世界を救う英雄を育てた英雄   作:スカイハーツ・D・キングダム

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最近仕事が以前以上に忙しく執筆時間があまり確保できませんですが、なるべく以前のペースに戻していきたいです。


第33話 オラリオ四大派閥ロキファミリア

 

アイズとの邂逅を終えた翌日

 

ちょうど翌日予定が空いていたことで、当日の夕方頃にロキファミリアから迎えを送り、豊穣の女主人で食事しながらの謝罪と埋め合わせを受けることになったヘスティアファミリア

 

当日ロキファミリアから来た出迎えは幹部であるラウルとアナキティの2名だった

 

アイズから定期的に届いていた手紙や一夏から聞いた話でオラリオの冒険者達についての情報が頭に入っていたので、初めてラウルと会った際には

 

ベル「あ、あの!ラウル・ノールドさんですよね!史上初の魔法スキル無しでレベル5に至ったっていう超人の!」

 

手紙でロキファミリア面々のことをある程度知っていたベルが興奮したように声をかけてきてラウルは困惑交じりで返答し、そばにいたアナキティはそんなラウルの様子がおかしくてつい笑い出す始末

 

アイズの手紙や一夏自身の口から聞いた魔法スキル無しでレベル5に至ることがどれだけの偉業なのかを知った時からベルにとって尊敬すべき相手であったこともありついはしゃいでしまう

 

そうして目的地である豊穣の女主人に入店すれば中にはロキ・ファミリア面々しかおらず、奥には屈強なドワーフの女性店長ミア・グランドが料理しており、その周りで他の女性店員達が手伝っていた

 

店に入ったベルは周囲のロキ・ファミリア面々に店の店員達を見てすぐに実力者揃いであることを理解した

 

ベル「(……ロキ・ファミリアの方々はもちろんだけど…あの黒髪の猫人はあの歩き方で足音がほぼしてない、あの茶髪の店員はよく見たら腕に鍛えられた跡がある…それに奥で皿を洗っている金髪のエルフはとてもバランスが整った体幹している……けどなにより、あの店長……他の方より2、3段くらい強い…どういう店なんだろここ…)」

 

そう頭の中で見た感想を述べていると背後に気配を感じ振り返れば

 

シル「いらっしゃいませベルさん!今夜はたくさんの料理を食べていってくださいね?」

 

ベル「……シルさん…アナタはよく昨日の今日でそう言えますね……」

 

少し呆れ気味に答えるベル

 

昨日ダンジョンに潜る際、店の前を通った時に、客を捕まえるために魔石を落としたと嘘をついて接触してきた女性店員のシルに捕まったベルはその嘘を口にしながらも客寄せをしたしたたかな姿勢に呆れながらも買い、近いうちに食べに行くことを告げ今日こうして再会するに至った

 

シル「まあまあそう言わず、聞きましたよ。本日はロキファミリアが貸切っての食事会だと、全ての費用は彼らが持つそうですので好きな物を好きなだけご注文して行って下さいね!」

 

そう言いながら去るシルになんだか煙に巻かれたように思いながらロキファミリアの面々が集うテーブルに向かうベル

 

先に来ていたロキファミリアの面々は人数の都合上主神を含めた11人がおり、席に近づけばアイズに声を掛けられ席に座る

 

その横では

 

ベル「…………なにやってるんですか」

 

ヘスティア「止めないでくれないかいベル君!今日こそはこの無乳女神に引導渡してやる!」

 

ロキ「上等やこのロリ神!自分の眷属にやったことに対しては悪う思うとるがそっちがその気なら相手なるで!」

 

なぜか取っ組み合いしている両派閥の女神

一見加害者側の過失に対する被害者ベルの仇の為にやってるように思えるがほぼ無関係の私怨だった

 

ベル「…………(そう言えばお爺ちゃんが言ってたな…………ヘスティア様とロキ様って展開に居た頃からの犬猿の仲だって……)……はあ……ヘスティア様、今日はそういう目的で来たわけじゃないですよね。後あまり他人のコンプレックスを弄る発言は控えてくれません?」

 

ヘスティア「ぐっ」

 

ロキ「ははっ!ざまあドチビ!自分の子供に怒られてやんの!」

 

