【完結】よういふっ!   作:麿は星

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 東風谷早苗の日らしい3月7日に投稿。
 特に早苗回でもないけども。


挑戦と強敵

 

「クラスの王(キング)に僕はなる!!!」

 

 『チェス』試験が最初に告知された3月9日。クラスの会議で僕はドドンッ、と指し手に立候補していた。

 この頃はまだ避けられていたクラスリーダー・一之瀬からの反論が飛んで来なかったこともあり、僕のルフィか龍園のごとき宣言は言いくるめロールを容易く成功へと導いた。

 ただ思い返すに、果たして勢いでクラスメイトに意見を通す事ができたのは幸運だったのか不運だったのか。言い訳させてもらうなら、前日に1日遅れの早苗の記念日?で、直近の問題解決の糸口を見いだした名残とノリである。

 もちろん後で後悔して現実から逃避し、自室の床をゴロゴロ転がった。隣室からまたもやクレームが届けられた。いつもすいません。

 

 しかし、いつまでも逃避してはいられない。

 それから2週間ほどの僕は、休み時間になるたびに教室から速攻で消えたり(運動部の奴らに即応型捜索隊を組まれた)、四方と早苗に匿ってもらったり(柴田や神崎から詰め寄られて意見を吐かされた)、坂柳さんや南雲のちょっかいをいなしたり(色んな奴から怒られた)、愛里や椎名、清隆達など他のクラスの友達と時間を潰したり(良い気分転換になった)と縦横無尽に実績を得るために動いた。

 

 あとついでに一之瀬と和解してすぐ、両クラスの幹部っぽい奴ら(一之瀬や神崎、櫛田や平田、堀北さんなどだ)との協定決めに巻き込まれた。内容は、試験での貢献度や失点も加味して退学者をどうとかだった。負けた上で一之瀬達に助けてもらえなかったら僕が退学するだけだし、勝っても余程(友達か関係する誰かが理不尽に退学者にされないストッパー兼保険だけは仕込んどいた)でなければ向こうに介入する気はない。なので、どうでもいい。

 だからまぁ、総じて大したことはしていない。僕が忙しくなるのは本番当日のみである、と自分で自分の役割を決めたからだ。

 

 そうして案外気楽に時が過ぎ去った3月23日、告知通りに人間チェスの特別試験が開幕した。

 Aクラス・Dクラスそれぞれの指し手は、僕・左京夢月と年末前に学の推薦で南雲の生徒会入りした堀北鈴音さん。このとある一室にて、向い合わせでチェス盤のようなモノが映る機械を挟み、インカムを装着して対峙している。

 

 ちなみに僕達が着けているインカムは、それぞれのクラスメイトが待機する部屋の子機に繋がっていて、クラスの誰でも自由に僕達と通話をすることが可能になっている。

 またそれとは別にマイクもあり、こちらは主に僕達からクラスメイトへの指示出しが用途だ。

 関係ないが、いくつものモニターが並んでいる照明暗めの光景の中で駒を操る僕達は、裏世界のデスゲームを観戦するマフィアを連想させる。いや、実物は知らないけど、なんとなくのイメージで。

 

「本日は宜しくお願いします、先生方、堀北さん。

 と、ところであの、いきなり失礼な頼みなんですが、ちょっとその…話すのにバ、バツが悪い人が半数を占めてるので、できれば坂上先生がAクラス方面の何やらを担当していただけないでしょうか……。本当に勝手で図々しい話なんですが」

 

 そして審判か立会人的な立場なのか、当然のことながら僕達のいるこの部屋にはB・Cのクラス担任である真島先生と坂上先生もいて、試合前に試験概要と操作説明をレクチャーしてくれた。

 試験中、基本的にはこの4人で過ごすことになるだろう。そう察した僕は、遠い目をして坂上先生に頼み込んでみる。

 

「それは誰のことかしら?」

 

 主におめぇの事だよ。とは流石に言えない。

 真島先生にも少し気まずさが混じってるけど。

 

「ああ……はい。そういえば無人島でも……。わかりました。質問や伝達事項があれば、左京君は私が担当します。真島先生もそれでよろしいですか?」

「……甘えるな、と言いたいところですが、たしかに心情的にしかたのない面もありますか。それでお願いします。代わりにDクラス…掘北鈴音は私が担当します」

「ありがとうございます……ありがとうございます。本当に助かります」

「……本当に図々しく無礼な男ね。兄さんも綾小路君も油断はするなと言っていたけれど……どう判断するのが正解なのかしら。いまだにわからないわ」

 

 よかった。先生方もわかっている。堀北さんの面倒臭さを。

 二人の先生は割り込んできた堀北さんを一瞥し、スルーしつつも意図を汲み取ってくれた。真島先生など無人島をはじめ何度か迷惑をかけたのに。

 あの時は悪かったと後で謝ろう。当時はクソ暑い中で洗脳手法ぶちかまされて気が立っていたのだ。

 

