世界を救う英雄を育てた英雄 作:スカイハーツ・D・キングダム
全アニメ漫画ラノベの女性キャラの中でこの素晴らしい世界に祝福を!のヒロイン、女神アクアがぶっちぎりで好きなので毎年誕生日の日にはこうして様々な投稿作品内に出しては騒いでいます。
本作は、もしも【世界を救う英雄を育てた英雄】世界線のダンまちに【このふたりの男女に祝福を!】世界線のアクアやカズマ達が居たらという内容となっています。
本編とは全くつながりはないif√となっていますので、軽い気持ちで見てもらえると幸いです。
迷宮都市 オラリオの一角にある大きな屋敷
カズマ「悪いな、わざわざ手伝ってもらって」
一夏「ああ、気にすんな。俺も祝いたいからよ」
屋敷の調理場では、ふたりの男………オラリオ最強の一角 織斑一夏
そしてオラリオ最強候補者にして
水の女神アクアが主神を務めるアクアファミリア団長 佐藤和真のふたりは包丁を握りしめ、大量の食材を切り、盛り付けや味付けをしながら談笑していた
彼は元々、一夏のいた世界とは違う世界線の日本から一夏同様、原因不明の異世界転移に巻き込まれ、神々が地上に降り立つ異世界へ舞い降りた
そこで彼は、様々な魔物に襲われたり多くの人と出会い、ここがどういう世界かを理解したのち、世界の中心とも言える迷宮都市オラリオへ向け旅をした
その旅の道中、カズマと近いタイミングで天界から下界へ降りたとある女神と出会った
その者こそ 水を司る女神 アクアだった
神でありながら人間に近い感性を持ち、また通常他の神々は下界では本来の力をほぼ使えずにいる中、アクアのみ例外として水を司るがゆえに、水を操る力や水の持つ浄化や癒しの力を天界に居たころよりも多少性能面を落とす形で発揮できるという規格外さを持っていた
そんなアクアとは道中衝突がありながらも共に行くことを選び
オラリオへ向かった
そこからまた道中、オラリオへ向かうとある不治の病持ちの灰色髪の女と重度の毒に犯されていた顔に傷のある歴戦の戦士の風貌をした鎧男、そしてアクアと同じ神エレボスと遭遇
出会った当初は警戒されたがアクアの持つ癒しと浄化の能力により、灰色の女アルフィアは病を治し、鎧男ザルドの体内にあった毒を浄化したことにより完治すると双方から感謝され、エレボスはアクアが下界でも力を使えることに想定外だと驚きながらもこれで地上の危機を救える可能性が大きく上がったと喜んだ
詳しく話を聞くと、ふたりはオラリオ最強だったふたつの派閥の生き残りであり、今の弱すぎるオラリオの冒険者達では自分たちのファミリアを滅ぼした黒龍には抗えず滅んでしまいかねないため、残り少ない命を使い、オラリオ全ての敵となり、オラリオを次の段階へ上げるための糧になろうとしていた
しかし、治せないと思われていた病も毒も完全に消え去ったことでその必要がなくなり、できた時間をこれからオラリオの有望な冒険者たちのレベルを上げるために使うことにした
こうして彼らとオラリオに向かえば多くの神々や冒険者達から(アルフィアとザルドのファミリアは良くも悪くも有名であり黒龍に敗れた後オラリオ全体が追い出したことで復讐に来たのではないかと)警戒されたが、事情を全て話したことと、今オラリオを襲う脅威である闇派閥の一掃に手を貸すことを条件に都市内での自由行動を許してもらった
都市に来て冒険者登録をし、久々に会ったアルフィアの弟子兼義弟とも呼べる現オラリオ最強/最凶の冒険者、織斑一夏とシン・陰・六月がアルフィアに戦いを挑んでいる姿を見ながら、この世界の強者の層や壁をその目に焼き付けたあと
最強だったアルフィアとザルドのファミリアから最強を上手く引き付けられず、闇派閥に付け入られ、混沌としたオラリオを見て
この残酷な世界で生き残るためには強くなる必要があると感じ、一夏はアルフィアやザルドに六月、そして違う世界の日本人一夏に強くなるために鍛えてほしいと頼み込む
アルフィア達は助けてもらったことの恩、六月はまたアルフィアと居られることに、一夏はなんのハンデも無しにアルフィアと戦える喜びを得させた恩から鍛えることを約束した
