強面男が幻想入り 作:疾風迅雷の如く
「よう久しぶりだな、勇姿!」
私はそう言って博麗神社に居候している妖怪、大和勇姿に挨拶した。
「魔理沙…お久しぶりですね。」
勇姿は丁寧に礼をして私に挨拶し返した。
「そういえばさ勇姿、霊夢から聞いたんだが…帰れなくて博麗神社に住まわせて貰っているんだって?」
私が来た時、勇姿はたまたまいなかったけど霊夢の代行をやっていると聞いて少し驚いた…霊夢は譲らないし、そうなったらどうしようもないからな…
「ええ…その通りですが。それがどうかしましたか?」
「私の師匠がこの神社に住んでいるんだよ。悪霊だけどさ。魅魔っていうんだけど知らないか?最近どっか行っちゃってさ…」
私の師匠の魅魔様は何故か行方不明になり魔界にいっても見つからない…霊夢は面倒くさがって探してくれないし…だから私は勇姿に頼んだ。
「少なくとも私は知りませんね…ですが…」
勇姿は物置に近づいで…扉を開けた。
「私の勘だとここにいると思いますよ。」
そう言って物置の中に入ると目の前の陰陽玉を手にした。
「この球ですね…」
「これは霊夢の陰陽玉か…?」
私は陰陽玉を見て目を開く…何しろそれは霊夢の陰陽玉…前までの霊夢の武器と言っていいものだ。
「この陰陽玉におそらく魅魔という方がいるのでしょう…」
「全くこんなにあっさりバレちゃしょうがないね。」
第三者の声が響き渡り、私と勇姿は陰陽玉を見た。
「貴方が魅魔さん…という訳ですか?」
勇姿がそう言うと魅魔様がドヤ顔で現れた。
「そ~さ…私が魅魔様さ。」
魅魔様はそう言って勇姿を見ると少し気まずい顔をした。
「あ~…とは言っても勇姿…あんたは私のことを魅魔と呼んでおくれ。それと弟子でもないのに敬語はやめておくれよ?霊夢と同じように普通に話してくれれば構わないから…」
魅魔様は勇姿を呼び捨てで呼ぶように命令した…
「何故私の名前をご存知なのですか?」
勇姿は魅魔様とは初対面なのかそう言って魅魔様に何故自分の名前を知っているのか尋ねた。
「そりゃ、博麗神社が私の領域だからさ。だからあんたのことはよく知っているしあんたは自己紹介もしなくていい…それよりも敬語やめなって…それとも私の弟子になりたいのかい?」
博麗神社が魅魔様の領域…魅魔様、博麗神社を乗っ取ったのか?いやそれよりも勇姿が魅魔様の弟子になったら私の弟弟子になる。これはこれでいいかもしれないな。
「いや…それはない。」
しかし魅魔様の勧誘を断って勇姿はそう言った。
「それでいいのさ…あんたには魔力が感じられない。魔法使いとは縁がない体質なのさ…あんたは。」
魔力がない?私もはじめはそうだったけど魅魔様に魔法使いになれないと言われるほど酷いのか?
「まあ、魔法使いになる気にはサラサラないけどな。」
勇姿は外の妖怪だし、もしかしたらその必要もないのかも…
「まあ、魔法使いの対策くらいは教えてやることは出来るからいつでも話しかけな!」
私が考え事をしている間に魅魔様は陰陽玉に入っていった。
「あっ!?魅魔様!カムバーック!!」
私は陰陽玉にそう叫ぶが何の反応もなかった…可愛い弟子の顔を見て何も思わないって…そう考えていると勇姿が陰陽玉をかざした。
「おい?勇姿?」
私は勇姿の行動が理解出来ずに勇姿に話しかけるが勇姿は集中しており無視された。
「よっ…!」
いきなり魅魔様が再び出てきた…
「魅魔様!さっきは酷いぜ!」
当然私は師匠である魅魔様に抗議した。
「もしかして魔理沙かい?」
魅魔様はようやく私に気がついた…何で可愛い弟子に気がつかないのか疑問に思う。
「そうだ!私は霧雨魔理沙!魅魔様の弟子だぜ!」
私がそう言うと魅魔は目を丸くした。
「いや~成長ってのは怖いもんだね。てっきり別人かと思ったよ…」
魅魔様がそう言って私の姿を見て頷いていた。
「へへ…」
私は久しぶりに会って褒められて照れ笑いをした。こうやって褒められるのはいつ以来だろう…
「ところで…早速私の講座を聞きたいのかい?」
そう言って魅魔様が勇姿に尋ねるが…勇姿はこう答えた。
「いや、俺が呼んだのは魔理沙に会わせる為でそれ以外に理由はないぜ。」
