もしかして:転生者 作:イロハニホテプ
俺は魔法の魅力に魅入られ、魔法の練習を始める事にした。
一人で。
俺は母に、魔法についてを質問ぜめして、根掘り葉掘り聞こうとは思わなかった。それは、2歳の子どもが急に魔法に興味をもつというのは、不自然じゃないかと感じたからだ。
日和っていると言われても反論できないかもしれないが、なにせリスク管理は大事だ。
「魔法教えてクレメンス」
「なんやこいつ……もしかして転生者か⁉︎殺す!」
こんなことになったらシャレにならない。何度も言うが、リスク管理は大事。
俺はそれができなかったから、前世を棒に振ったしたんだろし。
ということで、俺は母が使っていた『
実はあの後、火球弾だけでは火力が足りずに、母が慌てて衝撃波を使ったという一幕があったのだ。
まあ、俺が練習に使うのは衝撃波がメインになるだろう。火球弾で引火でもしたら危ないからな。
あんたの失敗は無駄になってなかったんだぜ、マイマザー。
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魔法の練習を始めてから半年ほど経過した。
半年間、ほぼ毎日魔法の練習をしていただけあってか、俺はかなりこの世界の魔法というのに詳しくなったと思う。
まず一つ、詠唱を破棄しても魔法が使えるようになったのである。
ある日、いつものように魔法を使っていたら、いつのまにか詠唱が必要なくなっていたのだ。
俺は魔法の詠唱必要派だったのだが、詠唱しなくていいことの便利さにふれると、詠唱無し派に寝返ってしまった。
前世で語り合ったネッ友……ごめん。この便利さを知っちゃて私もう、戻れなくなっちゃた……♡
茶番はほどほどにして。
この世界の魔法使いは熟練度が上がると詠唱が必要なくなるのだろうか?
ではなぜ、母はわざわざ詠唱したのか?
疑問は絶えない。俺は頭を振り絞って考えたのだが……
……気合いを入れるためだろうか。
俺の頭脳では、これ以上の結論に至ることはできなかった。
二つ目、魔法を使えば使うほど魔力?が増加していった。
これはなかなかいい要素だった。使えば使うほど、自分が成長している感覚を実感できる。これは楽しくてたまらない。
ばんばん魔法使っちゃうもんね。
またまた疑問。
俺以外の比較対象がいないからわからないが、増加幅は人によって変わるのだろうか。
まあ、これを知る方法は単純明快。俺みたいに2歳から魔法を使っていたやつを見つければいい。なかなか名案だ。
この世にそんな奴がいないであろう事を除けば、だが。
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3歳になった。
最近、俺はある技術を習得した。
俺は無詠唱で衝撃波を放つ。狙いは目の前の木。が、これはただの衝撃波ではない。
木に着弾したと思うと、ガッと削れた音を鳴らして、木には横薙ぎに斬られたような跡がついた。
魔法の形を変化させて自由に使えるようになったのである。
衝撃波とは本来、名前の通り衝撃波を飛ばす魔法なのだが、俺はそこに「斬る」というイメージを加えて魔法を使ったのだ。
それにより、衝撃波は斬撃へと変化し、木に傷跡を残した。
この技によって俺の魔法のレパートリーというのは大幅に増加した。
もしかして俺って結構強いのでは?そういう慢心が生まれるほどに。
いや、落ち着け落ち着け。そう思ってたらすぐ死ぬからな。
俺はかませキャラになる気はさらさらないのだ。
それと、俺が習得したのはそれだけではない。
身体強化魔法も習得したのである。だがこの魔法には欠点があった。
強化倍率が低すぎるのである。
初めて使ったときは、オーラを纏っているような感覚がして、念◯力みたいで興奮したのだが、実際は使っても使わなくても変わらないのではないかとすら思わせるほどのポンコツ。
俺はその原因を数週間ほど考え、とある結論に帰結した。
身体強化魔法は体を鍛えることで強化の倍率が上がっていくのでは?
は?魔法なのに?と思うだろう。俺もそう思った。
だが現実は非常である。やってみると、強化倍率が確かに上がった感じがした。
筋トレ自体に面倒臭いというイメージは持ちつつも、やりたくないという訳ではない。剣士のジョブも取っておきたいからな。
でもなぁ、なんとか筋トレ以外で強化倍率を上げることはできないのか……
あ、いいこと思いついたかもしれない。
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4歳になった。
俺はここ1年間、思いついたことを実現するために試行錯誤をしていたのだが、ついに成功した。
その力をとくと見よ!
俺は集中した。
集中して集中して集中して集中して集中して——
俺の体は風を纏った。
これだ。魔法を纏う技。名付けて『魔装術』。
俺は魔装術で風を纏うことで、疾風のような速さを得ることに成功した。
ようやった俺。
最初は魔法を変化させて、身体強化魔法みたいに体に纏ってみたらどうだろうか?
という思いつきからやってみたものの、身体強化魔法のオーラを纏うような感覚を、魔法に置き換えて再現するというのはかなりの苦行だった。
そして、もう一つ副産物としてできた技もある。
俺は足元に落ちていた枝を拾う。そして枝に風魔法を纏わせた。
風が吹き荒れる枝を投擲。枝はヒュンと風切り音をたて、目の前の木に突き刺さる。
これが魔装術の応用『
体に魔法を纏う魔装術の技術を応用して、自分以外のものに纏わせる技。
纏わせる魔法によってもたらす効果は多岐に渡る……はず。
再三言うのだが、これら2つの技を習得するのは本当に、本当にきつかった。
……だけどなぁ、これにも欠点があったんだよなぁ。
これらの技は魔力を物凄く消費するのである。
使うとたったの10分で魔力が切れる。短ぇ。
なので、この技は必殺技として封印することにした。だがもちろん実用化は諦めていない。
いつかは使えるはずだ。
ちなみに筋トレも始めていて、身体強化魔法の倍率も、違いがわかる程度に上がった。
まあ、これが1年の成果だな。
これからは技の実用化を目指して精進だ。
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5歳になった。
5歳になったときに、俺の家でささやかなパーティーが行われた。
この世界では5歳、10歳、15歳の節目ごとに祝うようで、俺はパーティーの御馳走に舌鼓をを打った。
特に嬉しかったのは、甘いものが沢山食べられたことだ。少なくとも、俺の家庭では甘味というのは貴重で、あまり食べられなかったからな。
5歳……もう5年も経ったのか。長いようで短い年月だった。
ああ、あとここ最近この辺を管理している下級貴族のパウロ・グレイラットって人の子供が魔術を習っていたらしい。(魔法じゃなくて魔術だった。はずかし)
病弱で家からなかなか出ない、という噂もあったそうだが、最近はよく外にいるところを見かけるそうだ。
それで、俺は……
会いに行ってみよう。
そう、思ったのだ。