Problem child in Parallel universe【更新停止】 作:無名篠(ナナシノ)
理由 (言い訳) としては話の構成を考えるのに難儀していました。右も左もわからないで初の試みをすると、やっぱり不安になるのは私だけでしょうか?
書き終わったものを読み返してみるといつも
「うわ………私の文章………ダメ過ぎ?」てなります。
次回二話目からはさらに遅くなる可能性もありますが、どうかこの駄文とダメ作者をよろしくお願いします。
あ………タグに『駄文』入れるの忘れてた……orz
──ボチャン!!──
上空4000mから落下した少年、そして同じ様に落下してきた三人、あと何故かいる一匹の三毛猫は、落下地点にこれまた何故か用意してあった緩衝材のような薄い水膜を通って湖に投げ出される。
水膜のおかげで勢いが衰え、四人は無傷で済んだが、一緒に落ちてきた三毛猫はそうもいかない。四人の内、”短髪” の少女が慌てた様子で抱きかかえ、水面に引っ張り上げる。
「………大丈夫?」
「に、にぁあ…………ッ!」
三毛猫が無事なのを確認した少女は安心したのかほっと息をした。
”短髪” の少女以外の他の ”二人” はさっさと陸に上がりながら、それぞれが罵詈雑言を吐き捨てていた。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて! もし地面に激突なんかしたら即死よ!」
そう言って服の端を絞っているのは長髪でいかにも ”お嬢さま” な少女。
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出され方がまだ親切だ」
先程の ”お嬢様” な少女と同じ様に服の端を絞りながら愚痴っているのはこれまたいかにも ”不良” な少年。
その後に続く形で ”短髪” の少女が岸に上がり、服の端を絞る。三毛猫も少女の隣で水をはじく。
「ここ………どこだろう?」
”短髪” の少女は服を絞りながらそう言う。
「さぁな。まぁ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」
少女の呟きに少年が応える。どうやら ”三人” 共知らない場所らしい。
ある程度服を絞り終えた少年は軽く髪を掻きあげ、少女二人に対して確認を取る。
「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な ”手紙” が?」
「そうだけど、まずは ”オマエ” って呼び方を訂正して。───私は【
「………【
「そう。よろしく春日部さん。”最後” に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な【
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
心からケラケラと笑う逆廻十六夜。
傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。
我関せず無関心を装う春日部耀。
そんな彼らを物陰から見ていた者がいた。
少女だ。しかも、扇情的なミニスカートとガーターソックスを身につけている。そしてなにより特徴的なのは、青い髪と同じ色の二対の ”ウサ耳”。先に言っておくが、断じて ”つけ耳” などではない。
そんな少女は、呼び出された ”三人” を見て思う。
(うわぁ………なんか問題児ばっかりみたいですねぇ………)
彼女がそう思うのも無理はない。彼女の名は【黒ウサギ】。”とある理由” で彼らを召喚した張本人ではあるのだが、先程までの彼らの態度を見て、協力するような姿は全くもって想像できない。黒ウサギは陰鬱そうに重くため息を吐くのだった。
そのあと黒ウサギはふと疑問に思った。
(そういえば……あれ? オカシイですね………呼び出したのはたしか ”四人” だった筈ですが………?)
彼女は首を傾げる。もしかして召喚が失敗したのか?いや、それは無い。なぜなら ”四人” の内、”三人” はちゃんと呼び出せている。それに、手紙の内容を確認した後、有無を言わさず召喚する術式が施されているたハズだ。
ならあと ”一人” は一体どうしたのか?考えられる可能性は、手紙を読まなかった、もしくは手紙を読まずに破り捨てたか。どちらも手紙を読まなかったことを想定した考えではあるが、あり得ない話では無い。
誰が好き好んで『住所』も『宛名』も『差出人の名』も無い手紙を読むのだろうか。
”主催者” が「人類最高クラスのギフト保持者」と保証してくれた者たち。出来れば呼び寄せた全員が揃って自らのコミュニティに入ってくれたら嬉しかったのだが、この際しょうがない。一人足りなくても「人類最高クラスのギフト保持者」である事は変わらないのだから。
今は、目の前にいる者達に『事情』を悟られずにこの ”箱庭” について説明しなければ。黒ウサギはそう意気込んで登場するタイミングを図るのであった。
■□■□■□
「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねぇんだよ」
と、十六夜は苛立たしげに言った。
手紙で呼び出されてから結構な時間が経っているのだが、今だにその場を動かずにいた。未知の土地に興味本位で動き回るのは愚かな行為。もっともな選択だと思う。
「普通この状況だと、招待状に書かれていた ”箱庭” とかいうものの説明をするヤツが現れるもんじゃねぇのか?」
「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」
「………この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」
(全くもってその通りです)
もう少しパニックになってくれたら黒ウサギとしては飛び出しやすいのだが、なんとも場が落ち着きすぎているためタイミングを図れないでいた。
(というか、なんでそんなに落ち着いていられるんですか? 異世界ですよ? 異世界。普通もうちょっと混乱とか、歓喜とか、いろいろあるでしょう。どうしてそんなに平然として待っているんですか? こんな微妙な空気の中飛び出して行ったら完璧に滑るじゃないですか。あぁ、ネタを出して滑ってしまった芸人の気持ちがわかる気がします)
今現在そんな空気ですしね。と黒ウサギは呟き、小さくため息を吐いた。
しかし、いつまでたってもこうしていてはいずれ彼らは何処かへ冒険紛いの探索に行ってしまうだろう。
