世界を救う英雄を育てた英雄   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第16話 懐玉・玉折~② 泣いた凶鬼 北と南

 

アルフィア

 

それは 自由を求め、好きに生きたかった一夏にとって壁とも呼ばれる存在だった

彼女にコテンパンにされた日 恐らく彼女に勝てなければ、心からの自由は得られない

そう思いながら力を求め、鍛え続けた

 

当初アルフィアの存在は一夏自身を縛る存在としか認識しておらず、唯々憎い相手と思いながら、負けたことが悔しく、負けたからには表面上は従い、それでも立場の逆転をしようと

何度も挑み続けていた

 

しかし、そんな日々を送る中で 変わっていく想いも存在していた

 

不治の病に侵されながら、残り少ない時間の中

それでもなお戦い、己の弱さを見せず 

どこまでも孤高に どこまでも見せた絶対的なまでの存在を

 

それなりに生き、それなりに人間を見てきたが

ここまで己の命をかけた者を見たことがなかった

 

いつのまにか ある種の敬意すら抱いた

 

アルフィアの願いを叶えるつもりはなく

唯、この世で自分を超える者がいた事実を、アルフィアに勝って示したかった

 

それが 大嫌いだが認めていた者への一夏なりの誠意だった

 

 

そして、ヘラの眷属として世界を救う意志を持ちながら、同時にどこか諦めているようにも見えた

生まれつき不治の病に侵されながら、誰よりも強く優れた才を持っていながら、自分では黒龍を倒せない

 

短い命と引き換えに持って生まれた才は 世界を救うためだけに与えられたもののはずなのに、それができない

世界を救うためだけに生まれたそれを果たすことが出来ない

それができない自分は無価値だと思っていたかもしれない

 

一夏「…………もしかしたら、俺は。意味を作りたかったのかもしれない。あんな傍若無人でも、生きた意味を。お前が育てた奴は、お前すら超える存在だってな」

 

シャクティ「…………」

 

シャクティに詰め寄られ、それまで誰にも話したことのなかった

自身にとって アルフィアはどんな女だったか

 

話しているときの一夏の表情は、淡々としながらも

どこか未練を感じられたものだった

 

一夏「六月に関してもそうだ。あいつは生まれが酷くてな、自己肯定感が人より低くて、あまり自分を好きでいられなかった。だからこそ、アルフィアに見出され、認められたことがうれしかった。だからこそあいつはアルフィアに惹かれちまった。今でも思っている。あんな女じゃなくそれこそアストレア・ファミリアの誰かを好きになればよかったってよ。そうすれば、まだあいつは死ぬなんでことはなかったはずだ…………いや、あいつが死んだのは、結局のところ、あいつに庇われるくらい俺が弱かったからだろうな」

 

シャクティ「一夏………」

 

一夏「俺さ………あいつに言ったんだよな。『お前が死にそうになっても助けない。だから俺が死にそうになっても助けるな』って。なのにあいつは俺を庇って死んでしまった…………あの時、本当なら死んでるべきだったのは俺の方だった。でも生き延びてしまった。いや、生かされちまったっていうべきか…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は 置いてかれた 置いてかれたんだよ あのふたりに

 

シャクティ「──!」

 

悔しそうに、堪える様に自らの拳を握りしめ

思いつめる様子の一夏にシャクティは悲痛な表情を浮かべた

 

一夏「………あの日、俺が目指し、超えようとしたあいつも、いつも俺の隣にいたあいつも。一度に俺の前から消えて、残ったのは、あいつらを亡くし、生き方も生きる意味を見失って、生への執着を亡くした、残りかすみたいな俺だけだ。この二か月、何度も死のうと考えていた」

 

シャクティ「…………」

 

一夏「だが」

 

────お前は生きろよ

 

一夏「俺に生きろって言ったあいつの言葉が、呪いになって俺を生かし続けている。俺が死ねば、あいつは──あいつは、何のために!」

 

手を自身の顔に伏せながら、悲痛に顔を歪ませ、堪える一夏

 

