ヒーロー名:ホッパー1 作:名無しのジョン権兵衛
さて、実技試験本番だ。
俺と耳郎は指定された会場に向かい、試験開始を今か今かと待っていた。
「しかしまあ、いくら分けられたとは言っても人数多いな、何人いるんだ」
「めちゃくちゃな倍率だからねぇ、300倍だっけ?」
周囲には人、人、人……中には人というより獣に近い見た目の者もいる。改めて個性社会ってのは多種多様だ。
「やばい、緊張してきちゃった」
「そんなん言ったら俺なんか朝から緊張し通しだよ」
『ハイスタートー!』
「そうなの?見かけによらず緊張しいなんだ」
「虫の心臓だからな、俺は」
……ん?……待て待て待て?
「やっべもう始まったぞ走れ!」
「噓でしょ!?」
『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!走れ走れ!賽は投げられてんぞ!!』
畜生まったくもってその通りだ!耳が痛い!クッソ出遅れ……てはねえな。というよりほとんど全員が固まってたせいで相対的に早いスタートだ。
ただ反応できてるやつは間違いなくいる……!そいつらがヒーロー科に合格するやつのアベレージだとすればやはり出遅れなのに間違いはない……!
逸る心を落ち着けつつ、全力で跳び走る。風が心地いいが今はそれに気を取られている場合ではない。
速力の差で置いていくことになった耳郎に内心で謝りつつ、模擬市街地に突入した俺を、出迎えたのは、速度はあるが脆い仮想
『標的補足!ブッ殺ス!』
「雑魚か!邪魔だ退けオラァ!」
所詮は最も弱いロボット、直接戦闘に向かない個性持ちでも倒せるように設計されているらしく、俺の裏拳の一撃でバラバラになって壊れた。
雑魚狩りをしても面白くないし、1点ロボを倒すのは効率が悪い。襲ってきたとき以外はわざわざ壊しに行く必要はないだろう。
「俺が狙うのは大物、3点ロボ……!」
散発的に襲ってくる1点ロボと2点ロボを雑に拳で吹き飛ばしつつ、市街地を駆け抜ける。しかし、この規模の模擬市街地やら、ロボットやらで大量に金を食っているだろうに、問題なく運営できているあたりマジで天下の雄英って感じだ。
『目標ヲ補足、迎撃ニ入リマス』
「っと、出やがったな3点野郎」
大型のロボットが、大通りに鎮座していた。装甲の輝きからして、強度は1点や2点のものよりも固そうだ。なるほどこれは非戦闘系個性の受験者では破壊は難しいだろう。
「でも俺にはそんなの関係ないね……!」
砲撃を躱し、地面を蹴って跳び、瞬時に接近する。
「っと……!」
しかしそこはさすが3点ロボといったところか、その動きに反応しロボットアームを振り回して迎撃しようとしてくる。
「邪魔ァ!」
『!?!?』
だがそんなもの、先ほど言った通り俺には関係ない。一応関節部を狙ってアームハンマーを一撃かまし、ロボットアームを吹き飛ばす。想定外だったのか、異音を鳴らすロボ。
「せっ……ラァ!」
至近距離で動きが止まったロボに対し、こちらも一拍置いて力を溜め、渾身のヤクザキックをお見舞いする。胴体を大きくひしゃげさせながら吹っ飛んだロボが、大きな音を立ててビルの壁に激突し、わずかに身じろぎした後、沈黙する。最高点にしては随分とあっけない……いやまあ、受験生が対処できる範囲と考えると妥当ではあるか。
そんなことを考えながらも、俺は順調に点数を稼いでいった。
「これで50ジャスト……っと、耳郎じゃん。順調か?」
「ふう……あ、本郷。うん、まあなんとかね」
「そりゃよかった、こっちもいい感じだ。置いてっちまって悪かったな」
「それは気にしないでいいよ、そもそも個人戦だしねこれ」
キリよく50点を取ったところで、同じくロボを破壊していた耳郎と遭遇した。耳郎は耳から出ているイヤホンをロボに当てて音圧(?)で破壊していた……そんなことできるのかよこわっ。
「……ちょっと待って、ヤバいかも」
「どうした耳郎」
そんなことを考えつつ索敵していると、地面にイヤホンを当てた耳郎が急に焦った声を出した。
「デカいのが近づいてきてる、たぶん例の0点のやつだと思う」
「マジか、ついに来たか」
そう言っているうちに、俺にも振動が分かってきた。空気の揺れが伝わってくる。人の喧騒も。
「デカいのが来たぞー!」「逃げろー!」
そして走って逃げる受験生達が視界に入り……次いで、巨大なシルエットが視界に入り込む。
……ある種、好都合かもな。
「あれが……0点ロボット……」
「耳郎、避難呼びかけ頼んでもいいか。万が一ってこともある」
「い、いいけど……本郷はどうすんのさ」
ジャージを脱ぎ捨て、背中に力を入れる。足に力を籠め、大きく息を吸う。
……風を感じる。広げた翅が震えているのが分かる。
「決まってんだろ」
「えっ、ちょ」
「あいつをぶっ飛ばす」
走る。風を切る音が気持ちいい。
跳ぶ。体に力が漲るのが分かる。
飛ぶ。思考が冴えわたる。
「セイッ……」
もはや0点ロボは目前だ。急速接近する俺に反応して、その大きな腕で妨害しようとしてくるが、遅い。遅すぎる。
「──ハァァァァァァァァ!!!」
俺の渾身の跳び蹴りが0点ロボの頭部に突き刺さり、完膚なきまでに破壊する。
原型を留めていない頭部ではバランスが取れなかったのか、轟音を立てて倒れ伏すロボット。俺は翅をはばたかせ、ゆっくりと着地する。
『終 了~!!』
「お、ちょうど終わったか」
「ちょ、あんた、その背中……」
「ん、耳郎か。そういや個性の話してなかったな」
まあそもそも会ってからそんなに時間たってないしな、そんな暇もなかったし。
「俺の個性は
仮面ライダーのクロスと言いつつ仮面ライダー要素がクッソ少ないのはいいんだろうかこれ
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