ゼロの白夜叉   作:近衛陸

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今回は1話が短めだったので2話分まとめました。

次は朝です。


第5訓 万事屋を作ろう

 

 

朝の光が窓から部屋を照らす頃、ルイズは身体を揺さぶられた。

 

「起きろ、起きろルイズ」

 

「ん……今日は学院休みじゃない……もっと寝かせて」

 

ルイズはムニャムニャとした感じに言うとルイズを起こそうとした人物はため息をついた。

そして、二度寝に入ろうとするルイズに向かって言った。

 

「じゃあ、一時間後食堂で待ってるからな」

 

「ん……はいはい分かったわ」

 

ルイズはその言葉にヒラヒラと布団の中から手を出し振った。

 

(一時間後……食堂ねぇ。ギントキと一緒、食堂で待ち合わせ。なんだかデートみた……いィィィイイ!!)

 

ルイズはガバッと起き上がる。そして、キョロキョロと辺りを見渡した。

 

銀時はどうやら居ないようだ。

 

「さ、さ、さっきのもしかしてデートの誘い!?いや、落ち着くのよルイズ。そんなわけないでしょ、ただ朝ご飯を食べるだけで……で、でも、待ち合わせだったし、最近はギーシュがいるし」

 

ルイズは起き上がると頬を染めて呟いた。

 

「い、一時間後……と、とりあえず顔洗わないと」

 

ルイズは速攻顔を洗いに行くと、クローゼットの前に立った。

 

「べ、別に服なんて適当で良いわよね!!…………け、けど休日とはいえ貴族らしい服にしなきゃ」

 

クローゼットを開けるとルイズは服を吟味し始めた。いつも以上に真剣である。

 

 

(やっぱ、無難にこれかしら)

 

ルイズは普段着のワンピースを手に取った。しかし、すぐにブンブンと首を振り戻す。

 

「ダ、ダメよ!!これじゃあ地味過ぎだわ。だ、だって……もし本当にデートだったら……」

 

 

結局、ルイズは30分以上かけて服を決めた。

ルイズは髪を整えると、鏡に自分の姿を映し最後のチェックをした。

 

「ま、全くギントキにも困ったものだわ!!つ、使い魔のくせにご主人様とデ、デートしたいだなんて…………ま、まぁ、この前頑張ったしィ、そのご褒美としてしてやろうじゃないの」

 

納得いく、姿になるとルイズはブツブツと誰も聞いてない言い訳を呟きながら食堂へと向かった。

 

その姿は誰が見ても気合いの入った姿だった。

 

ちなみに、銀時は一度もデートだなんて言ってない。

 

 

 

 

 

ルイズ、ギーシュ、モンモランシーは食堂の真ん中のテーブルで銀時を待っていた。

 

ルイズは気合いの入った服とは正反対のズーンっと暗いオーラを背負っていた。

 

ルイズは食堂に着いた時、ギーシュとモンモランシーが同じように銀時に呼ばれてたと聞いたのだ。

 

ちなみに、モンモランシーとはギーシュの二股事件の被害者である。金髪で巻き髪のルイズとは違った可愛さを持つ女の子である。

 

(何よ!!何よ!!デートじゃないならそう言いなさいよ!!バカギントキッ!!)

 

ルイズは不機嫌そうに座っていた。

 

そんなルイズに気付かずギーシュはモンモランシーを見て聞いた。

 

「そういや、モンモランシー。君、いつギンさんと知り合いになったんだい?」

 

ギンさんとは、言わずがな銀時のことである。

ギーシュは決闘で負けてからはギンさんと呼び、銀時を慕っていた。あの決闘でギーシュは銀時に憧れと尊敬を抱いてしまい、いつも銀時と一緒に居たがっていた。

 

「そう……あれは昨日の夜。わたしはお風呂上がりのためご機嫌で部屋に向かって歩いていたの。そしたら目の前からルイズ、あなたの使い魔が来て言ったのよ。一言合格だと、そして時間を言うと去って行ったわ」