 そうして始まった『チェス』だったが、最序盤の数手はまぁセオリー通りといってよかった。

 お互いに左端のポーンがぶつかって、勝負内容が高1レベルの生物だったこともあってか、まずうちが1勝。直後に控えていたDクラス・ナイトの池・篠原・市橋と卓球3本勝負になり、取り返された。

 通常のチェスならこちらのルークを前進させて交換してしまうのも手なのだが、相性の悪いと思われる3人組なので、こちらのナイトが紐付きできる位置に止めて見送る。そして代わりに、次の一手でどんな相手も対応可能なビショップの道を開けておく。

 これにより数手遅れたが、まだ挽回は難しくないはずだ。

 

「と、思っていそうね、左京君?」

「そりゃあな。こんなゲームは初めてだけど、序盤では削りが優先だろ」

「そう、よね……」

「?」

 

 堀北さんに意味深な問いかけをされて話したが、彼女は答えを曖昧に歯切れ悪く駒を進めた。会話にならなけりゃならないでいいけど……んー、匂うな? 堀北さんが進めた駒は、相手から見て右端のポーン。本来はこれも無駄な一手といえる。

 いやまぁ、この時点で予感というかまさか、という胸騒ぎはしていた。しかし気にしすぎてもしかたないと、僕は奥を気にしつつも順当に機動力の高い駒の道を開けていった。

 と、お互いの準備がそれなりに整った時、堀北さんがポツリと呟く。

 

「そろそろね」

 

 確認するまでもなく、ご丁寧なことに盤上の端から直線の通路が数本、あからさまなほど整えられている。

 悪い予感って大抵当たるよね。うん、あるある……ねぇよ。当たってほしくなかった。

 

「……マジか。アイツ、やる気になっちゃったの?」

「……ええ。一応頼んではいたけれど、計算外だからなるべく端に配置していたのに、今日になって突然ね」

「しかも、こんな序盤に奇襲してくるとか」

「貴方も体育祭でやったじゃない」

「そうだった。学と南雲の気持ちが今頃わかったよ、クソッタレ」

「兄さんもあの時はこんな気持ちだったのね……」

 

 堀北さんだけじゃなく、チェスを教えただろう清隆の計算外でもあるんだろうな。

 清隆は、規格『内』ならどんなに高レベルでも完璧に対応可能といって過言じゃないが、規格『外』に関しては意外と抜けがある。おそらくそんな清隆には予測し難い奴だろう。

 特に高円寺六助は───。

 

 

 

 そのルークは、マジで手の打ちようが少ししか思いつかないほど強かった。Aクラスのポーン2騎、総合的に弱点を潰した南方・浜口・津辺を組ませたルーク、そして今まさに神崎や安藤を割り当てた虎の子のビショップまでが食われようとしていた。

 高円寺率いるルークは、実は総合力はそこまで高くない。高円寺本人のポテンシャルは底知れないものの、他の面子…愛里と王(おう、もしくはワンって読むのか?)さんは上手く運動系が当たれば、おそらく足手まといにしかならない。

 ただ、彼女らは学科勝負なら高水準な平均点を叩き出す優秀さがある。実際、ポーン2騎との英語・世界史の勝負では3人で平均92点と87点を叩き出して勝利した。

 それでも高円寺の体力を削るだけで運動系なら勝率を上げられる、とは誰もが考える対策だ。

 勿論、高円寺が常識に囚われない男だと知る僕はそれと違う対策を打ちたかったのだが、ちょっとした事情によりそうもいかなかった。

 

「きゃあっ!」

 

 結果、今しがた安藤がやられた。僕としては、むしろ高円寺に空手で立ち向かう安藤の度胸を見直したのだが、そんな場合でもなく。残りの神崎を除き、精鋭ビショップの一つに割り当てていたチームは壊滅寸前だ。

 そしてなにより脅威なのは、高円寺のパフォーマンスに些かの衰えも感じない事実である。テニスの1ゲームを3連戦、空手でも3連戦しておきながら、息すら上がっていない。下手したら、僅かなインターバルで都度完全回復してるんじゃないかと思えるほどだ。化け物めぇ……!

