強面男が幻想入り 作:疾風迅雷の如く
今回早めに出来たのはある程度仕上がってちょっと補正する程度で済みました。
第33話
「橋野ーっ!!いるんなら出てきやがれ!!!」
俺は当時数え年で12歳、日本生まれだがアメリカで飛び級して中3(に相当する学年)となり交換留学で日本にやってきた。交換留学の時の職場体験で日本の警察になったがその中でも一番ヤバいと言われているマル暴の仕事をすることになった。それだけならまだいい…マル暴の仕事は本来権力などで暴力団を抑えることだが…俺は長野県で勢力を拡大していた過激派ヤ9ザの三次団体の組、橋野組の事務所に殴り込みに行っていた。これ後で給料請求しないと割りに合わないぞ…ちなみに橋野は現在(当時)の組長の名前だ。
「親父に何のようだ!」
ヤ9ザの1人が俺に掴みかかるが俺はあっさりと対処して逆に取り押さえた。
「公務執行妨害で逮捕だ!島、田辺、こいつをパトカーの中に入れとけ!」
一時的とはいえ俺の部下である島と田辺を使い、掴みかかったヤ9ザを豚小屋行きの無料タクシーへと乗せて橋野の部屋へズカズカと入っていった。
「んーっ!!むーっ!!」
そこには緑髪とセーラー服が特徴の女子高校生(以下少女)が縛られて呻き声を上げ、涙を流していた。
「動くんじゃねえ…こいつがどうなっても良いのか?」
橋野が低い声で銃口をその少女に向けて脅した。
「舐めるな!」
俺は橋野の銃に向けて銃を撃ち、弾かせ、橋野がその少女を離した隙を見計らって奴の手首を撃った。…幸いにも俺は銃の才能があり、銃の射程距離の限界までミクロ単位で百発百中というあり得ないチートぶりだった。そのおかげで飛び級が出来たと言っても過言ではない。
「覚えてやがれ…!」
橋野は窓から飛び降り、その場を脱出した。
「いってらっしゃい、豚小屋行きの無料タクシー乗り場に。」
俺はいい笑顔で笑い、橋野を見送った…何故なら俺の部下達がそこで待機していたからだ。橋野はそれに気づいて慌てて逃げるがあっけなく捕まり、豚小屋行きの無料タクシーことパトカーで警察署へと送られた。
「大丈夫ですか?私はこういうものです。」
強面である俺が話しかけるべきではないが、強面でない他の課の奴らはいないのでその場にいた俺が話しかけるべきだと判断し、警察手帳を見せた。ちなみに今の俺は捜査四課の巡査部長である。…功績が過大評価されすぎたんだろうと思いたい。決して学校側の陰謀だと考えたくない。1日署長ならぬ1ヶ月部長ってどんだけ…
「あ、ありがとうございます。」
俺は少女を拘束していた道具を壊し、解放すると少女は俺に礼を言ったがまだ涙目で座っていた。
「立てますか?」
「ごめんなさい、少し手を貸して貰えませんか?」
珍しいな…こいつが高校生とはいえ学校の連中なんかは凶悪な俺の顔とこの年で既に190cm強という大柄な体格から生まれる筋肉にビビってしまって俺が手を貸そうものなら日本の中学生達がビビって逃げてしまうか、謝るかのどっちかだったから新鮮だ。
「どうぞ。」
「よっ…あれ?」
俺の手を引っ張り、少女が立ち上がろうとするも地面に腰を落としてしまった。
「…もしかして腰を抜かしました?」
「言わないでください!」
少女がプンスカと怒り、赤面した。
結局、パトカーまで少女をおぶっていき、警察署で色々と事情聴取してからパトカーで彼女の自宅である……神社まで送っていくことにした。
「では……さん、お気をつけてくださいね。」
「ありがとうございました、刑事さん。もし良ければ……神社へ参拝しませんか?」
「悪いんですが仕事中なので遠慮しておきます。今度来る機会があればプライベートで行きます。」
「絶対ですよ!」
「ええ。絶対に…」
~現実~
「夢か…」
懐かしい夢だったな…職場体験の時の夢だ。ちなみにあの後、俺は約束を果たす為にアメリカから日本に帰国したがその神社に来ることはなかった。理由は単純であの後すぐに福岡に行くことになったのと、中学校に戻っても今までの授業を取り戻すために夏休みの休日が無くなり、その事を完全に忘れていた。あれは死ぬかと思った…冬休みは裕二の会社の秘書に裕二の会社の経営方針を教えるバイトしていたので無理だった。
幻想入りする前…つまり雄大の社長襲名披露式に行く前にようやく休暇が取れた。その際に車の運転免許も取得している。
しかし前回の異変からもう2年も経つのか…時間というのは早いものだ。そんなに経っても一という奴の手かがりは掴めず、一の謀略かは知らないが依頼も激減してしまいどうしようもなかった。
「あ、勇姿さん。お早う!」
「お早う、霊夢。」
俺が挨拶すると霊夢は上機嫌に洗濯物を干しに向かった。
「しかしどうしても思い出せないな…」
あの時の神社の名前と少女の名前がパッと浮かばない。霊夢は黒髪だし、悪い言い方になるがあの少女よりも胸の成長が乏しい。それにこの神社とは全く別の神社だった。似たような神社だったらとっくに思い出している。
長野県…昔の名称なら信濃の国にある神社を魂魄妖忌と一の情報と共に探してみるか…って出来るのか?いや先日射命丸と阿求に情報を与えたんだから情報は得られる可能性はある。