 

「ふぅーん、じゃああんたはその時呼ばれたのね」

 

「ええ」

 

「でも、珍しいわね。あんたがそれでノコノコやってくるなんて」

 

ルイズはじっとモンモランシーを見つめた。モンモランシーは少し視線を逸らす。

 

「し、仕方ないじゃない!!一方的とはいえ約束したんだもの、貴族として無視できないわ」

 

「本当にそんな理由?」

 

ルイズはじっと見つめた。

確かにルイズの思った通り、それだけの理由ではない。モンモランシーは銀時とある取引をしていたのだ。

 

「まぁ、良いではないか。モンモランシーは気付いたのだよ。ギンさんの偉大さに」

 

そう言いながら薔薇を手に気障な仕草を繰り返すギーシュ。

 

とりあえず、会話はそれで一旦終わった。

 

 

 

 

――約束の時間から30分後

 

 

「……遅いわね」

 

 

 

 

 

――約束の時間から一時間後

 

 

「ルイズ、あんたの使い魔いつ来るのよ!!」

 

「そんなの、分かんないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

――約束の時間から二時間後

 

 

「いやぁ、遅れて悪いな。服のポケットに入ってた豆パン食ったらダメだったらしくてよォ。ったく一週間半くらい根性で頑張れよな!!豆パン」

 

どうやら、この魔法世界についてすぐ豆パンをちょろまかしてポケットに入れていたらしい。

ルイズは頭に手をあてた。もうなんて言えばいいのか分からないくらいバカ過ぎる。

 

すると、ルイズの隣にいたモンモランシーが息を吸い込んだ。

 

「なんで豆パンンンンッ!!大体、根性なんかでなんとかなるわけないじゃない!!」

 

あんまりな銀時の行動に、モンモランシーが力強く突っ込んだ。何故か普段より生き生きしている。

 

 

 

 

 

「で?わたしたちはなんで呼ばれたのよ」

 

ルイズは腕を組み銀時を睨み付けた。ちょっと怒ってるところを見ると、まだ機嫌がなおってないようだ。

それを黙って見守るモンモランシーとギーシュ。

 

「……?あー、お前ら、万事屋を作るぞ」

 

ルイズの様子に首を傾げながら銀時はきっぱりと言った。

 

 

「「「万事屋?」」」

 

銀時の言葉に3人はお互いを見合わせた。誰か知ってる人がいるか確認したのだ。

 

「えっと、ルイズの使い魔……ギントキでしたっけ?」

 

「そうだ。銀さんや銀ちゃんでも可だ」

 

「では、ギンさん。万事屋とは一体なんなの?」

 

モンモランシーは尋ねた。ルイズとギーシュも銀時を見つめ言葉を待った。

 

「それはだな……」

 

銀時は万事屋が何なのかを適当に説明した。

 

「なるほど……つまりお金を貰って何でもやる仕事。もちろんギンさんがやるなら僕は手伝うよ」

 

ギーシュが薔薇を持ち頷きながら言った。

 

「へぇ、ギントキのやっていた仕事……楽しそうじゃない」

 

少し機嫌が直ったのか、ルイズは興味深げに言った。

しかし、モンモランシーは悩んでいる。

 

「どうした?ぱっつあん」

 

その様子に気付いた銀時は話しかけた。

 

「誰がぱっつあん!!誰が!!ってかぱっつあんって何よォォオオ!!……それにわたしは手伝わないわ!!」

 

「ぱっつあんはぱっつあんだ!!それより……ほんとに良いのか?」

 

モンモランシーの言葉に銀時はニヤリと笑った。そんな表情に怪訝そうな顔をする。すると銀時はモンモランシーにだけ聞こえるように囁いた。

 

「昨日取引でお前、言ったよな。キザが他の女に手を出さないようにしてほしいと」

 

「キザって……ま、まぁ、言ったわ。け、けどそれと万事屋をやることに何の関係が?」

 

