強欲少女のヒーローアカデミア   作:pastel

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2話『ヒーローの条件』

 実技試験の説明を端の席で聞いているレグルス。渡された資料を見て戦う対象がロボットだと判明した時点で彼女の中の不安は全て取り除かれた。もはやこんな説明聞く意味もなく私が全部粉々にして終わりだと思っていた彼女だったが他にする事もなかった為話半分に説明を聞いていた

 

「演習場には仮想敵を3種配置してありそれぞれの“攻略難易度”に応じてポイントを設けてある!」

 

「各々の個性で仮想敵を行動不能にしポイントを稼ぐのが君達リスナーの目的だ! もちろん他人への攻撃などアンチヒーローな行為はご法度だぜ!?」

 

 なるほどなるほど敵役はロボットで倒した数が点数に直結する早い者勝ちのレース……戦闘能力だけを見るなら良い試験だろうけど対人に特化した個性の人は望み薄だろうね。最もそんな事は言い訳になりはしないけど。努力を怠った自分の責任さ

 

***

 

 演習場の入口に立ち思考する

 私の個性「獅子の心臓」は防御にも攻撃にも特化しているいわば”無敵”の能力なのだけれどデメリットとして使用中は心臓の鼓動が止まる。故に発動時間は最大で5.6秒程度

 

 ロボット相手とはいえ連続で戦闘となると例え1.2秒でも心臓への負担は大きい……さてどうしたものか

 

「ハイ スタート!」

 

「「??」」

 

「おいおい誰も行かないのかー!? 実践じゃカウントなんてしちゃくれねーぞ! お、良いね! 白髪の子が先陣を切ったー! いやなんで歩いてんの!?」

 

 はぁ全く、戦い方を考えてたら合図に気づかなかった……大人しくカウントしていればいいのに急にスタートしやがって戦闘能力を測る試験じゃないのか? いや……ヒーロー科に入る為の試験なんだ戦闘能力以外も審査していると考えた方がいいか。私からすれば撃破P以外どうだっていいけどね

 

「ほら走れ走れ! 賽は投げられてんぞ!!」

 

 今から動き出したんじゃ遅いよね

 この試験は早い者勝ちのレース、私が有利だ

 おや、さっそく……

 

「標的……ブッコロス!」

 

 野蛮だね……まあ、一撃で終わらせるよ

 

 レグルスが腕を軽く振り上げるとロボットが真っ二つに裂ける

 ”空気”の時間を停止させる事で全てを切り裂く「真空波」になるって訳、私のお気に入りだ

 

 その後も順調にポイントを稼いでいく 残り時間はあと少し

 

「はぁ、休んでるとはいえ個性の連続使用で心臓への負担が重なってるな……そろそろ大詰めか」

 

「し、心臓って大丈夫か!?」

 

「おや、君は誰かな? あぁ失礼人に名前を聞く時はまず自分からだよね、私はレグルス・コルニアス」

 

「お、おう! 俺は上鳴電気、よろしくレグルス……コルニアス? つか、心臓がどうのって言ってたけど大丈夫なのか?」

 

「レグルスと呼んでくれよ、私はなるべく誰とでも友好的に接したいからさ、名字で呼び合うだなんて年上相手でもないんだし他人行儀すぎると思わない?」

 

「あぁ、分かった! よろしくレグルス! んで心臓は大丈夫……って事で良いのか?」

 

「あぁ君が心配する必要はないよ。これは私の持つ大いなる力の代償ってやつだ。でも安心しなよ、別に命の危険がある訳じゃないさ。ほらよく言うじゃない? 大いなる力には大いなる責任が伴うみたいなさ。未来で英雄として世界を救う私には相応の責任を背負わされたみたいなんだ、本当度し難いよね。一体誰が何の権利があってこの私にそんな安っぽい責任を背負わせたのかな? その顔を是非とも見せてもらいたいものだよ。最も本当に目の前に現れたらこの手で粉々にしてやるけどね」

 

 ペラペラと別に聞いてもないことまで喋り出すレグルス。彼女のマシンガントークに話しかけたことを若干後悔していた上鳴電気だったが試験終了までの残り時間が僅かになったことを知らせるアナウンスを聞き現実に引き戻される

 

「それよりも、試験終了が迫ってきてるけど君は自分の心配はしなくていいのかい?」

 

「あっ! やべぇ! もうちょいポイント稼いどかねえと! わりぃレグルス! 俺行くわ!」

 

「あぁ、君とは入学後も良い関係を築いて行きたいから試験に落ちる、なんて事にならないでよね」

 

「おう! 入学後また会おうぜ! それじゃ……な、なんだ!? 地震か!?」

 

 地面が揺れ、それと同時に大きな機械音が前から聞こえてくる

 これがプレゼントマイクの言っていた4種目の敵……0P敵か

 

「いや、地震じゃなくて0P敵のお出ましみたいだ、お邪魔虫にしては主張が強すぎると思わない? こんな試験の為にここまでの物を用意するなんて、意外と雄英の職員達は暇人が多いのかな?」