ベル「それとロキ様、神は生まれた瞬間から不変ですのでその身体で生まれてしまった運命を甘んじて受け入れてください」

 

ロキ「なんか思想強めでこっちにも飛び火来た!?」

 

思ったより塩対応で二柱を沈めた上で向かいに座るロキファミリアの面々達に顔を向けた

 

団長のフィンを中心に左側からリヴェリア、アイズ、レフィーヤ、ティオナ

右側にガレス、ベート、ティオネ、ラウル、アナキティが座っている

 

フィン「さて、今日はこちらからの声掛けに答えてくれたことを感謝する。僕はロキファミリア団長のフィン。彼らは」

 

ベル「いえ、貴方たちのことはアイズ姉さんや一夏兄さんから聞いてますので存じています。こちらこそ挨拶が遅れました。ヘスティアファミリア団長のベル・クラネルです…………最も、団員は未だ僕一人の零細ファミリアですけど」

 

フィン「…………やはり君は彼の弟か…………君の兄には僕たちはとても返しきれないくらいの恩があってね。その彼の弟子でもある君に僕らのミスで万が一があれば立つ瀬がなくてね………本当に今回、僕達のせいで君に迷惑をかけたことを、派閥を代表して詫びを申し上げさせて欲しい」

 

そう言いながら頭を下げるフィン

それに続く形で他の面々も頭を下げた

 

オラリオでもトップに入る派閥の幹部たちに頭を下げさせた零細派閥の14歳少年の構図

 

余談だが、ヘスティアファミリアから戻って来たアイズの説明によって、彼らはそこで初めて今回自分達のせいで巻き込まれた駆け出し冒険者が散々自分達が世話になった一夏の弟/弟子であることを知って当然すぐに謝罪の準備を始めた

 

織斑一夏という男は特に身内認定した者に対しての危害を決して許さず、過去に一夏が身内認定した者へ危害を加えた愚か者の所属する派閥を発覚してから僅か三時間足らずで壊滅させたこともあり、それ以来『王牙の身内に手を出せば更地の上で滅ぼされる』という風潮が広がり、こうして一夏に対し尊敬と畏怖が集うのだった

 

当然これは彼の妹弟/弟子が所属する自分達ロキファミリアも例外ではないと思い、内心焦りながら謝罪の場を設けた幹部たち

 

緊張の面持ちでいざ顔を会わせれば

 

ベル「あ、別に問題ないですよ。むしろ僕としては合法的に中層のモンスターと戦えてラッキーでしたので」

 

と、被害を受けたはずの本人はそんな軽そうに答え、一瞬場が固まる

 

フィン「…………はは、そう答えるか」

 

リヴェリア「………こんな幼い姿でも、あの男の弟か」

 

ガレス「ガハハハッ、それは想定外じゃったわい!」

 

ティオナ「………マジ?」

 

ティオネ「いや…………ベートにアイズが実際に戦って倒すとこ見てたから嘘じゃないのはわかるけど………」

 

アキ「私やラウルですら一つ上を単独討伐するのは相当骨が折れたのに………」

 

ラウル「………普通じゃない」

 

ベート「はっ、流石に兄貴に鍛えられただけあって肝が据わってんな」

 

レフィーヤ「このヒューマン…………まともじゃない!?」

 

ベル「……最後のはひどくないですかレフィーヤ・ウィリディスさん?」

 

アイズ「ね?私の弟はすごいでしょ?」

 

そんなベルの言葉に様々な反応を見せる中、ロキがヘスティアの前に立ちながら頭を下げた

 

ロキ「すまんなヘスティア。うちの子供たちが迷惑かけて」

 

ヘスティア「え、君が素直に謝罪なんて、どうしたんだい?ディアンケヒトの所に診せに行くかい」

 

せっかくの謝罪を台無しにするヘスティアの言葉にムガ―と叫びながら掴みかかるロキ

 

ベル「……今のはうちの主神が悪いので敢えてスルーしますが僕としては今回の件であなた方に対して特別何かを要求するつもりはありません」

 

フィン「そ、そうかい…………だが君が良くても我々が許すわけにはいかないんだ。被害出させておいて何もしないのはこちらの沽券に関わるからね」

 