銀時は分からないのかやれやれっと肩をすぼめた。もちろんワザとだ。

 

「いいか。考えてみろ。万事屋は毎日ある……それに今あいつは何故か銀さんにべったりだ。……どうだ?女を口説く時間あるか?」

 

 

銀時の言葉にモンモランシーは目を見開いた。確かにそれでは女に手を出すことが出来ない。っというかそんな時間さえない。しかしまだモンモランシーは納得出来ないようだ。

 

「け、けど……それで何故わたしが入らなければ……」

 

「バカだろ、お前。万事屋の一員にならなければいつキザに会うんだ?」

 

「っ!?」

 

(そうだ。他の女を口説く時間がないということはつまり自分とも会えるはずがない)

 

銀時はモンモランシーをじっと見つめた。相手の言葉を待っているのだ。モンモランシーは覚悟を決めた。

 

「ギンさん!!やりましょう!!万事屋」

 

「よく言ったぱっつあん!!」

 

銀時はモンモランシーの言葉に満足そうに頷いた。

 

こうして、銀時はルイズ(神楽)、モンモランシー(ぱっつあん)、ギーシュ(モンモランシーを釣るエサ)と万事屋を再開することにした。

 

「そういえば、ギントキ。どこで万事屋をやるの?わたしたちの部屋では流石に出来ないわよ」

 

万事屋メンバーが確定するとふとルイズが言った。万事屋という仕事をするのなら部屋が必要なのだ。しかし、空いている部屋がない。

 

「大丈夫だ。当てがある。俺ァ、その場所に行ってくるからお前らはこの依頼をこなしてくれ」

 

銀時の言葉に3人はピクッと反応した。当ての場所も気になるが依頼も気になる。っというか何故さっき結成したばかりの万事屋なのにどうしてもう依頼があるのだろうか。

 

「い、依頼主は誰なの?」

 

記念すべき初めての依頼だ。ルイズが緊張気味に言った。モンモランシーとギーシュもゴクリと唾を飲む。

 

「もちろん……俺だ」

 

「「あんたかァァァアア!!」」

 

銀時は良い顔で言うと、ルイズとモンモランシーが同時に突っ込んだ。

 

「まぁ、待ちたまえ。ギンさんのことだ、重要な依頼なのだよ。君たちは依頼内容も聞いてないだろう」

 

ギーシュが言うとルイズとモンモランシーは顔を見合わせた。

 

「そうね。ギーシュの言うとおりだわ。ギンさん依頼内容を言ってちょうだい」

 

モンモランシーがギーシュの言葉に頷きながら言った。

 

銀時は話し始めた。

 

どうやら、銀時は幻の限定ケーキが欲しいらしい。

実は、この学院では休みの日だけ個数限定のケーキが出るのだ。

ただ、限定過ぎて1年、2年は食べたことがない。

 

何故なら、3年のしかも貴族の位が上の奴らが全て取ってしまうのだ。

 

これは、初っ端から達成の難しい依頼であった。

 

 

「じゃあ、俺は部屋確保してくるから、頼んだぜ」

 

悩んでる三人に言うと銀時はスタスタと食堂から出て行った。

 

 

 

 

 

三人がどうやって依頼を達成しようか悩んでいる頃、銀時は学院長室の前に居た。

やはり学院で何かをするには学院長室が一番だ。そう思ってここまでやって来たのだ。

 

「失礼しまーす。万事屋でーす。」

 

銀時は、伸ばし口調でお偉いさんの部屋に入るのにまったく緊張感が感じられない様子でドアを開けた。

 

オスマンは突然ノックもせずに入ってきた男に驚いた。

しかもそれが先日決闘を見た『ガンダールヴ』になった男だったのだからなおさら。

 

「ん?……君は、確かミス・ヴァリエールの使い魔くんじゃったかな?」

 

よくよく知ってるはずなのに知らない振りをするオスマン。

 

