【完結!!】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !!   作:持麻呂

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誤字脱字訂正、いつも助かっております。ありがとうございます!!m(_ _)m

色々あって少し遅れました…


第六十六話

「お前は誰だ」

 

ただ、目の前のヨリノブおじ様の偽物は不気味に嗤い続けている。

それを見てイラついて出て来たのか、今世の私が少し前に出てきた。

ここ最近は、彼女の覚醒が多くなっているような気がするが…

 

「分からないようだな…。ならば教えてやる。ヨリノブおじ様は私のことを呼ぶ時、酷い猫撫で声で『ひ〜め』と呼ぶのだ」

 

『えぇっ?』

 

みんなが愕然とした声を上げる。

目の前の偽物までポカンとしているのは、ちょっと納得いかない。

化けの皮が剥がれてるぞ!

ちなみに、シロウさんは口をパクパクさせているので、その暴露に対してのショックは

大きいに違いない。

今世の私のせいで…お労しや爺上…

 

「いや、たぶん親バカ的な感じで、性的な意味は無いと思うけど」

 

言葉足らずなので、一応フォローになってないフォローを入れておく。

多分意味はない…

 

「アイツってそんな変態だったのか…?ちょっと失敗したかなぁ…」

 

なにやらブツブツと、偽物が小さい声で何か呟いているが、少し距離があるのでここまでは聞き取れない。

 

偽物は頭を振って、気を取り直したように先程と同じような気味の悪い笑みを顔に貼り付ける。

今更遅い気がするし、ちょっと変な空気になってしまっているが気にしないらしい。

 

「それで?いまの俺が偽物だったとして、どうするつもりだ、ネイト?この身体はヨリノブの物だぞ?」

 

そう言って、銃を握っていない空いている方の手で、自らの胸から腹にかけてを撫で下ろす。

確かに、ミスターブルーアイズのように不良AIが身体の中に入って操っているような形だと、このまま銃を撃ったりクイックハックで脳を焼いてしまうと、ヨリノブおじ様にまで不可逆的なダメージを与えてしまう。

例え偽物だと分かったとしても、これでは決定打が与えられない。

そう思ったのだが、今世の私がずっと違和感を訴えていたのだ。

 

そう。

なんとなく今世の私が覚えている、アラサカを辞める前に会ったヨリノブおじ様の体格と違うことと、頭を振った時に髪の毛の動きにタイムラグがあったように見えたのだ。

これは、私もよく使っているクロームの動きに近い気がする。

体型の太った痩せたはあるかもしれないが、肩幅が変わることなんてそうそう無い。

いくつかの疑問を総合的に纏めて考えた結果、1つの正解が見えたような気がする。

ここは敢えて、カマをかけて答え合わせをすることにしよう。

 

「そう言えば、ヨリノブおじ様の身体を使っているにしては…線が細くて尻が大きいなぁ」

 

ピクリとヨリノブおじ様の偽物が、微かに眉毛を痙攣させた。

おっと、こう言うのはポーカーフェイスを保たないとダメじゃ無いか。

 

まるで女の体付き、そのものだと思わないか?

 

スッと薄気味悪い笑みを貼り付けていた、ヨリノブおじ様の偽物の顔から表情が抜け落ちた。

どうやら図星のようだな。

 

後ろで聞いていたメインやデイビッド達は、その言葉を聞いて思い当たったらしく、ハッとした表情になる。

アダム・スマッシャーが居ても、ハッとしそう。

さぁ、答え合わせの時間だよ。

正解者には、リコリスキャンディと赤ペン先生の花丸が貰えます。

 

「お前のソレ、行動インプリントだろう?」

 

「………」

 

「何故って声が聞こえてくるようだね。どうしてミリテクの極秘技術を知っているのかって?」

 

ヨリノブおじ様の目の前で、行動インプリント連動フェイスプレートを作動させる。

頭のてっぺんから徐々に変わっていく私の容貌を見て、ヨリノブおじ様の偽物がついに狼狽した。

FIAの特殊潜入工作員か、ミリテクの最上級戦闘工作員くらいしか装備することを許されない、そして認知もされていないクロームが、何故目の前のアラサカ寄りの人物が持っているのかと言う疑問が頭の中を駆け巡っているのだろう。

 

貴様の事は手に取るようにわかる。

う〜ん、私をFIAの回し者だと一瞬思ってしまったな?