 

「レ、レディに手は上げないんじゃ……?」

「敵であればこそ、手加減しては美しくないだろう佐倉ガール。美学とは妥協しないものさ。無論、傷など付けたら可哀想だから配慮はしたがね」

「あれで配慮してるんだ」

 

 高円寺率いるルークの快進撃。

 愛里と王さんを含めた奇妙な3人組は、合間に軽い会話を楽しみ(う、羨ましい。僕はおっさん2人&面倒な女子とすし詰め状態なのに)ながら、勝ち抜き空手の競技を勝利へと突き進む。運動系の戦力は実質高円寺のみなのに、微塵もプレッシャーになっていないあたり流石である。

 

「この成金野郎!! 俺は他の貧乏人とは違うぞ!」

 

 貧乏人云々は源との対戦時によれた体操着を着ていたことで、高円寺に煽られたのを言っているのだろうか。ルークに続いて、あっという間の3人抜きだったからか神崎が常の冷静さを欠いている。

 

「てめぇ神崎! 誰が貧乏人だコラァ!!」

「俺の実家だって一戸建てだわ馬鹿にすんなっ!」

「ふ、二人とも落ち着いて!? わけのわからない仲間割れしてる場合じゃないでしょ!?」

「ほう? なにをもって私が成金だと? 理解が追いつかないのだが」

「ほざけっ、常識の通じない貧乏人めがっ!」

 

 高円寺コンツェルンを知った上でそこの御曹司にそれを言うあたり、最初からロジックが破綻している。これを冷静じゃないと言わずしてなんと言う。

 一般家庭出身と思われる源や渡辺など味方の野次も安藤のフォローもものともせず、試合開始の合図と同時に神崎が高円寺へ向かって突進しながら言い放つ。

 

「俺の中学時代の小遣いは月に10万円だったぁあああ!!」

 

 あ、それ僕が前に似たようなこと言って女子達から総スカン食らったし、やらない方がいいぞ神崎。

 と、それはともかく、カメラ越しにもズバンッと凄い音はしたものの、その言葉と一撃は高円寺の片手にあっさり止められた。

 

「な───」

「Hmm。それでボーイはその金をどう運用したのかね?」

「う……それ、は。け、堅実にちょ、貯金をして……将来に向けて……。まずは力を持ち、より効果的に使えるよう……」

「美しさの欠片もない!!」

 

 そして寸止めルールだというのに、謎の衝撃波でもあるかのように弾き返され、神崎は転がった。

 今は敵だし、空手の勝ちかはわからないけど、勢いがつく前の出足を潰された。あれがルール上の勝ちになっていなくても巻き返しは不可能だろう。高円寺の勝ちだ。的確に心の急所を貫かれている。

 

「幸運にもスタート位置に恵まれた者が堅実? 貯金? 醜いとさえ言える選択だよ。挑戦すらしようとしないとは実にナンセンス。所詮は君もボーイに過ぎないということか」

 

 転がったままの神崎へ歩み寄った高円寺は手を貸すことなく、気に障っていたのか圧倒的に上から更なる追撃の言葉を投げつける。

 

「金は使うからこそ意味がある。貯め込むだけ貯め込んで腐らせるなど愚の骨頂だよ。ノーベル経済学賞の学説の逆張りをし続ける財務官僚にでも身内がいるのかね、その愚かな思想は。使って遊び尽くし、親のスネを齧りつくし、失敗をし尽くしてから金について語りたまえ。ボーイには美しさも矜持も全く感じない」

「美しさに矜持だと!? そんなことで失敗したら、取り返しがつかないことばかりだろう!?」

「何を言っているのだね。なんとか『取り返しをつけて』百倍返ししてやるのだよ」

「───っ!」

「この程度の簡単な思考にすら至らないようでは君の先は明るくないだろう。金を語る資格も元々なかったということか。“身近な先達”から学び直してきたまえ、ボーイ」

 

 画面越しにこれを聞いてて、つい頷いてしまい堀北さんからツッコまれた。

 

「うぅむ。高円寺に一票」

「左京君、貴方……。高円寺君のあの発言に本気で頷けるの? 正気?」

「正気だが? 至極真っ当なロジックじゃないか」

「……」

 

 しかし何故か堀北さんは唖然とした顔で黙りこんだ。やはり彼女とは相性が悪い。

 てか、実力至上主義者の卵みたいな思想だな神崎。特にあのしようとしてた反論の先を読むに、力を持つのに使わないのは愚か者、なんて考えてそう。

 そういや、僕も前に清隆の父ちゃんから似たような言葉を言われたっけなぁ。……まさかとは思うけど、神崎って清隆の『同期』じゃないよね? 勘は反応してないが。

……忘れよう。仮にそうでも、そうじゃなくても、僕にはどうすることもできないし。よし、切り替え完了。

 

 神崎は失敗のリスクを考えてすぎて、成功する道筋を描けなくなっているのだろう。順調にこの学校に染まってきていたようだ。

 しかし、これは格が違いすぎる。神崎から機会があれば高円寺か清隆に当ててほしいって言われてたから当てたけど、能力はやり方次第でなんとかなっても器は誤魔化せない。自分をしっかりと持っているかが、明暗と結果を分けたな。

 

 それにしても、いつになく野郎にも親切だったな高円寺。上機嫌ではあると思われる。

 結局、この対戦カードまでで3つの駒10人に加えて、主力の一角である神崎や安藤、渡辺、源を落とされた。しかし、うちのクラスにとって甚だ迷惑でもあったけど、彼らが得たモノは先々でそれ以上の価値になるかもしれない。

