【完結!!】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !!   作:持麻呂

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誤字脱字訂正、いつもありがとうございます!!

今週はそんなに忙しくなかったので、少し早めの投稿です。



第六十三話

けたたましく警報が鳴り続けており、唯一残ったエレベーターが起動してこちらに向かって上昇し始めた。

こことは真反対の後ろ側にある上層階へ向かうエレベーターからも、この空中庭園階に何基か降りて来ていて、第一派は程なく到着して戦闘に入るだろう。

各々が武器に初弾を装填して、獲物を手に今か今かと手ぐすねを引いて待ち構えている。

 

とりあえず、これから上層階に向かう我々だが、ここから上は下よりも階層は少ないとは言え、重要部署も多いためある程度の戦闘要員は配置されている。

これらがここに向かって一気に集まられてもつまらないので、こちらもエレベーターはエッジランナーズの撤退用を加味して、予備を含めた二基だけ残して破壊しておく。

階段も爆破して入り口を物理的に塞いでやった。

 

下層階からのエレベーターが先に到着して、扉が開いた瞬間に大量の弾丸が撃ち込まれる。

中には10人ほどのアラサカ社員が居たが、運良く制御盤が有るところやその逆側に立っていた者以外が一瞬で蜂の巣になってしまった。

慌てた様子で制御盤の前に立っていた社員が扉の閉じるボタンを連打して扉が閉まり、下へ再度降りて行く。

次は盾持ちのサイバーサムライだかを全面に押し出して来るだろうから、こんな簡単にはいかなくなるはずだ。

 

ちょうど上層階側からも同じように降りて来たので、サンデヴィスタンで中に飛び込んで中に居たアラサカ社員達の手足だけをエラッタで切り取る。

扉が開き切った後に開延長操作をして、その間に芋虫状態のアラサカ社員達をゴンドラの中から外に放り出した。

少々荒っぽいが、まぁこんなものだろう。

 

「さあ、早く乗って!」

 

3人がエレベーターに乗り込んだ。

ちょうどその時に、外から爆発音がしてアラサカタワーが小さく振動した。

どうやら、協力者が屋上のAVポートを使用不可にする為に、爆弾か何かで物理的に吹っ飛ばしたらしい。

この建物が揺れるほどの爆発なので、一体何をどれだけの量使ったのだろうか…

ヨリノブおじ様のところに着いた時には、部屋が崩落してたなんてのはやめてくれよ…

 

「みんな!あとは頼んだ!!頑張って耐えてくれ!!」

 

「任せろ!早くいけ!!」

 

メインにサムズアップされたので、こちらもサムズアップで返しながらエレベーターの閉まるボタンを押す。

扉が閉まり、外の銃声がくぐもり遠くなって行く。

アダム・スマッシャーが、高層階から空中庭園にダイレクトエントリーしないかだけが心配だ。

 

途中でこのエレベーターが止められないように、直接操作系をクイックハックして一気にこのエレベーターで行ける最高階に向かって上昇を続ける。

 

「…そう言えば、ハナコさんは何か隠し事をしていると仰っていましたね。シロウさん」

 

「うむ、アレは間違いない。…だが、何を隠しているかは見つかっていないのだろう?」

 

「ええ、なので私はシロウさんの勘違いではないかと結論付けたのですが、私も何か見落としている気がしてならなくてですね」

 

「どこをどう探した?」

 

「そうですね…ハナコさんの住んでいる屋敷の出入り記録とか」

 

「屋敷の出入り記録…確かそれは、直接…む、着いたか」

 

シロウさんが何か言いかけた時に、ちょうどエレベーターが到着してしまった。

まぁ、歩きながらでも会話は出来る。

 

「着きましたね。ここから3階は階段で上がらないといけません。先に私が出て、外を片付けます」

 

エレベーターの扉が到着したことで開くので、身体が通れるくらいに開いた時点でサンデヴィスタンを発動し、向こう側へと出るとしっかり待ち構えられており、外には30人くらいのサイバーサムライと戦闘系社員が銃火器を構えていた。

幾つかの銃からは既に弾丸が発射されており、空中で殆どの停止しているそれを打ち落としつつ、手前から順番にダルマにしていく。

流石に30人近く居ると、捌いている間に次々と銃弾が発射されていくので、途中で引き返してエレベーターに当たる前に全部叩き落とす。

一旦稼働時間が来て、敵を無力化したことによる延長分を含めて約半分のクールタイムを量子チューナーで即座に回復させる。

その間にも私に斬られた連中がざっと20人はその場で崩れ落ちるが、まだあと10人少し残っているのでエレベーターの前で弾を打ち返しながら再度サンデヴィスタンを発動させた。