勇姿は私のことを心配していたのかそう魅魔様に言った。
「そうかい。それじゃ勇姿、魔理沙に会わせてくれてありがとうよ。」
魅魔様は陰陽玉に入っていった…
「それじゃ魔理沙。宴会の続きでもしましょう。」
勇姿は私を宴会を楽しむように促すが私はちょっと不満だった。
「勇姿、ちょっとその…敬語は止めてくれ。なんか恥ずかしいぜ…」
魅魔様や霊夢に対して勇姿は敬語じゃないし、それに敬語はなんか恥ずかしくなった。
「では魔理沙。宴会の続きだ…ぱーっと騒ごう!」
勇姿は微笑んだ後、そう言って私の背中を軽く叩いた。
「おうよ!」
私は満面の笑みでそう答え…気分が良くなった…
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博麗の巫女に宴会を誘われ神綺様と私は博麗神社に来ていた、
「ん~…どれにしようかな~…」
そう言って神綺様はアホ毛で皿を選んでいた…
「神綺様…アホ毛をぶん回して選ばないで下さい。」
私は呆れた声を出して注意するが神綺様はテンションが上がっており無駄だった。
「夢子ちゃん、箸じゃないからオーケーよ!」
と言って神綺様は私の注意を受け流した…
「そういう問題ではなくですね…ほら止めて下さい。」
しかし、私が止めようとしたのはそんなのが理由ではない…神綺様の死角に怪物が私の視界に映っているからだ。その怪物は魔力や妖力などの力を感じさせないがあれと戦って勝てるか?と言われたら無理と答える。その怪物は人間の皮を被った別次元の生き物だ…神綺様もそう思うだろう。
「よし!これに決めた!」
そう言って神綺様は皿に手を伸ばそうとして顔をわずかに動かすとその怪物と目が合い硬直した。
「…」
そして神綺様は手を引っ込めて私の手を取った。
「神綺さん…でよろしいですか?」
怪物が地を這うような低い声で神綺様を呼んだ。
「な、な、な、何かしら?」
神綺様が珍しく怯えてそう答えた。神綺様は母性が強く、私達のような魔界出身の者であれば子供みたいなものだと言ってくれる…だから神綺様は通常であれば何が何でも私を守る為に威嚇するが…今回は怪物が相手だ。怪物は魔界神である神綺様の威嚇すらも許さなかった。
「先ほど手に取ろうとした食べ物は食べないんですか?」
そう言って怪物は先ほど神綺様が取ろうとした皿を取った。
「ちょっとお腹壊しちゃって…あ~お腹痛いわ~…夢子ちゃん。私ちょっとお腹治してくるから頑張って!」
そう言って神綺様はわざとらしい演技で怪物から立ち去った…神綺様は本来こういった外交には向いていない。なので私に任せたというところだろう。
「ええと…私は神綺様の看病があるので失礼します。」
これまで生きてきたなかで最も冷静に対応し、怪物から私は立ち去った…二度と関わりたくない。
「では二人ともお気をつけて…」
怪物は全くといいほど心配そうな顔はしておらず漆黒の髪を揺らしてそう言った…
「何よ…あの化け物は!」
魔界に帰り、神綺様は身体を震えさせた…神綺様は魔界を作った創造神というだけあって強さは半端ではない。それこそ幻想郷にいる神なぞ虫ケラ扱いしてしまうくらいには…敗戦は霊夢くらいだろう。
「神綺様、落ち着いてください。私もあの怪物を見てみましたがそこまで怯える程なのですか?」
しかしそれでは納得がいかない。あの怪物は霊夢程ではなかったはずだ。霊夢程の力を持った怪物なら既に魔界に侵攻しているし、名前も知っているはずだ。
「夢子ちゃん…あれは化け物よ。なまじ強いが故に力の差を感じてしまう…まさしくその通りだったわ。私以上の実力者なら感じているでしょうね。おそらく霊夢も…」
その力を少ししか感じ取れなかった私は神綺様と同じ舞台に立てないということか…
「アリスちゃんが心配だわ…急いで手紙書かないと!」
そう言って神綺様はアリスに手紙を書いた…
まあ普通なら幻想郷に行って連れ戻すのが手っ取り早いけど神綺様はあれがトラウマになり幻想郷には行けなかったということがよくわかった。
恐ろしい化け物が幻想郷にいたものね…