(まぁ、悩んでいても仕方ないデス。これ以上不満が噴出する前にお腹を括りますか)
三者三様の罵声雑言を浴びせている様を見ると怖気づきそうになるが、ここは我慢である。そうでもしないと、ただでさえキリキリしている胃にストレスが加わることにより、マッハで穴が開きそうだからだ。
これは早々胃薬のお世話になりそうですねと思い、飛び出そうと足に力を込めた瞬間、ふと十六夜がため息交じりに呟く。
「───仕方がねぇな。こうなったら、
突然の呟きに、黒ウサギは心臓を掴まれたような錯覚を感じた。足に込めた力は拡散し、バレないように深くしゃがんで物陰から驚愕の表情で三人を見る。
しかしそれは彼らも同じこと。三人の視線が黒ウサギに集まる。
「なんだ、貴方も気づいていたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ? そっちの猫を抱いている奴も気づいていたんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「………へぇ? 面白いな、お前」
軽薄そうに笑う十六夜の目は笑っていない。三人共、理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線を黒ウサギに向ける。
これには黒ウサギもやや怯んだ。
(大人しく出ていけば話はできそうですが、何をされるかわかったものじゃありません。ここは軽いノリで近づくしか………)
そう思っていると、十六夜が「まぁ……」と口を開いた。
「どっちみちバレバレだったけどな」
「『頭隠して尻隠さず』とはよく言ったものね。この場合は『身体隠して耳隠しきれず』かしら?」
「………うっかりさん?」
グサグサグサッ!と黒ウサギの胸に言葉の刃が突き刺さる。割と自信満々に隠れていただけあって、三人の言葉は心にくる。
しかしただ言われ続けられているのも話が進まないので、すでに折れかけている心に喝をいれ、フラフラになりながらも物陰から姿を晒した。
「や………やだなぁ御三人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?えぇ、えぇ、古「ウサ耳…? 本物か? あれ」サギの天敵「髪の色とヘアバンドが被って見分けがつかないだけじゃ……」弱な心臓に「えぇっと…へあばんど? とかはわからないけど…引っ張ってみればわかるんじゃないかしら?」でございますヨ?って聞いて下さいよ!!」
話を聞いてもらえず思わず涙目になる黒ウサギ。だが彼らの返答は────
「断る」
「却下」
「お断りします」
────『現実は非情である』ということを物語っていた。
「あっは、取りつくシマもないですね♪」
バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。
だがその眼は冷静に三人を値踏みしていた。
(肝っ玉は及第点……ですね。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。……まぁ、扱いにくいのは難点ですけども)
外見はおどけつつも、三人にどう接するべきか冷静に考えを張り巡らせている黒ウサギ。すると突然耀が彼女の背後に素早く回り込み、黒いウサ耳を付け根部分から鷲掴むと────
「えい」
「フワッ!?」
───力いっぱい引っ張った。
何度引っ張ったり戻したり、また引っ張ったりを繰り返していくうちに耀は目を少し見開いて驚く。
しかしやられている方は堪ったものじゃなく、掴んでいる手を離そうとしながら涙目で抗議する。
「イタタタタッ!?ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、初対面でイタッ!? え、遠慮無用に黒ウサギの素敵耳をイタイ! ひ、引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!? あと、いい加減離して下さいッ!」
「好奇心の成せる業。あと、確認」
「自由にも程がありますヨ!?」
なんとか耀の手を引き離して彼女から距離をとる黒ウサギ。
助かった………。と思ったが、背後からさらなる魔の手が彼女の素敵耳に伸びる。
「へぇ? やっぱこのウサ耳って本物なのか?」
「…………じゃあ私も」
十六夜が右から、飛鳥は左から。
左右の耳を掴まれ力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した。
■□■□■□
「────あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も時間を消費してしまうとは………。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」
「いいからさっさと進めろ」
ハイ……。と半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらも、黒ウサギは話を聞いてもらえる状況を作ることに成功した。
三人は黒ウサギの前の岸辺に座り込み、『聞くだけ聞こう』といった感じに耳を傾けている。
黒ウサギは気を取り直して咳払いをし、両手を広げて当初の目的である ”この世界” の説明を始めた。
「それではいいですか、御三人様。定型文で言いますよ? ようこそ、”箱庭の世界”へ! ”我々” は御三人様に 『ギフト』を与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」
「『ギフトゲーム』?」
「そうです! 既に気づいていらっしゃるでしょうが、御三人様は皆、『普通の人間』ではこざいません!その特異な『力』は様々な ”修羅神仏” から、”悪魔” から、”精霊” から、”星” から与えられた【恩恵】でございます。『ギフトゲーム』はその【恩恵】を用いて競いあう為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な『力』を持つ【ギフト保持者】がオモシロオカシク、それはもう愉快に生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」
広げた両手で大々的に箱庭をアピールする黒ウサギ。
飛鳥はそんな箱庭について深く理解する為に挙手をした。
「まず初歩的な質問からしていい? 貴女の言う ”我々” とは貴女を含めた誰かなの?」
