世界を救う英雄を育てた英雄   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第29話 迷宮都市で運命と出会うのは間違っているだろうか

 

迷宮都市オラリオ

 

この都市に足を踏み入れ、冒険者になろうとする者は皆やはり大手ファミリアに入ろうとするが、大手であるほど審査が厳しく加入は容易ではないと言えよう

 

だが、それとは別に 冒険者になろうとする者は皆大なり小なり強さを求め、その過程で知る事となる

 

このオラリオにて、数あるファミリアのトップに入る派閥の名を

 

計4つあるファミリアは総じて四大派閥とまで呼ばれ、探索系ファミリアと呼ばれる腕っぷし自慢の実力者が集う武力の集団揃いだ

 

まず挙げられるのはアストレアファミリア

 

この派閥は正義を司る女神アストレアが主神を務め、その眷属達は各々が正義を掲げ、都市の治安を守り、時には悪人退治をこなす

ダンジョン探索と治安維持を担う派閥として市民から慕われている

 

実は派閥としての規模は四大派閥で最も小さく、それどころかオラリオ全体のファミリアで見ても団員の数も少ない

更にファミリア結成から20年も経たないほど歴史が浅い

この派閥の特徴は全員が女性であることと各々が各分野に精通し、団長アリーゼ・ローヴェル、副団長ゴジョウノ・輝夜がレベル6であり、参謀をしているライラはオラリオの小人の中では6人目のレベル5冒険者である。それ以外の団員のうち8人は皆レベル4に至っていて、かつて暗黒期を生き抜き闇派閥たちを倒してきた先ほどの11人を誰かが呼んだ。『アストレアの栄光の11人』と

彼女達の最大の強みは少数精鋭からなる行動の速さと連携。そして一人一人が格上相手に対しての生存能力を誇っていることである

 

続いて挙げられるのはガネーシャファミリア

 

古くからオラリオの治安維持を担っており、主神のガネーシャは変神としても有名だが、このファミリアの特徴は全ファミリア中最もレベル5冒険者を有していることにある。その数は17人だが、唯一団長のシャクティ・ヴァルマはガネーシャファミリアでただ一人レベル6に至っており、探索よりも治安を守ることに力こそ入れてはいるものの間違いなくオラリオでもトップ層に入る戦力を持ち合わせている

 

ここまで語った派閥は治安と探索を行うオラリオの治安部門とも言えるファミリアであり、残すふたつの派閥は探索メインのファミリアであり、間違いなくファミリアの規模と戦力で言うならオラリオどころかこの世界最大とも言える

 

まず最初に挙げるのは美の女神フレイヤが主神を務めるフレイヤファミリア

 

このファミリアの特徴は、全団員が女神至上主義であり女神フレイヤの寵愛を欲するあまり、同ファミリア同士での不仲による殺し合い同然の修練を日夜行い続け、女神フレイヤの命令ならば何でも行い、フレイヤを愚弄すれば一般人にも手をあげる狂暴な一面を常に出す為、オラリオに存在するファミリアの中でも過激派筆頭に数えられ、オラリオでも畏怖の対象として扱われる。強さにおいても団員同士の不仲により連携が取れず個人技を行う者が多いが、同じレベル帯の他のファミリアと比べても明らかに質が違く、特に幹部に当たるレベル5~7の面々は各自特定の分野でトップを張れる実力者揃いに入り、特に団長でありレベル7冒険者であるオッタルはこの都市において最も頂点に近い存在であり、かつての最強派閥を打ち破った武人でもある

その為総戦力で言うならオラリオトップにカウントされるのだが、他のファミリアが色々な形で都市に貢献したりダンジョン攻略を進める中、このファミリアはフレイヤの命令でしか動かない為ダンジョン攻略はほとんどやらず、仮にダンジョンに潜ってもどこかで殺し合いを始めるなど他のファミリアと比べてもダンジョン攻略に向いてない側面が強く、その上女神至上主義であるために特に都市に貢献することもなく、仮に都市内で騒動が起きていても女神フレイヤが高みの見物決め込むことが多く無関心を貫いてばかり、時にはフレイヤの願いを叶えるために団員が、もしくはフレイヤ自らが問題を起こすことが多々あり、そのようなことがあっても事後処理すらしない為、ファミリアのランクこそ高いが都市中からは厄介者の様な扱いを受けている

