強面男が幻想入り   作:疾風迅雷の如く

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ネタが切れて更新遅れました…


第27話

俺は下野会の連中を妖怪の山に捨てたり、ルーミア等の人食い妖怪のところで生け贄にしたり等の処分をして帰ると霊夢が少し困惑した顔で待っていた。

「勇姿さん。」

「どうした?」

「大和雄山って名前聞いたことない?紫から外の世界でそんな陰陽師の名前がいるって聞いたんだけれど…」

大和雄山…その名前は3つ年上の俺の兄の名前である。俺が19となっている以上雄山は大学の4年生になっているはずだ…4年ともなれば拘束時間こそ短いが外の世界で陰陽師なんてものはあったとしてもやらないだろう。そもそも陰陽師は妖怪退治や封印等の仕事。妖怪だらけの幻想郷ならともかく外の世界に需要があるとは思えないし、儲からないだろう。

「俺の知る雄山なら兄貴だ。だが兄貴の方の雄山は陰陽師ではない。」

第一、陰陽師なんて仕事よりもヤ9ザ狩りやチンピラ狩り、ギャング狩りの方が雄山は喜びそうだ。顔つきからして成れもしねえ高校の国語教師目指しているくせにな!

「そう…でも勇姿さんの名前を呟いていたから心当たりあると思ったんだけど…」

霊夢もそこにいたのか?…わからん。後で事情を聞くか。

「俺の名前を?」

「ええ、今雄山さんは紫にやられてこの神社で寝ているけど勇姿さんのことを寝言で言っていたわ。」

やられて…?

「どの部屋にいる?一応確認したい。」

「奥の部屋よ。」

 

~奥~

 

…どういうことだ?雄山と言えば雄山なのだが昔からあったはずの胸の傷が最近刻まれたかのように包帯で巻かれている。そして何よりも…幼すぎる。確かに身長170を超えていて顔も普通だ。だからこそおかしい。俺が知る雄山は目を合わせただけで人を殺しそうな目付き、ヤクザすらもドン引きする顔の彫り…つまりこいつは俺の知る雄山ではない。別人だ。

 

「うう…」

「起きたか。」

俺が声をかけると目が合い、雄山は飛び起きた。

「よ、妖怪か!?」

雄山は俺に向けて霊夢と同じような札を取り出して放つがそれを収納して対処した。…って雷破魔札(破魔札の雷属性が付加したもの)じゃねえか…本気で俺を殺しに来ているのか?!

「っ!?」

雄山は驚き、目を開くがそれは表情だけ。身体は俺に攻撃しようと動いていた。この反応は滅多に見られないが頭よりも身体で戦うことを覚えているが故に起きることだ。俺の場合は脳で身体を無理矢理動かして対処するがこいつは本能でやった。そう…兄貴の方の雄山と同じようにな。

「痛えじゃねえか…」

だが如何に速く動こうとも力を込めて対処すればどうということはないが親戚共は力を込めずにトラックに轢かれても平気だ。逆に俺はそんな頑丈な身体を持っていないから力を込めなくては対処出来ない。…あいつらマジで何なんだ?

「寝てろ。小僧。」

そして一発殴って気絶させた…

 

「ちょっと何なのよ…って!勇姿さん!何この有り様は!?」

霊夢は戦いによって部屋を荒らしたことに激怒し、暴れたから取り押さえるのにこうせざるを得なかったと答えると買い物に行かされて、霊夢はその後始末をした。

 

買い物に行って帰ってくるとすっかり元通りになっており、霊夢はそこにはおらず代わりに雄山は胡座をかいてそこにいた。

「…」

「目が覚めたか?大和雄山。」

「何で俺の名前を知っている!?」

明らかに動揺したのを見て俺は雄山と目を合わせた。

「お前に襲われた八雲紫から間接的に聞いた。」

「そうだ!あの女はどうした!?」

「知らん。奴の住む場所は知っていても行き方は知らん。行けたとしてもほとんど偶然に近いものだ。会う方法も向こうから干渉しないと出会えん。」

もっともそれは一般論だ。幻想郷内ならば奴がどこにいるかなんてわかる。流石に幻想郷の外…魔界とか月とかは無理だ。多分レベルアップすれば出来るだろうが…今は少なくとも無理だ。

