愛を知らない少年と愛を教えたいホロメン   作:主義

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甘えて欲しい白上

 

ユキくんが熱を出してしまった時、急に公式配信を休んでしまった。自分でも組まれたスケジュール通りに頑張ろうとはしているものの予定はかなり早い段階で決まっていたりするのでユキくんとの時間を取れない。ユキくんも白上が忙しいのを感じ取っているようで…あまり甘えてこなくなっていった。

 

 

「ごめんね…」

 

 

「だいじょうぶだよ」

 

 

「じゃあ…行ってきます」

 

最近はユキくんが目覚めるよりも先に出ることが多くなった。いつもならユキくんを連れて仕事場に行っていたけど、さすがに早い時間に起こして無理矢理行かせるのも悪いと思って最近は連れて行かなくなった。

 

 

――――――――――

 

「はぁ……」

 

白上がため息を吐いていたから心配に思ったのか、こよりが話し掛けてくれた。

 

 

「どうしたんですか?フブキ先輩」

 

 

「あ、こよりぃ~~」

 

 

「なんか思い詰めたような顔をされてましたけど何かお悩みですか?」

 

 

「うん。ちょっとねぇ、こよりには話したことあったかなぁ…。こよりは白上が男の子と一緒に過ごしていることって知ってる?」

 

 

「え、フブキ先輩って子供がいたんですか!??」

 

 

「ううん!!違うよ!!親戚の子を事情があって預かっている感じかな」

 

 

「あ、そういうことですか…なんだ、驚きましたよ。それでお悩みというのはその男の子のことですか?」

 

 

「うん。そうなんだよぉ…白上が忙しいのが肌で感じて分かっちゃうみたいで全然甘えてこないんだよ。白上としては全然ウェルカムなのに!!」

 

あの年ぐらいの子にはやっぱり『愛』が必要だと白上は思う。それにユキくんは育ってきた家庭環境はお世辞にも良いものではないですし。

 

 

「…そ、そうなんですかぁ…」

 

 

「どうやったらユキくんが甘えてくれると思う!?」

 

白上はちょっと熱くなって目の前に座っている、こよりに詰め寄ってしまった。それにこよりも動揺しているようで体を逸らしていた。

 

「ち、ちかいですよ、フブキ先輩!!」

 

 

「あ、ごめん、ごめん。ついつい熱くなっちゃうんだよね」

 

 

「でも、フブキ先輩は本当にその子のことが大好きなんですね」

 

 

「うん!とっても大好き」

 

 

「フブキ先輩の話している様子を見るだけでもどれだけその子のことが大好きで大切に想っているのかが分かりますね」

 

 

「そんなに白上って顔に出ちゃう?」

 

 

「はい。出ていますよ。でもそれがとっても良いんです。大好きな人を語る時は誰でも笑顔になるものですしね」

 

それから白上はこよりにユキくんのことについてたくさん話した。こよりはとっても聞き手が上手くて話しているこっちの方が楽しくなってしまった。

 

 

 

「それでフブキ先輩のお悩みは『その子に甘えて欲しいのに甘えてくれない?』でしたよね?」

 

 

「うん。優しい子だし、感受性が豊かだからこそ気付いちゃんだと思うんだよね」

 

もちろん、気遣ってくれているのはとても有難いですよ。でも、あれぐらいの子がそんなことを気にしなくていい。甘えたい時は素直に甘えてくれた方がこちらとしても嬉しいし、白上としてはそれの方がいいんだけどな。

 

「それだったらフブキ先輩の方から『甘えて』と言ってみたらどうでしょうか?」

 

 

「白上の方から?」

 

 

「はい。多分、フブキ先輩の話を総合するとその子の方から「甘えたい」と言うことはあまりない感じがしますしね。それにフブキ先輩が『甘えて』と言えばもしかしたら遠慮せずに甘えに来てくれるかもしれませんよ」

 

 

「た、たしかに……」

 

ユキくんと暮らし始めたと言ってもまだ一カ月ぐらいしか経っていない。白上はもうかなり親しくなった感じがしているけど、ユキくんから見たらどうなのかは分からない。もしかしたらまだ完全には心を開いてくれていないのかもしれない。

 

白上の方から言ってあげるのがとても大切なのかも。

 

 

「多分、小さな子にとっては言葉で言ってあげるのが一番だとこよりは思うんです」

 

 

「こ、こより!本当にありがとう!!」

 

 

「あ、お役に立てなら良かったです」

 

 

 

それから、帰ってユキくんに試してみた。結果としてユキくんは前よりも甘えてくれた。やっぱり言葉で言ってあげるのもとても重要みたい。

 

 

「あとでこよりに何かプレゼントでもしようかな」

 

 

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