【完結!!】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !!   作:持麻呂

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誤字脱字訂正、ありがとうございます!!

今回もなんとか間に合いました…
やっと、これでアラサカ強襲に入れます。


第六十二話

レベッカと楽しい楽しいお話しを終えた後、クレアが作ってくれたカクテル《死神》を飲みながらデラマンに連絡を入れる。

頼み事は、前回のフサリアの診察データを使用して、フサリアの脳の3Dモデリング化である。

デラマンの演算能力を使えば、あっという間に作成出来るので1分も掛からず送り返されてきた。

どれどれ、結果はどうかしら。

 

『ネイト様、大変興味深い結果がわかりました。何故最初の検査の時に検出出来なかったのでしょうか。(わたくし)大変不思議でなりません』

 

『デラマン、今日は随分饒舌じゃないか』

 

『はい。(わたくし)、人間に一本取られたのは久し振りかもしれません。感情閾値が振り切れそうです』

 

『へぇ、それなら見せてもらおうかな』

 

デラマンが相変わらずのアルカイックスマイルで、私が添付されたファイルを開封するのを待っている。

高度な暗号化を施されているファイルをパスキーで開封すると、眼前にフサリアの脳みその3Dモデリングが展開される。

きちんと色も付いていて、フサリアのお子ちゃま脳みそは私のように脳殻に収まっていないので、綺麗なピンク色をしている。

 

《死神》を啜りながら、思考操作して脳みそを部分ごとに分解していく。

スルスルと脳の機能部分ごとに解けて行って、パーツ毎に順に並んでいくので大変見やすい。

クルクルと角度や大きさを変えながら一つ一つ丁寧に見ていくと、途中でシナプスの電気信号の流れまで可視化することが出来るのが分かったので、そちらを使うと脳下垂体上、視床下部の前方にすこし出っ張りがありそこに向かって信号が大きく流れて行っているのが分かった。

そこを通ったシナプスの電気信号は、視床下部を通って前頭葉と行ったり来たりを繰り返していたようだ。

脳の電気信号が一旦通過するこの部位は一体なんなのだろうか。

 

電気信号の可視化を止めて、色付きのモデルから脳梁を取り除き、間脳を顕にすると思わず思考が停止した。

間脳の色が違う。

 

「なんだ、これ……」

 

「ん?ネイトォ、何してんだよぅ?」

 

間脳がネズミ色をしていて、とても普通の生きた人間の間脳の色をしていなかったのだ。

おかしい、何かがおかしい。

そこの3Dモデルをさらに拡大して、謎の出っ張りと言うか膨張部を見てみると、そこには『NC/mdl NR/type - F00021』との刻印とバーコードがあった。

ゾクリと背筋に冷たいものが走る。

いまはこれ以上追求してはいけない。

 

『デラマン、フサリアの身体データをDNAと抽出していた人格データを除いた全データを即時削除』

 

『承知いたしました。その2点は如何いたしますか?』

 

『暗号化して、デラマン研究所のメインフレームの隠しファイルに転送。バックアップは月に居る奴のところにでも送っておいて欲しい。あそこなら大丈夫だろう』

 

『はい。そのように致します』

 

ボックスシートからフサリアの笑っている声が聞こえて来た。

最初に引き取った時から感情の豊かな子供だったが、これを見た後に彼女の生い立ちを考えると少し来るものがある。

もしかしたら、事件に巻き込まれて亡くなった身分を偽っていた両親というのは、フサリアと一緒に逃げ出そうとしていたか逃がそうとした人だったのかもしれない。

本当の両親では無い気がするが、それはもう分からないだろう。

私とて、あのよくわからないコーポにハックを仕掛けるほどでは無い。

 

嫌なものを見てしまったので、残った《死神》を全部一気に飲み干して、追加でニコーラを貰う。

 

「なぁ〜って、本当に大丈夫かよぅ」

 

「…あぁっ、悪いね。少し考え事をしていたのさ。今日のところはここで帰ろうか」

 

「??まぁ、ネイトォが大丈夫なら良いんだけどさぁ。リア!帰るってさ」

 

「れぺっか!かえる?」

 