皆元をたどればアクアが治したことが始まりであり、アクアと共に行くことを選ばなければこの結末にたどり着けず、きっと多くの死人が出ていただろうと考え、こんな力を存分に使えるアクアはきっと敵対勢力から狙われると考え、そして出会った当初とは違い、今ではアクアに心を許し、このどこか女神らしくなく、どこか人間臭い女神を守らなければならないと感じ力を求めた
こうしてアクアが主神の零細ファミリア、【アクア・ファミリア】が誕生し、そこの団長となったカズマは、最強たちに揉まれる日々を送り、徐々にレベルは上がり、アクアとの出会いから八年が経つ頃には驚異的な速度で強くなり、今やオラリオで数少ないレベル7の冒険者となり、基礎ステイタスは低くとも多くのスキルを発現し、その中の一つにある相手の魔法を劣化ではあるが使える様になるという器用貧乏ともいえるレアスキルを得たことにより最強の候補者とも呼ばれるようになった
また通常神はダンジョンに潜ることはNGであったがアクアは例外としてダンジョンでも問題なく力を発揮でき、結果女神でありながら一冒険者の1人としてダンジョンに潜り冒険をするという何とも例外の例外を行く存在となった
カズマ「あれから八年か…………あっという間だったなあ」
一夏「ああ…………今でも俺は覚えてるからな?地上じゃ力を使えない神のルールそのまものを平然と無視しながら数え切れない負傷者を一瞬で治療する女神の姿をな………アミットを始めとした大勢の治療師に喧嘩売ってんのかってありさまだったのは今思い出しても笑えた」
本来、地上の問題の解決に神が直接的に関与してはならないという暗黙の了解があったが
そんなものを根本から無視したのがアクアだった
神のルールを無視してでも目の前の消えかけた命をなにも考えず助けたいと動いたのだった
下手すれば存在を消されかけないこの行いを、自分を顧みずに、気づけば身体が先に動いていたと言うアクアの姿に、一部の例外を除いて神嫌いだった一夏やアルフィアはある種の敬意を抱き、旅の道中、駄女神と呼ばれるような行いばかりしてきたアクアの姿にカズマも気づけば隣で手伝った
そんな女神でありながら女神らしくないアクアは、多くの市民から愛され、多くの冒険者から慕われた
また、殆どのファミリアでは主神を様付けで呼ぶのに対しアクア・ファミリアでは、女神ロキが主神を務めるロキ・ファミリアの眷属達に呼び捨てするよう勧めたロキの様に、気安い家族のような関係を求められ、眷属達はアクアと呼ぶことにしている
もっとも唯一カズマだけは最初からずっと呼び捨てで呼び、他の眷属と比べてもアクアとの距離感は全く違うものだった
最初は意見が合わず喧嘩ばかりしていたふたり
共に過ごす時間が増していくごとに互いの人となりを理解し
気づけば互いが隣にいることが当たり前になっていた
互いのそばにいることに心地よさを覚える様になった
主神と眷属ではなく その関係は親友 相棒 半身 そう呼ばれても良いくらいにふたりは共にいた
やがて多くの神からはそんなふたりの日々のやり取りをする姿から『まるで熟年夫婦』とまで呼ばれるようになった
神々から茶化されつつも、そう呼ばれることにふたりは嫌悪感を抱くことはなかった
むしろそう呼ばれることにどこか嬉しさがこみ上げていたのだった
一夏「…………なあ、お前今日」
カズマ「……ああ、分かってるさ。ちゃんとするつもりだ」
一夏「…………そうか、ならいい報告を期待してるぞ」
かつて、美の女神フレイヤから興味を持たれ、一度は誘惑してきたのだが、不思議と心に響かず、魅了を跳ね除けたことがあった
この時は鍛えた結果精神が強くなったとか、アクアの持つ浄化の加護が働いたからだとか考えていた
しかし、美しい 綺麗と言う言葉で最初に頭に浮かんだのは
アクアと初めて会った時だった
異世界に来て、オラリオのある方角へ歩いていた時だった
近くの湖で一人水浴びをしていた女性が目に入った
水色の髪に水を浴びた抜群のプロポーションにはたくさんの水滴が付着し、地球では見られないその姿はとても幻想的で 人生で初めて誰かを綺麗だと、美しいと思っていた
それがアクアとの出会いだった
そこから共に過ごしていく中で、忠誠心ではなく、ただアクアを守りたいと思うようになり、家族当然に過ごしていく中で、アクアの存在はカズマにとって大きなものとなり、これから先の人生を共に生きていきたいと願うようになっていった