いや、こんなことを考えている場合では無い。

 

「どうだ?まさか行動インプリント連動フェイスプレートを持っているのが、自分だけなんて思ってないよな?」

 

行動インプリント連動フェイスプレートに、MK1や MK2といったようなアップグレードが存在するのかはゲームで出て来て無いため知らないが、少なくともヨリノブおじ様の偽物が持っている物は私の使用しているものよりも、どうやら性能が低いらしい。

それで、微細だが違和感の元となるラグが発生してしまうようだ。

 

ミリテク側からは、失敗する確率が高いと見積もられていて、最新の物を手配してもらえなかったのかもしれない。

少なくとも、行動インプリントを使用できている時点でNUSA(新合衆国)の回し者なのは確定なので、連中の目的としてはアラサカの体制を崩壊させ、株価なりを暴落させて新合衆国から撤退させることだろう。

もしかしたら他に目的があるのかもしれないが、十中八九間違いないと見ている。

それに、企業単体で強大な戦力を有しているアラサカの首根っこを掴んで、国家の手中に収めたい日本政府とアラサカに消えて貰いたいNUSAの利益が重なっているので、この二つが裏で繋がっていてもおかしくはない。

国家は出過ぎた杭を敵視するって、はっきりわかんだね。

 

「何故私がコレを持っているのか不思議そうだが、ご丁寧に教えてはやらないよ。…さて、そろそろ本当の顔を見せてもらおうか!」

 

「しまった!?」

 

コソコソと裏で、カントくんにサイバーウェア動作不良を待機させておいて、後ろにいるキーウィとルーシーには武器グリッチをいつでも送り込めるようにメールで指示を送っておいたのだ。

先に2人が武器グリッチデーモンをKONGOUに送り込み、一時的に武器が撃発できない状態になった瞬間に、ヨリノブおじ様の偽物の行動インプリントに対してサイバーウェア動作不良デーモンを注入した。

 

送り込まれたデーモンが、本来の制御系よりも上回る出力で一定時間発信し続ける停止信号により、動作を強制停止させられた行動インプリント連動フェイスプレートは擬態機能を停止して、緩やかに初期設定された顔へと戻っていく。

その顔を確認するよりも先に、椅子に拘束されているハナコさんをサンデヴィスタンで奪還した。

ついでに切り捨てようかと思ったのだが、まだまだ聞きたいことが残っているので、殺すのは最後にしてやる。

もちろん、聞き出す時はジョン・マラコ…暴力で解決する予定だ。

暴力、暴力は全てを解決する!!

 

行動インプリント連動フェイスプレートを止められて、ヨリノブおじ様の偽物は元に戻った顔を片手で隠そうとするが、そんな悪あがきした程度では隠せない。

だが、そこに現れた人物を見て予想だにしていなかったので、思わず目を疑ってしまった。

 

「ミチコ……」

 

シロウさんがポツリと言葉を溢した。

 

そう、そこにいたのはミチコ・サンダーソン。

またの名前をミチコ・アラサカという、現在生きている4人目のアラサカだ。

ケイ・アラサカの娘で、サブロウの爺様から見て直系卑属にあたる。

 

だが…まさかミチコ・アラサカがヨリノブおじ様に成り代わっていたとは、これっぽっちも頭に無かった。

ここに勤めていた時も、私とは部署が違い関わり合いが無く、それに合わせて多分向こうから避けられていたので、全くと言っていいほど交流が無かったのだ。

だから、アラサカ家にはもう1人のアラサカが居たことすらすっかり忘れていた。

そもそも、ゲームだとちょろっと出てきて、しれっとローグさんやらジョニーとの関わりがあった風な演出を残していたくらいで、そこまでストーリーにガッツリと関わってくるわけでは無い。

それに仮に覚えていたとしても、ヨリノブおじ様以外のアラサカ家の人間が、アラサカを破壊しようとしているとは思わなかっただろう。

だがまぁ、今考えてみたらミチコ・アラサカは親米派で、ミリテクからの依頼でアラサカに対して諜報活動を行っていたりしたのだから、外部からの陰謀だったとしてもおかしくは無い。