一夏「なんで俺だった。なんで俺が生き残った!なんで俺じゃなく、あいつが死ななきゃ行けなかった!俺は!あいつが放とうとしたあの魔法の瞬間、死を受け入れた!生き残ることを諦めた!なのに、最後まで足掻いたあいつが死んで、俺は生かされた!!」

 

悔しさにあまり、自分の膝をおっもいっきり殴りつける

それだけでなく、感情任せに己の掌を握りしめ、ベットに血が滴る

 

一夏「なにより、あいつは諦めなかった!アルフィアを止めることを、最後まで諦めなかった!俺は、もうあいつは駄目だって諦めていたにもかかわらずだ。俺より優しい、あいつこそ生きるべきだった!」

 

声を荒げ、己が生き残った結果を否定し、六月こそ生きるべきだったと自己嫌悪に陥った

これまでため込んでいた自身の中の負の感情を吐き出すことで、ここ二か月間感じていた心の重みが少しずつだが軽くなりつつあることを感じ、抑えていた枷が外れて行く

それは、決して一夏が他人には見せない弱さだった

 

一夏「はあ……はあ……はあ………分かっただろ。今の俺は、生きることも死ぬこともできず、燃えカスみたいになって無駄に生き延びてしまった、あいつらを殺したも同然の、身内殺しだ」

 

身内──親友だった六月に対してはともかくアルフィアのことまでをそう呼ぶ

普段ならアルフィアを絶対身内と呼ばないはずが、歯止めを亡くし、口から零れ落ちる本音が止むことはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段の意気揚々としながら弱い所は六月にだって見せたことのない一夏

そんな彼の姿を見続け、苦しんでいるそんな彼を

 

シャクティ「………」

 

彼の手を優しく握りしめ

彼女は放っておかなかった

 

一夏「……」

 

シャクティ「……覚えているか、初めて私達が会った日のことを」

 

オラリオに来た最初の日

ヘラの眷属であるだけで、多くの神々やヘラファミリアを知る人々は大いに警戒し、特に都市の治安を守る立場にあったシャクティは人一倍警戒した

 

神々の話し合いの末、一夏はガネーシャファミリア、六月はアストレアファミリアで監視を受けながらの居候をさせることとなり、その日からシャクティは一夏の行動一つ一つに目を光らせ厳しく監視をした

 

シャクティ「私とは正反対に、アーディは無警戒にお前に近づいて、たくさん接してきた。正直あの子の行動一つ一つは、お前を刺激させるのではないかと、お前以上にヒヤヒヤした。だが、あの子がお前に近づき、たくさん関わったことで、私達に警戒していたお前の心を開かせ、そんなお前の姿を見て、このファミリアもまたお前に対して警戒せず接するようになり、お前の人となりを理解し、遂には私達から信頼されるようになった。そこから私たちは、違う派閥同士でありながらまるで、同じファミリアの眷属、仲間や家族のような関係になっていった」

 

かつて、妹が生きていたあの頃を思い返したのか、シャクティの表情はどこか穏やかであった

 

シャクティ「あの子の優しさに苦言しながら、終わりの見えない闇派閥との戦いや治安維持の日々だった。だが、私は頑張ることが出来た。なぜかわかるか?アーディがいて、仲間達が居て、友と呼べる他派閥の者達が居て…………そして、お前が居てくれたからだ、一夏」

 

一夏「──!」

 

シャクティ「お前たちの存在が、私を奮い立たせ、例え挫けそうになっても立つことが出来た。アーディを亡くした悲しみで、一度は崩れそうになった私を、お前が立たせてくれた。お前が、私を救ってくれたんだよ」

 

一夏「……シャクティ」

 

シャクティ「お前は嫌がるかもしれない。だが、私は、お前が望まない形で生き延びても、自分は死ぬべきだと言ったとしても、私は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────お前が生きててくれたことが心から嬉しいんだよ 一夏

 

 

一夏「───」

 

シャクティ「そして。まだ、肝心なことが聞けていない。一夏、お前は結局のところ。あのふたりをどう思っていた」

 

シャクティは問う

ここまで本音を剥き出しにさせておきながら、その更に先の答えを求めた

 

