「ねぇ…ボクのこと好きですか!?」
初っ端、こんなことを言うような人は相手に良いイメージを持たれないよね。それでもボクは少しでも何かを変えないとこの想いが実る事はないと分かってる。だから少しでも何かを変えるために…こんなことを言ってしまった。
急に『好きですか?』って問われれば困惑するのは避けられないことでキミもすごく混乱しているのか口をポカーンとしたまんま固まっちゃった。
「え、急にどうしたの?」
「ご、ごめん!!」
それだけ言ってボクはすぐに走り去った。あのままあの場にいることに耐えれそうになかったし。
「絶対におかしな奴だって思われちゃったよね」
今回こそは積極的に行こうと決めてたんだけどなぁ。今まではずっと陰ながら見ていた。
でも先輩が他の女の子と付き合うみたいな話を聞いた時にとても痛かった。もうあんな想いはしたくない。でも今のボクじゃ絶対に結ばれる訳ない。まず先輩に名前すらも覚えられていないし。
だからどうにか先輩にボクという存在を覚えてもらおうとした。でも、ちょっとやり過ぎちゃった。
だけどあれぐらいしないと先輩はボクのことを覚えてくれない。インパクトを残し過ぎちゃった気もするし、先輩に変な人って思われちゃったかもしれないけど、それぐらいは大丈夫だよね。これから少しずつボクが先輩のことを『愛している』ってことを知ってもらえるはず。
だったら次はもっとインパクトのあることをした方がいいかな。先輩にボクは先輩のことを愛しているんだということを伝えるためには。
そして今度は放課後に先輩のことを見つけて話掛けた。
「ボクを先輩のお嫁さんにしてくれませんか?」
「え…ど、どういうこと!?」
「ぼ、ぼくを先輩のお嫁さんにしてくれませんか!?」
「…ち、ちょっと落ち着いてくれ。一旦頭の中で整理するから」
先輩も混乱しているようで両手で顔を覆っている。
「お嫁さんに「一旦ちょっと落ち着いてくれ。俺はキミの名前も知らないし、話したことだってほとんどないよね」」
「はい、まだ」
「そんな相手から告白されてもすぐには了承できないよ。それにキミだって俺のことを知ってるの?」
「し、しってます!!先輩のことだったらどんなことでも!」
「じゃあ俺の誕生日はわかる?」
「9月12日」
「血液型は?」
「AB型」
「一番好きな食べ物は?」
「お寿司の焼きとろサーモン」
「嫌いな食べ物は?」
「メロン」
ボクは先輩のことだったら全て知ってる。知らないことなんてあるはずがない。だってボクは先輩のことが大好きなんだもん。好きな人のことなら全て調べ上げるのは当たり前だよ。
先輩もさすがに驚いてしまって、信じられないものを見たような目でボクのことを見ている。
「よ、よく知ってるね。ちょっと怖くなっちゃうぐらいだよ」
「ボクが先輩のことで知らないことはないです」
「そっかぁ…」
「だからボクのことをお嫁さんに!」
このまま押していけばいずれ先輩も首を縦に振ってくれるかも。
「い、いや…さすがに話が飛躍し過ぎてはないかい?まだ俺たちは高校生だしさ。それにまだ付き合ってもいないわけですし」
「じゃあボクのことを彼女にしてくれませんか!?」
「え……でも…」
この感じは押せばどうにかなる。後で後悔だけはしたくないし、ここで積極的に自分のことをアピールしなくちゃ。
「今の先輩は誰とも付き合っていないんですよね」
これに関してはもう事前に調べた。少し前までは付き合っていた人がいたらしい。でも今は付き合っている人はいない。
「…いない。少し前に別れたからね」
「じゃあ!ボクが先輩の彼女になっても何も問題ないってことですよね!!」
「で、でも…まだ俺はキミの事をそんなに知らないし」
「それは後々知って行けばいいじゃないですか!ボクは先輩のことが世界で一番好きなんですから!」
「…え…さすがに…」
「大丈夫ですよ!!ボクが先輩のことを好きにさせてみせるので!!!」
「そっか……じ、じゃあ、付き合う?」
「はい!!」
そしてボクと先輩は付き合うようになり…最終的に結婚までいくのはまだ先のお話。