【エッジランナーズ2編開始】Good Luck‼︎ EDGERUNNERS !! 作:持麻呂
エッジランナーズ2を何回も見て、どう各キャラを絡めようかなと頭を悩ませる日々…
ーーーロマン・カラックス視点
「う〜〜ん…どぉしよっかなぁ」
ベッドで横になりながら、どうやったらメイルストロームの動画が撮れるのかずっと考えている。
たぶんあっちこっち聞いて回れば、メイルストロームのちょっとしたチームが根城にしている場所は分かるだろう。
だけどそこにどうやって入り込んで、バレずに撮影して家に帰れるのか。
そもそも、そこで毎回クロームを入れる手術なんてやってるのかさえ分からない。
35ミリに釣られてしまったが、やっぱり早まったかもしれない…
どうしたら良いだろうか?
寝っ転がりながら、目の前に掲げたビデオカメラを見てあれこれと思考を巡らせる。
「あっ…イッタイ!!」
ツルッと滑って顔面にビデオカメラが直撃する。
すごい痛みにベッドの上を転がり、そのまま床に落ちて二重に痛かった…
「あっ、そうじゃん。あの人なら、多分コーポっぽいし、メイルストロームとも繋がりがあるかも」
奇跡的にベッドの上から落ちなかったらビデオカメラを机の上に置き直し、ベッドの上に座り込んで新しく追加された連絡先の一つを見る。
《Nate》と書かれた連絡先に掛けようとするが、つい先日の狩りと称した大惨事を思い出して掛ける気が少し失せてしまった。
「う〜〜ん……」
掛けて相談してみた場合と、掛けないでメイルストロームに潜入した場合が頭の中に浮かんでくる。
『やぁ!よく掛けてくれたね!お姉さん嬉しいよ!メイルストローム?知ってるよ!今からブッコロしに行くから一緒に着いてきて、バラバラにするところを撮らせてあげるよー!アハハハハハー!!!』
デフォルメされたネイト*1が、両手にマシンガンを持って乱射しながらアジトに突っ込んでいき、最後には血と内臓の雨が降りながら建物が大爆発する光景が浮かんできた。
思わず頭を振って、次に一人で盗撮しに行くところを想像してみる。
『ん?なんだこのガキ。おお?実にお目が高い!その歳でオレたちの教義に興味があるって?生肉は不便だよな!よーく分かるぜ!オレたちが快適ライフを保証してやるよ!!それにバッチリ撮らせてやるぜ!お前を切り刻んで全身クロームにしてやるところをな!!あ、麻酔要るか?ギュイィィィィン!!(ぎゃぁぁぁぁー!!!)』
ダメだー!!こっちの方がもっとダメかもしれない…!!
全身クロームが入っている相手に見つからずに盗撮なんて絶対無理だあぁぁ!!
「速攻でバレて人体改造される未来しか思い浮かばないぃ…!!」
自分が酷い目に遭うのはやっぱり無しの方向で…となると、やはりネイトにお願いしてみる以外の選択肢が見当たらない。
「うぅ〜〜ん…でもなぁぁぁ……どぉしよっかなぁ…ハァ」
ウンウンと頭をどんだけ捻っても妙案は一つも浮かばない。
でも35ミリはどうしても欲しいし…
そこから更に1時間悩んだ末に、ネイトにコールを掛けた。
ーーーネイト視点
久しぶりにダム・ダムから定例会議以外の目的で連絡が来た。
ちょうど仕事も終わった頃だったので、コールに出るとなんだかバツが悪そうにしているダム・ダムの顔が映し出される。
「珍しいね。君の方から連絡を寄越すなんて」
『あぁ、すまねぇボス。ちっとばかし厄介なことが起きててな。申し訳ねぇんだが、ボスに手伝ってもらいてえんだ』
「ふぅん、なるほど?私に借りを作りたく無い君にしては珍しいね。良いだろう、トーテンタンツで直接詳しいことを聞こうか」
『待ってるぜ、ボス』
一応、私と同じように全身クロームで固めているメイルストロームが解決出来ていない問題とは一体なんだ?