 人に塩を送る余裕まであるとは、マジで底知れない男である。

 

 

 

 なので、これ以上損害を拡大させないために、僕は切り札を1枚切る。

 当然、自陣のキングをルークの目の前に一歩前進させ、三手ほど先読みして行動予約した上でだ。こういう事態を想定しての時間稼ぎ用の一手である。

 できることは最初の説明で確認してある。持ち時間は双方に約3時間ずつ存在するが、無駄にしていいわけがない。僕が席を離れる以上は気休め程度だが、勝負している時間以外は持ち時間が減るのだから節約すべきだろう。

 

『一之瀬、姫野。予定よりだいぶ早いが出番だ。準備してくれ』

 

 教えられた通りに機械を操作して、クラスメイト達の待機場所へアナウンスで指示を送る。

 

『───キング戦だ。最後の1枠は僕が出る』

 

 チェスの戦況が表示されている画面を挟んで僕を観察していた堀北さんが、疑問符を浮かべて聞いてきた。

 

「は? 貴方、指し手でしょう? それはありなの?」

「ルールでは、キング戦は生き残ってる生徒、と明記してあった。それなら僕も可能だろう。そうでしょう、坂上先生?」

 

 このタイミングで振動したタブレットを確認していた坂上先生に質問すれば、まさにその事に関してだったのだろう。

 

「……可能、のようですね。考えてもいませんでしたが、上の許可は恐ろしく早く降りました。左京君は速やかに準備するようにとのことです」

「ありがとうございます。では一旦失礼しますね」

 

 そう───最初の明言通り、僕自身が1枚目の切り札だ。

 

「待って! ……左京君には高円寺君をどうにかする手があるの? ポイントで阻止可能とはいえ、負ければ貴方は退学に」

 

 僕が準備のために立ち上がると、堀北さんが言わずもながななことを聞いてきた。何気に坂上先生や真島先生も僕を注視してるのが微妙に居心地を悪くしている。

 だから早く移動しようと、思ったことそのまま口に出した。

 

「ん、考えなんか今はないよ? 退学含めて出たとこ勝負だ。でも『六助』が誘っている。なら、これは僕がやらなきゃ駄目な場面だし、当たり前のようにやるだけやるさ」

「……っ」

「───今、そんな気持ちなんでな。んじゃ」

 

 そしてインカムを外して置き、上着を脱いで椅子にかける。

 この部屋での言葉を聞いているかもしれない『月城さん』にも感謝しつつ、僕は早々に訪れた決戦(大袈裟)の地へと降り立った。

 

 

 

 双方のクラスメイトが待機する控え室に併設される形の格技場っぽい場所の扉を開けて中に入る。

 

「夢月君!!!」

 

 すると振り向くなり謎に飛びかかってきた人型生物がいたので、ヒラリと身をかわしてスッ転ばせ、勢いで滑り出す前にいつかのように踏んづける。

 

「にゅや~~!! むぎゅっ!?」

 

 指し手の生徒以外はジャージだからこそできる流れるように御機嫌な対応だ。パンツが見えようもないからな。

 なんのつもりかわからないが、おそらくはホワイトデーに策を返されて、なし崩しに和解へ持ち込んだ事が原因だろう。一之瀬の謎理論によって導き出された新たなナニかの謀略と思われる。その手には乗らない。

 

「……よし。拘束に成功したな。この局面で、なんなんだコイツは」

 

 きちんと動きを封じたことを確認し、僕は安堵の吐息を漏らす。

 今は敵方でそこそこ距離があるとはいえ、愛里が見ている前でこのポンコツの奇行に付き合うわけにはいかない。僕には想像もできない策略を更に仕込んでいるかもしれないが、ここはスルー安定だ。

 それと何気に、ここしばらく変な態度を取られていた一之瀬を倒せてスッキリした心持ちになれた。

 

「姫野、いきなりメンバーに入れちゃって悪い。本来は安藤か南方さんだったんだけど、見ての通りだったからさ」

「え、と…いや、それはいいんだけどさ。一之瀬さんを……おもっきり踏んでるわよ……?」

 

 ただ、姫野が僕の足下を見ながらどこか心ここにあらずな感じだったので、急遽メンバー入りさせたことと合わせて一言弁明しておく。これから少しだけ指示に従ってもらうわけだし、精神のケアは必要だろう。

 うちのクラスで運動系トップ層の女子である安藤や南方さんは、残念ながらついさっき高円寺のルークに脱落させられているので、姫野は網倉と同様に貴重な戦力に昇格したからだ。

 

「気にするな。大事の前の小事だ」

「気にして!? こんないきなり退学を賭けた勝負に自分からって……心配で心配で居ても立ってもいられなかったのに! しかも相手は高円寺君だよ!? 勝つ自信はあるの!?」