 

「ミチコさん、とお呼びしましょうか。何故貴女が、ヨリノブおじ様を騙ってこんなことをしているのか。サブロウお爺様を殺害したのも貴女ですよね」

 

縛られているハナコさんの縄を切りながら、静かにそう問いかける。

だが、ミチコは何も語らずに無表情のまま立っていて、こちらに対して情報は渡さないつもりなのかもしれない。

 

拘束を全て取り去り、サイバー猿轡を毟り取ったハナコさんがミチコに向かって絶叫する。

 

「最初から全て、貴女が仕組んだ事だったのね!!私にこの計画を持ちかけてきた時から!!」

 

…この計画を持ちかけてきた時から、だと?

なるほど、やっと点と点が繋がってきたぞ。

 

「ハナコさん。サブロウおじ様の暗殺計画は、ミチコさんから持ちかけられたのですか?」

 

「違うわ。私はお父様の暗殺になんて関わってない。ミチコはある日突然私の屋敷にやってきて、relic計画が大詰めの段階に入っているから、これを使ってお父様のアラサカ支配を確固たるものにしようって言ってきたのよ。ただし、それにはヨリノブお兄様の肉体を使わなければならないって」

 

「なるほど、それでですか…」

 

「だから、私は最初からお兄様を捕縛して、それからお父様を《神輿》に移してからrelicを使ってお兄様に記憶痕跡を移す計画だとしか聞かされてない。それだって私は反対した。relic研究の責任者がネイトちゃん貴女になっていたから、絶対にそんな事をしなくてもrelicのデメリットを無くしたものを作れるはずだって。でもそれには時間が掛かり過ぎて、お父様の残された時間には間に合わないと言われて仕方なく同意するしか無かった。そうは言っても、東京の屋敷から急に出ると怪しまれるから、直接手伝えたことといえば、警護のシフトに割り込んだり、余計な仕事を割り振ってお兄様を孤立させたことくらいよ。それがいつの間にか、お父様の警護であるタケムラにまで及んでいて、それも私の権限を勝手に使用した形跡があるの」

 

これは完全に、最初からサブロウの爺様を狙い撃ちした計画だったわけだ。

ハナコさんには、ヨリノブおじ様を捕獲する名目で参加させて、実際にヨリノブおじ様を捕まえた後にミチコが行動インプリントを使って本人に成り変わり、その後で自分の手でサブロウの爺様を絞め殺したのか。

その頃には、まだrelicは人間への治験の段階も済んでない開発途中で、全然大詰めでもなんでもない状態で、完成するにはまだまだ時間が必要だった。

タケムラおじ様が《神輿》にサブロウの爺様を接続できなかったら、本当にサブロウの爺様はこの世からオサラバしていて、relic計画も頓挫していただろう。

たとえrelicが完成したとしても、当のヨリノブおじ様はミチコが成り代わっている偽物で、その背後にはミリテクが居るのだから《神輿》は破壊されるか、連中の良いように使われていたかもしれない。

 

「最初から、ミチコさんの手の上で我々は愚かに踊っていたというわけですか…」

 

だから、知らない内にTPRを輸送させられていた後輩ちゃんは、ガチ装備の謎の戦闘部隊に強襲されたわけだ。

アレはパラミリを装ったミリテクの特殊部隊で、試作品とはいえTPRを手に入れてリバースエンジニアリングすれば、ヨリノブおじ様に成り代わったミチコから《神輿》の設計図やらを手に入れればそのまま運用出来てしまう。

本来であれば、名前は知られていても計画の中身までは知られていないはずのrelic計画の全貌がミリテク側に漏れていたのは、ミチコの諜報活動だけでは無くてFIAのエージェントも紛れ込んでいたに違いない。

特に、ドッグタウンにはソロモン・リードやアレックスといった潜入や成りすましのスペシャリスト達が居るわけだし、向こうにはVの頭の中にいる汚い妖精さん(ジョニー)に直接干渉出来るようなウィザード級ネットランナーであるソングバードだって居るのだ。

ミリテクか新合衆国政府が命令すれば、彼らは協力せざるを得ないだろうし、アラサカの幹部であるミチコのバックアップがあれば、さらに簡単に幾らでも機密情報などすっぱ抜けただろう。