 

そして、女神ロキが主神を務めるロキファミリア

 

オラリオにおいてはフレイヤファミリアと並ぶとされているが、今から約1年半前のダンジョン内での抗争に敗れてからはロキ・ファミリアこそがオラリオ最強の声が上がるほど支持率とこれまで重ねてきた実績から人望が盛んなファミリアでもある

フレイヤファミリアが『個』の戦いを重視しているのに対しロキファミリアは『集』の戦いを重視しているという違いがある

更には団長のフィン、副団長のリヴェリア、幹部であり古参のガレス

俗に三首領とも呼ばれる三人が今のロキファミリアを築き上げ、共にレベル7に至っている

更にその下の幹部にはレベル6が2人、レベル5が4人揃っており、当然同レベル帯と比べても質が高く、さらに下の準幹部や末端団員の指導にも手を出しており、ロキファミリアを含めた四大派閥ではレベル2~4冒険者も他と比べても多くおり、通常レベル2であれば一派閥の団長をやれるのだが、この四派閥では幹部どころか末端扱いとなるくらいに層が厚い

そして全ファミリア中最もダンジョン攻略に力を入れており、かつての最強/最凶派閥であるゼウス・ヘラファミリアを除けば現在のオラリオで最もダンジョン到達階層が高い

 

何より挙げられるのは団長にして『勇者』の二つ名を持つフィン・ディムナは過去オラリオを巻き込んだ大きな戦いがあった際に参加した全ファミリアを指揮する指導能力とカリスマ性に優れており、現代の英雄の一角に名を連ねている

 

こうして4つの派閥を挙げてはいたが、ではどの派閥が最強か?

 

という話題を出せばほとんどがロキファミリアを挙げて行く

確かに現時点ではロキファミリアこそが最強なのかもしれない

 

最強が介入さえしなければ

 

その最強 『王我』の二つ名を持つ現代最強の男 織斑一夏は四大派閥中、フレイヤファミリア以外の派閥に対し、より発展より強くなれるよう様々な事に手を貸してきていた

無論四大派閥だけではなく他の有力ファミリア、これから大きくなれる可能性のある派閥にも手を貸してきていたが、特にロキ・アストレア・ガネーシャの三つの派閥には大きく力を貸した

 

そして彼はオラリオに来てから長いことガネーシャファミリアで居候しており、その上彼が今も所属しているヘラファミリアは今や彼一人であることで、ある者達は『個人最強を居候させていざ有事の時に動かせるガネーシャファミリアこそが実はオラリオで真の最強派閥ではないのか』とあながち間違ってない意見も飛び交うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベル「って話を聞いて実際に見て見たら、やっぱり大きいなあ」

 

オラリオでそこそこ高く見晴らしのいい場所からロキファミリアを除く四大派閥のホームを眺めながら、ベル・クラネルはそう呟く

 

一夏との出会いから数年

度々訪れた一夏に厳しく鍛え上げられ、14歳になったある日

祖父母に見送られ、生まれ育った村から旅立ち、冒険者になるべくオラリオへ向かった

 

途中路銀稼ぎの為に一夏から授けられた対人術や魔物相手に立ち回れる戦闘方法を武器に用心棒をしながら旅を続け、その道中狩猟を行う処女神のファミリア遭遇し、その相手が過去に自身が兄と慕う一夏が救った女神であることが会話の中で判明し、一夏の話題で意気投合し、ベル自身の人柄を好み、自身の眷属にならないかと声を掛けられたのだが、自分の中で確信した相手を選びたいと言う理由でやんわりと断り、それから穏やかに別れつつオラリオ行きの馬車に乗せてもらい、馬車の御者から今のオラリオの情勢を聞き、話の内容はオラリオ最大派閥にまで発展

 

自身の夢である英雄になるには強くなる必要があり、それならば所属するファミリアは探索系派閥が一番合うのだが、現状彼はオラリオ中の探索系派閥に顔出しすれば入団拒否された

様々な理由があるが一番の理由はベルの外見にある

一見すればベルの容姿は荒事に向かない細身のごく普通の少年に見え、力や才能を求める派閥が多い中、ベルの第一印象は武器を使ったこともなさそうな田舎育ちの世間知らずだろう