それも、私を頼るくらいには困っているようだ。
はてさてと思いながら、席を立ってトーテンタンツに向かった。
相変わらずズンチャンドンチャンと低音が響くうるさい場所だが、今日は入り口に態々ダム・ダム本人が出迎えに立っており、後ろには幹部が3人ほど連れ立っている。
皆、緊張からか顔を強張らせているのが見て取れた。
前にここに立っていたやつは、報連相がガバガバで突っかかってきたので、2度と水分しか摂れない体にしてやったが、今考えるとメイルストロームだとあまり効果が無かったかもしれない。
そんなわけで、今回は態々ダム・ダム本人が出迎えてくれたのだろう。
彼等に挟まれるようにして最奥のVIP席に向かい、上座に促されるまま座る。
すぐに目の前にキンキンに冷えたニコーラが出てくるあたり、ダム・ダムの教育は着実にメイルストロームに根付き始めているらしい。
「それで、一体何があったんだい?」
「ああ、実は最近メイルストロームの構成員が闇討ちされ始めてんだよ。大体5人やそこらでいるところを襲われて、ノーマッド襲撃に参加したやつ?だかを聞き出すまで甚振るらしい」
「相手が一人なら、罠でも張って袋叩きにすれば良いじゃないか。何をそんなに手こずっているだい?」
「どうも相手はかなり腕の良いネットランナーらしぃんだ。こっちのランナーはみんな返り討ちにあっちまうし、嗅覚も鋭いんだか罠も見極められちまう。正直困ってんだよ」
どちらかと言うと頭の弱い連中が多いメイルストロームだが、人体を大きく改造してまでクロームを入れるような連中なので、中にはコーポの専門部隊顔負けの技術を有しているような奴らも中には居る。
彼等と勝負して向こうが勝ったのか知らないが、そう言うことなら私の方が適任か。
自動でカント君がハッキング相手にデーモンを束で相手に送り付けるので、まず間違いなく防ぎようがない攻性防壁を持っている私は、ネットランナーからしたら天敵のようなものだ。
私と良い勝負できるとしたら、アダムICEかレイシー・バートモスか…
忘れちゃいけない、人間に戻ったオルトもいまだにネットランナーとしては最強格だ。
彼女は上手く隠しているが、多分まだ不良AIだった頃の力を使えるだろう。
ソングバードなんかよりも何十倍もヤバい女だ。
話を戻すが、ちょっかいを出してきている相手がネットランナーなら、確かに私が相手した方が早いだろう。
ネットランナーがサンデヴィスタンを積んでるとも思えないし、パッと捕まえてしまえばそれでおしまいだ。
「一応聞いておくけど、死人は?」
「死人は出てねぇ、だから余計に不可解なんだよ…だが、舐められたままじゃ示しがつかねぇ」
「ふぅん、なるほど。まぁ良いだろう、手伝ってあげるよ。ただし条件がある」
「な、なんだよボス…」
ゴクリとダム・ダムが生唾を混み込んだ。
「なに、大したことじゃない。それだけのネットランナーなら殺すより味方に引き入れたい。だから、引き渡した後に被害者たちで袋にしてタコ殴りにするまでは許すが、殺したり勝手に改造を施すのはナシだ。目には目を…それが許容出来るのなら手伝ってあげるよ」
「オレはそれで問題ねぇが…下の連中がどう思うか、だな」
「それは君の仕事だろう。部下を上手にあしらえてこそ、リーダーの資質が問われるってものだよ。それに、だいぶ教育も行き届き始めているんだから、多少は自分でものを考えて聞き分けも良くなっているんじゃないかな?ダメなら、最悪私の名前を出せば良いよ」
まぁ、私の名前を出すと言うことが持つ意味を考えれば、ダム・ダムとしてはそれだけには頼りたくないだろうがね…
その後、適当に世間話をしてからトーテンタンツを出る。
ダム・ダムとメイルストロームの幹部たちが外まで見送りについてきた。
ちょうどデラマンに乗り込もうとしたところで、ロマン少年からのコールが入る。
『やぁ、早速連絡をしてきたと言うことは、何か困ったことがあったね?』
『あ、そのぉ…ちょっとメイルストロームの人に知り合いとか居ないかなぁって…思いまして』
目の前に立ってるダム・ダムの顔を見る。
急に目線を合わされたダム・ダムが、左右にいる幹部たちを見てから、えっ?オレ?って顔をして自分の指で顔を指した。
『ああ、よく知ってる連中が居るけど、君みたいな少年が人体改造に興味があるとは思えないね。何か理由があると見た』
コールに映し出されているロマン少年が目を泳がせながら、引き攣った半笑いをしている。
やっぱり、何かしら変な事情に巻き込まれているのか、それとも別の事情があるのか。
『実はえっと、メイルストロームがクロームをインストールするところを撮影したくて』
『それはまた、随分と悪趣味なものを撮ろうとしているね。何か犯罪に巻き込まれているとかなら、言ってくれればケリを付けるけど』
ロマン少年がブンブンと首と手をシンクロさせながら高速で左右に振っている。
『ないないないないないですそれは!!ちょっと依頼でそういうシーンが欲しいって言われただけなんで!!』
『ふぅ〜ん、依頼ねぇ。良いよ、ちょうど良く目の前に連中が居るから聞いてあげよう』
ダム・ダムに最近クロームのインストールをする予定の奴が居るか尋ねた。
しばらく考え込んだ後、トーテンタンツでは3日後にやると答えるが、隣にいた幹部の一人がそういえばと何か思い出したらしい。
「明日、傘下組織で一件あったと思う…ます。確かを手脚を戦闘用に交換するって言ってた…ました」