ベル「…………それでしたら、貸し一と言うことにしてくれませんか?これならそちらも納得できるはずです」

 

フィン「…………君がいいなら僕らは納得しよう……女神ヘスティア。貴女からはなにかないですか?」

 

今だロキとつかみ合いしているヘスティアに声を掛ければつかみ合いを中断させヘスティアは言う

 

ヘスティア「ぐぐぐぐっ、うん?────ボク個神からすればベル君がこれ以上何かを求めないなら何も言うことなしだね」

 

フィン「…………寛大な心遣いに感謝します」

 

ベート「おい」

 

そうして穏やかにその場を収められると思えばベートが声をあげた

 

これは試し

 

ベルが本当にあの最強の弟…………自身にとって弟弟子に当たるベルを試すための問答

 

ベート「テメェ、あの時。なぜ逃げなかった。こえぇって思わなかったのか?一撃でもモロにくらえば潰れたトマトみてぇになることを理解して戦ってたのか?」

 

ベル「────そうですね………僕みたいに才能のない人間は、他の人と比べ物にならないくらいの努力と死線を潜りなければ強くなれないから…………英雄になりたいんですよ僕は」

 

ロキファミリア「「「「!!」」」」

 

ベル「もしあそこで死んでしまったのなら、僕は所詮それまでの人間。ですが、英雄になると決めた日から、僕は夢の為に戦って死ぬ覚悟は、とっくに出来ていますから…………それに────一夏兄さんに比べたら、あんな猪モドキ可愛い物ですので全く怖くありませんでした。そして、英雄になる、その為に強くなるって決めた僕にとって貴方方は一人残らず僕の通過点に過ぎません

 

最大派閥を前に、一切目を逸らすことなく啖呵を切って見せたベル

 

その場が静まり返り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベート「くっ、ハハハハハ、俺達は通過点に過ぎねえか…………言うじゃねえか」

 

フィン「ははは、まさかこんな大きな啖呵切るなんてね」

 

リヴェリア「フフフ、だが、それでこそあの男の弟だ」

 

ガレス「ガハハハッ面白い小僧だわい!」

 

ティオナ「はは、凄いね」

 

ティオネ「まさか私達にこんな喧嘩売るみたいなことを惜しげもなくいうなんて…………」

 

ラウル「…………やっぱ普通じゃない」

 

アキ「でも、そういうのは嫌いじゃないでしょラウル?」

 

レフィーヤ「あ、あの人は何を言ってるのですかあああああ!?」

 

アイズ「うんうん、流石はベル」

 

それぞれが大きく反応するが概ね好意的だった

その日、謝罪の場だった酒場は交友の場に代わり、多くの料理を注文し食べるベルの姿に驚きながらも一同はおおむね満足げに親交を深めて行くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロキ「いやー、ベル。自分ホンマおもろい奴やな。そんで強いって、なんで自分こんだけやれるっちゅうのにウチの派閥にこんかったん?」

 

ベル「いえ、来たんですが門番の方から『お前の様なちびで貧弱なガキが、我ら栄光のロキファミリアの敷居を跨がせるわけがない!出ていけ田舎者!』と言われて追い返されました」

 

アイズ「は?

 

その瞬間、アイズから凄まじい殺気が溢れ、よく見ればその他の面々(レフィーヤは怯えて)からも殺気や怒りの雰囲気が流れ出す

 

ロキ「……なあベル。自分追い出したその門番の特徴覚えとるか?」

 

そうにこやかに聞いてきたが眼は笑ってないロキにベルは特徴を口にし

 

ベート「…………」

 

アイズ「…………」

 

それを聞き終えたベートとアイズは無言で店を飛び出した

恐らく制裁を下すつもりだろう

 

フィン「…………どうやら、また君に謝罪しなきゃいけないことが増えたようだ…………本当に重ね重ねウチの団員が申し訳ない」

 

ベル「別に怒ってませんよ。結果ヘスティア様と出会って眷属に成れたので」

 

ヘスティア「ベ、ベル君///」

 

この後日

 

ロキファミリアから謝礼として数百万ヴァリスが贈られる事となり、ヘスティアが立ち眩みながら目を回すのだった





レフィーヤがいるのは本人の強い意志(あこがれた人の弟がどのような人物か気になって)です。
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