ちょっと違うホロメンと恋愛   作:主義

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ちょっと消極的な白上フブキ

 

白上には大好きな人がいる。その人の笑顔を見ているだけで今日一日が幸せな気持ちになれるような人。いつでも笑ってい欲しい人。あなたが笑っていたら白上はどんなネガティブな気持ちの時でも笑顔になれる。白上は自分が幸せな気持ちになれないとしてもあなたが幸せならそれでいい。

 

 

隣の席の子なのに白上はほとんど話し掛けられないでいる。白上なんかに話し掛けられても迷惑だろうし。それに少しで

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

今日もあなたは白上の隣の席に座っている。触れようと思えば触れられる距離だし、話そうと思えば話せる距離感。でもなんでかそれができない。話し掛けようとすると思うように声が出なくて…黙ってしまう。頭の中では色々とシミュレーションはしているのにいざ本番になると頭が真っ白になって何も出来なくなっちゃう。

 

今は授業中だから教室は先生の声とコソコソ話している皆の声。そんなちょっとうるさい中でも白上の頭の中はキミのことで一杯。白上はたぶんキミを中心に全て回っている。

 

 

するとキミが急に「あ、今日消しゴムを忘れちゃったな」と言った。

 

キミは必至で筆箱の中身を全部出して探している。

 

 

 

今の白上の心中としてはラッキーとガッツポーズをしたいぐらい。ここで白上が消しゴムを貸せればキミと会話だってできるし、白上のことを覚えてもらえるかも。

 

「あ、あの…これ」

 

 

「え」

 

 

「消しゴム…」

 

 

「あ、ありがとう。白上さん」

 

キミは白上の手のひらにあった消しゴムを取った。その瞬間にちょっとだけだけどキミの手が白上の手に触れた。キミは別に意識なんてしないと思う。でも白上にとっては好きな人の手に触れられたというだけでも叫びたいぐらいに嬉しいこと。

 

 

 

 

もう授業中はそのことしか考えていなくて、先生に指名されても気付けないぐらいに白上の脳内はさっきの出来事に埋め尽くされていた。だって初めて好きな人の手が白上の手に触れた。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

五限の授業は現代文。そしてそこで命の重さというテーマだったこともあって先生が白上たちに向けてトロッコ問題を出した。そしてそれに対して一人一人の答えを見つけて、周りの人と意見を交換してみるという感じ。

 

 

「白上さんはどう思う?」

 

 

「…し、しらかみは…場合によるとおもう」

 

 

「場合?」

 

 

「うん。もしその一人が白上のとっても大切な人で大人数の方が見ず知らずの他人だったら大切な人を救うかな」

 

 

「言われてみれば確かにそうかも」

 

普通の考え方だったら大人数の方を助けるというのかもしれない。でも、それは誰だかに寄って全然違うと白上は思う。もちろん命の重さに順位を付けることは出来ないにしても関わり合いがあって愛している人と一度も会ったことがない人ではやっぱり価値は違うと思っちゃう。

 

 

「キミはどうかな…?」

 

 

「僕は今さっきまで大勢の人を救うかなって考えていたんだけど、白上さんのお話を聞くとちょっと考えちゃって。僕の両親とかが一人の方でも自分は同じような選択肢をするかなぁって」

 

白上の考えがキミの考えに影響を与えただけで嬉しい。

 

 

これは全然違う話だけど白上とキミの命が天秤にのせられるようなことがあったら白上は死んじゃってもいい。だってキミには幸せに生きて欲しいと思うから。それぐらいに好きなキミと話が出来て、考え事をしている横顔もこんな近くで見れているだけでも幸せでやられちゃいそう。

 

 

「白上さんは皆に人気だよね」

 

 

「そ、そんなことないよ…」

 

 

「いや人気だよ。僕の友達とかも白上さんのことを好きな奴だっているし。付き合いたいとか言っているような奴もいるからね」

 

 

「…そんなことないと思うけど…」

 

確かに周りの子たちが可愛いねとか言ってもらえることはある。先輩とかから告白をされるようなことだってあったけど。

 

 

「まあ白上さんの可愛さとか性格とかを知れば好かれるのは当たり前のことだけどね」

 

 

「………///」

 

好きな人に褒められるのはやっぱり友達よりも先生よりも両親よりも嬉しい。白上自身のことを認めてくれた気がして。少しでも白上はキミの記憶の中に残ってくれているんだと思えるから。

 

 

「白上さんは好きな人とかいるんですか?」

 

 

「え?」

 

 

「あ、ごめんなさい。ちょっとプライベートなこと過ぎましたね」

 

キミが引いて、白上が答えなかったので二人の間には沈黙がやってきた。このまま沈黙を貫けばもう話せる機会はないかもしれない。

 

ここで勇気を出さないとなにも…。

 

 

「……いない」

 

 

「ごめんなさい。なにか言いましたか?」

 

 

「いないよ。付き合っている人いないよ」

 

白上は俯いてしまっているのでキミの顔は確認できない。

 

 

「そうなんですか。白上さんぐらいの人だと彼氏がいるのかと思ってました」

 

 

「全然だよ。誰ともお付き合いしたことないよ」

 

 

「そうなんですね」

 

その返事からもキミがそこまで白上に対して興味がないのは分かる。でもそれは分かっていたこと。今までほとんど話したことなかったし。

 

 

「じゃあ…僕にもチャンスがあるのかな」

 

 

「え…」

 

 

「冗談だよ。さすがに僕は自分の身の丈は分かっているからね。白上さんみたいな天高い人に手を出したりしないよ」

 

彼が言い終わるのと同時に先生から「前に向け」という号令が掛かった。それから授業が続けられた。でも白上の脳内はさっきの言われた言葉が脳内をぐるぐる回っている。

 

 

『僕にもチャンスがあるのかな』

 

キミは冗談だと言っていたけどそれでも嬉しかった。

 

 

もし、キミから告白されるようなことがあるとすれば絶対にOKするのにな。でも自分が相手のことを好きだとしても、その好きな相手が自分のことを好いてくれるわけではない。別に好いて欲しくない人から好かれるのに。

 

まあ、そんなこと言っても仕方ない。世の中はそんなに甘くない。

 

 

でもいつかは付き合えたらいいなぁ…。

 

 

 

 

そんなことを考えていると授業は終わったのだった。

 

 

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