一応村に居た頃は一夏から過剰とも言える修行やダンジョンにモンスター、サバイバル知識など多くを教わって来たので見当違いにもほどがあった

 

一応最後に一夏が村に訪れその帰り際、近いうちに村を出てオラリオに行こうするベルに対し、いざとなれば自分の名前を使っても良いと言われたのだが、ベル自身としては鍛えてもらうことはともかくそれ以外では極力一夏に頼らず自分でできることは自分でどうにかしたいと考えていたので一度も一夏の名を出すことはなかった

事前に一夏からおすすめの派閥としてロキファミリアの名を挙げられたが、現在遠征の為主要なメンバーが居なかったことと門番がベルを弱そうな見た目で判断し追い返した

もしここで一夏の名を出していたら今頃はロキファミリアに入団で出来ていただろうが、それはベルの望む形ではない

今は弱くとも、いつか あの日の誓いを現実にさせる為にも

 

一夏「さて、今日の所はどうするかなあ」

 

街の中を歩きながらこれからのことよりも、今日寝る場所のことを考えていた

一応所持金はここに来る前に色々溜めて来たので余裕ではあるが、できるだけ節約しておきたいと考えたベルは宿に泊まるよりもどこかで野宿することを視野に入れていた

 

旅の道中野宿することはよくあったので、屋根があればどこでも良いなと思いつつ歩いていると

 

ベル「────鐘」

 

オラリオに鳴り響く鐘の音

 

恐らくこの都市のどこかに教会かなにかが置いてあるのだろう

だが、鐘の音を聞いたベルはあることを思い出していた

 

ベル「────そういえば」

 

徐に手持ちの荷物を漁るととあるものを取り出した

 

それは古く少し錆ついていた鍵

 

ベル「────確か」

 

鍵を握りながらベルは鐘の音に導かれながら先へ進む

 

いつか 一夏はベルに話した

 

オラリオには、今亡きベルの母メーテリアと叔母のアルフィアが生前思い出の地として訪れていた廃墟となった教会があり

そこは一夏にとってもお気に入りの場所であり、時々そこで寝泊まりしつつ現在は一夏が教会とその周辺の土地を買い取り管理しているが、別れ際

一夏はベルに教会の合鍵を渡し、興味があるならば足を運ぶも良し、なにかに使いたいなら好きにすればよいと言った

 

どうせ行こうと思っていたし、せっかくだからそこで寝泊まりしようかと考え、鐘の音を辿りながら進んでいけば、ボロボロの廃墟と化している教会に辿り着いた

 

ベル「────ここが…………僕の母さんと叔母さんの思い出の眠る地……」

 

生まれて初めて見る今亡き家族の思い出の地は、ベルの中に何とも言えない懐かしさと安心感の様なものを感じさせた

 

初めて来たが、この場所を早くも気に入ったベルは早速中に入ろうとし

 

???「ねえそこの君。ここに入ろうとしてないかい?」

 

教会の扉に手を掛けようとした所で声を掛けられ、振り返った

 

ベル「────」

 

振り返り、声の主の方を見てベルは止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ねえ お爺ちゃんお祖母ちゃんの中で、どの神様が主神のファミリアに入るべきって思うかな?

 

それは何気なく吐いたなんてことない疑問だった

 

天界では大神として君臨していた祖父とその妻であり神々から恐れられていた祖母の視点から見た神々について聞いてみた

 

その疑問に、二柱は様々な神の名を出したが大体が何かしらの形で駄目だし(主にヘラが)され、最大派閥として名を挙げているロキとフレイヤ(特に駄目だと名指し)の名前まででてはいたがあくまでどの神のいる派閥に足を運ぶかはベルが決める為参考程度に聞いていた

 

そんな中 ある一柱の女神の名をゼウスが言えば、それまで多くの神に対し駄目だししていたヘラが、それまでとは打って変わってその神を大きく讃える様に言い出す

 

曰く その女神はゼウスの姉でありヘラにとっても義姉にあたり

 

曰く 基本的にグータラではあるが争いごとを好まず善神中の善神であらゆるものに対し差別も区別もせず接し神望は厚く

 

曰く その神格の高さは自分達にも匹敵する

 