 

「お、おいやべえって! あのデカさはやべえって! 逃げようレグルス! 0Pなら戦う理由もねえ!」

 

「あのさぁ、君今私に逃げろって言ったの? もしかして私の事をあんな大きさしか取り柄のない鉄クズに怯えるような自分と同じ軟弱者だと思った訳じゃないよね? それって私に対するイメージの押し付けだよね、私という個人を完全に軽視した権利の侵害だよ。……はぁ、怖気付いたなら1人で逃げろよ。あの程度のデカブツからしっぽ巻いて逃げるようじゃ君の程度も知れるってものだよね、英雄を目指す者なら立ち向かって当然じゃないの? 逃げるオールマイトを見た事あるのかい? 君は」

 

「た、確かにな……あんなデカくても他と同じくロボット、なら俺の個性は効くはず……わりぃ女子の前でビビっちまった! もう逃げねえ! 行くぞレグルス!」

 

「あのさぁ、私に命令するな。自分のイメージを勝手に押し付けるなって言っただろ、どれだけ理解力が欠けてれば君のその小さい脳は満足するのかな? 行きたいなら1人で行けよ」

 

「はぁ!? 言ってる事めちゃくちゃ過ぎだろお! 倒すか逃げるかしねえと踏み潰されて終わるぞ!?」

 

「ここから動く必要なんてないって言ってるんだよ」

 

 目の前に転がっている仮想敵の残骸を片手で持ち上げそのまま0P敵の頭部に目がけて投げるレグルス。明らかに力が入ってない投げ方をされたそれは物理法則を無視し0P敵の頭部を貫通していた

 

 丁度目の前に倒れ込んできた0P敵……当たり所が悪かったらしい、南無三

 

「これで理解したかい? 逃げるだの倒しに行くだの、私を振り回すのはいい加減にしてもらいたいね。私は今気分が良いし疲れているからこういう事をあまり話したくは無いけどさ、君と私があたかも対等であると勘違いしないでくれよ。私はね、個として既に完成されているんだよ。君の物差しで私を測ろうとする事自体が愚かなわけ、分かるかい? 私の意思関係なく逃げさせようとしたり、戦わせようとしたり、それは私の権利の侵害だよ。私の私に許されたちっぽけな私という自我を、私財を、私から奪おうってことだ。

 

 

 

 ──それは、いかに無欲な私でも許せないなぁ」

 

***

 

 やっべえ〜!? 俺が自分勝手な発言しちまったせいでめちゃくちゃ怒ってるよこの子! 心臓が弱い病弱系美少女かと思ったらゴリゴリの武闘派美少女でしたよ! それなりにデカい残骸片手で投げて0P敵ぶっ壊すってどんな個性持ってるわけ!? とりあえず謝らねえと! 

 

「ごめんなレグルス! お前の事誤解してたみたいで、ほんとわりぃ! 今度会えたらその時は入学祝いって事でなんか奢るからさ!」

 

「まあ私は寛大で慈悲深いからね、このくらいの事で許さないなんて事は有り得ないよ。わざわざ謝礼を求めるなんて事しないけど、君がそう言うなら受け取るのもやぶさかでは無い。楽しみにしておくよ」

 

「おう! ありがとうレグルス! じゃあまたな! デート楽しみにしてるぜ!」

 

 1悶着あったけど白髪美少女とデートの約束までしちまった……結果オーライ! 0P敵を石投げて倒すような奴が受からない……なんて事……ないよね!? 

 

***

 

 無事試験が終わり各々が休んでる中教師陣はモニタールームでリプレイを見ながら話し合っていた

 

「今年は中々豊作ですね〜」

 

「あぁ、ひと目でわかる強個性が多いな。動きも悪くない」

 

「それにしても驚いたわよね〜倒す事を想定されてない0P敵を今年は2人も倒しちゃうなんて!」

 

「ぶっ飛ばした時は流石の俺も叫んじまったぜ! Yeah!!! ってな!」

 

「もう1人も中々でしたね、残骸を投げるだけで倒すとは」

 

「彼女は他にも腕を軽く上げただけでロボを両断していたりと底が知れない個性だね……」

 

「”獅子の心臓”自身と物体の時間停止……大きすぎる力だが使用者の心臓も止まってしまう……使うだけで”死”のリスクがある個性か」

 

「攻防共に無敵と思いきや使用できるのはほんの数秒……使いこなすには卓越した直感と判断力が必要不可欠ね……個性の本質は違うけど、まるで彼みたい」

 

「それに個性を使わずに戦闘をこなせる程の高い身体能力も必須……なのに彼女は体を鍛えている様子は無いし敵を目の前にして他の受験者と口論すらしている……非合理的だな。校長、こいつはヒーローには向いてませんよ」




レグルス構文ちゃんと書こうとすると難しいです。何故彼はボキャブラリーだけは豊富なのだろうか
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