ラブライブリスタートシリーズ ロザリオ・レコード 作:しゅみタロス
12月 静岡 沼津
歩夢「ここが沼津、琴鳴君の言うとおり良いところだね」
琴鳴「自然と都市部の混在する静岡の名所、俺の故郷だ」
12月の冬休み、俺は上原さんを連れて故郷の沼津に帰省していた。都市部の少し奥まった部分ではあるものの多くの店と自然にあふれた心地の良い空間。そんな一角にある、町工場の道を辿っていく。見えてきたのは久々に帰ってきた実家だ。
歩夢「おもちゃ屋さんなんだね、ちょっと微笑ましい」
琴鳴「おおよそ俺のメカマニアのルーツ、わかるだろ」
歩夢「そうだ」
琴鳴「住居は後ろだ、店の裏に扉がある」
俺はインターホンを押すと扉が開く。
???「おおーーー帰ってきたかーーー!!」
歩夢「わああ!!」
琴鳴「帰ってきて早々何で薄着なんだよ!!今、冬だろ」
???「だってさっきまでサウナ入ってたんだよ」
琴鳴「サウナって、また新しくスマーティー買ったのかよ。
勘弁してくれ母さん」
歩夢「え、お母さん!!」
そう、この薄着の金髪ガサツ女こそ俺の母さんだ。
玉藻「はーい、母の宮厨玉藻でーす♪あゆむんの話は聞いてるよ」
歩夢「あゆむん…………」
距離感ダイレクトに詰められて困ってる。と言うより母さんの存在が俺とのギャップありまくりなのは否定しないが。
玉藻「さあ、入って入って~。色々準備は済んでるから後はお好きなように」
歩夢「はい、失礼します」
リビングに入ると1人の後ろ姿が眼に入る。
琴鳴「ただいま、父さん」
歩夢「初めまして」
振り向くと、その姿は…………
???「お帰り、コト。それと初めまして、上原さん」
歩夢「こ、琴鳴君が2人!!」
琴鳴「髪型以外はな」
???「父の
琴鳴「俺の機械いじりの師匠だ」
すると後ろから…………
玉藻「それにしても驚いたわ、まさか琴鳴がアイドル手籠めにしてるなんて」
琴鳴「誤解にもほどがあるわ!!」
正色「でもきちんと仲の良いと言える女性がいるというのは人生の良いスパイスになるよ」
玉藻「じゃあ、今日はお祝いでパーッと良こう!!」
歩夢「はい、よろしくお願いします」
その後、俺の部屋に案内するとそこに荷物を置いて布団を出した。
琴鳴「あ、あのさ」
歩夢「何?」
琴鳴「俺と一緒に寝るの、抵抗あるなら、別にしても…………」
歩夢「そう言うの、聞いちゃダメな質問だから」
琴鳴「悪い、でも」
歩夢「聞かなくても答えは当然、良いよ。一緒でも」
どうやら杞憂だったらしい。
その夜
玉藻「静岡おでんで祭りだあああああ!!!!」
鍋の中に詰め込まれた真っ黒のおでん、これが静岡おでん、俺の大好物だ。
歩夢「本当に真っ黒だ、テレビで見たときよりすごい」
琴鳴「うまいから食ってみなよ、ハマるから」
黒く染まった大根を食べる上原さん、気に入ってくれるだろうか?
歩夢「熱いけどおいしい」
琴鳴「それならよかった」
玉藻 ゴクゴクゴク「あーーーーやっぱおでんにストゼロ最強だわーーーー!!」
正色「玉藻ちゃん、息子が帰って早々ストゼロで羽目を外すのはちょっと…………」
歩夢「フフっ」
この夫婦仲には少し戸惑いつつも楽しんでくれてるみたいだった。
自室に戻るとお互いに布団に入る、新幹線での長旅を癒やすためにも…………
なんて、眠れるはずない。布団でお互い背を向け合ったまま終始無言、なんかこの状況で一夜明かすなんてちょっともったいない気が…………
歩夢「あ、あの、一つ、聞いてもいい?」
琴鳴「な、何か」
歩夢「琴鳴君は、
私をなんで連れてきたの?」
少しだけ、胸の内の欲望を肯定することにした。
琴鳴「1人にしたく無かった」
歩夢「え?」
琴鳴「離れてる間の時間が嫌だったんだ、近くにいると安心できて、俺の心に寄り添ってくれる。その心地よさを知ってるから。近くにいて欲しかった」
歩夢「~~~~~♡」
琴鳴「上原さん?」
歩夢「ごめん、見ないで~」
琴鳴「なんだろう?すっごい見たい」
その顔はとても興奮したので撮ってスマホに保存した。
翌朝
リンリンリンリンリンリンリンリンリンリン カチャ
スマホのアラームの外し、眼を擦ると…………
歩夢「あ…………ああ…………」
ランジェリーがはだけた上原さんの姿が…………
琴鳴「ご、ごごごごごめん!!」
直ぐに部屋を出ると俺は扉の前で心頭滅却を繰り返した。そしてドアから
歩夢「もう良いよ、ごめんね」
扉を開けると、スマホを手にする。
琴鳴「着替えるのならせめて場所は考えてくれ」
歩夢「いや、確かにそうだけど…………琴鳴君に見られるのは、嫌じゃない」
琴鳴君「!!」
見ても良いのか?ただそれを真に受けたら多分俺は…………
琴鳴「ごめん、暴走する未来しか見えないし、後には戻れなくなる気がする。だから…………
それは、その時に」
覚悟はとうに決まっている。この冬の間が…………
俺の運命を決める、必ず、歩夢を…………