 

先程弾き返した弾丸が4人に命中し、前に崩れ落ちるのを更に追撃して手足を斬り飛ばす。

残りもサクッとエラッタを振るって、地面に転がした。

このままでは意識もあるので、他に連絡されても面倒だ。

サンデヴィスタンを停止させてから、全員に向けてシステムリセットのデーモンを送り込んで昏倒させた。

 

「流石だな、ネイト嬢。こちらには一発も飛んで来なかったぞ」

 

「お粗末さまです」

 

エレベーターから周囲を警戒しながら、真っ先にタケムラおじ様が降りて来て私を労う。

次に後輩ちゃんと遅れてシロウさんが降りて来た。

ここから1階ずつフロアの奥に有るホテルのエントランスにあるような、中央から左右に分かれるタイプの螺旋階段を上がって3階も昇らなくてはいけない。

 

アラサカ社のここには、データ処理室や保安部もあるので、ネットランナーやら戦闘隊員も待ち構えているに違いない。

しかも、今日は平日なので殆どの社員が出社して来ているだろう。

間違いなく面倒な戦闘になるはずだ。

 

「行きましょう」

 

少し小走りになりながら、フロアの奥側にある階段に向かって進み始める。

廊下の途中途中に、セントリータレットがぶら下がっており、角を曲がる時には後輩ちゃんと同時に出てタレットを蜂の巣にしクリアリングしていく。

また、ドアが閉まっていても後ろ側に居るかもしれないので、開いてないドアは外側からクイックハックで施錠して簡単には開かなくすることで対応し、既に開いてしまっているドアにはフラッシュグレネードとEMPグレネードを投げ込んでおく。

こう言う時のために、私を含めて3人には電磁波防御を固めており、シロウさんの強化外骨格装甲の駆動系は鉛と銅の三重皮膜とアースで対応してあるので、気にしないでバンバン使える。

 

ちなみに、EMP対策をしていない場合はアニメと同じようにゲロを撒き散らし、ひどい頭痛に苦しんだりそのまま昏倒したりする。

基本的には、クロームを入れている度合いによって症状の度合いが変化をするが、ネットランナーの様に脳みそにクロームを多く入れているほど脳みそに障害が出たりして、兎に角酷い目にあう。

まぁ、よっぽどの粗悪品を使って無い限りは、その前にセーフ機能が働いて過電流を他のクロームを経由して逃したりするので、実際に脳障害に至るまでは稀であったりする。

 

もちろん、まだ至れていない各ブースから適時射撃が飛んで来るが、一斉射撃では無い分反撃は容易で、即座に発砲地点に向けて後輩ちゃんがビッグマグとファイアクラッカーの改造パーツを付けたMA70HBで制圧射撃を加える。

貴重なキメラのコアを使用したファイアクラッカーの威力は凄まじく、爆発範囲が広がった炸裂弾が隠れている壁や遮蔽物ごとアラサカ社員を削り取っていく。

バーゲスト仕様のM251Sアイアスに付けて、パーク効果が上乗せされる私が使用するともっと酷い事になるが、パークを発揮出来ない後輩ちゃん達が使うならMA70HBが最適解に近いと思う。

 

「リロード!」

 

「カバーする!!」

 

連射速度は遅いとは言え、制圧をするために盛大に弾をばら撒いていると一瞬で射耗してしまうので、アサルトライフルなどに比べて長いリロード時間を稼ぐためにノワキでカバーに入る。

とりあえず火線を形成し、頭を押さえ付ける事で相手側に射撃機会を与えない様に行動する。

あとはそのまま近付いて行って、鉛玉を叩き込むか突撃して行ってエラッタを振えば片が付く。

 

アラサカ社はワンフロアがとても広いので、ただ端から端に移動するだけなら2分掛かるか掛からないかだが、オートタレットの排除や廊下の曲がり角や開いている部屋をクリアリングしながらだと、どうしても時間が掛かる。

かと言って、一切合切無視して突破出来るのは私だけなので、これ以上速度を上げれないのはもどかしい。

 

「リロード完了!撃ちます!!」

 

後輩ちゃんのリロードが終わり次第、立ち位置をスイッチして再び前進を開始する。

ここに来る前に後輩ちゃんの腕をゴリラアームに換えて、手の中にも弾道コプロセッサや衝撃吸収体、不動エネルギーを上手に仕込んだので、炸裂弾なので跳弾こそしないもののLMGを歩きながら射撃しても命中率が落ちず、ゴリゴリに相手にプレッシャーを与えることが出来ている。