「くそ!」

「…それよりもお前に聞きたいことがある。どうやって幻想郷…ここへ来たんだ?」

紫がこんな奴を放っておく訳ねえし、幻想郷から追放するだろう。

「あの女が弱っていたからな…隙を見計らって不意討ちしたらいつの間にかここに来た。」

「紫を不意討ちか…形はどうあれ俺の例と似ているな。だが何故紫を不意討ちした?」

俺の場合は車でヒャッハーして轢いて幻想郷に飛び込んだっていうのが事実だけどな。

「とある団体のお偉いさんに頼まれたんだよ。もう東京湾の魚のエサになっているだろうし、話しても問題ねえか…中国系マフィア団体の修羅って組織だ。」

俺はその組織を知っている。かつて職場体験で捜査四課の刑事として働いていた時、資料にその組織の名前があったがすでに解決済と書かれていた。

「10年以上も前に滅んだ組織がお前に依頼したのか?」

そう、既に修羅は滅びている。修羅は横浜に拠点に置いていた組織で海外系マフィアの中では関東で最も勢力のあった組織だったが、とある日を境に構成員全員が行方不明になっていた。それから修羅の本部関係者から刺客が何人も送られてきたが必ず3日以内に行方不明になることから修羅は恐れて日本を諦めた…と当時の上司に聞いた。しかし紫って妖怪からもマフィアからも嫌われているんだな。

「何言ってやがる。今はどうだか知らねえが数日前まで修羅は日本に普通にいたぞ。」

…まさかな。少し試してみるか。

「西暦何年だ?平成でもいい。」

「2004年、平成に直すと16年だな。」

 

やはりそうだったのか。こいつは俺の兄の雄山だ。俺が幻想入りしたのは2014年、ところがこの雄山は10年以上も前の世界からやって来た。逆に俺が未来から過去の世界に行って幻想入りしたという考えもある…言われてみれば会場に辿り着けなかったのもナビが故障していたのではなく、会場その物がなかったと考えられる。そして俺が幻想郷から出れない理由も霊夢が元の場所…つまり10年以上後の外の世界に繋ごうとして失敗したと考えられる。

 

「そうか…なら雄山、元の場所に帰りたいか?」

「当然だ。勇姿…弟がアメリカに留学する迎えをしなきゃいけないしな。」

そう言えばそうだった。俺はアメリカに留学して生まれてから別居している雄山が迎えに来なくて雄山の顔だけ知らずに帰国して会ったときは驚いたぜ…

「なら陰陽師の仕事を止めろ。陰陽師はもう裏の世界でしか活躍出来ないのはわかっている。そういった奴らが集まるところなんだよ…ここは。」

俺は忘れ去られてもいないのに何故か幻想入りして幻想郷から抜け出せないけどな。これが親戚共の罠だったら恐ろしい。…もしかしたら大和一族は陰陽師の家系なのか?だとしたらあいつらが身体が丈夫なのも頷けるし、俺はその家系でも落ちこぼれだったから疎まれていたという説明がつく。

「…わかった。元々この依頼を引き受けたのは弟の為だ。弟にお土産でも買って上げようと思ったんだが仕方ないか。」

「それなら少し待て。良いものを作ってやる。」

そう言って俺は小豆ともち米、そして専用の道具を使ってとあるものを作り始めた。

 

そしてそれを作り終え、それを雄山に1つ食べさせた。

「これは…餅のたい焼きか!?」

「そうだ。お前はたい焼きと餅が好きだったんだろう?だけどお前は相性が悪いからと理由でどちらか片方しか食わない…違うか?」

「何で俺の好きなものを…?そして何でそれを知っているんだ?」

「俺は…未来の…十数年後のお前の弟、大和勇姿だ。」

「はあっ!?お前が未来の勇姿なのか…?!」

「そうだ…驚いたか?別れくらいにそのくらいの土産は欲しいだろう?」

「…確かにな。いい土産だが…このたい焼き以外は要らねえよ。もうお腹一杯だ。」

「そうか。それじゃ専門家にお前を元の世界に戻すように言ってくるから少し待て。」

「わかった。」

 

~~

 

「霊夢、話は終わったぞ。」

「そう…ところで勇姿さんのお兄さんだったの?あの人。」

「…そうだ。あいつは陰陽師を引退して元の世界に帰りたいらしいから帰らせてやれないか?」

「ええ。それが私の仕事だから…」

「すまない…」

「それじゃ勇姿さん、あの人を呼んで来て。」

「わかった。」

こうして、俺は過去の雄山と出会って別れた。その後、無想転生のコードが追加された。




無想転生…ネタは北斗の拳です。
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