一夏「…………俺は」

 

眼を瞑りながら、思い返した

ふたりと出会った日を

過ごした日々を

旅立ち別れて再会するまで考えていた時を

再会し 殺し合い 己の全てを出し切った時を

 

そして ふたりが死に 生き延びてしまった自分が胸に抱えた本音を

 

一夏「…………大好きだった親友。大嫌いだった女。あのふたりの存在が俺の人生を縛った鎖だった。でもそれは不快な物なんかじゃなかった。生きがいだった。六月と過ごした時は楽しさを、アルフィアとやり合う時は高揚感と自分の成長を感じられて爽快だった。不思議だった、六月が死んだ時感じた悲しみを、アルフィアが死んだ時にも感じてしまった。それがなぜか俺はずっとわからなかった…………いや、わからないふりをしていた。認めたくなかったからだ」

 

本当は分かっていた この胸に抱えているものの正体を

 

だが認めたくなかった

それは自身の弱さの証だったから

 

一夏「俺は────俺は────!」

 

本心を口に出しそうになるのを、最後に残されたプライドや矜持が邪魔しその先を言えずにいた

 

シャクティ「一夏」

 

そんな一夏を

 

手を握っていたシャクティは、そのまま一夏を抱きしめる形でベットに押し倒した

そして、落ち着かせるように

一夏の背中を優しく撫でた

このあまりの状況 本来なら慌てるか戸惑うのが普通だが、今の一夏はそれを受け止めていた

 

シャクティ「……ここには他の団員は居ない…ここに居るのは、お前とお前の派閥の団員じゃない女が一人…他の者や神の前で弱い所を見せないなら、私の前でくらい…弱い所さらけ出して欲しい……泣いてもいいんだ。…………私も、お前の前でだけ、自分の弱さを見せるから」

 

一夏「…………あの時と逆だな。これじゃ」

 

少し、落ち着きを取り戻した一夏

一夏は他人に弱さを見せない

 

それは彼のプライドに関わることだった

だからこそ、この世界で己の弱さを他人には見せなかった 見せるつもりもなかった

 

だが、彼女には シャクティの前でだけは

それを許す

 

一夏はシャクティのことが当初苦手だった

彼女を見ていると 地球に残した姉を思い出させてくれるからだ

 

それでも、三年も同じホームで過ごしていれば

その認識は変わる 

苦手だった存在から 懐かしさを感じさせる

どこか 安心を覚える存在へと

 

そして

 

一夏「俺は、どうしょうもないと思い、アルフィアを殺そうとした。あいつを止めようとした六月と違い、俺は最初から諦めていた。その選択を俺は後悔していない。していないはずだった」

 

シャクティ「…………」

 

一夏「やっとわかったよ。俺は、後悔のないつもりで選んだあの選択を選んだことを。俺は今、後悔しているって。そして、六月とアルフィアを亡くして、俺は────俺は」

 

閉ざしていた 本心を告げる扉は

 

彼女によって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寂しいって 悲しいって思っている

 

 

開かれる

 

シャクティ「……そうか」

 

一夏「…………あの時、俺がもし。アルフィアを諦めなければ、あいつを止める選択をしていれば、何かが変わったか…………違う結末を迎えられたのか………そんな、らしくない…………たらればな未来、思い描いてしまう………ほんと──考えてんだ!」

 

気づけば、シャクティの肩に、水滴が垂れる感覚が伝わる

 

それは 彼の涙であることは察した

しかし 彼女はそのことを指摘しなかった

 

シャクティ「(ああ……そうなんだな…………敵に容赦なく………あんなに強く……年齢に反して聡い……そんなお前も、私と同じ…………家族を失えば悲しみ、弱さを抱えた。同じ人なんだな………)」

 

ずっと見てきた強さと反対の弱さを見て 

一夏を 自分が支えなければならないと思い、シャクティは包み込む

 

シャクティ「……今夜、私はお前のそばに居て、慰めるよ……私は信じている。お前はまた立ち上がる。私の知る、織斑一夏という男は、誰よりも強く、誰よりも己のやりたいことに忠実な男だと。」