ローグさんの膝の上からぴょんと飛び降りて、こっちに駆け寄って来た。

その姿を見て、厳ついサイバーパンクやカウンターの中の連中が笑っている。

何回くらいここに来たことがあるのか知らないが、フサリアはここの連中からそれなりに可愛がられているようだ。

 

「さ、帰ろうか」

 

「うん!だっこして!」

 

ご希望の通りに抱き上げて、レベッカを促して立ち上がる。

 

「ろーく!!ばいばい!」

 

「…フッ、気をつけて帰んな」

 

 

 

グレンのアパートに帰っても1人で寂しい夜を過ごしそうなレベッカを誘い、コーポプラザにある自宅に帰宅してからは、レベッカにフサリアの相手をしてもらって、その間に私は作戦の概要を徹夜で詰めていく。

 

翌日、シロウさんチームとローグさんを含め計画に参加する主要メンバーに向けて、大まかな作戦内容を説明を伝える為に一度アフターライフの個室に集合するように通達した。

2時間ほどして、私、エッジランナーズの面々とシロウさんチーム、そしてローグさんが一堂に会した。

 

この集まった個室は完全に防音であり、事前に盗聴やハックがされていないかを徹底的にスキャニングしてクリーンにした部屋なので、誰かが意図的に計画を漏らさない限りは外に情報が漏れることはまずないだろう。

先ずは私が先頭に立って、シロウさんとタケムラのおじ様とエッジランナーズの面々にお互いの自己紹介を軽くさせてから本題に入った。

 

「さて、自己紹介も済んだことですから早速本題に入ります。大目標としては、ヨリノブ・アラサカの身柄の拘束、地位の奪取。中目標としては護衛のアダム・スマッシャーの撃破、旗頭になるハナコ・アラサカの確保。小目標はアラサカ部隊に対しての遅滞戦闘による圧力分散軽減。概ねこの4つになります。小目標に関しては、可能であれば各個撃破してしまっても構いませんが、出来る限り半殺しで抑えていただきたく。これは、アラサカ支社制圧後にミリテクの戦術部隊による攻撃が予測される為、それに対抗する戦力を温存しなければならないからです」

 

壁に投影されているアラサカのナイトシティ支社の拡大マップをレーザーポインターで指し示しながら、考えれる予想を交えながら説明をする。

 

「ヨリノブ・アラサカが居るであろう支社長室は最上階の一つ下、ここですね。ハナコ・アラサカが保護されている部屋は上層部のここに居ると情報が入っています。アダム・スマッシャーは、殆どの場合ヨリノブ・アラサカの護衛として近くに侍っていますが、侵入者の通報が入ると優先的に排除しようと前進してくるでしょう。これは私が対処します」

 

次に、マップを変えて移動経路を加えたものを表示する。

 

「アラサカタワーの屋上AVポートには、許可の無い飛来物を迎撃するための連装高射砲が四基八門装備されています。そのため、侵入には中層階にあるこの空中庭園から行います。トラウマAVに偽装したものを用いて接近、高射砲の射角に入らない位置から開発した反重力シューズを使用してここに生身で降下する予定です」

 

マップの隣には、レトロ・スラスターの技術を独自に改良発展させて作り上げた、もっとスリムでスマートなブーツタイプの反重力シューズが映し出される。

レトロ・スラスターのように重く嵩張り歩きづらいという欠点を取り除いたものだが、欠点として反重力状態を維持できる時間が短い。

落下速度が乗っている程、反重力で速度を相殺する時間が長く必要なため、理論上は終末速度を一度相殺した場合は再度の終末速度の相殺を出来る程度だ。

少しは冗長性を持たせているので、小ジャンプを相殺したから言ってもう一度落下できないわけでは無いし、5m以上の落下でないと反重力装置が動作しないようにリミッターも儲けてある。

 

「メイン達のチームは、道中で階下から登って来るであろうサイバーサムライや保安部隊の足止めを頼みたい。幸い、アラサカタワーが以前のトラウマの教訓からか、最上階から最下層までの直通エレベーターシャフトは存在しないため、エレベータートランジットロビーとなっている空中庭園階に作戦成功まで留まっていれば、必然的にほとんどの増援部隊とカチ合う事になる。尚、遅滞戦闘が目的のため、上階への退却は可能であるが、我々が完全にクリアリングしていくわけでは無いので挟撃には注意すること」

