ラブライブリスタートシリーズ ロザリオ・レコード 作:しゅみタロス
侑「じゃあ、段取りはもう覚えたね?」
琴鳴「いつでもいける、このライブでトリを飾る前のグループがリバースだ。チャンスはそこにしかない」
ステージの進む中で俺は高咲さんと最後の打ち合わせをしていた。当面の間世間に晒される覚悟の生放送の大乱入、高咲さんもエンタメ重視で話を聞いてくれたため、事が進んで助かった。でも当然大規模な問題行動な事もあり、場合によってはシンフォニクスのプロジェクトに干渉する可能性すらある。俺の言う後に戻れない選択とはこういう世間の目にどう映るかわからない自爆覚悟の選択だった。
だが、虹ヶ咲も革命派も両方救うにはこれしかない。手段を選んでる暇は無いんだ。
侑「琴鳴君がマイクを掴んだら、私がステージ上に出る。ピアノが弾かれるのは10秒後、問題ないね」
琴鳴「それでいい、演出も見せて貰ったけど急遽用意して貰ったとは言え十分の行くモノだった。抜かりは無い」
侑「他に必要なことある?」
琴鳴「それなら一つ、会っておきたい人が」
楽屋
愛「来てくれたんだね。ナリナリ」
果林「ごめんなさい、何も言わずに」
琴鳴「別に気にしてないよ、ただ2人に伝えたいことがあって来たんだ」
愛「話してみてよ、いくらでも受け止めるよ」
俺は胸の内を告げた。
琴鳴「俺は、大事なモノを見つけたんだ。その大事なモノを守るためにリバースを救うことにした。
2人には、リバースのことは何があっても手を出さないで欲しい。これは、俺の役目だから」
話を聞いた宮下さんと朝香先輩は安心した顔をする。
愛「ナリナリの事だから、とっても大事なことなんだよね。愛さんは信じるから、どんとやってよ!!」
果林「あなただからこそ出来る事、それなら存分にやりなさい。
私のなれなかった王様」
琴鳴「ありがとう、後で会おう」
俺は楽屋を離れると直ぐにステージに向かった。
夕方 多くのスクールアイドルが活躍した。その果てにその時は来た。
ワアアアアアアア!!
嵐珠「皆、待ってたわ!!ついにランジュたちリバースがこの祭典に立つのを!!」
ミア「僕たちを応援してくれるベイビーちゃんたちに」
栞子「私たちがこのライブに花を添えましょう」
愛「応援してくれる皆に~」
果林「最大のハピネスを送るわ!!」
ガタン!!
嵐珠「えっ?」
琴鳴「待て、ここからは俺とランジュだけの世界だ」
照明は落され、暗闇の中に光が灯る。突然の出来事に会場のファンはどよめき始めた。
周囲のテレビ局も俺に目線を向ける。読み通りだ。
琴鳴「革命派として、スクールアイドルの素質を持ちながら、何故俺の虹ヶ咲のスクールアイドル同好会とわかり合わなかった?挙げ句、2人を引き抜くなんて」
嵐珠「ランジュにはランジュの目指すモノがある。琴鳴、そう言うあなたこそあるんじゃ無いかしら?譲れないモノが」
琴鳴「そうだな、譲れないモノなら二つある。でもその片方は、あなたに他ならない」
嵐珠「それなら、ランジュもそれを貫く権利はあるに決まってるわ。そのためなら…………」
琴鳴「何も知らない仲間を好きに出来るわけ無いだろ!!」
嵐珠「!!!!」
琴鳴「俺が、どんな思いで虹ヶ咲のスクールアイドルと関わってきたかわかってないくせに、わかったつもりで自分の行いを偽るな!!
ランジュ!!お前が本当に欲しかった自由は!!革命は!!一体何だったんだ!!」
自ら吐き出した怒りの言葉は、思いつく限りコレしか無かった。
答えてくれ、ランジュ。
嵐珠「ランジュは、ランジュの望んだ革命は…………
全部、誰かに1人ぐらいには、想いをぶつけて否定して欲しかった。
それが、その1人になれるのは、王様しかいなかった。あなたという王様に、だから虹ヶ咲のこと知ろうともしなかった。結局、間違いだったのね」
伝わった、それなら、後は残すことをやるまでだ。俺は腰のホルダーからマイクを取り出す。
琴鳴「理解できないなら理解させる、ランジュのやり方は強引だけどせめてそこぐらいは尊重しよう、
理解者として」
すると観客席中央にピアノが現れ、そこに高咲さんが現れた。
ピアノがゆっくりと、音を響かせ、ステージ上には王宮が出現する。
琴鳴「これが、俺の歌だ!!」
琴鳴・歌「生まれながらに特別なんてそんなのただの幻想に過ぎない。
無意味な優しさ全てを手に入れほんとの愛さえ忘れてしまう。
苦しさ 抑える様に息をして
ホントの自分の意味を探す
求めた 誰かの声を 響き伝える
俺が今 君を受け入れる。
後悔はさせない
守り続けるよ その手掴んで
苦しみ痛む華の 儚さを胸に
生きるは 続いてく運命
もう一度光を
宿るは優しい 君の未来を」
ワアアアアアアア!!
歌い終わると、歓声の中で手を挙げる。その瞬間…………
バッ!!
琴鳴「ッ!!」
突然、ランジュに抱きしめられる。多くの人が見る前で…………
嵐珠「ありがとう、琴鳴のおかげで、欲しかったモノ、手に入ったわ」
琴鳴「ああ、俺も向き合い続ける。ランジュも皆も」
ワアアアアアアア!!
この出来事は、後の世で革命派事変と呼ばれ、運命が動き出した瞬間だった。