業腹だが、今回は相手が1枚も2枚も上手で、私たちは完全にしてやられたわけだ。

 

「で、本物のヨリノブおじ様はどこに居るんだ?まさか、殺したわけじゃないだろう?」

 

「…それを言うと思っているのか?ネイト」

 

「ハナコさんを取り返した以上、この私に勝てるとでも?」

 

「ではやってみようじゃないか。でも、先にこちらと戦った後でな!!」

 

ミチコがバッと両手を広げた瞬間、突如天井が爆発して、デカい塊が屋上のAVポートから落下してきた。

粉塵が舞い上がり、一瞬でミチコの姿が覆い隠される。

そこに向かってインベントリから取り出したノワキを撃ち込むが、粉塵の奥で硬質なものに弾き返される音がしたので、どうやら逃したらしい。

 

ちょうどその時、後ろから破損部位を交換したのか、新しい義体にバイオポッドを移し替えて来たのかは知らないが、五体満足になったアダム・スマッシャーと両袖の無いボロボロの戦闘服を纏ったサンダユウが部屋に駆け込んで来た。

 

「お嬢!これは一体…!」

 

「サンダユウ、ハナコさんを連れて逃げろ。シロウさんも一緒に行ってください」

 

粉塵から守るように、ハナコさんに覆い被さっていたシロウさんにも、この部屋から退避するように指示する。

 

「分かった。ハナコ、ここに居ては邪魔になる」

 

「お、お父様!?ど、どうして…」

 

「話は後だ。サンダユウ、共をしてくれ」

 

「しょ、承知しました…!」

 

盛大なネタバラシをする余裕も無かったので、サブロウ爺様の若い時の顔をしているシロウさん…いや若いサブロウ爺様を見たハナコさんが、驚愕を表情を浮かべて縋り付く。

強化外骨格装甲を纏っているサブロウ爺様は、そのままハナコさんを抱きかかえて、困惑しているサンダユウを引き連れながら部屋を出て行った。

サンダユウもサブロウ爺様も聞き分けが良くて助かる。

 

徐々に粉塵が天井の穴から外に吸い出されて、部屋の中が見えるようになってくると、奥に黒くて大きいのが鎮座しているのが分かった。

 

「みんな!何か居るから気をつけろ!」

 

アダム・スマッシャーにさえ緊張が走る。

全高2m40cmほどの黒い塊が、ググッと蠢いて急加速しながらこちらに突進して来た。

私が避けると、後ろにいるメイン達に突っ込んでいってしまうので、エラッタを床に突き刺して思いっきり蹴り上げることによって迎撃する。

 

バギンッ!!と金属同士が衝突した音がしたあと、あまりの重量に踏ん張りが利かず、そのまま後ろに吹っ飛ばされてしまう。

サンデヴィスタンを使って、空中ジャンプで体勢を立て直しながら後ろの壁に着地した。

謎の黒い塊は、私のキックを受けた反動でタタラを踏んだ程度で、すぐに姿勢を復帰させている。

完全に粉塵が吹き流れて、その全貌がよく見えるようになった。

 

黒光りする装甲に大型の脚部、脚に比べたら貧弱そうな両腕にスラスターの付いた大型のバックパック。

思わず頭を抱えそうになった。

AVポートを破壊した内部工作員って、コイツのことだったのかよ…

 

「……ミリテク・ドラグーン、まだ稼働しているとはね。ホントふざけてるな…」

 

アダム・スマッシャーのような、脳神経系をバイオポッドに移し替えている生粋のサイバーサイコが使用出来る、ミリテク製の超高性能戦闘用全身義体、それがドラグーンだ。

 

サイバーパンク2077のゲームには登場していないが、確かTRPGのサイバーパンクREDという作品に登場していたミリテクのヤベェ兵器なのだが、私が知っているのは今世の私が軍事工学にのめり込んだ時に、たまたまアカデミーのデータベース上に転がっていたのを閲覧したためだ。

詳しい性能の記載までは無かったが、アラサカにもダイオニと言う名前のカウンターパートが居ることまでは知っている。

 

「面倒だナァ」

 

「アダム・スマッシャー!私と合わせろ!」

 

「仕方ネェ」

 

「デイビッド達は火力支援してくれ!」

 

頭の位置にある視覚機器がチカチカと点滅して、すぐに襲いかかってこないことを見るに、どうやらこちらの戦力を計算しているらしい。

向こうから来ないなら、こちらから仕掛けるのが上策!