 

次にハナコさんが保護されていると言って密かに送ってきた階層の地図を表示する。

そこには、ヨリノブおじ様の部屋に続く矢印とは別に、途中で折れ曲がる矢印が広い部屋へと続いているのが確認できる。

 

「ハナコ・アラサカのボディガードは多くて5人がローテーションで配置されているのが判明していますので、ここはタケムラおじ様がお迎えに行って頂きたい。……やって頂けますか?」

 

確認のためにタケムラおじ様を見やると、腕を組んだまた頷く。

 

「構わない。Vはシロウさ…んのところからは離さないでくれ」

 

最低限以上の武装はきっちり持たせて、遠隔からも支援をする予定なので、彼ならなんとか出来るだろう。

1人で迎えに行ってもらうのは、シロウさんの護衛を1人でも付けたかったからなので、全く異論はない。

 

「はい。Vはシロウさんから離れないようにします。次に、アダム・スマッシャーが順当に出て来るとしたら、ここから進んだ先のサーバールームあたりで会敵が予想されるので、私が引き受けるのでVはシロウさんと先に進むか、撃破した後に共に行くかをその場の状況次第で臨機応変に対応を考えて欲しい。私とアダム・スマッシャーの戦闘には介入はしなくて良い」

 

「分かりましたっす」

 

「前もって、内通者に最上階のAVポートは使用出来ないようにしてもらうので、ヨリノブ・アラサカが屋上から脱出する心配も無い。彼を捕まえた時点でゲームセットだ。何か質問は?」

 

辺りを見回すと、デイビッドが手を挙げる。

 

「はい、デイビッド」

 

「俺たちのチーム全員が足止め役で人数足りんのかなって」

 

「ああ、アラサカ社員は結構強くてね。サンデヴィスタン持ちも一定数居るんだよ。だから、デイビッドを含めて君たちのチーム全員が束になって掛かっていないと、流石に少し厳しいものがあると思うよ」

 

きちんと効果のある抑制剤が出来てしまっているので、クローム由来のサイバーサイコ発症率が激減してしまった影響か、アラサカ社員もそれなりの人数が高級クロームを多く入れ始めているので、原作よりも社員が強くなっているのだ。

特にクローム由来のサイバーサイコシスを発症しやすかった、サンデヴィスタンやバーサークと言った神経系に直接作用するクロームの導入への敷居が下がったわけだ。

ちょっとしたバタフライエフェクトとも言えるだろう。

サンデヴィスタンを使用して来る相手に対抗するには、同じく所持していて性能が段違いのデイビッドをぶつけるしかない。

なので、本来なら着いてきて欲しいデイビッドはメイン達から引き抜くわけにはいかないのだ。

 

「他には?はい、メイン」

 

「俺たちの方にアダム・スマッシャーが来ちまった時は、どう動けば良い?」

 

「その場合は、フラッシュグレネードとスモークグレネードを大量使用して、全速力で私たちと合流してほしい。君たちだと、アダム相手には遅滞戦闘は大分難しいだろうからね」

 

「分かった。その時は、アンタに押し付ける事にする」

 

その後も細かい質問が続いたので、適時応答したあとにこれで良いと、シロウさんによって作戦計画は承認された。

 

作戦決行は本日より4日後としたのだが、残念ながら2日後に事態が急変してしまった。

本来であれば、あと3日はハナコさんはナイトシティに滞在する予定だったのだが、誘拐事件のこともあり急遽予定繰上げが稟議されて、ヨリノブおじ様の決定もあり本日の夜に空母クジラによって帰国することになってしまったのだ。

 

当然、こちら側に通じているハナコさんとしては、ここで退場になってしまうと大変困ってしまうので、なんだかんだと理由を付けて滞在を伸ばそうと工作したのだが、残念ながら押し切られてしまったらしい。

大分焦って、切羽詰まったようにコールが飛んで来たので、我々も繰上げで動くことになった。

幸い、必要な物資やら武器の調達と言った準備自体は初日の時点で終わっていたので、招集をかけたら10分以内にH10メガビルディング屋上に完全武装で全メンバーが集結した。