「って、一之瀬さんは言ってるけど?」

 

 僕の退学程度で今更なに慌ててんだコイツ。最初から賭けてたのは言ってたし、一之瀬もわかってただろ。

 それがたった今になっただけじゃないか。動揺する理由なんか何もないと思うのだが。

 

「うむ。わからないことはわからないままで行く方針にしよう。

 さておき、姫野は王さん、一之瀬は愛…佐倉を頼む。勿論、僕が高円寺を担当するが、僕が負けたらすぐ降参してくれ。勝ち目がないからな。わざわざ痛いかもしれない目に遭いたくないだろう?」

「わかったはわかったけど……」

「さておかないで聞いて!!? こんなの公の場じゃなくても完全アウトだからぁ! みんなの前でこれは恥ずかしいし、なにより絵面が酷すぎるから! ちょっと嬉しくなっちゃったけど複雑だから!」

 

 指示と注意事項を意識して淡々と紡ぐ。

 僕の足の下で、段々ズレてきた意味不明なことを言いながらジタバタと暴れる絶滅危惧種がいるからだ。体重移動を駆使して、起き上がろうとする一点を崩しているので神経を使う。

 ぶっちゃけ僕は味方からもたらされた予想外に動揺し、内心で大混乱を起こしていた。つまり一之瀬をうっかり者な妹系奇行種に脳内変換して、愛でつつ弄る事で対応したのだ。

 先週まで避けられまくっていた相手が突如としてフレンドリー?になれば、それは誰でも驚く。だから物理的に解放していいのか心配で、一之瀬が起き上がるのを阻止してしまう。

 

「なんで私は……いつもこんな扱いなの……?」

「それはね? 一之瀬が坊や…じゃなかった。覚悟を決められてないお子様だからさ」

「か、覚悟……わ、たし……が?」

「あんた、それ好きよね……さりげなく使ってたりするし」

「初期の3部作は、泥臭い戦争がガッツリ描かれてやられ役まできちんと味があるから至高。人間ドラマやルックスに振った新しい話も嫌いじゃないけど、どうしてもな。異論は認める」

 

 ゆえに強引に話をねじ曲げて、試合開始までなるべく一之瀬を意識しなくて済むよう姫野と雑談することにした。

 一之瀬の間の悪さは、間違いなく知り合い連中の中でも群を抜いて僕との相性の悪さを助長している。僕も大概、間の悪い方だが、警戒態勢が常態になる奴はマジで転生前を含めても初だぞ。

 なにしても動揺させてくるんだから、同じクラスになってしまったのはもう運命というものだろう。無論、悪い意味で。

 

 ともかく更なる冷静さを取り戻すため、ここで僕達のクラスがキング戦用に準備していた勝負内容とはどんなものなのか改めて思い返そう。高円寺達も僕達の方をチラチラ見ながら、フィールドの反対側でうちのクラスが作成した説明書を受けとって読んでるしな。

 簡単に言うと、ずばり騎馬のいない騎馬戦だ。

 キングに接触してきた駒の人数・性別と同数を生き残りから選出して、鉢巻きを取り合ういたってシンプルな競技で、反則は人体急所の攻撃のみ。何気に、足払いなどで転ばすこともOKな荒っぽいルールだ。ただ転倒しただけでは不充分で、無力化するには鉢巻きを奪取する必要がある。

 あと制限時間も通常の勝負と同じく10分だが、3対3の鉢巻きの取り合いでそんなに時間はかからないだろうと、どちらかの全滅が勝敗条件になっている。

 だが……打開の鍵になるのは、良くも悪くも高円寺ただ1人だろう。

 

 

 

 ところで、東洋の武士道が個人の思想なのは周知のことと思うが、西洋の騎士道は帝王学とほぼ同列だとご存知だろうか? つまり王族や貴族など、為政者のための教育法的な位置付けだ。無理矢理に当てはめるなら、マキャベリの君主論やクラウゼヴィッツの戦争論などと同じカテゴリーともいう。

 ここからわかる通り、生き方や共存すら視野に入れられている思想が主な武士道と、人・環境を支配やコントロールする方法を主とする騎士道では、言葉や響きは似ていても全く中身が違う。

 

 何故こんなことを突然語りだしたかというと、高円寺がこの2つの道を使い分けるのが美学だと考えている節があるためだ。

 僕が四方や早苗に頼らなかったのも。愛里に一之瀬を当てたのも。高円寺や堀北さん(清隆)の誘いにわざと乗ったのも。高円寺の美学を考慮に入れると、おそらくこれが最もお互いが楽しめ、高め合うことすら可能とする方法だからである。

 それに分の悪い賭けは嫌いじゃない。時期尚早な気もなくはないが、せっかくの機会なのだから無粋はなしにして煽られた挑戦に乗るのも一興だろう。

 