 

一夏「────シャクティ」

 

都市の 世界の命運を掛けたあの戦いを終え 

 

この日 大切な者を自らの手で失い傷ついた1人の青年は 都市の守り人たる

一人の女性の胸に抱かれ 一晩 

 

悲しみと寂しさ 後悔の念を吐き出すのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「──────最悪だ」

 

シャクティ「い、一夏。そう落ち込むな。私は気にしてないから」

 

一夏「いや、無理だろ。酒飲んでの失態じゃなくちゃんと意識ある状態での失態だぞ。いや酒飲んでたならいいってわけじゃないけど」

 

翌朝

 

胸に秘めた負の感情を吐き出し、精神的にもすっきりしたはずの一夏だったが、その表情は良くはなく、それどころか昨日とは別の理由で自分を責めていた

 

その理由とは

 

一夏「最悪だ。昨日色々吐き出してる中で、感情の赴くまま慰められながらお前を抱いてしまった。しかも初めてが慰められながらっていうのが尚のこと最悪すぎる。いや、初めての相手がシャクティだったことが不満なんかじゃねえ、よりにもよって最初が慰められながらなのがかっこ悪すぎるだろ

 

シャクティ「意外だな。お前のことだから、とっくに経験済みだとばかり」

 

一夏「ヤっておいて言うのは説得力ないが、俺一応身持ちは硬いほうなんだが。ていうかなんでお前の方は冷静なんだ。お前だって初めてだっただろうが!」

 

そう

シャクティに慰められた昨夜 

 

なんと慰められながらそのままシャクティとベットの上で絡み合い、ふたりそろって大人の階段を登ってしまった

 

シャクティ「まあ、確かに私はこの年(31歳)でまだ処女だったわけだが」

 

一夏「だろ?その大切な初めてがこんな形で散ったんだぞ。なんで怒らない、てかなんでヤってた時抵抗しなかった!?なんでされるがままだった!?」

 

シャクティ「だから、私は気にしていないと言っただろ。お前の中の苦しみが少しでも和らいでくれるなら、お前に抱かれても構わなかった。これは、お前に立ち治させてもらったことと、あの子(アーディ)を私の下に連れて帰ってくれたことの恩」

 

一夏「…………そうは言ってもよ」

 

シャクティ「それにな、一夏」

 

シャクティはスッと一夏に近づき、ソッと一夏の手を握り

 

シャクティ「誰が 初めての相手が、お前で後悔してるなんて言った?少なくとも、私は初めての相手が一夏であることに不満も不快も抱いていない。むしろ良かったとすら思っている

 

優しく笑みを浮かべながら言い

 

一夏「…………そういうのズルいと思います」

 

一夏は顔に片手を当てながら少し恥ずかしそうに答えた

 

シャクティ「フフッ、年齢に反した言動と態度をしてきた一夏が、こんな一面を見せるとは」

 

一夏「……ハズイからあんまそういうこと言うな」

 

シャクティ「それに………アッチの方は中々だったな、前に酔っぱらって全裸になったガネーシャのを見たことがあったが、アレとはいい勝負になるな」

 

一夏「どうしたお前!?そういうこと言うキャラだったか!?」

 

余談だが ガネーシャファミリアホームにある大浴場で、過去一夏の股間を見た多くの男性団員は口を揃えて『凶鬼(オーガ)だと!?』と口にし驚愕しており、そのサイズはまさしく巨象(ガネーシャ)と呼ばれていた神ガネーシャでさえも『お前もガネーシャだったか!!』と認められる代物であった

 

また生前、アストレアファミリアホームの浴場にて、ハプニングから六月の股間を目撃した正義の乙女たちは口を揃えて『タ、天与の暴君(タイラント)///』と頬を赤くしながら見てしまっていた

 

シャクティ「とにかくだ。このことは私と一夏、ふたりだけの秘密。それで私はいい」

 

一夏「…………はぁ──お前がそこまで言うなら、俺もこれ以上蒸し返すのは終わりにする(とはいえ避妊も無しでヤっちまったし、もしデキたら、いや例えデキなかったとしても手を出したのは事実。絶対何かしらの形で責任取ろう)」