 

時刻は午後18時で、太陽は水平線の向こう側へと消えていく最中である。

 

「申し訳ないが、ハナコ・アラサカ救出までにタイムリミットが出来てしまった!あと1時間で、空母クジラに移送が開始されてしまう。それまでにハナコ・アラサカを救出しなければならなくなった。メイン達のチームは予定通りに足止めを頼む。残りはかなりの強行突破が予想されるので、残弾管理と被弾に重々注意されたし。以上、総員乗り込め!」

 

『応!!』

 

全員が2台の偽装AVに乗り込んで、アラサカタワー目指して飛翔を開始する。

私の乗った方のAVには、デイビッド、ルーシー、レベッカ、ローグさん、タケムラおじ様、そして後輩ちゃんが搭乗しているが、各々武器をチェックしたり集中していたりして、全く会話が無い。

メイン達が乗っている方もカメラを見る感じでは似たような感じだが、ピラルがふざけていて空気はこちらよりは幾分も明るいように思える。

こういう時には、ああいった性格は本当に貴重だと思う。

私には流石に真似できない。

 

H10メガビルディングからアラサカタワーは運河を渡った向こう側と程近いので、輸送時間は体感でも3分ほどだ。

このAVの外装はトラウマチームのAVに偽装しているが、万が一を考えて高出力でジャマーを発信し、全員が降下を終えるまで周囲100mはコールを使用出来なくする。

もちろん、動体センサーやレーダーも砂嵐になってしまうほど強力なものだ。

 

設定した降下ポイントに着いたので、自動的にAVの側面ドアが上下に割れて風が吹き込んでくる。

顔を出してもう一台の方を見ると、そちら側もメインが身体を乗り出してこちらを見ていた。

眼下に見える空中庭園では、まだ異変は察知されていないようだが、いつまでこれが保つか分からないのですぐ様降りなくてはならない。

 

「全員行くよ!降下開始!」

 

一番度胸があるのか、ローグさんがネコマタをスリングで吊り下げたまま縁に立ち、こちらを見てから鼻を鳴らして真っ先に飛び降りて行った。

次に強化外骨格装甲を身に纏ったシロウさんが、背中に単分子高周波同田貫を背負い両手にノワキを抱えて、頷いてから飛び降りる。

すぐ後に続いてタケムラおじ様が、慌てた様子で追いかけるようにして飛び降りた。

後輩ちゃんもこう言うのには慣れているのか、私にウィンクなんて飛ばす余裕を見せながら、続いて飛び降りる。

 

「うぅ、ひょぇぇぇ…クソたけぇぇ」

 

デイビッドは高いところが苦手なのか、顔面が引き攣っていて足が一歩前に出ないようだ。

ルーシーは多分トラウマか何かでデイビッドに縋り付いているので、余計に身動きが取りづらくなっている。

横からそっと下を覗いたレベッカは、紐なしバンジーに心躍らせているのか、ニヤニヤと笑い始めてAVの車内の逆側の端っこに立った。

 

「ウダウダ言ってねぇで、早く行けよぉ!!オラァァ!!」

 

助走をつけて、ルーシーとデイビッドの背中を思いっきり飛び蹴りで外に蹴り飛ばし、自分もそのままの勢いでフライアフェイして行った。

相変わらず面白いトリオだ。

悲鳴が下まで続くので、私も同じように飛び降りる。

 

「デラマン!あとは頼んだ!!」

 

メイン達はさっさと全員飛び降りていたようで、もう一台のAVはすでに飛び去っていて姿が無かった。

 

シティ・センターの夜景を横目に見つつ、徐々に近づいて来るアラサカの空中庭園に上手く着地出来るように空中で姿勢を変える。

そもそも私は、MODのおかげで着地によってダメージを受けることがないので、たとえ成層圏から飛び降りても死ぬことは無いが、今回はみんなと同じように反重力シューズを履いて木々を避けて減速をしながら静かに土の地面へと降り立つ。

 

