強欲少女のヒーローアカデミア 作:pastel
ヒーロー名を決め、各々が職場体験先へと向かい勤勉に過ごしている中レグルスさんは──────
「お──っまぇ!!! もう少し遠慮ってのおおおおぁああ!?!!?」
「喋ってっと舌噛むぞ!」
白い髪、赤い目、何よりも特徴的なのは耳の部分に生えている兎の耳。ヒーロービルボードチャートNo.5ラビットヒーロー『ミルコ』はレグルスを小脇に抱えながらビルの間を縦横無尽に跳んでいた
何故こんな事になったのか。全ては職場体験には絶対に行けと相澤に言われ適当にNo.1女性ヒーローを選んだせいだ。自分のした行いに後悔をする事が少ないレグルスでも今回だけは激しく後悔していた
「冗談──じゃっ、ないっ!! こんな乱暴な事してぇぇぇえ許され──るっとでもぉおお!!? 私のっ!! 権利の!!! 侵害だ!!!」
「生意気で良し!」
自由奔放なミルコにレグルス節は通用しなかった。日中は縦横無尽に市内を跳び周りヴィランがいれば蹴っ飛ばすの繰り返し。もはやレグルスは職場体験に来た生徒というよりミルコの体についたキーホルダーみたいになっていた
夜は空き地での体術訓練。ここでも只管蹴っ飛ばされボコられるレグルスはもはや我慢の限界、こいつの憎たらしい脚を吹き飛ばしてやろうかと真空波を打ってみればそれさえ避けられまた蹴られる。挙句の果てには
「今の良いね! 久しぶりに心の底から危険を感じちまったよ。ほら私、本能的な危機察知能力が発達してるんだ。個性の影響でな!」
なんて煽られる始末。
レグルスにとって地獄の1週間が幕を開けた
「遅い!」
「ぬあぁあ!?」
***
──────敵連合アジト
死柄木弔は因縁の相手であるレグルスを壊す為の人員を集め、話し合っていた。本来であれば彼はまだ子供のような癇癪を制御できず、ヒーロー殺しにもまともに取り合ってなど貰えなかったのだがレグルスという異分子の影響で飛躍的にリーダーとして成長していた
「ターゲットはこいつだ……お前らも見た事あるだろ? レグルス・コルニアス……雄英体育祭優勝者のガキだ……」
「俺に子供を殺せと?」
「うーん白い髪が可愛くないです。赤く染まった方が可愛いと思うなぁ!」
「まあ話は最後まで聞けよ。このガキは雄英生として当然のように生活してるが人を殺してる。証拠もあるぞ? 古典的だが弱味を握るのに映像を撮っておくのは基本だからな。俺はさ、気に食わないんだよ。このガキと、このガキが幸せな顔して生きてられるこの社会が。おかしいと思わないか? 平気で人を殺してる人間が光を浴びて、俺達みたいな一般的な思想を受け入れられなかった奴らがヴィランと称されるこの社会。生きにくいと思わないか?」
15の少女が平然と人を嬲り殺しているシーンがモニターに映し出される。前後の言動も聞き取れる。彼女の異常性と偽物である証明はこれだけで事足りた
「生きにくいです、生きにくい世の中です。弔君について行けばきっと生きやすくなると思いました! だから来ました! ヴィラン連合!」
「それがお前の大義か……死柄木」
「最初はこのガキをただ壊したかった。でもそれだけじゃ勿体ない、こいつを最大限利用して壊す。雄英の信頼を地に落とし、社会の均衡を崩す。このどこまでも強欲な女を粛清したいんだ、ヒーロー殺し。協力してくれよ……お前も、偽物は嫌いだろ? 俺はプロヒーローとか今はどうでもいいんだ。レグルス・コルニアスとこの社会を同時に壊したい」
「……貴様にも貴様の信念があるようだな。現在を壊す……良いだろう、その子供を粛清する事含め、お前に力を貸そう。策は?」
「数日後ここに居る奴らと……あと何人か集めてレグルス、そしてミルコに仕掛ける。周りのプロヒーローには脳無。もしオールマイトが来たらその時は……先生、手伝ってくれ」
「素晴らしいよ弔。勿論、君の目的の為に力を貸そう」
────ステイン、荼毘、トガヒミコ……彼らは既にヴィラン連合の一員になった。ただ1人の強欲な少女という共通の敵を前にして。そしてこの社会を壊しにいく、その為の1歩
本来保須市で起こるはずだった事件は全く別の所で発生する事となる。兄を嬲られ復讐に燃える飯田も、個性の使い方を学んだ緑谷も蚊帳の外。彼らの悪意はただ1人の少女に集中していた
あぁ……最高だ。こんなにも早くお前を壊しに行けるなんて思わなかった! パーティーメンバーは揃った。待ってろよレグルス……お前の守ってきたもの、隠してきたもの、その全部粉々に壊してやるからさぁ! この世界に誰1人味方がいない孤独を味合わせながら死なせてやるよ……! どこまでも強欲なお前にはお似合いの死に様だ
さぁ、やるぞ敵連合
『強欲攻略戦』スタートだ……!