「YES! 異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある ”コミュニティ” に必ず属していただきます♪」
「嫌だね」
「属していただきます! そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの ”
「……… ”
「それはもう、様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます」
彼らの前を左右に移動しながら問われた質問を返答する黒ウサギ。
「特徴として、前者は自由参加が多いですが、”主催者” が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあり得ます。しかしクリアした際の見返りは大きく、”主催者” 次第では新たな【恩恵】を手にすることも夢ではありません。
後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらはすべて ”主催者” のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は結構俗物ね………チップには何を?」
「それも様々でございます。金品・土地・利権・名誉・人間………そしてギフトを掛けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに万が一負けてしまった場合───当然ご自身の才能も失われるのであしからず」
黒ウサギは愛嬌たっぷりの笑顔に黒い影を見せる。それは ”黒” ウサギの名に恥じない黒っぷりだった。
挑発とともとれるその笑顔に、同じく挑発的な声音で飛鳥が問う。
「そう。なら最後にもう一つだけ質問させてもらっていいかしら?」
「どうぞどうぞ♪」
「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOKです! 商店街でも各商店が福引き的な小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加してみてください」
飛鳥は黒ウサギの発言に片眉をピクリとあげる。
「………つまり『ギフトゲーム』とはこの世界の法そのもの、と考えていいのかしら?」
お? と驚く黒ウサギ。
「中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違いです。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもってのほか! そんな不逞な輩は悉く処罰します───が、しかし! 『ギフトゲーム』の本質は全く逆! 一方の勝者だけが全てを手にすることができるシステムです。店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だということですね。」
そう説明された飛鳥は、呆れた表情になりながらも納得した。
「そう。なかなか野蛮なのね」
「ごもっとも。しかし ”主催者” は全てを自己責任でゲームを開催しております。故に、奪われるのが嫌な腰抜けは初めからゲームに参加しなければいいだけの話でございます」
ニヒッ!と笑った黒ウサギは一通りの説明を終えたのか、「さて!」といいながら一枚の封書を取り出した。
「皆さんの召喚をこの手紙で依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それらを全て語るには少々時間がかかるでしょう。新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくのは忍びない。ここからは我らのコミュニティでお話しさせていただきたいのですが……よろしいですか?」
「………待てよ。まだ俺が質問してないだろ」
静聴していた十六夜が威圧的な声を上げて立つ。ずっと刻まれていた軽薄な笑顔が無くなり、妙に真剣な表情をしていることに気づいた黒ウサギは、構えるように聞き返した。
「………どういった質問です? ルールですか? それともゲームそのもの────」
黒ウサギがそこまで言うと、十六夜は彼女のセリフに被せて否定した。
「いいや?別にそんなのは
十六夜は視線を黒ウサギから外し、他の二人を見回し、巨大天幕によって覆われた都市に向ける。一瞬、”湖” を三人に気づかれないよう横目で見たがすぐに戻し、何もかもを見下すような視線で────訊いた。
「この世界は………
「─────」
他の二人も無言で返事を待つ。
彼らを呼んだ手紙には、『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い』と書かれてあった。ならば、それに見合うだけの催し物があるのかどうか。それこそ三人にとって一番重要な事だった。
「───YES。『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
あざといまでの笑顔でウインクをするとそう告げた。
すると十六夜はいつもの軽薄な笑みを浮かべ笑った。
「ヤハハ、そうか。それじゃあせいぜい楽しみにしてるぜ」
飛鳥は未知の世界に想いを馳せ、耀は表情こそ変わらないものの、小さくソワソワと身体を揺らしている。
「楽しみね。どんなところなのかしら」
「………」
「では、まずは箱庭に向かいましょう。入り口に黒ウサギの仲間が待っているはずですから」
黒ウサギは三人を引き連れ、箱庭にて待つコミュニティの仲間の下へと進もうとした。
しかし、その歩みは十六夜の言葉によって止まり、彼女の顔は蒼白に変
わる。
「そういえばよ、さっきからあの湖に
「……………ハイ?」
指を指された方を見てみれば、確かに人がうつ伏せに浮かんでいる。白い五分袖の服に少しブカブカのハーフパンツが水に合わせて揺らめき、近くには何かの機械も浮かんでいる。
瞬間、黒ウサギは理解した。呼び出された者たちは一人足りなかったのではない。呼び出されていたが、湖の底に沈んでいたのだ。”呼び出せたのは三人” と思い込んで説明をしている間にも、彼は溺れていたのだ。
そう考えている黒ウサギの顔は、髪よりも青く、蒼く変わっていき、またもや彼女は言葉にならない悲鳴をあげ、再びその絶叫は近隣に木霊することとなった。
イカがでしたか?
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