のコーポスーツはアラミド製防弾繊維で作られてたんだけど、胸に風穴が無かったとしてもそれはもう着れないから、何か似たような性能の物を用意しないといけないわね」

 

『別に、服に拘らなくても良いんじゃねぇか?防弾ベストとかあんだろ』

 

ジョニーが壁際にあったガンケースの上に座って、葉巻を燻らせながらそう言ってきた。

確かにそれはそうなのだが、理由があるのだ。

 

「TPOを考えられない野蛮人でアナーキーなジョニーに教えてあげるわ」

 

『俺はアナーキストじゃねぇよ!それに野蛮人は余計だろうが!!』

 

「五月蝿いわね。ちょっとしたジョークじゃない。…続けるわよ。先輩もずっと防弾仕様のコーポレートスーツを着ているのは知っていると思うけど、あからさまに防弾用の装備を付けていますって誇示するよりも、服の繊維を最初から防弾繊維にしておけば日常生活においての不便さがだいぶ違うのよね。防弾ベストなんかはプレートを入れたりするから嵩張るし、とにかく重い。咄嗟の時には動けないし車の乗り降りなんかにも支障をきたす場合があるわ」

 

『ふーむ、なるほどな』

 

「それに、傍目から見て荒事をする人間だと分かってしまうから、相手から警戒される確率も高いし、少し格式のあるお店や他のコーポに出入りする際にも止められやすくなるわね。だから、普段から着るような服を最初から防弾仕様で作ると困る場面が少ないし、何かと便利なのよ。もちろん、専用の防弾ベストなんかには防御力は劣ってしまったりするのはあるけどね」

 

『意外とちゃんとした理由があったんだな。アイツの事をただの堅苦しいヤツだと思っていたぜ』

 

「少しでも先輩への見方が変わったのなら嬉しいわ」

 

『そいつはねぇよ』




ワカコに配達したクーラーボックスの中には、一体何スターの何が入ってたんや…

エッジランナーズでも描写がありましたが、日中からBD観ながら自動オ○ニーマシーン使って青空解放オ○ニーしている人達って、普段何して生活してるんですかね。気になって夜しか眠れません。

一応予定ですが、次回から展開を一気に動かしていけたらなと思っています。
よろしければ、最後までお付き合い頂ければ幸いです
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