世界を救う英雄を育てた英雄   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第20話 クワレルモノ 

 

ダンジョンを傷つけた者達の排除

 

ダンジョンの意志により産み落とされ、その使命を果たす為だけにアストレアファミリア(獲物)を仕留めようとしたジャガーノート

そのジャガーノートの振り下ろした攻撃をいともたやすく受け止めた乱入者一夏

 

どれだけ前足に力を込め、その爪で切り裂こうとしても、一夏はビクともしなかった

 

一夏「ふむ(力はそれなりにあるな。流石にゴライアスほどじゃないが、それにこの爪、並大抵の鎧や第二級の防具くらいなら簡単に貫ける………)」

 

一夏はジャガーノートのことを分析しながら戦い情報を集めようとした

そのままジャガーノートの前足を払いのけ顔面に蹴りを叩き込み吹き飛ばした

 

一夏「(あの身体の装甲はレベル3程度の攻撃なら防げるがレベル4なら全然通るか…………)」

 

吹き飛ばしたジャガーノートの方を見ると、起き上がったジャガーノートが一夏の周囲を激しく動き回り攪乱しようとした

 

一夏「…………(速度はレベル5以上6未満と言った所か………こりゃあゴライアス相手にするより面倒だな………だが妙だ。確かに動きはそれなりだが、生前の六月と日ごろから戦りあっていてこれ以上の速度出せる六月を見てきたのにあの負傷具合……レベル4のアリーゼと輝夜にリューの三人、それ以外のライラを筆頭にレベル3が8人……これだけの戦力でなぜ劣勢になっていたんだ?)……『解』」

 

なぜアストレアファミリアが追い込まれていたのか疑問に思いながらも飛ばした斬撃魔法

 

アリーゼ「────待って一夏!そいつに魔法攻撃は駄目!!」

 

魔法を放つ直後にアリーゼが大声で一夏に呼びかけた

 

一夏「は?」

 

飛ばされた斬撃魔法はジャガーノートの胴体に触れた瞬間かき消された

 

 

 

と思った次の瞬間

 

ジャガーノートから一夏にとっては見慣れていた不可視の高速の斬撃が一夏に向け放たれた

 

その不意の斬撃を前に一夏は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ腕を払い斬撃をそらして見せた

 

 

アストレアファミリア面々「「「「「「!?」」」」」」

 

一夏「…………なるほど、これがあいつらが追い込まれていた訳か(魔力反射(マジック・リフレクション)………あらゆる魔法を反射する能力持ちか…………こりゃあ確かにあいつらには荷が重すぎるわな。この能力抜きでならともかく、この能力があるならアストレアファミリアにとってこれ以上ない相性最悪だ)」

 

通常、魔法を発現できるかは才能の有無が大きく関わっており、アストレアファミリアは少数ながらも半数以上が魔法を習得しており、尚且つそれらを主体に戦っている部分が大きく、魔法が使えないだけでアストレアファミリア全体の攻撃力は大きく半減すると言ってもいい

 

初めてジャガーノートがこの能力をアストレアファミリアに使ってみせたのは、アストレアファミリアの魔導士、セルティとリャーナの魔法を跳ね返す際だった

本来の歴史ならこの時の魔法を跳ね返すことでふたりは死ぬはずだったが、ふたりの背後でシン・陰流 簡易領域を展開していた輝夜が跳ね返って来た魔法を抜刀で見事切って見せたことでふたりは命拾いした

 

一夏「あっぶねえ、アリーゼの言葉聞いて念のため異端の眼使っていて良かったあ」

 

異端の眼を使い、本来なら視認できない一夏の斬撃に纏っていた魔力を可視化していたおかげでどうにか対応して見せた

 

それでもアリーゼ達では回避不可能の速度の攻撃であったのは確実

 

それをいともたやすく素手で払いのけて見せたのを見てアリーゼ達は驚愕していた

 

ネーゼ「なんなんだあの男は……」

 

輝夜「……分かってはいたが……あの男に比べたら、あのモンスターの方が可愛く思えてしまう化け物っぷりだ」

 

ライラ「アタシ目が見えねえんだけど、話の内容的にまた一夏がなんかして見せたのか?」

 

マリュー「え、ええっと、一夏が飛ばした斬撃を反射したのを一夏が素手で払っちゃったわ…………」

 

ライラ「…………マジ?」

 

アリーゼ「マジ」

 

一夏「………………大体わかった。お前の強さも能力も。なんでお前みたいなのが今まで確認されてこなかったのか、色々気にはなるが、もういい加減終わらせてやるよ」

 

それだけ言えば、一夏は両手を合わせ、閻魔天の掌印を作ると、詠唱を始めた

 

一夏「『龍鱗』」

 

そうしてその場に立ち止まり隙を見せた一夏に、ジャガーノートは確実に仕留める為に上空に飛ぶとそのままの勢いで一夏へ迫る

 

一夏「『反発』」

 

もしジャガーノートに知性があったならこう思うはずだ 『魔法が効かないことは分かっているはずなのに魔法を使おうとするとは愚かだ』と

 