「ふっふっふ。私は理解できるよ夢月。君は十中八九ノックアウトされるとわかってここに現れた。真正面からこの私の挑戦を察知し受けられるのは、おそらく君だけだろうねぇ。誇りたまえ」

 

 単純に能力だの実力だので見たらもう少しいると思うが……高円寺が言ってるのは、そういうことじゃないんだろうな。

 

「ま、なんだかんだでお前とだけ勝負してなかったからな。しびれを切らしたか?」

「そんなことはないよ。ただ、目の前にちょうどいい行事があったのでね。自分でも体験しつつ見極めようと思いついたのさ」

「神崎達とのことといい、今日は随分と親切だな。野郎には興味なかったんじゃねーの?」

「進撃を阻む者の撃退ついでさ。私が知る金を操る者に比べて、彼らはあまりに拙かったものでね」

「……少しは甘く見てやれよ。わかってやったんだろうけど」

「ははは。つい気を昂らせてしまったよ。私にもまだまだな部分があると発見するのは、いつも向上心と好奇心を刺激するものだ」

 

 あー、忘れそうになるけど、高円寺も一応は同級生だもんな。そういうこともたまにはあるか。

 高円寺に乗せられかけてるのは自覚してるけど、ちょっとテンションが上がって僕も楽しくなってきた。

 

「好奇心は猫を殺すと言うぞ?」

「いいじゃないか。猫にとっては本望だと思うよ。好きに生きた結果なのだからね」

「同感だ。言ってはみたけど、僕だって人のことは言えんしなぁ。お前も言ってたけど、今まさにこの現状が僕を好奇心に殺されそうになってる猫だと証明してるし」

 

 特に負けたら、クラスごと敗北になるって部分が。

 それでもやりたいことはやってしまうんだから、我ながら救えない性質だ。

 

「ククッ、ははははっ! 挑戦を躊躇わないその姿勢は、私にとっても好ましい部類だよ夢月」

「ああ、僕もだよ。真っ向から全てをねじ伏せるお前の在り方は、眩しさすら感じるほど美しく楽しい。その友達が本気で誘うなら僕も応えるのが道理だろう」

「……友、か。ふっふっふ。やはり私の勘に間違いはなかった。

───今月今夜は赤い月だ。永い夜になりそうではないかね」

「赤い月か。ははっ、そうだな。

───楽しい夜になりそうだ」

 

 ま、僕が楽しく、高円寺も楽しそうならなんでもいいか。

 無理ゲーを楽しく変えるのも、だんだん慣れてきた。

 こんな序盤戦で敗北するのはもったいない。

 変わった比喩表現を使ってまで宣戦布告し合った高円寺には悪いが、そうならないために是が非でも勝つ心意気で行かせてもらう。

 

 

 

 開始の合図が鳴り響くと同時、僕はさっきの神崎のように高円寺に向かって突っ込む。攻撃目的じゃない。まずは小手先の誘導返しからの奇襲だ。

 

「「夢月君!?」」

 

 愛里と一之瀬の声が聞こえた気がしたが、気にする余裕はない。ただでさえ、対峙する高円寺は怖いのだ。策を用いて壁を乗り越え、全力で集中しなければ立ち向かうことさえ僕には難しい。

 だから、まずは一歩を踏み出すことが肝要だ。

 

「散るか夢月……私の想定内であれば、だが」

 

 かかった。

 コイツらしく余裕をもって迎え撃ってきた。

 

「―――むっ!」

 

 ウッソだろコイツ!

 鉢巻きを掴もうとしてくる高円寺の手が『僕の』顔面に当たるように動いたのに、直前で軌道を変え、囮にした右手と本命の左手を払いのけやがった!

 これでどうにかなる想定はしてなかったが、見よう見真似の南雲流がこうもあっさりと……。対応速度が尋常のものではない。

 

「空手? ボクシング? それにあの動きは反則狙い……? いや、違うか」

 

 しかも呟きからすると、手の内といくつかの可能性を一瞬で読み取られただと。知ってたけど……なんだ、この才能格差。

 

「ふっふっふ。大したものだ。私との差というにも烏滸がましい隔絶した頭脳と身体能力に対抗するため、油断を突く。実に正しい判断だよ夢月。だが―――」

 

 ことごとく。僅かな断片からことごとく読みきられていく。

 本当にとんでもない男だ。驚く余裕もない。

 なので一旦切り替えて、次の手だ。

 

「それでも甘い。肉を斬らせて骨を断つtacticsが私に通用するとは思わないことだ」

「……多分、一撃で決める方がエレガントで美しいよ? strategy的にも」

「君が相手でなかったらそれもありえたかもしれないけどねぇ。ま、この私の油断など期待するだけ無駄というものさ」

「わかってるけど、それ以外の手が邪道しかないんだよ。命乞いとか懇願とかな。はっはっは、って笑うしかねーよ」

「相変わらず掴みどころのない男だねぇ。窮地を理解した上で普段とまったく変わりない」

 

