ヒーロー名:ホッパー1 作:名無しのジョン権兵衛
特定の仮面ライダーとのクロスものではなくシリーズ全体とのふわっとしたコラボなので悪しからず
『────、──。───────────、────────────』
「……夢か」
大事な日だってのに、妙な夢を見た。内容は全く覚えてないが、妙に頭痛がする。
何か重要なことを見たような、大したことでもないような。
……まあいいか、しょせんは夢だ、たいした内容でもないだろう。
そう思い、ベッドから体を起こす。先ほども言ったが、今日は大切な日なのだ。夢などに思いをはせている場合ではない。
「時間は……よし、余裕だな」
目覚まし時計で時間を確認する。よかった、寝坊などしていたら洒落にならなかったところだ。
ベッドから抜け出し、洗面所で顔を洗い、キッチンに行く。……どうやら今日はおやっさんが先に起きていたらしく、ピザパンが用意されていた、ありがたい。
おやっさんはこの家の持ち主で、俺の育ての親でもある。もうかなりの歳なのだが、老いてなお盛ん、というのだろうか。今は個人経営のバイク屋を営んでいる
今の時代、個人経営のバイク屋など流行らないとは思うのだが、なぜかかなり繁盛しているようだ。とうのおやっさん本人に聞いても、昔取った杵柄、の一点張りなのだから謎だ。
そんなことを考えながら朝食を手早くほおばり、自室にUターンして着替える。……よし、特に問題はないな。
「……ふう、いかんいかん……」
どうにもやはり緊張してしまっているな……。
「ええい、ままよ!」
緊張ばかりしてもどうにもならない。気を張るのはいいことだが、それだけではやはりダメだろう。
準備は昨日の時点で済ませてある。部屋に置いてある荷物を掴み、肩にかけて家を出る。
「おやっさーん!いってきまーす!」
「おーう、頑張れよ隼人!」
おやっさんへの挨拶も忘れずに。俺は表のバイク屋の前を駆け抜けていく。ビュウビュウと風を切る音が心地いい。
俺の名は本郷隼人。今日、雄英高校ヒーロー科の入学試験の実技試験に挑戦する。
俺がヒーローを志したきっかけは、別にそう大したものでもない。
ただ単純に憧れた、それだけのことだ。ヒーローに命を救われただとか、
面白みに欠けると言われると、まあ頷かざるを得ないが。まあヒーローになる動機なんて、意外とそんなものだろうとは思う。劇的な導入、劇的な理由、劇的な人生など世の中にはほんの一握りしかいないものだろう。
「問題なく到着、遅刻なし……と。しかし立派な建物だな、さすが天下の雄英」
人混みの中、俺は試験会場の建物を見上げる。倍率300倍を超えるほどの人数を今日だけで試験するだけのことはある。
「っとと、こうしちゃいられねえ、早く入らないと」
時間的にはまだもうちょっと余裕はあるが、まあ早め早めの行動が大事だろう。
試験会場に入り(これまた広い)、指定された席に向かう。どうやらこれから説明会があるらしいが……
「おっと、隣失礼」
「ん、はいはい、どうぞ」
隣の席だった女子に挨拶をする。三白眼の彼女は、耳たぶがイヤホンのような形になっている。これも個性、なんだろう。分類としては異形型……になるのだろうか、これも。最初は音楽でも聴いているのかと思ったが……能力は集音とかか?索敵に使えそうだな。
「……ちょっと?座らないの?」
「っと、すまない。考え事をしていた」
いかんな。考察もいいが、今はそれをするべき時ではないだろうに。
「いやはや、見苦しいところを見せたな。俺は本郷隼人。君は?」
「気にしないでいいけどね。ウチは耳郎響香、よろしく」
「ああよろしく。お互い受かるといいな」
挨拶もそこそこに。もう少しで開始時刻なので今一度身を引き締める。
「今日は俺のライヴにようこそー!!エヴィバディセイヘイ!!」
あれは……確かプロヒーローの……
「なんとかマイクだ」
「プレゼント・マイクね」
「そうプレゼント」
耳郎から補足されてしまった。言い訳すると俺はヒーローというものに興味はあってもプロヒーロー個人にはあまり興味がなくてな……確実に知っていると言えるのはオールマイトとエンデヴァーくらいしか……。
そんなしょうもない話をしていると、プレゼントマイクの話が始まったのでいったん黙って聞く。
彼の話を要約すると、
・実技試験は10分間の模擬市街地演習
・受験生はA~Gまでの会場に分かれて試験を行う
・演習場には攻略難易度に応じて1~3ポイントが割り振られた仮想
とのことだ。これはまた、分かりやすくて俺にはちょうどいい。要するに
「質問よろしいでしょうか!」
っと、ここで受験生側から質問が出た。こういう場だと多少の疑問があっても注目されることを恐れて委縮しがちなものだが、彼の声には迷いがない。大物の予感がするな。
彼は、説明プリントに書かれていたもう一体の仮想
「有難う御座います失礼致しました!」
納得がいったのか、真面目君は着席した。途中でやり玉に挙げられていた縮れ毛くんには同情するが……まあ俺には関係のないことだ。
しかし0点
「ちょっと、また考え事してるの?」
「いや、なんでもない。それより、どうやら試験会場は同じなようだな」
その後説明も終わり、試験会場へ向かうために離席しながら、そんなことを耳郎と話す。お互いのプリントを見ると、二人ともDと記されていた。
「マジじゃん!つまりウチらはこれから敵同士ってことになるのかぁ」
「おいおい物騒なこと言うなよ、ヒーローは助け合いだろ?積極的に手助けとかはさすがにしないけど仲良くやろうぜ」
確かにこの試験はポイントの奪い合いという側面もあるが、メインとなるのはあくまでスコアアタックだ。あまり奪い合いをする意味はないだろう。むしろあからさまに奪い合っては減点対象になってもおかしくない。
「まあそれもそっか。じゃあ、お互い合格できるといいね」
「そうだな、健闘を祈るよ」
はてさて、実技試験、どうなることやら。
どれくらい続くかは未定です
おおまかなプロットはあるけどね