レンジャークローバー   作:アルピ交通事務局

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第1話

 

 ある日突然、転生していた。異世界転生ものあるあるが実際に身に起こった。

 色々と思うことがあったがそれはそれとして割り切ること……一生レベルで付き合う友人、恋人なんかの本物の出会いがあるならば祖父母の死、飼っているペットの死という本物の別れもある。だから割り切っている。完璧に割り切る事が出来ているかは謎だが。

 そんなこんなで転生者ライフを送るのだが1から10まで異世界でない……なろう系よりも二次創作に近いだろう。

 有名なあの漫画の世界の住人になった的なのだ……コレを喜ぶべきか悲しむべきかは分からない。俺が転生した世界はブラッククローバーの世界、アスタとユノと同郷……要するに孤児である。

 

「99,100」

 

 ブラッククローバーの世界は王道的なバトル物の世界で、全員が魔法なんかを使える。

 結論から言えば強くならないといけない、ことあるごとに敵が世界を相手に喧嘩を売ってくる。

 異世界でノホホンとした平穏な日常を過ごしたい……とか言う転生者はドラゴン桜や銀の匙辺りにでも転生しとけよボケと思う。多分、スマホとか無いと精神的に詰む。

 

「よし、アスタ、かかってこい」

 

「おう!」

 

 この世界でやれることは基本的には限られている。

 自分の属性の様々な魔法を使える魔導書(グリモワール)を貰えるまでは魔力のコントロールや氣の探知ぐらいが限界だ。絶天を覚えるのを一先ずは目標にしている。

 

「うぉおお!」

 

 文字の読み書きと簡単な計算と業界用語を覚えて学校には通わせてくれない。だが肉体を鍛える時間はしっかりとある。

 廃材の木材を改造して鞘付きの木刀を作り上げた。色は塗っていないが剣的なのには変わりはなくアスタと勝負をしている……アスタの将来の戦闘スタイルに備えてではない……いや、ホントに恵外界の端っこにあるハージ村から恵外界に近い平民が住む街に行けばカツアゲ的なのにあったりさ……自分自身を鍛えないと意味が無い治安が悪い世界だ……剣と魔法の世界だから治安が悪くて当然だろうが。

 

「94,95,96,97,98,99……100」

 

 アスタは魔力0……なので魔法は使えない。しかし諦めるかと先に肉体を作り上げようとしている。

 純粋な運動能力は魔法の一種かと思わせる程に高い……原作開始数年前だ。アスタは11歳で50kgぐらいのものは余裕で持ち上げれる。

 身体能力はとても高い……そしてアスタには魔力が無い。魔力感知で動きを理解出来ないから氣を感じるしかない。氣を感じる能力を高めて魔力で身体能力を底上げ、アスタの攻撃を回避し続ける事にだけ集中した。

 

「だぁ〜っ!今日も当てられなかった!!」

 

 アスタの攻撃を100回避ける、アスタはまだ氣の探知は出来ないが俺は徐々に出来るようになった。

 

「もっと呼吸を見ろ、目で追うだけが全てじゃない」

 

「でもオレ、(マナ)探知出来ねえんだよ!」

 

「空気を察する事ぐらいは出来るだろう、それを応用しろ」

 

 アスタの攻撃を100回連続で寸でのところで避ける。

 アスタが魔法帝になると鍛え続けたのに便乗して成長している……氣の探知は可能になった、意識しないと出来ない事だが。

 

「ノモリ、お前、今日ぐらいは休むつもりはないのか?」

 

「感覚が鈍るのはホントに洒落にならないから」

 

 日課をこなしているとユノが現れた。

 今日は俺の魔導書の授与式であり今から魔導書を貰いに行く……魔導書を貰いに行く日だから日課の修行は止めないのか?と呆れられるが、やるしかない。1日でもサボればとかいう理論じゃないが、それでもやっておかないと……特に上には上が居るから。

 

 魔法使いの塔に向かう。

 そこにはブラッククローバーに必須品な魔導書が万を超える単位で置かれている……が、この時点で割と不快を感じる 

 

「あんな孤児にまで魔導書を与えなくても」 

 