 

サンデヴィスタンを使いながら、ブーリャ COMRADE'S HAMMERをミリテク・ドラグーンに向かってぶっ放す。

それに合わせて、同じくサンデヴィスタンを使ったアダム・スマッシャーが、軍用規格のプロジェクタイル・ランチャーを撃ち込む。

だが、我々と同じようにサンデヴィスタンを装備しているのか、超加速しながら有効打を与えられる弾丸を避けてしまう。

クイックリロードで次弾を叩き込み、即座に2発目を逃げる先に向かって置き撃ちした。

 

急制動をかけて避けようとしたところで、狙い澄ましたアダム・スマッシャーのプロジェクタイル・ランチャーの炸裂弾が片足に直撃してよろめき、私の撃った弾を避け切れずに左腕に炸裂。

COMRADE'S HAMMERの恐ろしい威力を解放して、とても拳銃から撃ったとは思えない爆発をしながら、ドラグーンの左腕の装甲をもぎ取った。

そのまま腕ごともぎ取れると思ったのだが、流石にそこまでは問屋が卸さないらしい。

 

ドラグーンはサンデヴィスタンで後ろに後退しながら、バックパックに接続されている複腕から、大口径機関銃を2丁展開してこちらに指向してくる。

その大火力が火を吹く前に、ローグさんが放ったものか、ネコマタだと思われる大口径弾が1丁の大口径機関銃を撃ち抜いて破壊した。

すぐに残りの一丁が弾をばら撒き始めたが、私とアダム・スマッシャーを両方狙おうとして、火線が右往左往している。

 

もしかしてだけど、中に入っている脳みそ自体はそこまで賢く無い…?

いや…まだあの義体に慣れてないだけか?

まぁ、好き好んでサイバーサイコ待った無しの全身義体なんかになる奴なんて、そうそう居ないよなぁ。

私?私はまだ消化器官と子宮が残っとるわい。

…兎に角、これなら付け入る隙は残っていると見ていいな。

 

サンデヴィスタンを小刻みに使いながら、アダム・スマッシャーとうまく位置を入れ替わり立ち替わりで左右に移動し続けている間に、散開したメイン達が各々の1番火力の出る武器を一気にミリテク・ドラグーンに叩きつける。

皆の武器は、私のものよりも威力が低いため、ドラグーンはそのまま装甲で受け止めながら、邪魔者を掃討するように、展開したマイクロミサイルをばら撒く。

こちら側もすかさずアダム・スマッシャーが、肩のマイクロミサイルを展開して迎撃弾を発射するが、向こうのほうが小型で数が多いため、少数がすり抜けてデイビッド達に向かう。

 

サンデヴィスタンを発動させ、エラッタで2つのマイクロミサイルを空中で切り裂き迎撃したが、もう1つがレベッカに向けて飛翔していた。

私からだと間に合わなかったが、デイビッドがサンデヴィスタンを使ってギリギリのところでレベッカを抱き上げて射線から逃れる。

直後に、外れたマイクロミサイルが背後の壁に当たって小さい爆炎を上げた。

威力としては、外壁まで貫通するほどでは無いらしい。

 

爆風ではためく髪を片手で押さえながら、ルーシーとキーウィがドラグーンに対してICEの突破を試みる。

 

2人だけだと心配だから、私もドラグーンの演算力を低下させるためにカント君を使って、ハラスメント攻撃を仕掛けた方が良いな…

 

ハラスメントなので、ハッキング強度はそこまででは無いが、軽視して突破させてしまうと致命的なデーモンを複数送り込む形にしているので、ドラグーン側は必ず意識の幾つかをそちらに向けなければならないはず。

さてその脳みそ1つで、どこまで耐えられるかな?