一夏「『番いの流星』」

 

魔法が効かないことは当然分かっているがそれでも詠唱を続けた一夏は詠唱の完遂をすると

 

閻魔天の掌印を解き、左手をジャガーノートへ向けると

 

一夏「避けてみろよ 『解』」

 

斬撃を放った

 

アリーゼ達はこれでは先ほどと変わらないと思いながらその攻撃を見届けた

 

そしてジャガーノートに放った斬撃は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上空に上がったジャガーノートごと切り伏せ、右半身と左半身に別れ絶命し、そのまま消滅した

 

魔法が効かず、魔法を跳ね返すはずのジャガーノートが、魔法を跳ね返しきれず、斬撃魔法により、その命を狩り取られた

 

アリーゼ「────今のって…………」

 

輝夜「ああ、間違いない…………あれが、静寂のアルフィアを打ち破った」

 

────世界を断つ斬撃

 

世界を断つ斬撃…………それは暗黒期の終末 アルフィアとの最後の戦いの際、アルフィアとの戦いで思いつき自ら編み出した究極の斬撃

この技は 術式対象を空間や世界にまで拡張することで、空間、世界そのものまで切断する防御不能の必殺の一撃にまで昇華させた強化された『解』、黒閃を決め、ポテンシャルを極限まで高めた末に編み出したまさに神業

 

その発動条件は領域を展開するのと同じく閻魔天の掌印を結ばなければならなかった

しかし、あの時の一夏は領域を使用し魔力がかなり減っており、発動に必要な魔力がなかったため世界を断つ斬撃が撃てなかった

 

そこで自らのスキル『縛り』により、『閻魔天の掌印』以外にも『詠唱』『術式の指向性を手掌で設定』『一日に最大二回まで発動』という条件を加えることで、たった一度のみ詠唱も掌印も無しに今ある魔力でノーモーションで放つことが出来た

 

結果 旧時代最強の女を屠ることが出来た

 

一夏「お前が魔法反射を持っていようが、お前の存在する空間や世界を斬っちまえば関係ない」

 

イスカ「…………私達が苦戦したあのモンスターを、こうもあっさりと…………」

 

ライラ「ははは……マジであいつが敵じゃなくて感謝するな」

 

一夏「待たせたなお前ら、無事だな」

 

輝夜「これで無事に見えるなら、お前も対外節穴だな」

 

一夏「何言ってんだ?例え両目焼かれようが腕無くそうが内臓貫かれようが死ななきゃ無事に決まってんだろ」

 

ノイン「考え方狂ってない!?」

 

一夏「んじゃあ、お前ら座ってくれ。今から治療するから」

 

そう言うと一夏はそばにいた輝夜の身体に触れる

 

すると不思議な光が輝夜を覆うと亡くした片腕が生えてきた

 

続いてそのそばに座っていたライラの焼けた目の部分に手を当てると同じようにライラの身体からも光が出てきたか思えばライラの亡くした両目が再生した

 

ライラ「改めて思うが、便利過ぎないかそのスキル」

 

アリーゼ「これで魔法じゃないのが反則過ぎないかしら」

 

輝夜「自分だけでなく他人相手でもこの再生力………これが神々の言う、ちーとというものだな」

 

スキル【リゲイン】魔力量&マインドの総量に応じて肉体、内臓の修復再生回復を果たす

 

一夏「いやー、今朝ロキファミリアでアイズに稽古つけていたらフィンが親指が疼くからダンジョンに言った方がいいとか言われて、そういえば今日お前らダンジョン潜って残党狩りしようとしてたの思い出して、俺も嫌な予感が働いてすぐこっちまで走って来たところだったわ。来てよかった」

 

ライラ「マジか、ブレイバー様々だな」

 

アリーゼ「一夏」

 

アリーゼは剣を地面に置くとその場で地面に片膝をつけて頭を下げた

 

アリーゼ「私達を救ってくれたこと…………アストレアファミリアを代表して、お礼を申し上げます」

 

そのアリーゼに続く形で他の皆も同じように頭を下げた

 

一夏「よせよ。そんな風に頭下げんじゃねえよ。俺はただ、ダチの危機に参上しただけ。こんな風に大げさに頭下げてんじゃねえよ。ダチなら助けて当然、そんだけのことだ」

 

なんてことないと態度で示す一夏を見て、皆が頭を上げた

 

一夏「…本当、お前らが無事に生きていてくれてよかった」

 

アストレアファミリアの面々「「「「「「──!」」」」」」

 

一通り話していた一夏が安堵した表情を浮かべ、全員が顔を見合わせ、死ななかったことに改めて皆が安堵した

 

一夏「さて、あのモンスターは狩ったし、ルドラファミリアはあのモンスターが始末してし、帰るか」

 

アリーゼ「ええ、みんな帰りましょ、アストレア様の下へ」

 

その言葉と共に正義の乙女たちと最強は帰路に立つのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、本来の歴史とかけ離れた結末を迎えたアストレアファミリアは後にロキ、フレイヤ、ガネーシャに並ぶ派閥となり、オラリオ四大派閥と呼ばれるようになるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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