「恥を晒しに来たのかな?」

 

 そう、この世界は下民を理由に上流階級の人間が見下してくる。

 爵位の概念があるので当然の如く孤児で下民である俺達を平然と見下してくる。この環境は好きじゃねえ……ブラッククローバーはアスタが活躍するまではこんな感じだったが、一言だけ言うのならば蓋を開けてみれば冷静になって考えてみればクソみたいな話だ。 

 

 下民である希望の星と思っていたアスタは特別な悪魔の力を使役していた。

 

 下民である希望の星と思っていたユノは実はクローバー王国でなくスペード王国の王子だった。 

 

 努力、友情、勝利じゃなくて結局のところは才能、環境、血筋、主人公補正だな。

 けどまぁ、延々と動かない事よりは幾ばくかはマシ……延々と変わろうとしない老害が蔓延る社会よりはまだいいと受け入れる。

 

「おぉ、ノモリにも魔導書が来たな!」

 

「神父、流石にそれは無いでしょう」

 

「いや……お前の魔法属性、よく分からんからの……」

 

「……」

 

「ノモリって結局なんの属性の魔法を使えるんだ?」

 

 神父が俺に魔導書が来たことを喜んだ。異国の王子だろうがなんだろうが魔導書は貰おうと思えば貰える物だ。

 俺の魔法がよく分かっていない……ぶっちゃけ俺自身もよく分かっていない。だから神父が魔導書貰えないかもとか心配してたが普通に貰えたので安堵している。

 この世界に魔法はある。魔力を用いての魔法だが、誰でも炎とか水とかの魔法を使えない。1人につき1つの属性の魔法を使える、風属性ならば風属性の魔法しか覚えない……が、炎の魔法の道具とかを使えば炎を扱えたりするがその辺は色々と細々しているので詳細を省く。とにかく魔法の属性は生まれつき1つであり、大抵は地水火風の四大元素やそれから派生したもの。俺の魔法属性はよく分からない。魔力を放出すればその属性に切り替わるが……俺の場合、魔力を纏ったりしたら天体戦士サンレッドのサンレッドと同じ頭部になる。どんな魔法の属性だよ……いや、ホントにどんな魔法の属性だよ……コレのせいで鍛えておかないといけないと余計に思った。

 

魔導書(グリモワール)になにか書いてるだろ……あ〜……四大元素とか色々な属性をミックスした感じだな……」

 

 水魔法と鉄魔法の夫婦が結婚し生まれた子供が水銀魔法を覚えていた。

 魔導書は数ページしか埋まっていないが、俺の魔法は色々な属性をミックスした感じだった。

 

「ミックスって、1つだろ?」

 

「そう言われればそうなんだが……口で説明するのややこしいから色々な事が出来るとだけ認識しといてくれ」

 

 魔導書に書かれている魔法の内容から自分がどんな魔法属性なのかを理解した。

 口で説明するのはややこしいが転生特典らしく色々と強い……でも、どうせならば他の世界が良かったとは思う。

 アスタに口で説明するのはややこしいと言っておき、自分の魔法がどんな物なのか……身体能力を鍛え上げてて正解だった。

 

「まぁ、とにかくノモリが魔導書を無事に手にすることが出来た!今夜はノモイモパーティじゃ!」

 

 我が事の様に神父が喜んでくれる。少しだけ恥ずかしいが、まぁ、いいかと思う。

 暑苦しかったり口五月蠅いところがあるが、俺達を息子や孫も同然に可愛がってくれている。それは嬉しいことだ。しかしノモイモはモソッとしている。里芋っぽいからコロッケとかにしても……いや、ソースが問題か

 

「それで、今後どうするんだ?」

 

「まぁ、何時までも働かないはまずいですからね……害獣駆除とか細かな雑用をする何でも屋みたいなのをしようかなって」

 

「そうか、なんでも屋か……金は出せないが、なにか手伝えることはないかの?」

 

「じゃあ、なんでも屋が出来たのを色々なところに知らせてください」

 

「おぉ、それならばお安い御用だ」

 