 駄目だ。言葉でも揺るがせない。誘導の取っ掛かりすら見えない。

 やっぱり四方か早苗に頼むべきだったか? でももはや遅いし、仮にそれで高円寺を倒せたとしても先が続かない。

 神崎や安藤が無理だった以上、他の候補は元から相当限られている。少しは対抗可能と思われる柴田の対抗カードは決めてるし、一之瀬含む女子達を無理矢理に高円寺へ当てるには不確定要素が多すぎた。

 そもそも王さんを相手にする姫野はまだしも、愛里と一之瀬は何が理由か珍しくお互いを当ててほしいと頼まれてるので配置変更はできない。

 なら早苗とタイプは違えど、かろうじて速さに対応できる僕だろう。どうせキング戦に敗北すれば負けなのだ。

 それにしても、あの無駄に転がされまくった日々がここにきて役立つとは思わなかった。

 

 いっそここは───正攻法に切り替えるか。

 

 僕の知る『天才』はみんな、孤高ではあっても孤独ではない。

 たしかに自分自身のみを信じ抜くという性質上、何らかの目的に向かって突き進んでいる時は周りを顧みない場合は多い。しかし少なくとも友達や仲間に対しては、進み始めるまでは支え、支えられ、自分の認めた繋がりを決して軽視しない。

 顕著なのが、目の前にいる高円寺だ。この天才は孤高を体現したような在り方だが、孤独とは無縁な男である。

 

 そんな奴の前で、そんな奴を相手にして、この僕が無様を晒す?

 冗談ではない。

 実力など関係ない。

 負けられない状況を整えて『自分に挑ませた』高円寺に借りを返さなくては、僕の美学も矜持も口先だけになってしまう。

 ならば、やるしかないだろう。今がその時だ。

 

「ほう? 目の色が変わったか。何か思いついたのかね?」

「どうだろうな。一番通用しそうな手は初手で潰された」

「それにしては諦めを感じさせない目だ」

「取り返しのつく範囲でいい。お互いに背負うモノの大きさで競うというのも、なかなか乙な勝負じゃないか」

「素晴らしい……! その目。君が最高に面白いのはいつもその目になった時だ!」

「できるだけ楽しく、可能な限界まで愉快に、手段や目的を選り好みして。僕がそういう奴だってお前にはわかってるだろう?」

「ふふふ…ふはははっ!! あーっはっはっは!! わかっているとも! 来たまえ夢月! 私の全力をもって応えて魅せよう!!!」

 

 本来の騎馬戦がそうであるように、多少の荒っぽい攻防も問題ではないし反則でもない。

 笑いの余韻で僅かでも身体にブレが残っているうちに、またしても僕は高円寺に挑みかかる。何の技術もないただのパンチ擬きは、意外なことに直前まであっさり高円寺に当たるような気がした。

 

「奇襲を狙ったにしてはお粗末な拳だ。腰に力を入れるのだよ───こんな風にね!」

 

 それなのに、残像拳でも使ったかと誤認するようにスウェーバックした高円寺はぬるりとかわし、逆に反動を利用する勢いのカウンターが飛んでくる。

 

「がっ……つぅ~!」

 

 それは咄嗟に身体を捻ったことで僕の腹に浅く入った。これだけでHPバーがあればおそらく3割は削れたのが、ホントふざけている。

 尤も、鉢巻きを取れたはずなのに、僕と似た鉢巻き狙いじゃない手の動きだ。明らかに着弾位置が低い。とはいえ、舐めプというよりも僕の何かを見極めようとするための攻撃にも思える。

 そしてその試しの一撃のおかげで覚悟と準備は完了した。これなら見える。戦える。

 僕は早苗に対していつもしていたパターン作りを、即興で高円寺用に合わせて再構築していく。

 

「ほう……修正してきたか。沈めるつもりではあったのだがね」

 

 高円寺は狙った一撃を決して外さない。その一撃は凄まじく速い上に、威力だってこれまで僕が食らってきた南雲や須藤を確実に上回っている。高円寺のパターンについても試行回数が不足している。

 だが、攻撃方法と着弾予測はかろうじて導き出すのが可能───正解は真っ直ぐのストレートだ。

 ならば恐れず、目を逸らさずに見極めろ。あとはタイミングだけ……!

 これまで早苗との組み手…という名のサンドバッグ役をこなしてきた経験値を総動員で今この時に昇華させろ。

 神経を針の先のように研ぎ澄ませ。

 僕ならできる!