その間に、ノワキをRT-46 ブーリャ COMRADE'S HAMMERに持ち替えて、制圧射撃を加えている所の逆側の遮蔽物に向かってぶっ放す。

爆裂音がして、壁やら遮蔽物が砕け割れて後ろに居たアラサカ警備仕様の装甲強化型ロボットR MK2の一個分隊を纏めて粉々にする。

人に対しては今の私は縛りプレイだが、機械が相手なら楽でいい。

アレコレ気にしないでブーリャを撃てる快感は、いやはや何事にも変え難い。

決めポーズを決めて、「カ・イ・カ・ン」なんて言ってもいいくらいだ。

まぁ、絶対言わないけど。

 

案外、自分の思っていたよりも不殺という行為はストレスが溜まるらしい。

流石にシロウさんも、耐久壁を何枚も木っ端微塵に壊されたら堪らないと思っているのか、ブーリャ COMRADE'S HAMMERをぶっ放す度にこちらをガン見してくるので、そろそろ撃ち止めになりそうだ。

ロボットR MK2は人間と違って痛みや被弾による怯みが無いので、出来るなら大火力の一発で破壊するに限るのだが、バイオテクニカのように室外戦闘なら全く気にしないでいいが、残念ながら室内でしかもブーリャ COMRADE'S HAMMERの破壊力が高過ぎるので、固まって出てこられた時にコレが使えないとなると、中々面倒な事になるのは必至だ。

これがB1バトルドロイド並みに頭がポンコツなら良かったのだが、あれよりもダンスが踊れるくらいには運動性能が良く、搭載されている人工知能が戦術を駆使して連携攻撃してくるのだから、閉所でワラワラとマッポとデッカの様に湧いて来られるとかなりキツイ戦闘になるだろう。

 

「シロウさん!アラサカタワーには、ロボットRの輸送専用チューブは増設されていたりしませんよね?」

 

「いや、去年に2本ほど増設している!ここからであると、奥の階段の脇に2本と本来のものはそこの角を左に曲がった突き当たりの隠し部屋の中に3本ある!」

 

「破壊してしまっても?」

 

「構わない!」

 

本来の持ち主の許可が降りたので、すぐさまデイビッドにコールを飛ばす。

 

『デイビッド!』

 

『ネイト!?どうし、うわぁっ!…っぶねぇ!悪りぃ、どうした?!』

 

向こうは向こうで、想定していた以上に激戦になっているのか、コールに出たデイビッドが慌てて頭を下げたりして、何かを避けているのが映っている。

 

『そっちにロボットR MK2はどれだけ出てる?』

 

『あー、少し前までボチボチ壁から出てたけど、急に出なくなって楽になった。クソッ、ルーシー!ソイツをハックして黙らせてくれ!』

 

どうやら、排除優先度が支社長室に近い我々の方になった様で、空中庭園階よりもこちらにロボットR MK2の割り当てを全振りしてきているらしい。

 

『よし、そうしたらマップのここの地点に爆発物をしこたま投げ付けて、輸送チューブを破壊してほしい。じゃないと、延々と地下の格納庫からロボットR MK2が上に増援として送られ続けるよ』

 

『マジかよ!でも、爆発物なんて持ってねぇし…!』

 

『ピラルなら、どこかにオゾブの鼻を持ってるだろうから、全部毟り取って投げつけると良い。それなら耐久壁ごと裏の輸送チューブを破壊出来るはずだ』

 

『オゾブの、鼻?…分かった!とにかくやってみる!!』

 

前のバイオテクニカ戦の時に、ピラルが身体のどこかから大量のオゾブの鼻を取り出して、あっちこっちに投げ付けていたのを覚えているので、今回もまたどこかに隠し持っているはずだ。

あれを幾つか纏めて爆発させれば、爆圧で壁ごと裏のチューブを変形させて詰まらせることが出来るという寸法だ。

もし、これが上層階の我々のところでやってしまうと、何も知らないメイン達のところに全てのロボットR MK2が投入されて、それはもう大変なことになってしまうだろう。

こういうのは、下からやるに限るのだ。

 

やっと通路奥の階段に辿り着いた時、新しく増設されたと言っていた輸送チューブからはロボットR MK2は吐き出されなくなっており、どうやらデイビッド達は破壊に成功したらしい。

 

「タケムラおじ様はシロウさんの側に。Vは私と階段のクリアリングを」

 

「分かったっす!」

 