 魔法騎士団に所属するぜ!はしない。

 めんどくさいのでなくアスタが現れるまで上流階級様の偉そうな態度が当たり前な環境が嫌だから。

 今日、魔導書を受け取りに来た時も上流階級の人間が見下している。魔力的に平均っぽいのもあんなのにまで魔導書を渡さなくていいのに的な視線を送ってきた。ハッキリ言うが辛い……ホントにもう王族とかもさぁ……嫌になるよ。まぁ、物語が終わればどうにかなる。アスタが頑張って意識改革をさせてくれるから問題は無い。俺はとりあえず小銭稼ぎだ。

 神父がどういう事をしたいのかを聞いてくるので万事屋をしたいと言えば成る程と納得してくれる。開業資金は出してくれないが、万事屋が始まった事を恵外界の村とかに教えてくれる。

 

「ノモイモ掘りを手伝ってほしいそうなんじゃよ……」 

 

 2日後、依頼がやってくる。

 神父が気まずそうにしている……なんか気まずい要素とかがあっただろうか?

 

「まさかと思いますがタダとかお金の代わりにノモイモを渡すとかじゃないですよね?」

 

「いや、ちゃんと依頼料は用意してくれとるんじゃが……魔法要素0でアスタでも出来ることじゃろ?」

 

「別に構わないです……むしろこういう依頼の方がなにかと気楽なんで」 

 

 ノモイモ掘りの依頼を受けると言えば箒で40分ぐらい飛んだところにあるマルハチの村という平凡な村に向かった。

 

「万事屋です……神父からノモイモ掘りを依頼されたんですが」 

 

「ああ、来てくれたんだね……今年も結構な数のノモイモが実ってね、1人じゃ限界があったんだよ。1人でも多くって思ってね」

 

「じゃあ、頭数を増やすのでその分の賃金の上乗せをお願いします」

 

「え?」

 

 ノモイモ掘りをしなければならないが魔法を用いてノモイモ掘りをするわけじゃないと農夫のおじさんは思っている。

 それはそれで別に構わないがとにかく人手が居ると言うのならばと魔導書を取り出して魔法を用いる。

 

「戦隊創造魔法 ガブリボルバー」

 

 獣電戦隊キョウリュウジャーに出てくるガブリボルバーを魔法で作る。

 セットでついてきている獣電池をガブリボルバーの中に装填

 

『ガブリンチョ!フータバイン!』

 

 ガブリボルバーが音声を鳴らしたのでそのまま発射。1人だった俺が一気に10人に増えた。

 コレは割と便利な物だなと思いながらも農夫のおじさんにノモイモ掘りを手伝うと言い、ノモイモ掘りを行う。おじさんと本体を含めれば11人なので思っていた以上にノモイモ掘りは早くに終わった。

 

「いや〜ありがとう。予想以上に早くに終わったよ……ただ、その……料金の上乗せなんだけど、流石に10人分は……給料は1,5人分で、それ以外に市場に回せないノモイモでどうかな」

 

「それプラス貴方が持っている市場のルートの人達に万事屋が開いて予想以上に便利だったと噂を流してくれるならいいですよ」

 

「あ、じゃあ、それで」

 

 農夫のおじさんは支払いがと言うので、取りあえずは1,5人分……今、大事なのは万事屋が開いたと恵外界で知らせることだ。

 まぁ、料金は持って行く……と言うか適正価格が分からねえな……こういう便利屋って基本的には仕事内容で決めるもので支払う代金は向こう側が決めるシステムじゃない。と言うか相手側が値段を決めるシステムならば足元を見る。だから貰うべき物はしっかりと貰う。

 

「金か……やっとちゃんと金が手に入ったか……」

 

 この世界の金をやっとちゃんとした意味でゲット出来た。教会暮らしだから飯とか風呂には困らなかったが個人的に使える金が一切無かった。王族や貴族からすれば端金だろうが、それでもちゃんとした金……纏まってから教会に入れるかそれとも定期的に入れるか……そもそもでこの世界の物価とかそういうのはあまり知らないから……1ユール=1円だから取りあえず一ヶ月働いてどれだけ貯蓄が生まれるか、銀魂の万事屋みたいな素寒貧だけはホントに洒落にならない。

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