それこそが…………佐藤和真のアクアへ向ける愛情だった
カズマ「ふう、これで完成した。あいつの好物たくさんのこの料理の数々、絶対あいつ喜ぶだろうなあ」
一夏「んじゃ俺六月やアストレアの面々呼んでくるから、一緒に豊穣の女主人に運ぼうぜ」
カズマ「おう」
できた料理の品々を眺めながら笑みを浮かべるカズマ
今日はカズマとアクアが出会い、アクアにとっては地上での神生を送るようになって丁度八年目
毎年この時期になればカズマがアクアの誕生日と言いアクアの為の誕生日会を開くようになり、今や親しい神や冒険者たちが集まっては宴会騒ぎで大盛り上がりするイベントとなった
最初は誕生日のないアクアを哀れみノリでやり始めた企画だったが、アクアが嬉しそうに涙を流しながら喜ぶ姿を見て以来毎年開くようにした
喜ぶアクアの姿を見ていれば、不思議と心が満たされる感覚を覚えたから
それがカズマにとって大切な人への愛情から来るものだと気づいたのはつい最近
自覚してからはアクアの行動一つ一つが可愛く愛おしく思える様になり、このことを一夏に言えば気持ちを伝えるべきだと言われ、今日の誕生日でそれを伝えようと心に決め
カズマ「ふふ……楽しみだ」
アクアの喜ぶ姿を想像しながら早く誕生日会を始めたいと願うのだった
そして
誕生日会にて
「「「「「「アクア(様)誕生おめでとう(ございます)!!!」」」」」」
アクア「フフッ……みんな、今年も祝ってくれてありがとうね」
始まった生誕祭をまるで大きな仕事を終えた後の宴のように大盛り上がりをするのだった
アクア「どうしたのカズマ?こんなところに連れ出して」
カズマ「……いや、話したいことがあってさ」
誕生日会を楽しんでいたさなか、酒が入って上機嫌だったアクアを酒場の外へ連れ出すと
、オラリオの街並みを一望できる高台までアクアを連れ出したカズマ
カズマ「…………アクア……覚えているか。俺たちが初めて会った日の事を」
アクア「──!────ええ………覚えているわ。まさか水浴びをしていたら覗かれるなんて思ってなかったんだもの」
カズマ「いや、それはもう悪かったって言ってんだろ…………前にフレイヤに魅了を掛けられそうになったこと覚えているか?」
アクア「………あったわね…………でもなんでかカズマには全く効果なかったみたいだけど」
カズマ「…………あの時、掛けられそうになった時。最初に頭に浮かんだのは…………初めてお前に出会った日、水浴びしていたお前の姿だった」
アクア「ちょっとカズマこそあの時の事を蒸し返すようなこと」
カズマ「あの時、水を浴びていたお前の姿は、とても幻想的で、とても美しいって、綺麗だって思った」
アクア「──!」
カズマ「誰かに対してそう思えたのはあれが生まれて初めてだった。そのことを思い出してから、お前に対して向けていたモノが変わっていった。お前のそばにいることが心地よかった思いに、もっとこれからも一緒に居たいって、気持ちが溢れて行った」
アクア「…………」
カズマ「アクア…………お前は女神で俺は人間だ。いつまでも一緒にはいられない、きっと、俺にとっての長い一生の時間は、お前にとっては瞬きみたいに短いものだろうな。それでも、俺はなアクア」
────その限られた短い時を お前と生きていきたい これまでも これからも アクアと一緒がいいんだよ
アクア「…………」
カズマ「だからアクア、お前さえよければ、お前のその瞬きにも満たない時間を、俺にくれ」
それは────精一杯の告白だった
一度もしたことのない告白だった
それを受けたアクアは
アクア「一つ────条件があるわ」
それまで黙って聞いていたアクアは口を開き
アクア「瞬きの時間だけじゃない、死んだ後も、私と一緒にいるって誓って」
────私を、カズマの魂が消えない限り 永遠にそばに居させて」
涙を流しながら笑顔で答えた
カズマ「────ああ、誓うよアクア。俺たちは、未来永劫魂の続く限り、ずっと一緒だ」
そう答えると、アクアはカズマに抱き着き、カズマも抱き着き返し
やがて結ばれたふたりの男女は
そのふたつの唇を重ね合わせるのだった