おまけ
令和四年のみんな
果々子のメモ
(敬称略
橘七都
院生二年目の春に関東圏の某研究機関(おおっぴらに言えない所らしい)へ出向。そのまま本採用になってしまい、一度も会えずじまいなのでちょっと寂しい。季節の挨拶の葉書をまめにくれる。字が可愛い。
柚ノ木珠
故郷(北見)に戻って母校で養護教諭(保健室の先生)をやっている。子供の頃からの目標だったらしい。
ミニクーパーは父親のセカンドカーを借りていたとの事で、今は中古のパジェロ(ロング)を入手している。大きな車に乗るのも子供の頃からの夢だったらしい。
瀬戸れもん
大阪の企業の陸上チームで活躍中。指導力が高い上に下の者の面倒見も良いので、常にチームの後輩が周囲に集(たか)っていてなんか悔しいと、みかんが言っていた。
風輪みかん(在学中)
能力だけでなく、愛くるしい外見とキャラクター性でたまにメディアにも引っ張りだされ、各企業による争奪戦が巻き起こっている。本人がはっきりとした希望を提示しないので、周囲は大変そうだ。
南原心菜
沖縄へは戻らず、札幌で就職。夏には愛車のゼファーであちこちツーリングに出て、綺麗な景色の画像を送ってくれる。
一度だけ果々子を後ろに乗せて、石狩の海沿いを走ってくれた。岬の突端で一緒にタコ釣りをして遊んだ。
日向桜子
就活に苦戦して一度山梨に帰ったが、舞い戻って南原とルームシェア。タウン誌の編集部で働きながら足で稼ぐフリーライターを目指す(愛車は叔父のお下がりのハンターカブ)。
「海なし県で育った癖に今の世を一番上手に泳いでいる」(南原談)。
佐原手 ルカ
卒業後、音信不通。
*二年後追記:いきなり「友達と第三国で会えた」「通訳のバイト面白い」と国際郵便が来た。
「あの人は静かなる猪突猛進。ルカさんが一番果々子ちゃんに似ていると思っていたよ」(ポニテ先輩談)
蜂矢涼介(在学中)
三年間でカノジョが七回変わった。本人はいたって普通にしているつもりなのだが、いつも怒らせて振られるらしい。
遠山果々子(在学中)
実家の飲食業は田舎ならではの地域密着型だったため、周囲に助けられて生き残った。が、ダメージはでかい。
卒業後は山口に帰って就職の予定。
でも一番弟子さんちの菓子店は、こちらに残ってたまにでも手伝いに来て欲しいらしく、あれやこれやと誘い込みを掛けて来る。
「弟妹の進学費用を貯めたいから、実家住みの方がいいんです」
「家賃光熱費の掛からない下宿先を斡旋してやる!」
そんな都合のいい所ある訳ないでしょうに。
何よりも、学生生活はまだたっぷり一年もあってくれるのだ。
これからもここで過ごせる明日あさってが染み入るように嬉しくて、果々子は一人笑みを溢しながらメモ帳を閉じる。
~完了~