もしかして:転生者   作:イロハニホテプ

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幼年期
第1話「転生したけど質問ある?」


 

 

 

 

 

どうやら俺は転生したらしい。俺はこのことを飲み込むのに一ヶ月ほどかかった。が、いざ思えば心機一転。転生したってことは、人生のやり直しができるってことだ。生後一月の赤子がこんなことを考えても意味はないがな。

ここはとにかく日本ではないようで、おそらく外国。とりあえず今は言語の理解に努めている。まあ、まったく分からんが。

 

 

---

 

 

そこから半年ほどたった。

 

半年前には、できる訳がない……!という気持ちになっていたが、日常的に聞いていると、結構意味が分かってきた。体が未発達だからまだ喋れないが、今でも日常会話くらいはこなせると思う。俺すげー。

 

俺の名前はヨエルっていうらしい。中性的で、俺的には結構ありな名前。

ちなみに今世でも性別は男だ。性転換なんてとんでもない。もししていたら、それはそれで良かったかもだが。

 

ハイハイができるようになったので、最近は家の探索も始めた。その結果、我が家はそこまで裕福な家庭ではないというのが発覚した。

 

俺の住んでいる家は茅葺き屋根の平家で、中は土間とフローリングの2つのフロアがちょっとした壁で仕切られていて、基本は土間で炊事や食事、その他雑事をし、寝室となっているフローリングの部屋で寝る。そんな感じとなっている。

そして勘のいい諸君なら気づいていることだろうが、なんと、この家にはガス、水道、電気が配備されていないのである。

 

これには流石に俺も絶望しそうになった。こんな文明レベルだと、ネットなど望むべくもないだろう。

まあ、外を見れば長閑な田園風景で、そういう国なんだと、それで納得したが。

最悪成人したら家を出て、日本に移住したらいいしな。

 

 

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俺は2歳になった。

 

 

吾輩はヨエルである、性はない。なんてな。

 

この前、水たまりで外見を確認したのだが、こんな感じだった。

灰色の髪と灰色の目、男にしては長めの髪。両親の顔面偏差値が割と高いので、将来イケメンに成長できるかもしれない。

 

2歳になると地に足つけて歩けるようになって、家の外で遊んだりもした。遊ぶといっても、走ったり、木の枝を使った落書きをするなどの、体づくりの側面が強いものだ。

 

遊ぶのなら、友達も欲しいところ。前世では、終身名誉ぼっちのまま人生を終えてしまったし、今世では友達いっぱい作りたいな。

友達100人できるかな、的な。

 

……少し発想が子供っぽい気がしなくもない。もしかすると、精神が体に引っ張られているのかもしれない。

 

それに、友達と一緒に彼女もできるといいかもな。ゆくゆくは友達とカップル同士で遊ぶとか、リア充的なこともやってみたい。

もっとも、現在はただの妄想に過ぎないのだが。

 

 

今日も今日とて俺は遊んだり、親の仕事についていったりしている。家でできることはあまりない。何せこの家、本や玩具などがないからな。

 

俺の今世の両親の仕事は父が森の警備と、母が農作業及び家事である。

母は家の周りの畑を管理していて、麦などを栽培しているとか。

父の仕事なのだが、父は寛黙な人間で、詳しくは教えてくれなかった。「危ないからついてくるな」と同伴も禁止されている。まあ、成長したら連れていってくれるだろう。

気の向くままにのんべんだらりと過ごしていれば、時間くらいすぐに経つだろ。

 

そんな風に考えていた俺に衝撃が走ったのは、今日の夕方くらいだっただろうか。

 

なんと、母が『魔法』を使ったのである。な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺もよく分からん。

それは母が夕食を作り始めるかというときだった。

 

 

---

 

 

今日はたまたま、いつも火をつけるために使っているマッチが切れていたそうで、

 

「うーん、どうしようかな」

 

エプロン姿の母は、困ったような素振りを見せていた。

 

俺の母はかなりの幼妻で、俺の目測で18歳前後といったところだろうか。そのためその外見は、『女性』と表すのではなく、『少女』と表すのが正しいくらいの、まだ幼さを感じさせる体つきをしている。

ロリ妻とか、俺の父もいい趣味してるよな。これで一児の母なんだぜ。俺が大人になっても子供産めるだろ、これ。

 

「かなり久々に使うけど、やっちゃいますか!」

 

腕をまくりながらそんなことを言った可愛い母を、俺は微笑ましく見ていたのだが

 

「汝の求める所に大いなる炎の加護あらん、勇猛なる灯火の熱さを今ここに——」

 

……は?え?母は唐突に詠唱を始めた。俺の脳みそは、その情報で機能を停止しかけたのだが、なんとか立て直し、情報を噛み砕いた。そして、詠唱の内容から考えて、導き出される結果は——

 

「『火球弾(ファイアボール)』!」

 

かまどに、火がついた。

 

 

---

 

 

どうやらここは異世界、剣と魔法のファンタジーな世界だったらしい。

突然明かされた衝撃の事実に面食らう俺。まさか自分が異世界転生とは。

 

 

……これからどうしていこうか。

 

異世界、魔法ときたら、俺の中では『冒険』が次にくる言葉だが……

 

うん。冒険者になろう。

 

RPGのように、魔物と戦ったり、迷宮を探索したり、時には熱いドラマも。

そんな、俺が日夜想像し、しかし想像の域を出なかったロマン溢れる世界が目の前にあるのだ。

そこに、俺も飛び込むのだ。

 

……結構テンション上がってきたな。

俺は静かにテンションを上げるタイプだ。

せっかくだからな、よし、今ここに宣言でもしよう。

 

「俺は冒険者になる」

 

もうすっかり聞き慣れた自分のショタボから、そんな言葉が零れる。

おそらくこの宣言を聞いている人間はこの場にはいないだろうし、わざわざ声に出して宣言する必要まで、なかったかもしれない。

だが、声に出すことが大事なのだ。

 

今からその第一歩を踏み出そう。

 

 

俺は今家の外にいる。これから何をするかというと、魔法を使うのだ。

目標を見つけたら、まずは行動に移す。これ鉄則。やる気があるうちに行動に移していかないと、結局なあなあになってしまうからな。(n敗)

 

しかし、俺にとって人生初の、初めての魔法。実に緊張する……

いや、せっかくの初体験だ。気合い入れていなかいとな。

 

俺は母が詠唱していた言葉を思い出し、なぞるように詠唱を始めた。

 

使う魔法は火球弾。

 

「汝の求める所に大いなる炎の加護あらん!勇猛なる灯火の熱さを!今ここに!」

 

俺は万感の思いを込め、詠唱の一節一節に力を入れて、噛み締めるように詠唱した。

 

手のひらに、握り拳くらいの大きさの火球が生成される。

 

そして——————

 

 

 

 

 

 

「ヨエル〜、ご飯だよ〜」

 

あ、はい、すぐ行きます。

 

「今行くねー!」

 

 

………明日から頑張ろう‼︎

 

俺の異世界生活は、ここからスタートしたのだ。

 

 

 

 

 




まだまだ文字数が少ないですが、これから増やしていきたい所存です。

ちなみにヨエルの母が魔術を使えたのは冒険者上がりだからで、ゼニスとパウロのように子供を身籠ったので、村に戻って働くようになった。という感じです。

あと魔法って言わせてるのはわざとです。
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