タケムラおじ様がシロウさんの真横に着き、主に背後側を警戒しながらいつでも庇える位置で銃を構える。

もちろん、シロウさんも棒立ちではなく銃を構えながら姿勢を低くして、なるべく遮蔽物に近い位置取りで護衛され易くしてくれるのは助かる。

 

後輩ちゃんと私は、階段の左右の手すりの所からお互いに向かい合う様にして逆側の上り口を見ながら、ゆっくりと階段を上がっていく。

突然神経系に稲妻が走り、サンデヴィスタンが自動的に発動した。

私が見ている側の上から、サイバーニンジャがサンデヴィスタンを発動させながら後輩ちゃんの頭目掛けて、カタナの鋒を下に向けながら飛び降りて刺突しようとしていたところだったので、加速度合いはこちらの方が圧倒的に上なことに任せて、駆け寄り思いっきり体当たりを繰り出す。

鉄山靠の様に背中側を思いっきりぶち当てて、加速したまま吹っ飛ぶのを確認してからサンデヴィスタンを終えると、金属同士が激しく衝突する様な音と衝撃がして、サイバーニンジャが白い人工血液を撒き散らして手足をバラバラにしながら、階段の欄干を引きちぎり向こう側の壁面に減り込んだ。

 

私に助けられた後輩ちゃんは、驚いた様な顔をしたまま私の背後に向かってそのまま銃撃を加える。

どうやら、そちら側からも攻撃を仕掛けようとしていたようで、普通のアラサカ社員が血を撒き散らしながら階下のこちらに落ちてきて、赤いシミを広げている。

 

そのまま階段を上り切ると、こちらに向かってすぐさま銃撃が飛んでくる。

6つほどあるオートタレットが、こちらに向かって狂ったように弾丸を吐き出してきていた。

すぐにクイックハックで、回路ショートのデーモンを送り込りこむ。

オートタレットがスパークし、火花を撒き散らして沈黙した。

 

この階はかなり開けた構造をしており、ブースや個室は壁の方に幾つかあるだけで、遮蔽物となるようなものは奥にある上に行くための階段側にしか見当たらない。

仕方ないので、近くにあった手頃な金属製のテーブルを盾の様に構えて、上ってきた階段の方に後退した。

向こう側からは、そのテーブルに向かって射撃をしてくるが、かなりしっかりした造りだったので今のところ貫通はされそうに無く、安心できそうだ。

階段の踊り場までシロウさん達を移動させて、テーブルを再び持ち上げて歩き前線を少しだけ押し上げる。

 

この階には、サイバーサムライが多く居たようで、白や黒の甲冑の様な装甲服を纏ったサイバーサムライ達が、持ち前の耐久力を活かして射撃しながらこちらに近づいてくる。

後輩ちゃんが、テーブルを盾にした遮蔽物の後ろから、サイバーサムライに向かってMA70HBをぶっ放すが、大口径の炸裂弾を一部斬り飛ばしたりサイバー甲冑で受けとめたりして、当たりどころが悪くて1人また1人と倒れてもなお、ジリジリと向かってくるではないか。

なんと天晴れな大和魂か。

 

なんて感心していると、どうやらサンデヴィスタンを使うサイバーサムライも居たのか、また神経系に稲妻が走り自動でサンデヴィスタンが発動した。

エラッタを抜き、テーブルの裏から出るとカタナを持って八艘に構えたサイバーサムライが、弾丸でさえ簡単に摘めてしまうくらいにとてもゆっくりと流れる時間の中でも、気持ち早めに動いているサイバーサムライの前に割り込んで、相手のカタナを迎え討つようにエラッタを合わせる。

グッと力を入れると、ゆっくりと仰け反りながらも力任せにカタナを振り下ろそうとするので、そのまま鍔迫り合いに持ち込んだ。

その時点で、相手側のサンデヴィスタンが先に稼働限界になったので、私も同時にサンデヴィスタンの稼働を止めて通常の速度で切り結ぶ。

このサイバーサムライ、サンダユウにはあと一歩及ばないながらもかなりの使い手である。

上手に立ち回って、このサイバーサムライの背中で他の敵からの射線を切りつつ、激しく打ち込んでくるのを鋒と平地で受け流す。

 

「リロード!!」

 

「任せろ!」

 

私がサイバーサムライの相手をしているので、代わりにタケムラおじ様が後輩ちゃんとスイッチして射撃を始める。

だが制圧力に欠けるので、これが好機と見たか一気に残りのサイバーサムライ達が前進してくるのが見えた。

 

