ラブライブリスタートシリーズ ロザリオ・レコード   作:しゅみタロス

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第11話 真実と向き合う覚悟は出来たかな?/どうせ誰かが気付いてしまうなら、俺はそれを伝える義務がある。

ジュウウウウウウウウウ!!

 

カッカッ!!

 

鉄板を前にコテでキャベツを炒めながら笑顔な宮下さん。突然俺が通りかかったこのもんじゃ焼きの店で俺は人生相談を条件にタダ飯を食わせて貰う事になった。とはいえ今現在の状況をどう受け止めるかは別として少し軽い話をしているんだが。

 

愛「ちょうどおなか減ったところだから来てくれてよかったよ」

琴鳴「もんじゃ焼きの店でバイトとはな、時間帯的に自宅でご飯食べてるかと思った」

愛「いや、この店自体が愛さんの家なんだよ」

琴鳴「え?マジ?」

愛さん「意外に思うでしょ?実際ゆうゆにも言われた」

 

ジュウウウウウウウウウ!!

 

できあがったもんじゃは音と立てながら鉄板の上で踊る。

 

愛「さあ、食べよ♪」

 

出されたタダ飯を食わざるは学生の恥、俺は今の状況に落ち着きを取り戻すためにもんじゃを食べた。

 

琴鳴「うまいな…………」

 

カウンター席

 

黒服「…………」ウーロン茶を飲む。

 

 

琴鳴「ありがとうございます、タダで食べさせてくれて。ごちそうさま」

愛「別に良いよ、あくまで人助けだから。

 

それより、何があったか教えてくれない?役に立てるかも?」

 

俺は胸の内を晒した。

 

琴鳴「ユニゾンの最終日の後に、俺はファンとしてのあり方に怯えているんだ。俺と虹ヶ咲の距離は近すぎるし干渉も大きい。ただ、単純に応援する立ち位置の俺は結果的に虹ヶ咲の活動に明らかに首を突っ込んでいる。何かに巻き込まれてもおかしくない。これって、許されて良いのかな?」

 

すると宮下さんは答える。

 

愛「ファンとしての距離感って、そんなに大事かな?」

琴鳴「何が言いたい?」

愛「少なくとも、愛さんはファンとか関係なく皆に関わりたい。自分が周りに愛されてるって一番感じるの、近くにいてこそじゃない?だから愛さんはどちらかというと立ち位置的に君と同じ。

 

何も変わらないよ、だって好きならずっといれば良いんだから」

 

この言葉を聞いた俺は、少しだけ心が軽く感じた。

 

琴鳴「そっか、俺だけじゃ無いんだな?」

愛「だから気にする必要ないよ、ナリナリ」

琴鳴「な、なり…………」

愛「親しい人には愛称で呼ぶんだよ。琴鳴君だからナリナリが良いと思った」

琴鳴「ははっ、なんだそれ。まあ、良いけど」

 

 

 

もんじゃ焼きの店を後にした俺は、いつものように自販機前に来た。リアルゴールデンを買うと後ろから人が来る。

 

黒服「不安は解けたかな?」

琴鳴「あ、どうも」

 

黒服の男はコーヒーを買うと開けながら話始めた。

 

黒服「さっきの店、良い店だっただろ」

琴鳴「いたのか?」

黒服「仕事でね、君に少しだけヒントをあげようと思って、君のやったことの秘密について」

琴鳴「俺に、何か秘密があるのか?」

 

黒服はコーヒーを飲みつつ、切り出す。

 

黒服「これは昔話だ、今の時代より少し前。9人の女神の園があった、その中に、女神の1人で傷ついた鳥が、空のゆりかごに身を捧げようとした。誰にも止められなかった。大丈夫だと自分に嘘をつく鳥を……

 

1人の少年は見捨てなかった。

 

真実を打ち明ける事、それを救いと信じた少年は鳥をゆりかごから解放した。その先にある栄光を手にするまで、少年は鳥を支え続けた」

 

琴鳴「それが、どうヒントになるんですか?」

 

黒服「その少年は、嘘を嫌う。だからこそ本心で向き合い、女神の園を築いた。だが、その女神の園が出来る過程で自分の行ってきたモノが自分の意思と同時に、ある種の崇高な資質がそうさせてるとしたら?」

 

琴鳴「!!」

 

ここで少し、思い当たる節が見つかる。

 

琴鳴「そもそもなんで、俺はスクールアイドル同好会にここまで特別に考えていたんだ?」

 

黒服はニヤリとする。

 

黒服「それが君の抱える本当の力だ、スクールアイドルと惹かれ合い、導くことの出来る素質。

 

人はそれを、王の意思と呼ぶ」

 

琴鳴「俺が、王様…………」

 

黒服は最後に聞いた。

 

黒服「さて、君はどうしたいのかな?」

 

 

今まで気付かなかった、俺の訳のわからない行い。その意味がわかった今なら、

 

決断は一つ。

 

琴鳴「王様になる、歩夢とみんなのために」

 

黒服「大事な人の所へ向かうといい、スクフェスで、自分の真実を伝えるんだ」

琴鳴「おい、待て。

 

あんた、何者なんだ?」

 

黒服は去り際に答えた。

 

黒服「スクフェスで、会えるのを楽しみにしている」

 

俺は黒服を見届けると2人に連絡した。

 

 

ダイバーシティ

 

琴鳴「昨日はごめん、心配かけた」

歩夢「ようやく決心したんだね」

侑「それで、スクフェスに出てくれるってホント」

琴鳴「伝えなきゃいけないことは、伝えるべきだ。俺は何も恐れない、自分のやってきた事の意味。ようやくわかったから」

 

2人はそれを聞くと手を重ねる。

 

歩夢「何があっても離れない。ステージでの琴鳴君は私が守るから」

 

高咲さんは答える。

 

侑「開催は3日後、それまでに伝えるべき事。全部まとめて」

 

 

全てが、覆る。

 

 

 




次回、スクフェス開始。どうもありがとうございました。
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