 

「───ここだぁっ!」

 

 ほぼ同時に動き出しながら、身体能力の関係で先の先になった高円寺の手が頬に掠めていく───僕の鉢巻きへ伸びる瞬間まで集中力を切らさなかった。

 瞬きすらさせてくれない速度だったのだが……それでも覚悟を決めて全力で集中した成果なのか、思ったよりも自分の身体は動いてくれた。目を見開いた高円寺が不思議とわかる。

 

 伸びきる前の高円寺の腕を取り、たった数回の成功例をなぞるように態勢を崩す。だからか思うよりも軽く感じた高円寺の身体が、ほんの僅かに浮く。

 それは本当にセンチメートルにも届かない程度のものだったが───最初で最後の好機。僕は早苗へのパターン構築を参照しつつ応用した投げを実行する。何度も『僕が』やられてきたムカつく技だが、背に腹は代えられない。文字通り身に染み込んでいる。

 

「ぐぅっ……!」

 

 高円寺の背中を地に打ち付けると同時に、押し殺した呻きが僕に届く。

 そして唯一それだけが、様々な才能に恵まれた天才をひっくり返すギリギリの道筋だった。

 続けて手を休めず、ここから先に進む気概をもって、僕のできる限りで最速の最善策を打つ。

 

「ぐっ…く、まさか、紅人流の天地返し……とはね。だが、意表は突かれようと私にはこの程度」

「だろうな。単純に凡人が偶然の奇跡で千分の1、万分の1を引き当てただけだ。それでも───」

 

 具体的には再度動き出すまでの間に、高円寺の頭に巻かれた鉢巻きを剥ぎ取った。

 お互いにすっかり忘れてた(僕だけかもしれない)が、鉢巻きを取った方の勝ちってのがルールだ。幕を下ろすには、これが正当なやり方だろう。

 

「───今日はこれで終いだ。敗者復活とリベンジは特別試験の制度的に受け付けてないらしいぞ?」

「…………ははっ、認めよう。君は誇り高き凡人だと。ゆえにこそここで『終わらせて』しまうのは美しくない」

「それに次を待つ楽しみはあるだろう?」

「ふっ。ああ、非常に面白い一戦だった。期待以上どころか、期待の斜め上を外して飛んで行ったよ。良い意味でね。

 だから───夢月の勝ちだ」

 

 ほぼ運勝ちだから、偉そうにはできないけどな。本来の能力差から鑑みても、勝てたのはマジで奇跡だ。

 

「───強敵と書いて『とも』と呼ぶ。お前もまさしく強敵だった」

「友、か……」

「ああ、お前もそう感じたなら嬉しい」

「は……ふははっ。サンクス───友よ」

 

 本音でそう思える奴にこれが言えて満足だ。高円寺もノリ良く返してくれるし、やはり良い奴だよな。

 テンションの上がるやり取りでようやく終わったことを実感できて、僕は一気に気を抜いた。僅かな時間だとわかってても、ずっと気を張り続けるのは疲れてしまう。

 

「ふぃ~、冷や汗かいたわ。でも僕もサンクスだ、高円寺。普段ならリベンジも受けるから、したいならいつでもどうぞ。多分、お前なら次は楽勝だけどな」

「楽勝、ね……。ふっ。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。夢月がどうするのか、久しぶりに強い興味と関心が湧いてきたよ……」

 

 ただ、話し始めても珍しく立ち上がらなかった高円寺に違和感を覚えて、念のためにとりあえず起き上がらせようと僕は手を差し出す。

 

「っと、そういや、どっか強く打ってたり、痛めてないよな? 痺れとかがあるなら言えよ? ほれ。立ち上がられないなら、僕の手を取れ」

「……っ。もちろんだとも。あれしきのことでダメージを受けるほど私は柔ではないさ」

 

 しかし、高円寺は何故か瞬きして戸惑うような僅かな間ができた。でも手を握り返すのを見た感じでは本当に心配が要らなそうだったので、一言を入れつつ名残惜しいが話を締めさせてもらう。

 高円寺とは決着したが、まだ『チェス』試験は始まったばかりなのだ。

 

「そっか。無用の心配だった。縁があったらまた遊ぼう六助」

「はははっ! 縁とは自ら繋ぐものだろう夢月」

「そうかもな。そっちの方が断然楽しい」

「……ははっ、はぁ~はっはっは!! 違いない!」

 

 その後にはすぐいつものように笑い出したが、コイツにも僕の清々しい気持ちが移ってくれたなら幸いだ。

 やはり勝負事は後味スッキリの楽しみ方が一番である。

 





 人間チェス試験、両クラスの今話リザルト(作者用メモ)。

 一之瀬クラスの脱落は計14人。
 ポーン3(7人)。
 ルーク(南方、浜口、津辺)。
 ビショップ(神崎、安藤、源、渡辺)。

 堀北クラスの脱落、計8人。
 ポーン2(5人)。
 ルーク(高円寺、佐倉、王)。
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