ラブライブリスタートシリーズ ロザリオ・レコード 作:しゅみタロス
涼助「でも、今後のシナリオにも響くから出来れば見て欲しい。ではスタート」
歩夢side
昼下がりの虹ヶ咲のスクールアイドル同好会部室。そこでは本来なら起きないはずの対立が起きていた。来月10月のスクールアイドルフェスティバルを控え、それぞれ準備が行われて、ステージも完成間近のその時だった。
事件が起きたのは…………
かすみ「どういうことですか!!DiverDivaのメンバーが革命派に下るって!!」
侑「うん、ランジュちゃんとこの前話し合いがあってね。革命派のスクールアイドルフェスティバル参加の条件として2人をメンバーとして貸し出すことになったんだ。どうしても譲れない事だったから結果的にOK出したんだけど」
しずく「わざわざそんなことしなくてもスクフェスに虹ヶ咲のスクールアイドル同好会として出れば良いのになんで…………」
璃奈「いや、革命派と私たちは少なくとも別だよ。どちらにしてもスクールアイドルとして目標もやり方もまるで違う」
エマ「じゃあ、2人とも帰ってこないのかなあ」
せつ菜「2人もいてこその私たちなのに」
侑「とりあえず、2人はリバースに預けたけど。悪いことになってないかなぁ」
彼方「杞憂だと、良いんだけどね…………」
私は話を聞きながら、ただ心を無にするようにしてた。悲しくない、そう思いながら。
ガチャ
侑「歩夢?」
無言で振り向かずに部室を離れる、縋るように出てきた言葉は…………
歩夢「琴鳴君…………」
ただ、それだけだった。
琴鳴side
夕方 琴鳴の自宅
ジュー
歩夢「…………」
ガチャガチャ
デジタル時計を修理をしながら俺はふと思う、今日の上原さんの様子がおかしい事に。いつもなら笑顔で俺に料理を出してくれるが今回は笑っていない。だが俺はなんとなく気付いている。おそらく革命派の事だろう。とはいえ触れるべきかはまだ考えようと……
ポスッ!!
琴鳴「…………」
突然、俺の肩に寄りかかる。心なしか、寂しさを纏いながら。
琴鳴「何か、あったのか?」
歩夢「ごめん、琴鳴君。琴鳴君の望んだスクールアイドル同好会が、消えちゃうかもしれない…………私の見つけた輝き、全部革命派に奪われちゃうかも…………DiverDivaの2人がいなくなって、革命派になって…………皆不安を抱えてる。
お願い…………皆を…………私を…………助けて…………」
俺の知らないうちに、上原さんは泣いていた。どうやら、向き合うときが来てしまったみたいだ。俺は
上原さんを…………
琴鳴「助ける」
歩夢「!」
琴鳴「必ず、助けるよ。だから、泣かないでくれ。自分らしく、前に進め」
俺は、動き出した。
その夜
琴鳴「ハアハアハアハアハア」
全速力で夜の街を走る、目の前に現れたのは倉阪電気高校の寮。俺は階段を駆け上がり、103号室のインターホンを鳴らした。
観友「おお、琴鳴先輩。どうしたんスか?」
琴鳴「ちょっとやって欲しいことがある」
観友「へ?」
俺は事情を説明した。
観友「マジッスか、愛さんが果林先輩と革命派に…………」
琴鳴「ある意味で引き抜きだな、2人が革命派に下った事は今後のスクールアイドル同好会のキャリアをおそらく全部否定することになる。要は踏み台だ」
観友「それを止めるにはどうすれば…………」
琴鳴「この事件を解決する鍵を持ってるヤツがいる、ミア・テイラーだ。彼女と出会う事が出来ればおそらく」
観友「あ、あのさ、涼助先輩と今まで黙ってたことがあるんスけど…………」
琴鳴「何か?」
観友「パソコン、見てください」
そう言うとデスクトップに案内され、江沢はディスクを挿入するとソフトを起動する。
琴鳴「
観友「涼助先輩と2人で組んでたアイドル専門の超高性能検索エンジン、アイドル関係ならありとあらゆる情報をリアルタイムで閲覧出来る。当然、アイドルの連絡先も」