 

私と同じことを考えたようで、アダム・スマッシャーもハックで何かのデーモンを送り込み始めたようだ。

埒が開かないと思ったのか、両腕からマンティス・ブレードを展開させてスラスター全開にしながら、更にサンデヴィスタンを使って超高速で突っ込んで来る。

広いと言っても地上では無いし、室内で下手に避けれると他にこれが突っ込んでいくので、背後に人がいない所にアダム・スマッシャーと2人で誘導しながら迎え討つ。

 

刺突するように突き出されたマンティス・ブレードを掬い上げるようにエラッタでいなそうとするが、あまりにも重く速い。

サンデヴィスタンをオーバーロードさせつつ、燕返しの要領で腕を切り落とそうとするが、先程のアダム・スマッシャーの拳と同じような特殊合金で出来ているのか、刃が滑って切断できない。

 

そして近過ぎて何とか刃を避けるしか出来ず、マッシブな脚部にぶち当たってしまった。

逆側では、アダム・スマッシャーが私でも斬れない拳でマンティス・ブレードを破壊して、そのままの勢いで胸部を殴りつけてくれたおかげで、私はそのまま蹴り飛ばされなかったが、お互いに超高速で動いていたのでダメージは大きく、大きく後ろに跳ね飛ばされてしまう。

もし蹴り飛ばされていたら、私でもかなりの痛手だっただろう。

 

アダム・スマッシャーに助けられるとは、最近はついてないし焼きが回ってるな。

今は感謝しておこう。

 

アダム・スマッシャーに強く殴られて、胸部装甲が少しひしゃげてダウン状態のドラグーンに対してみんなが集中砲火をするが、殆ど装甲に弾かれて火花を散らすだけであまりダメージを与えているようには見えない。

メインが腕のプロジェクタイル・ランチャーをぶち込んで、ようやく目に見えるダメージが与えられたが、3発ほど連射して一旦打ち止めらしい。

 

「アダム・スマッシャー、あのレールガンはもう無いのか?」

 

「アァ?アレはお前にぶっ壊されてもうネェ。それに、アイツを殴ったらプロジェクタイル・ランチャーが壊れやガッタ」

 

「やっぱり硬すぎるか…」

 

話しながらCOMRADE'S HAMMERをぶち込んだら、脚部装甲がリアクティブアーマーのようになっていたらしく、一部が爆裂して無力化されてしまった。

その間に、ダウン状態から復帰したらしいドラグーンが煙幕を展開する。

かなり厄介な奴だ。

壁に穴を開けて、強制換気するべきか…

 

そう悩んでいると、煙幕に紛れて天井に開いた大穴から複数の影が飛び込んで来るのが見えた。

一瞬映った影をログを使って表示して、スキャニングしたら面倒が増えたことにまた頭を抱えそうになる。

まぁそりゃそうか、ドラグーンを単騎で派遣しても意味は薄い。

随伴歩兵も勿論いるよね。

占領要員として…

 

「ミリテクの特殊部隊だ!!煙幕に向かって撃ちまくれ!!」

 

さて、どうやってドラグーンだけでも戦場を移させようか。




時間があまり無かったので(言い訳)、答え合わせを丁寧に描写出来ないのがもどかしいです…
もう少し文才があればばばば…

ミリテクと元々仲良さそうなミチコ・アラサカの存在を覚えていた方は、何人ほど居られたでしょうか?
ちなみに、頂いたご感想でミチコの名前が出て来た方はお一人でした。
この後のミチコさんは現在二つの結末で悩んでいますが…まぁ何とかなると思います。

とあるnoteにある、ミリテク・ドラグーンの立ち絵がカッコ良すぎるので、本来はキメラとケロベロス部隊を屋上からダイナミックエントリーする予定だったのですが、急遽差し替えでドラグーンになりました。
でも、2045年代の骨董品持ち出して来て戦えるの…?
サイバーパンクREDのドラグーンの構成を調べてみたのですが、たぶんキメラよりも小型な上、武装もなかなか凶悪そうなので厄介まであるかなぁ〜って思いましたまる
しかし、全身義体なのに少し戦い方下手なのでは…?と言う疑問につきましては、次あたりで解消させれたらなぁ…

現在のプロット上では、上手くいってあと二話ほどで完結出来るかなと考えています。
あともう少しだけお付き合い頂けたら幸いです。
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