打ち込んで来たところを手首を返してカタナを巻き込み、腕力で絡め取って無理矢理相手の手の中からすっぽ抜かせる。

返す刀で鋒を利き腕の付け根に突き込み、手首のスナップだけで腕を肩から斬り飛ばし、そのまま逆の腕と片足も斬ってから蹴り倒した。

すぐさま、短刀を2本取り出してタケムラおじ様に一番近いサイバーサムライに向かって投げつける。

綺麗に両足の付け根に刺さり、もんどり打って倒れたのを横目に見ながら、残っていてこちらに向かって来ている3人のサイバーサムライに向かって駆け出した。

フェイントをかけて目線を逸らし、意識外から1人目の片手片足を斬り、次の2人目は武器を失って体勢を崩した1人目を掴んで盾にしながら近付いて、1人目を2人目にそのまま叩き付けてから残った腕ごと2人目の片手を斬り落とす。

片腕を斬り落とされた上に甲冑を着込んだ成人男性を叩き付けられたせいか、2人目はその衝撃を受け流せずにそのままの勢いでひっくり返ったので、それ以上追撃はせずに3人目に向かおうとしたところ、タケムラおじ様の火線が集中して顔面を集中射撃で頭ごと砕かれ崩れ落ちるところだった。

なので、2人目に再度エラッタを振るってダルマにし、足で蹴って端っこに寄せておく。

 

前面に押し出してきていたサイバーサムライを全て排除しきったので、遮蔽物にしていたテーブルを掴んで持ち上げて、再び前進を開始する。

広いフロアのど真ん中を歩いて、左右の部屋から挟撃されては堪らないので、左側の壁に沿う様な形で進んだ。

今回は閉じていて施錠されている部屋であっても、ハックして解錠しクリアリングをする。

どうやら大半の施錠されている部屋の中には、非戦闘員の事務方の社員が立て籠っているらしいが、一応横槍を刺されないようにスキャンしてからシステムリセットで気絶させていく。

 

テーブルの後ろから、適時後輩ちゃんとタケムラおじ様が射撃を繰り返して敵を漸減させていく間に、少しずつ前進して遂に左側最後の部屋の前まで到達した。

ここを片付ければ、あとは目の前の遮蔽物の裏に隠れている敵を倒して階段を上るだけである。

ドアロックを解錠して、さあ中に踏み込もうと思った矢先に誰かが先んじて飛び出してきて、私にめちゃくちゃなパンチをしながら踊り掛かってきた。

言ってもそんなに早いわけでは無いので、この程度なら余裕で対処出来るのだが、どうにも何処かで見覚えがある。

咄嗟に後輩ちゃんがMA70HBでもって、飛び掛かってきた相手をバラバラ死体に変えようとしていたので、めちゃくちゃパンチの手を掴んで地面に引き摺り倒し、もう片方の手でMA70HBの銃身を掴んで上に向けた。

後輩ちゃんがガク引きをして、炸裂弾が少し離れたところの天井に穴を開ける。

 

「うわっ、何するんすか!?」

 

「ちょっと待って」

 

タケムラおじ様は、地面で暴れている相手の顔面に向けて銃口を突き出して、ビビった相手は抵抗するのをやめた。

 

「ネイト嬢、こいつをどうするつもりだ?」

 

それを手で制し、よくよく顔を見ると誰か分かった。

お世話になったタナカ氏の息子、カツオ・タナカが泣きそうな顔で銃口を見つめている。

 

「重役で日本の本社に戻ったタナカ氏の息子ですよ。良かった、恩を仇で返すところでした」

 

部屋の中にも反応があり、そちらを見るとデイビッドとカツオ君の同級生であるチビ&デブのコンビが、部屋の隅で抱き合って震えているのが見えた。

 

「あぁ、アレの倅か。アカデミーの最終学年であったか」

 

どうやら、インターンシップでここに来ている時に巻き込んでしまったらしい。

 

「さて、どうしたものか」




久しぶりに一本丸々の戦闘を書いた気がします。
ロボットR MK2の輸送チューブは、イメージとしてはロケット鉛筆とバケット昇降機を足して2で割ったようなものを考えています。
各階層にそれの出口が用意されていて、CICの様な司令室から送り込む階層の出口を開いて、下から続々と送り込まれてくるって感じですね。
常時使用は3系統で、残りの増設された2系統は本来であればバックアップ用です。

あと、久しぶりにアニメを見直して、カツオ君を出したくなったで取り巻き共々出しました笑
なお、格闘チップは実戦では役に立たなかった模様

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