改造屋がいたらのISB-2262 開発惑星ルビコン3 作:赤白味噌
起き上がり部屋の片隅にある端末を立ち上げる。
(おはようございます。 現在午前6時 2件の依頼達成報告と3件の改造依頼が届いています)
毎朝のCOMによる受注関係の報告を聞き作業場へと向かう。
ACが1台を優に転がしておけるほどの広い円形の作業場には吊り下げられた脚部や頭部 その他にも依頼によって運ばれてきた精密部品が散らかっていた。
レンチの元に来る仕事は大きく分けて3つある
廃品の買取、武器の製作そして改造 COMによって報告された依頼は武器の製作が1つ 脚部と頭部の改造依頼が1件ずつ
「続きの武器からっと…」
端末を操作すると吊り下げられた脚部と頭部がレールに沿って回転移動し作りかけの銃のようなものが移動してくる。
銃身はACの使うアサルトライフルよりも少し長いくらいであり、一般的なものとは違いのないようにも見える。
そこにレンチは端末を操作することによってレールの内側にある作業用アームが可動し砲身にグリップ、スコープと部品を取り付けていく しばらくすると銃身が短めのスナイパーライフルのようなものが仕上がっていた。
とりあえずは要望の遠距離からの狙撃を可能とする携帯ライフルっていう形はクリア 後は実際の有効射程確認と場合によっては専用弾薬の製作、ACのカメラと銃のスコープの同期システムの構築………
レンチはACのコックピットの映像とスコープとの映像を同期させるシステムを作り上げた後、グリッドの端から実際にいくつかの弾を使用することにより有効射程とその効果をテストすることにした。
((メインシステム戦闘モード起動))
腕を未改造のVP-46Sに換装し、通常弾、徹甲弾、炸裂弾の3つをそれぞれ150m 550m 700m と廃品で買い取った4脚MTを的にテストを開始した。
ギィーと軋んだ音を立ててドアを190センチ以上はあろうという大男がくぐってきた。男は迷彩柄のズボンに白のタンクトップ姿で白髪交じりの短髪で齢は60過ぎくらいに見え顔や手足のところどころに傷が見え隠れしている。
「貴方がマーゴット? まぁ座ってよ」
ドアから少し離れたところに座るレンチがが机に向かいの席を手で指す。 男はゆっくりと椅子に腰を下ろし
「あぁ今日は殺しじゃなくて品を受け取りに来たんだ。」
マーゴット 暗殺が専門の独立傭兵 遠距離からの奇襲を得意とし直接戦闘のデータが少ないためにACランクには載らず、同じ殺し屋のコールドコールと同じく様々な人間に恐れられるAC乗り
「チョットでも妙なウゴキしたら脳みそブチまけてやルからナ」
ノイズィが4本のうちの1本の金属製の爪をカチカチ鳴らしながらドス効いた(元々声が高めに設定されてるからあんまり低くはなってない)声で脅してみせる。
「安心しろ、殺したら品は手に入らない それに依頼でもないのに殺しはやらない」
マーゴットが両手を上げて答える。
「よかったー じゃあ安心して品の説明始めますねー」
分類 スナイパーライフル
弾薬 共通(ABWS) 徹甲弾(ベイラム) 炸裂弾(特注)
有効射程 共通規格弾なら500mまでACに対しての衝撃効果あり
装甲の薄い部位なら貫通可
徹甲弾なら700m 炸裂弾なら200m
使用方法
専用プログラムをインストール後あらかじめ頭部カメラと付属のスコープを同期させることによってFCSの射撃補正をかけて狙撃を行う。
340m以上離れていて、かつシステムに認識されていなければ初撃に限り警戒アラートを回避しての狙撃が可能
銃身安定の為にも片手ではなく両手で持つ事を前提とした設計
連射は可能であるが銃身の耐久性が低いため推奨しない。
本体価格 40万COAM
通常弾 100COAM
徹甲弾 200COAM
炸裂弾 500COAM
って感じですね。 予算のほうが45万でしたのでこのあたりの性能になりました。いががですか?」
「満足だ。もとより初撃の性能以外は求めていない。」
そういうなりタブレットの受け取り欄にサインを書く。
「はい 確かに確認しました。 商品の受け渡しを行いますので外へ」
外ではデリバーが待機しておりその背には布を被った商品を載せている。
「コイツが指定の座標まで運搬するので後はどうぞ」
そういいタブレットを手渡すとレンチは待機したヘリへと戻っていく
「いい買い物になったと思う。機会があればまた依頼しよう。」
「またのご利用オマチしてマース」
そんな言葉を交わし無事に商品の受け渡しは完了した。
帰りのヘリ内でのこと…
「レンチ! 封鎖機構の武装ヘリが墜落したらしいゼ!」
そう言ってノイズィがタブレット端末を渡してくる。
傭兵ニュース.com*1
つい先日 数カ月にわたってルビコン解放戦線の掃討を行っていた武装ヘリが墜落しているのが発見されました。
近くには1機の破壊されたACが横たわっており、相打ちになったのではないかとみられていますが、何とこのAC最近頭角を現していた独立傭兵レイブンの機体ではないかとの情報を本ページではある筋から入手しました。
本地域では撃墜によって封鎖機構の手が緩んだこともあり、アーキバス、ベイラムそして解放戦線の戦闘が激化しているとのことです。
「ふーんレイブンねぇ」
独立傭兵レイブン ブランチと呼ばれる独立傭兵グループの一員
半年以上前だがパーツの改造依頼を受け取ったことがあった。
「大破だから生きてルかもシレネェけど死んでることヲ俺は願うゼ
あのポエムみてぇなコト言ってくる女がついてきてニガテだ」
改造の要望を聞いた時に対応してきた女性が中々フワフワとした要望を言うもんだからノイズィがブチ切れていたのを思い出した。
「まぁ生きてれば何かのコンタクトはあるだろうからね。」
依頼が来ればこなす。そこには前も悪もなくただ求められた物を作る改造屋、本来関わることの無いイレギュラーと出会う日が迫っていることを彼はまだ知らない