琴鳴「使いようによってはそこそこ危ねえぞ!!それ!!」
アイドルの個人情報や関連アーカイブにアクセス可能とか犯罪的な匂いしかしないぞ。このソフトのことは周囲には黙っておこう。マジで。
観友「見つかった、すぐに連絡してくださいッス」
琴鳴「ありがとう」
電話をかけると俺は江沢の部屋を出て走り出した。
フェリー乗り場前
ミア「話は聞いたよ、ランジュを止めたいんだって」
琴鳴「ああ、大切な人が泣いてる。こんなのフェアじゃ無い」
ミア「そうだね、と言うより、僕の連絡先がよくわかったね」
琴鳴「それなりの協力者がいてな。少し助けて貰った」
ミア「倉阪の人間?それともハッカーか何か?」
琴鳴「ご想像にお任せするよ、この件には関係ないヤツだ」
ミアはポケットに手を付け、金属ケースを取り出す。
ミア「一本咥えながら話そう」
琴鳴「タバコ!!未成年なのに!!」
ミア「ココアシガレットだ、タバコじゃ無い」
琴鳴「ああ、それなら…………」
紛らわしい会話をしつつ一本口に咥えた。
琴鳴「それで、どうやったらランジュを止められるんだ?ミアさんの言う理解者って言うのも関係あるのか?」
ミア「その理解者に君はなる気があるの?」
琴鳴「受け入れるさ、それがリバースのためになるなら」
ミアさんはココアシガレットを口から離すと語り始めた。
ミア「ランジュは生まれながらに自由に愛されていた。家庭も家族も、やりたいことも、何もかもが全て叶った。それを肯定できるのはランジュの父親だった。とはいえ今は離婚してランジュは母親の子だけど。それでも、ランジュの掲げる自由は消えなかった。ランジュはその恵まれた立ち位置から中学でネットアイドル活動を始めた。一時期はL4クリエイツに所属するほどの人気を勝ち取り、今のシンフォニクスへと続いている。でも、その裏にはランジュ自身の闇も生まれていたんだ。
ランジュは自由を享受しすぎた故に、本当の意味で自分の理解者、つまりは自分に対して真剣に怒ってくれる特別な存在を求めるに至る。僕にはその立ち位置にはなれない。
だからこそ、僕は君に頼みたい。王様である君が、ランジュに怒って欲しい。それがランジュを救うことになる」
ランジュの望み、蓋を開けてみれば意外にも年頃らしいけど、怒ってるくれる事を理解すると言うのは何気に難しい事に感じる。怒られたことが無いって事は少し特殊な環境だが、それがランジュの望みなら。
琴鳴「わかった、その役目、俺がやる。ランジュの理解者になってやる」
ミア「そのためにも、君にはまだやることがあるんじゃないか?」
琴鳴「スクールアイドルフェスティバルまであと3日。最大限の事はする。
ありがとう、行くよ、俺」
ミア「頼むよ、信じてる」
拳を合わせ、俺は走り出すと準備中の虹ヶ咲に向かった。
侑「どうしたの?話って?」
せつ菜「急ぎみたいですけど?」
琴鳴「用があるのは2人じゃ無い、生徒会長、中川菜々と、音楽家、高咲侑だ」
侑・せつ菜「???」
事情を説明した後、俺は走り回って疲れた身体で自販機に向かう。すると…………
心咲「琴鳴君、お疲れ様」
琴鳴「心咲さん」
その言葉と同時にリアルゴールデンを渡され、俺は缶を開けて一気飲みした。
心咲「ミアちゃんから話は聞いたよ、ホントにやるんだね?」
琴鳴「俺の望んで創造した楽園、汚すわけにはいかないから」
心咲「それが、もし自分の全てを捧げることになってもかい?」
琴鳴「それが、俺の選択だから…………」
心咲さんは立ち上がると去って行く。
心咲「君にその気があるなら、後ろは守る。また、会おう」
やるんだ、上原さんの為に。
その頃ランジュは
嵐珠「もしもし、シエル?ちょっと頼みたい事があるんだけど?」
次回、スクフェス開催!!
どうもありがとうございました。