「霊夢、少し出かけてくる。」
「いってらっしゃい。」
俺はセーブをして出かけた。その理由は情報だけを集めてロードすれば情報収集の時間を無駄にすることはなくなるからだ。
射命丸は妖怪の山に住んでいるが昼間は取材でどこにいるかわからねえし、夜行けばスキャンダルのネタになりかねん…となれば最初は阿求のところだな。あそこなら資料も多いし、自分の目で確かめることも出来る。
そんな訳で阿求の所に来た訳だが…
「では勇姿さん…私の質問に答えてくれますね?」
質問攻めにあい、ベラベラと喋ったが資料は見つからずにロードして妖怪の山へと向かった。どんなに都合が悪いことを話してもロードしてしまえばこちらのものだ。
「う~ん…信濃の国の神社ねぇ。」
射命丸はいなかったが仕事をサボっているフウを見つけたのでフウから聞くことにした。
「心当たりはあるか?」
レミリア達よりもずっと長く生きているからわかるはずなんだかな。
「多すぎてわからないし、まず手がかりが少なすぎる。」
「そうか…」
フウがこれじゃ射命丸も似たようなものだろう…ロードするか…
「だけど妖怪の山には紅葉の神と豊穣の神がいる。」
訂正、ロードする必要はなかった。
「そいつらの名前は?」
「秋静葉と秋穣子…二人とも姉妹だよ。」
「姉妹…」
「今度紹介してあげるからちょっと匿ってくれない?」
「わかった。」
しかし人里は駄目だ…あそこにフウが通う甘味の店があり天狗達が駆けつけるのも時間の問題だ。博麗神社はもっと駄目だ…霊夢に何て言われるかわかったものではない。紅魔館はフランはともかく当主のレミリアがフウを嫌っている節があり、匿う以前の問題だ。となれば…行く場所は決まった。
「すまないな。いきなり来訪してしまって。」
俺はフライパンを使ってチャーハンを作っていた。
「いえ、お手伝いしていただき助かりました。勇姿さん。」
そう答えるのは二刀の半霊少女こと妖夢だ。…そう俺は冥界に来ていた。ここならば料理を作れば歓迎されるので今の状況なら最適の場所だった。強いて問題をあげるとするならば紫が幽々子の友達らしいが俺にちょっかいかけるほど勇敢じゃねえし、逆に俺の見た目で判断するようなヘタレだ。こうして料理を作っている間は問題は起きないだろう。
「それにしてもよく食べられたな…」
幽々子は軽々と俺と妖夢が作った料理を平らげてしまった。
「まあ幽々子様はそういうお方ですから…」
「これでも腹五分目よ~。」
まだ半分しか満たしていないのか…ありえん…
「ところで…2人とも。魂魄妖忌というご老体について知らないか?」
これが冥界に来た本当の目的だ。魂魄と名前がつくからにはおそらく妖夢の関係者である可能性が高い。それを何故今頃になって尋ねられなかったのかは様々な理由がある。冥界は紅魔館や永遠亭等の他の幻想郷とは違い、イベントの場所になっておりイベントでしか来れないように設定されている。故にそれまで冥界に行けなかったのは冥界に行く依頼が全くないという状況で今ようやくフウの依頼でここに来れたという訳だ。
「えっ!?何故その名前を!?」
「先日…お前たちがいない間、ここで拳と剣を交えた。」
「お祖父様と勇姿さんが…?」
動揺こそしている…いやしているからこそ妖夢は剣を抜かずに俺に尋ねた。
「お祖父様…?やはり妖夢…お前の関係者か。」
「はい。お祖父様…祖父は私に剣を教えてくれた師であり尊敬の対象でした。今、私の仕事である庭師の仕事もしていたんですよ。」
なるほど…俺でいう婆さんみたいなものか。
「でもね〜妖忌ったら儂はこれから旅へ出ます!とか言っちゃって妖夢を置いていっちゃったのよ!」
未熟な孫娘を私情で置いていくとは案外酷いもんだな。婆さんなら俺達が子供の時、ゲームにハマりすぎた俺と裕二を崖から落として「登ってこなければゲームは返さない」とかいって登るのを待っていてくれたのに…その後俺は怪我して登れなくなった裕二を左脇に抱えて片腕で登り、ゲームを返してもらった。
「つまり、お前達は妖忌が何処にいるかわからないのか?」
「はい。残念な事に…でも何故祖父を探しているのですか?」
「妖忌は一と名乗る男に師事している。俺は妖忌よりもその一を探しているだけのことだ。」
「なるほど…その信濃の神社を探しているのもそれが理由か?」
フウが首を突っ込み、尋ねると俺は首を横に振って否定した。
「いや…それは関係ない。だが2年前から夢を見ていなかったからな。いきなり夢をみるようになった以上何かがあるはずだ。」
俺がそういうと『異変が発生しました。』と表示されて異変が発生したことがわかった。…こんな時に面倒なことをしてくれる。今度はどんな異変だ?
名前こそ出ていませんが勇姿に助けられた緑髪の彼女はこの小説にしても他の小説にしても外の世界での不遇率(虐めにあったり、絡まれたりする確率)が高いですよね…今回はヤ9ザに誘拐というありえんてぃな展開でしたがどうでしたでしょうか?感想お待ちしております。