ゼロの白夜叉   作:近衛陸

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第1訓 使い魔でも天然パーマに悪いやつはいない

今、このハルケギニアのトリステイン魔法学院では春の使い魔召喚の儀式が行われている。

儀式はもうすでに終わりに近く周りには見たことのない色んな使い魔が召喚されていた。

 

しかし、その中にまだ使い魔を召喚していない生徒がいた。

その生徒は、黒いマントに白いブラウス、グレーのプリーツスカート。ピンク色の髪に神楽並みの白い肌、顔は可愛らしい…文句無しの美少女だった。

 

少女は、何度も何度も杖を振り呪文を叫ぶように言う。

しかし、少女の使い魔はなかなか召喚されない。

 

そんな少女をクラスメートの生徒たちだろうか、まるで馬鹿にするかのようにニヤニヤと笑いながら見ている。

 

「やっぱりゼロだな」

 

誰かが呟くように言った。きっと主人公にもヒロインにもなれない名前さえない雑魚キャラだろう。

少女は雑魚キャラの言葉が聞こえキュッと悔しそうに唇を噛み締める。

 

そして、もう一度目を閉じ魔力を集中させると目をカッと見開いて呪文を叫ぶように唱えた。

 

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン…我の運命に従いし…強くて美しく我に相応しい使い魔を召喚せよ!!」

 

ルイズが何度目かの呪文を唱えるとボムっとした音と煙が現れた。

 

ルイズは嬉しそうに顔を明るくさせた。どうやら、召喚が成功したようだ。

 

 

ルイズは、自分の使い魔が何なのかワクワクとドキドキした感じで煙が消えるのを待つ。

しばらくして煙から現れた人物を見てルイズは眉を寄せた。

 

「なっ、へ、平民!?」

 

ルイズの驚いた言葉に生徒たちは笑いだす。

 

「あっはは、流石ゼロ」

 

「平民だ!!平民召喚しやがった」

 

雑魚キャラAとBの言葉を聞きながらルイズはがっくりと肩を落とし、召喚した平民の風貌を眺めた。

召喚した平民いや、使い魔は銀髪天然パーマに見たことのない服装、そして腰には棒を差している。

顔は死んだ魚のような目が目立ち、真っ青に青ざめている。

 

きっと、沢山いる貴族が怖いのだろう。

 

ルイズは即座ハゲ……失礼。

 

 

近くにいるツルピカにハゲた先生らしき男にやり直しを要求した。

しかし、召喚のやり直しはできないと断られる。

 

 

 

 

一方、銀時は混乱していた。

それもそうだ、トイレへと入ったはずなのにまったく違うところに居るのだ。

 

周りを見ると見たこともない人たち、そして確実に江戸ではない風景。

 

(どこだ此処?いや、それよりも……トイレどこォォオ!!)

 

銀時はお腹を押さえ青ざめる。

今の銀時には自分が今どこにいるのか、これからどうなるのかなどは関係ない!!

 

全てはトイレに行ってからの話である。

 

とりあえず、銀時はキョロキョロと辺りを見渡した。残念ながらトイレは近くに有りそうにない。

 

 

「な、なぁ、聞きたいことあんだけどよォ」

 

銀時は、色々ピンチなせいか弱々しく近くにやってきたルイズに声をかけた。

 

「なによ、平民」

 

ルイズは腕を組むと銀時を見据えた。質問の内容はなんとなく分かっているつもりだ。

しかし、ルイズの予想とはまったく違うことを銀時は聞いた。

 

「トイレどこ?」

 

「はぁ?」

 

銀時の言葉にルイズは驚き間の抜けた声をだした。

 

「いや、だからトイレ!!早くしないとヤバいからね、銀さん。主人公が第1訓でお漏らしとかマジそういうオチ勘弁して欲しいから!!」

 

銀時の言葉にルイズは頭に手を当てた。どうやら、このルイズの使い魔になる平民は、そこら辺の平民より馬鹿みたいだ。

 

「分かったわ。漏らされても困るし、儀式が終わったらトイレ教えてあげるわよ」

 

ルイズはそう言うとお腹を押さえたままの銀時の前に立ち、杖を上げた。そして呪文を唱える。

 

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴンよ。この者に祝福を与え、我の使い魔とせよ」

 

淡々と、呪文を唱え終えるとすっと、杖を銀時の額に向けた。そして、ゆっくりと唇を近付け銀時に口づける。

 

銀時はいままでにないピンチ状態のため避けれなかった。

 

(なっ!?)

 

銀時は、驚き声を上げそうになる。

しかし、唇を塞がれているためできなかった。

 

 

ルイズは唇を離し頬を微かに染めている。まだ幼い少女…どうやら照れているらしい。

 

「ちょ、何すん……ッ!?」

 

銀時が文句を言おうとすると、身体が妙に熱いことに気がついた。

 

(なんだ?ま、まさかお腹に限界がッ!!)

 

銀時は最悪な状況を想像する。しかし、それはなんとか回避出来たようだ。

 

「ぐぁぁっ、熱い熱い熱いッ!!……」

 

銀時は、火傷しそうなくらい熱くなった身体をギュッと抱きしめた。

お腹が痛いなどと言ってる場合ではなくなったのだ。

だが、その熱さは一瞬で消え去った。

 

そして、銀時の左手の甲に不思議な紋章が刻まれた。

 

「なんだこりゃ?」

 

 

先ほどの熱さでお腹の痛みに余裕が出来たのか銀時は自分の手の甲を見つめる。すると、ハゲ……男がやってきて珍しそうに銀時の手の甲を観察した。

 

「さて、じゃあそろそろ教室に戻るぞ」

 

ハゲた男はそう生徒たちに向けて言った。そして、杖を振ると宙に浮かぶ。

生徒たちもそれにならって杖を振り宙に浮かんだ。

 

銀時は、驚くもお腹がまたギュルギュルと不吉な音をたて始めたことに気づき、ルイズに向かって声をかけた。

ルイズはちょうど生徒たちに馬鹿にされているところだった。

 

「なぁ、お前トイレどこだよ」

 

銀時の敬語のない言葉にルイズは眉を寄せた。しかし、漏らされても困る。

そう思い、ビシッと遠くを指差した。

 

ルイズの指差した先には遠くに洋風のお城のようなものが見えた。

 

銀時は、眉を寄せるとルイズを抱き上げた。一人で行ってもトイレの場所が分からないからだ。

 

「きゃっ!?ちょ、いきなり何すんのよ!!」

 

「良いから、きちんと掴まってろよ!!」

 

銀時は抱き上げたルイズにきっぱり言うと猛スピードでお城まで走った。

走ったら悪化しそうだが、それでも歩いて漏らすよりかはマシだと判断したのだろう。

 

切羽詰まったように本気で走る銀時はそれはもう速かった。

簡単に宙を飛んでいた生徒たちを追い抜きトイレへと向かう。

 

ちなみに、魔法で飛んでいた生徒たちはあまりのスピードにポカーンと口を開けて銀時とキャーキャー叫ぶルイズを見送った。

 

 

 

 

 

余談だが、銀時は滑り込みセーフでトイレへと間に合い毒素を出すため1時間近くはトイレで闘っていたらしい。

 

 




前書きと後書きって何書けばいいんだろ……
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