 

織斑一夏は責任感の強い男だった

 

シャクティ「…………それで、これからはどうするつもりだ?」

 

一夏「…………わかんねえ。溜め込んでいた感情を吐き出せて楽にはなった…………だが今、俺が何をしたいのか分からずじまいだ」

 

シャクティに弱さをさらけ、吐き出したことで精神的に余裕となり、これからを考えられるだけの余力を取り戻した

しかし それでも自分の向かうべき道は見えず これからどう生きるのか迷っていた

 

一夏「…………明確な理由が欲しい。人は目的を持って生き方を決めるもの。今の俺は…………過去への未練、見えない未来。どうすればいいか」

 

これまでの一夏は 超えたかった壁であるアルフィアを超えることを主軸に強さを求め、自分磨きをしながらも好きに生きた

そのアルフィアが死に、この先の生き方の方針

向いていた矢印はどこにも指していなかった

 

シャクティ「…………旅に出たらどうだ」

 

一夏「…………え?」

 

シャクティ「旅に出たらと言ったんだ」

 

突然シャクティが旅に出るに言い、そのことに戸惑う一夏

 

シャクティ「このままこの都市に居たって、恐らくは生き方の方針は決められない。なら、都市の外へ行き旅をしたらどうだ?」

 

一夏「…………旅……か」

 

都市はある程度復興は進み、闇派閥も今や都市から消え失せており

都市最強の一夏が離れてもどうとでもなるくらいにまで治安は戻りつつあった

 

都市の外へ行きこれからの生き方を決めるのも有りなのではないか考えだす

 

シャクティ「────北と南…」

 

一夏「──なんだって?」

 

シャクティ「昔、ガネーシャが言っていた。『新しい自分になりたければ(未来)へ 昔の自分に戻りたければ(過去)』」

 

普段はっちゃけてばかりのガネーシャが珍しく真面目な口調で残した言葉だったため印象に残り、つい記憶したシャクティ

その言葉をそっくり伝え、選択肢を一夏へ与える

 

一夏「…………北と南…か」

 

シャクティ「お前は、どう選ぶのか…………本音を言えば、お前は十分過ぎるほど苦しんだ。だから、もう戦いを放棄したって構わない。だが、お前はきっと戦いから逃げるなんてことはしないと私は思っている」

 

一夏「…………なんでそう思う?」

 

シャクティ「そういう男だからだ、お前は。静寂のアルフィアとの戦いも、選択からも逃げず。たとえ苦しくても、お前は耐えてきた。この先、辛いことがあるかもしれない。だが、お前は逃げてはいけない物から決して逃げずに立ち向かう。そんな強さを持ち合わせている

 

一夏「…………買いかぶりすぎだ」

 

そう反論する一夏だったが、口元は緩み

表情からは、わずかながら活気に満ちていた

 

自分を信じてくれる者

その存在は 疲弊していた心に力を与え、前に進む力の源となるのだった

 

一夏「…………(旅……行先はどこへ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────ゼウスに預けられた 私の甥だが お前の好きにしろ

 

一夏「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルメス「久しぶりだね一夏くん。一体何の用でウチに来たんだい?」

 

一夏「アスフィから借りた魔道具(破損済み&使った感想と体感でのデータを書いた紙付き)を返すついでにアンタに用があって、普段動き回っているアンタがここにいるなんて珍しいがちょうどいい」

 

シャクティと別れ、ホームを出た一夏が向かった先は、神ヘルメスが主神を務めるヘルメスファミリアホーム

 

そこには情報収集に優れ、神々の中でも知恵に優れた神ヘルメスが迎えてくれた

 

ヘルメス「俺に?」

 

そんなヘルメスに

 

一夏「ああ、嘘無しで答えてほしい、単刀直入に言う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ゼウスは何処にいるか知っているか?





本作ではアルフィアは天与呪縛(短い命と引き換えに才能を超えた神能の域)という設定にしてます。

あとシャクティのヒロイン化が急速してます
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