真ん中の通路には見回りの人員も居らず、辺りを見回すと遮蔽物に身を隠しながら強襲メンバーがこちらを覗いていたので、手振りで集合の合図を掛ける。

一旦通路とは逆側の壁際に寄って、全員が居ることを確かめた。

しっかりと、全員が怪我なくこの場に降下できたようだ。

デイビッドはまだ紐なしバンジーの快楽が抜けていないのか、真っ青な顔をして足が震えている。

 

「よし、じゃあ行こう。メイン達はそこのエレベーターロビーで踏ん張ってほしい」

 

「了解」

 

みんながそろりそろりと中央の通路に降り立つのを見ながら、私は通路を見て右側の庭園の中を進んで行き、長方形の岩の隣であるものを入手する。

 

2077よりも2年前だが、右半分の形状から間違いなく〝世話人のシャベル〟だと分かる。

インベントリに入れてもきちんと〝世話人のシャベル〟と表記されるので、そうなのだろう。

この世界でも、このシャベルは異世界から時空を超えてやってきたらしい。

 

「あん?ネイトォ、それどうしたんだ?」

 

それを持って降りると、レベッカが首を傾げながら聞いて来る。

 

「あぁ、これは知り合いの忘れ物でね。せっかくだから回収したのさ」

 

まぁ、あんな継ぎ接ぎ死体みたいなのっぺらぼうの知り合いなんて居ないけどね。

果たして、この世界にもシリラは世界を超えて来訪しているのだろうか。

 

「ふ〜ん」

 

「それより、エレベーターロビーに2人程いるらしい。モーショントラッカーに感があるよ」

 

「あ〜、それなら今Vとデイビッドが片付けに行ったわ」

 

そう言われた途端に、モーショントラッカーの白丸が2つ消え去った。

ステルスで片付けたらしい。

やっぱり2人とも優秀だ。

 

エレベーターロビーに移動すると、床には白い装備を纏ったアラサカのサイバーサムライが2人転がっていて、後輩ちゃんはグラップルからのテイクダウンで気絶させたようだが、デイビッドの方はキルしてしまったようだ。

まだそこまでの技術は無いみたいなので、これは仕方がない。

 

「よし、2人はそれを端っこに寄せておいてね。Vのやったのは生きてるから、超硬ワイヤーで両手足縛っておこうか。メイン達は、これを設置するのを手伝って」

 

「了解いっす!」

 

「分かった。ピラルとドリオも手伝ってくれ」

 

後輩ちゃんにはワイヤーを渡して、メイン達には小型の高性能爆薬を手渡す。

3人を連れて、下層に繋がる10基のエレベーターの内、1つを除いて扉を無理矢理こじ開け、シャフトの上に見える巻き上げ機の滑車に向けて一個ずつ爆薬を放り投げて設置した。

シャフト同士は独立しているので、面倒だが1つ1つに付けないと効果が出難く、面倒臭がって強力なものを使用すると今度は自分たちに被害が出る可能性があるので、こうやって丁寧に設置する必要がある。

そして、階段には金属とコンクリートを破壊する必要があるので、少し大きめの爆薬を設置した。

 

エレベーターを1基だけ残しておくのは、完全に道を無くしてしまうのはそれはそれで問題が発生した時に困るので、予想外の事態用に残しておく。

もちろん、ここから敵は上がって来るだろうが、エレベーターのゴンドラで運べる人数なんてたかが知れているので、望まずに逐次投入せざるを得ない相手側に、いくらサンデヴィスタン持ちが居ようとも抑え込めるだろう。

 

「ではシロウさん。始めてよろしいですね?」

 

「うむ、ネフェル嬢ちゃん。やってくれ」

 

小型高性能爆薬の信管に、起爆信号を送信する。

一拍空けて、エレベーターシャフトからくぐもった爆発音がして落下したゴンドラの非常止め装置が作動し、金属レールを掴む金切り音が聞こえてきた。

次の瞬間には、アラサカタワーに存在するすべての警報装置がけたたましい音を立てて一斉に鳴り、我々侵入者の存在をタワー全体に知らしめた。

 

「さあ皆んな。ショータイムだ」




世話人のシャベルって、置いてある場所分かりづら過ぎますよねぇ。
ちなみに、ウィッチャー3に世話人は登場するのですが、普通にキモいので閲覧注意です。

これでラストスパートに入りましたが、どうぞ最後までお付き合い下さい。
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