その女神の事を語りだした祖父母の態度と言葉に、未だ会ったことの内ベルは興味を持ち出し、その女神の容姿を聞いてみた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ああここかい?いやー実はボク、知り合いの友神の所で居候してたんだけどついついだらけ過ぎて最近追い出されちゃってさあ」

 

 

祖父曰く その姿は子供の様に小柄で幼く

 

祖母曰く 黒髪のツインテールで愛らしく

 

???「どこかで寝泊まりできないか探してたら、ここの教会見つけちゃってしかも老朽化で裏側の壁が壊れてて中に入ったらそこそこ綺麗だし」

 

祖父曰く 小柄の見た目に反して豊穣の女神に匹敵するくらいデカい胸をしており

 

祖母曰く 白いワンピースに、体を巻き付けるように青いリボンを結んでいる

 

???「地下にはいい具合の広さのベットに部屋があって居心地よかったし、誰も使ってないみたいだからここに住み着いちゃったんだ!」

 

なにも聞いていないのに話し出すその少女をよそに、ベルの脳裏にかつての祖父母の言葉が浮かんでいた

その時話していた女神と目の前の少女の特徴が一致していた

 

曰く────不滅と称される竈の炎を司る炉の女神にしてオリュンポス三大処女神の一柱

 

???「ああごめんねボクばかり話しちゃっててさ」

 

曰く────庇護と慈愛の女神である

 

???「僕の名前は────」

 

 

 

 

その女神の名は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベル「ヘスティア様────ですよね?」

 

ヘスティア「あ、あれ?君、ボクのこと知っているのかい?」

 

自己紹介のつもりが自分を知っていた少年にその少女────女神ヘスティアはつい聞き返した

 

ベル「────」

 

大神の祖父と手厳しい祖母が一目置き信頼する女神

 

その女神とこの日

 

オラリオに来た最初の日に

 

それも母と叔母の思い出の眠る地の前で出会った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベル「────これもなにかの縁かな

 

ヘスティア「え?」

 

そう言うベルに呆けるヘスティア

 

そんなヘスティアにベルは近づき片膝をついてその手を握り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベル「────初めまして、僕の名前はベル・クラネルといいます。初対面でいきなりですけど、僕を貴女の眷属にしてくれませんか」

 

ヘスティア「────え?────ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」

 

突然の眷属入りの願いを口にされ驚いたヘスティアの驚きの声は教会から都市中に響き渡った

 

 

この日 少年は 一夏(英雄)という運命の出会いに続く ヘスティア(運命)と出会ったのだった





△二次創作によってはヘスティアの神格の高さにバラつきがあるので本作のヘスティアの神格はゼウスとヘラに匹敵し、その気になれば実はオリュンポスの神々の中で唯一ゼウスに勝てるくらい強く神々から恐れられるヘラの怒りを唯一沈めることができ話を聞かず暴れるヘラが唯一ヘスティアの言葉だけは聞くくらいヘスティアに対しては深い敬意の念を持ち合わせており、もしもヘスティアの性格がヘラの様な残虐で狂暴だったら今頃ロキは天界に送還されていたという設定にします。

────良かったねロキ

────!?




Q なぜ一夏は最大派閥のフレイヤファミリアには一切の支援行為をしないのですか? 

A 嫌いだから(人としての最低限の礼儀を持ち合わせてない上色々無神経かつ過去散々怒らせることをして喧嘩を売って来た相手には例え伸びしろがあっても何もしたくない上連携も取れないような相手は黒龍戦において戦力になれないだろうから最初から戦力として期待していません)

Q ベルは祖父母が神ゼウスと神ヘラだと気が付いてますか?

A 気が付いてます。一夏と修行をし続けたことで祖父母の気配が村の住人や一夏とはまるで違う上一夏が遠回しに教えたゼウスとヘラの特徴が自分の祖父母と一致していたことと人に化けるのが上手かったゼウスとヘラがたまに気を抜いて神である部分をつい晒す場面があったのである朝の朝食時に『お爺さんとお祖母ちゃんって神ゼウスと神ヘラなの?』となんの前触れなく言い『『ぶうぅぅぅぅぅぅぅ────!!』』思わず朝食を吹き出すハプニングが起き、結局自分達の正体を白状したが、これまでと変わらず接する孫の姿に毒気を抜かれた両者はその後神として天界に居た頃の話や知り合いの神々の話をするようになった
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