「人体をクロームに置換はするのかな?」
「そこまではわからね…ないです」
若干敬語が怪しいが、頑張っているのでそこには触れず、それならそこを見学させて貰えば良いだろう。
場所はAII FOODSのあった廃墟だそうだ。
『だそうだけど、来るかな?』
『い、行く!行きます!!是非!』
『じゃあ、明日家まで迎えに行こう。じゃ、そういうことで』
ロマン少年とのコールを切り、ダム・ダムに明日そこに向かうので、そこを根城にしている連中には先に話を通しておいて貰うよう頼んだ。
手間賃として1000エディほど送り付けたので、仕事はきっちり熟してくれるはずである。
翌日、デラマンで横付けしたAII FOODSの廃墟前には、ダム・ダムと下部組織のチームリーダーと思われる男が立っており、私が車から降りると勢いよくダム・ダムじゃない方の男が腰を90度に折ってお辞儀をした。
「おあざまぁぁぁす!!」
「はいおはよう。悪いけど、今日は頼むね」
「あぁぁぁっす!!」
どこの体育会系部活に紛れ込んだのかと思ったが、よく見ると前頭葉にめり込むように付けられているメイルストローム特有の複合レンズが幾つか割れており、肉の残っている顔面の頬辺りがパンパンに腫れているので、一応ダム・ダムだか幹部だかにシメられた後のようだ。
隣にビデオカメラを片手に立っているロマン少年は引き攣った顔をしているが、まぁ気にしても仕方がない。
こんな挨拶されたら、誰だってドン引きするだろう。
ダム・ダムはどうやらやることが残っているようなので、入り口で別れてチームリーダーに案内されながら建物の中に入った。
中にはあと4人おり、1人ピンク色の髪の毛をした少女以外はこれたまペコペコとしてくるので、適当に挨拶をする。
どうやら、今回は型落ちの手脚の換装とスタビライザーのインストールがメインで、スタビライザーは循環器系クロームなので開胸するのかと思ったが、本人には既にアクセスポートが胴体両脇にあるらしいので、そこから行うとのこと。
あまりスプラッタなことにはならなそうだ。
それで、実際にインストールするのは誰なのかと聞くと、他の4人がピンク髪の少女の方を見る。
当の本人にはこっちに興味ないのか、そっぽを向いたままだ。
「お、おい、タリア!オマエ挨拶くらいしろよ!」
「…ざーす」
スキャンすると名前はタリア・ヤン、トラウマ保険のグレードはプラチナ。年齢は16歳らしい。
プラチナ持ちということは、何処かのコーポの重役の娘だとか金持ちだとかなのだろうが、なんでメイルストロームなんかに入っているのかと思わないでもない。
それに大人が子供にムキになっても仕方がないので、ここは抑揚に頷いておく。
「私はサイバーパンクのネイト。こっちは将来映画監督志望のロマン少年だ。今日はよろしく頼むよ」
「…ふーん、映画ね」
タリアの目がロマン少年を捉える。
ネコ科を連想させる瞳で見据えられたロマン少年が、ビクッと身体を震わせた。
「君、私の撮りたいんだ」
「えっ、いやっその」
「…ヘンタイじゃん」
「なっちがっ!僕は仕事で…!」
思わずため息が出そうになる。
タリアの仲間たちも展開についていけず、首を竦めたり表手を肩の高さに挙げてたりしていた。
「ロマン君、揶揄われてるんだよ君は」
「からかわれてるなんて…えっ?」
フンッと鼻を鳴らして、タリアはコチラに一瞥を呉れてから、そのまま水色のカーテンで仕切られたおそらく改造スペースの中へと入っていった。
「あー、仲間がなんかホントすんません…」
「気にしなくて良いよ。クロームのインストールを他人に見せたくない人だっているだろうし、それに我々は君らからしたら真っ赤な他人なのだからね」
「この事は、ダム・ダムさんにはその…」
「黙っておくよ。君らも彼女には手を焼いているようだしね」
メイルストロームの彼らは顔面の大半を改造してしまっているので、表情は読み取りづらいが多分苦笑いと言うか渋面というか、そんなような顔をしている気がする。
今になってチームに入れてしまったのを後悔しているのかもしれないが、見ている方向性が違うのを早く修正出来なければ、早々に彼らは行く道を違えるだろう。
まぁ、私には関係のない話だが。
「ところで、君らリパードクの資格持ってるのかい?」
「…………え?」
という事で、タリアとロマンの初邂逅です。
作中では、ロマンはキングのサイバーサイコシス化を撮影してから翌日にサルのBD店に行って、メイルストロームのクロームインストールを撮影すれば35ミリカメラをくれると言われていますが、それからタリアの動画を撮影するまでに凡そ49日くらい経ってます。
ジェシーが昨日ネットニュースで見たと言い、キングは50日寝てたと言っていました。
ロマンの撮影した動画を観ながらクロームの調整をしていたところにカンタオの襲撃があり、翌日病院にぶち込まれて寝ているところにアヴィダとキングがくるので、そのシーンで襲撃を昨日とタリアも言っていたいたことから多分間違いはないと思います。
その間ロマンは何やってたんだよ…
今作第一話は時系列が滅茶苦茶なので、多分違和感感じた人も多いはず。
という事で、それならそれを逆手に取って、ロマンとタリアはもっと長くお互いを知る時間を作れば良いよね。イチャラブさせよと言うことにしました。
その分全体的に物語が前に詰まるがもしれませんが、まぁその時はその時ということで…
ご感想等お待ちしております