IS‐インフィニット・ストラトス‐ 木蓮を追う黒い鳥 作:sterben
本当はとある作品に影響をうけました。
衝動的にやった。いまでは公開している。
尚、作者はAC歴ACVDのみです。あしからず。
射撃? 捨てましたよそんなの。
『最新型が負ける訳ねぇだろ! いくぞおおぁぁあ!!』
幾多の戦場を駆けてきた。
『火力頼みの馬鹿どもが多すぎる 誇りある強さこそに、価値があるというのに』
生き残る為。ただそれだけの為に、数え切れない敵を堕としてきた。
『死ぬのは嫌なんでね 悪いが、アンタが死んでくれると助かる』
どうしようもないクズがいた、自分と同じ奴がいた、中にはいつか味方だった奴もいた。
『クソ傭兵が! ブッ殺してやる!!』
いつしか夢の中でも戦場に立っていた。
現実で敵を堕とす度に、夢の中の戦場に敵が増えた。
『ただの傭兵、そういう風にはもう生きられん時代か』
それでも、生き残ってきた。ただ生きたかったから。
生き残る為に、心は鋼で覆いこんだ。
『さよなら、これでよかったのよ』
――初めて、「死にたい」と思った。
某国の研究所。その主任室にて、二人の男女が話をしている。
「主任、【Project-M2】の途中報告書が提出されました」
「ほう、内容は?」
「M1の方は、ヘッド、コア、アーム、レッグ、以上のパーツの開発及び連結作業が完了したようです。又、武装の方も工程の85%は終了したとの事です」
「予定より随分と早いな」
「ですが、主武装であるレーザーライフルの開発に手間を取っているようです。それさえ完成してしまえば、M1の開発工程は終了します」
「急がせろ。金に関しては気にしなくていい。今回のオーナーはよく金を吐き出すからな」
「ではその様に。続いてM2の方ですが、開発が予定より遅れています」
「何故だ、と言っても、やはりあれか」
「はい。機体の各パーツ、内装、武装、全ての工程は100%で終了しています。ですが、一点だけ、機体を動かすAIの完成にてこずっている様で」
「やはり難しいか。なら先にM1の完成を急がせろ。M2のAIは後でも構わん。オーナーが見に来た時、M1が完璧に動くのであれば大きく口はださんだろう」
「了解しました。それでは失礼します」
「ああ」
スーツ姿の女性が部屋から出て行く。
研究所に似つかないオフィスビルの一室のように綺麗な主任室には、その主たる者だけだ残された。
「とある遺跡の中にあった正体不明の武器をISの装備に流用し、それを専用に扱う無人ISの開発。ねぇ」
バサッ、とデスクに放り出される紙の束。先の女性が持ってきた途中報告書だ。
「M1の武器の方は確かに目を見張るものだ。この威力は既存のIS装備のそれを大きく上回っている。無人ISのサイティング性能で使用すれば想像通りの戦果を得られるだろう。しかし、このM2の装備は無人ISに扱わせるには……。最悪、M2に関しては凍結処理があるかもしれんな」
デスクの上で電子音が鳴る。備え付けの電話、内線のようだ。
主任は受話器を取り、耳に当てる。
『主任、今よろしいですか?』
「キャロルか、どうした」
『オーナーが、近々そちらに収穫の時期を見に行きたいと』
「分かった。電話を此方に回せ」
『了解しました。繋げます』
ここはどこだ?
目覚めた時、最初に感じたのは違和感だった。
目の前の風景は見るも無残に破壊されている。電気は明滅し、電線がむき出しになっているところは千切れて火花を散らしている。
白衣を着たナニかと作業服を着たナニかが大量に転がっている。溶けて、潰されて、バラバラになっている。
壁も所々溶けている。弾痕の形で溶けているそれらを見るに、科学的な処理をされている弾をばら撒かれたのだろう。
そして出口か、はたまた入り口か。どちらでも構わないが、その部分には大きな破壊の後が見られる。扉の向こうにあったであろう通路が、まるでトンネルの様に抉り抜かれている。
どういう状況なのか。
まったく理解が及ばない。自分はなぜこんなところに立っているのだろうか。
見渡せば、後ろには破壊の傷跡がないのが分かる。そして自分の真後ろにあるディスプレイには、こう表示されていた。
ISPM02-Mercenary
そこから先は難しい言葉や数列が並んでいる。よく分からない。しかし一番初めの一文だけは読めた。タイトルかなにかなのだろう。
Mercenary、マーセナリー、傭兵……。
視界にノイズが走る。なんだ、今何かを思い出しそうになった。
いや、そうだ。思い出した。自分は周りから傭兵と呼ばれていた。その方がいいやすいって理由で。
しかし視界のノイズは消えない。なんだ、まだ何か。上手くいえないが、何かが足りなかった。
視界のノイズが消えないまま、違和感の正体を探り始める。
ディスプレイはもう一つあった。
今見ているディスプレイうの横にあったもう一つのディスプレイ。それを見る。
ISPM01-Magnolia
外れてたピースが、キレイに嵌まった音がした。