愛を知らない少年と愛を教えたいホロメン   作:主義

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「大丈夫?ユキくん」

 

 

「……だ、だいじょうぶ…」

 

 

「食欲はある?」

 

 

「……たべる…」

 

 

「ではお粥を作るので少し待っていてください」

 

ユキくんは風邪を引いてしまった。元々そんなに体が強い方ではないんですが、今までは家に来て体調を崩していなかったから安心していたのかもしれない。本当に唐突だった。

 

「もっと白上がしっかりしていればユキくんは風邪を引かずに済んだのかな」

 

そんなことを考えるとどんどん自分のことを攻めてしまう。でも今は自分のことを攻めるよりも先にお粥を作ってユキくんを寝かせこと。

 

お粥を作っているとインターホンの音が部屋に響いた。

 

「こんな忙しい時に誰だろう」

 

疑問に思いながらも玄関を開けるとその先には…ミオがいた。

 

 

「え、みお!?どうしたの?今日は配信じゃなかったの?」

 

本当は白上とミオで今日は公式の生配信に出る予定だった。でもそんな時にユキくんが熱を出してしまって白上は離れられなくなってしまった。どうにか謝罪をして今日は病欠ということにしてもらった。

 

「配信したに決まってるじゃん。配信終えてその足で来たんだよ」

 

白上は部屋の時計を確認すると…もう時間は昼頃になっていた。今日は珍しく公式生放送が午前中に行うことになっていたんだよね。

 

 

「そっか…もうそんなに時間が経ってたんだ……。ユキくんに付きっ切りだから時間を確認する余裕があんまりなくて」

 

 

「フブキ、大丈夫?」

 

 

「…大丈夫だよ」

 

 

「そう…それならいいけどユキくんのことなら私も手伝うからさ。少しは私のことも頼ってよ」

 

 

「うん。ありがとう、ミオ」

 

 

 

 

ミオにも手伝ってもらってユキくんの世話をした。そして今はユキくんがお粥を口にしている。体を起こして食べているけど、いつものユキくんに比べて元気がない。それは熱があるのだから当たり前。それでもやっぱりユキくんが苦しそうなところは見たくない。

 

「お、おいしい…」

 

「それはよかった。でも熱はまだ全然変わっていない感じみたいだね。今日は安静にしようね」

 

変われるものなら白上が変わってあげたい。ユキくんが苦しんでいるところは見たくないから。

ユキくんはゆっくりと辺りを見渡しているとミオを見た。

 

「…あ、ミオお姉ちゃん」

 

「うん。ミオお姉ちゃんだよ。久しぶりだね」

 

 

「うん」

 

 

「でも、今日はちゃんと寝てね。ユキくんのお熱が引いて体調が元通りになったら皆で遊園地でも行こうね」

 

 

「…うん。楽しみ」

 

そんな話をして食べられるだけ食べてユキくんはまた眠りに付いた。

 

 

 

そして夜になっていくほどにユキくんの熱は上がっていった。それは目で見ても分かるほどに。そんなユキくんを見ていると白上はパニックになっていく。

 

「み、ミオ…ゆ、ゆきくんが!!!」

 

 

「お、落ちていて、フブキ!大丈夫だから」

 

するとミオがユキくんの側にまでいって熱を測ったりしたり、熱をさますためのシートを貼ったりして色々と対処をしてくれた。その間、白上は何も出来なかった。ユキくんがあんな苦しそうなところを見てしまうと危ないんじゃないかという思考になってしまう。

 

「ミオ、ユキくんは大丈夫?」

 

 

「今のところは大丈夫だよ。でもこれからどうなるか分からないから付きっ切りの方がいいかも。だから最初はフブキが寝て、その間は私がユキくんのことを見るから。私が眠る時にフブキを起こるから、その間はフブキがユキくんのことを見て」

 

 

「そ、それなら白上がずっと見るよ!!ミオにそんなに苦労を掛けられないし」

 

 

「ダメだよ。フブキ、今日はユキくんに付きっ切りでかなり疲れているよね。今まで子供の世話をしたないんだから疲れても仕方ないよ。それに私とフブキがずっと見ててもいつかは眠くなるし、万が一にも二人が寝ちゃってその時にユキくんに何かあったらそれこそ問題だから」

 

確かにミオの言う通りかもしれない。さっきまではずっとユキくんに付きっ切りだから何とも感じなかったけど、急に寝ていいと言われるとさっきまでの緊張が無くなってしまった。

 

「…う、うん。そうだよね」

 

 

「だから、フブキは寝てていいよ。その間は私がユキくんのことをずっと見るから」

 

そして白上は寝て、白上が起きたらミオが寝る。そして最終的に翌朝にはユキくんの熱は平熱まで下がっていた。

 

 

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