「へぇー、俺のこと知ってるのか。じゃあ、話は早いや。とりあえず……じいさんに頼みがあるんだがよォ」

 

 

銀時はスタスタと部屋に入ると学院長のテーブルに腰かけた。

なんとも行儀の悪い奴だ。

 

「な、なんじゃ……」

 

銀時の様子にオスマンは眉を寄せた。なにを頼みに来たのかはわからないが凄く偉そうだ。

 

「とりあえずよォ。部屋明け渡せ」

 

にっこりと笑って言う銀時にオスマンは目をパチパチと瞬かせる。

 

(え?この男は、今なんと言った?……いやいやいや、聞き間違いじゃろう。こう見えても私はこの学院の中で一番偉いんじゃ。いくらなんでもそのようなこと……)

 

「おーい、反応ねぇな。ヒゲ引っ張るぞ」

 

銀時はそう言うと思いっきり白くて長いヒゲを引っ張った。

手加減とかいう言葉がないのだろうか……

 

 

「いだっ……いだだっ……ちょ……止め」

 

オスマンは涙目でヒゲを引っ張られながら思った。さっきのは、聞き間違いではないとそしてこのまま反撃しないとヒゲを毟られてしまう。

 

オスマンはヒゲを引っ張られながら杖へと手を伸ばそうとした相手は『ガンダールヴ』。魔法で対抗してもいいだろうと思ったのだ。しかし、伸ばした手は空を掴んだ。

 

(つ、杖がない!!)

 

「探しものはこれか?」

 

オスマンが焦っていると銀時はオスマンの杖を出した。なんとヒゲを引っ張った時に素早くすっていたのだ。

 

 

相変わらずの恐るべき早業である。

 

「それにしても杖に手を伸ばしたってことは遠慮いらねぇよなァ」

 

銀時の言葉にビクッと体を震わすオスマン。

ゾクッと嫌な予感がする。

 

「ま、待つのじゃ……き、君は年寄りを大事にする若者じゃろ?……いや、そうに決まっておる」

 

ジリジリとヒゲを抜く素振りをしながら近付いてくる銀時にオスマンはそうであってくれっと願うように言った。

 

しかし、その願いは叶わない。

 

普通に考えれば年寄りを大事にする人間がヒゲを引っ張るわけがないのだ。

もちろん銀時は歩みを止めなかった。

 

「い、いぎゃァァァアアっ!!」

 

学院長室にオスマンの悲鳴が響いた。

 

 

 

ミス・ロングビルは驚いた。そろそろ宝物庫を見に行くためオスマンの様子を見に来たのだが、学院長室から悲鳴が聞こえたのだ。

 

そっと、ドアから覗いて見ると銀髪の男が学院長を……あまりにも酷い有り様なので上手く言葉に出来ない。

 

(よく分からないけど、これはちょうどいいわ)

 

ミス・ロングビルはにやりと笑うと宝物庫に向かった。

 

 

 

 

 

宝物庫があるのは、学院長室の一階下である。

階段を下りるとすぐに鉄で出来た巨大な扉が姿を表す。

扉にはぶっとく頑丈そうなかんぬき、そして巨大な錠前がついていた。

 

ちょっとやそっとの衝撃ではビクともしないだろう。

 

ここには、この学院成立以来の高価な秘宝が収められていたりする。

 

(さて、そう簡単に魔法が通じそうにないわね。どうしようかしら)

 

ミス・ロングビルが考えていると遠くから足音が聞こえてきた。

どうやら誰かがこちらに向かってきているようだ。

ミス・ロングビルは微かに目を細める。

 

現れたのは、ハゲ頭が眩しいコルベールだった。

 

「おや、ミス・ロングビル。ここでいったい何を?」

 

コルベールは、きょとんとした声で尋ねた。

ミス・ロングビルは動揺することもなくにっこりと笑みを浮かべた。

 

「ミスタ・コルベール。宝物庫の目録を作ろうと思って来たのですが……オールド・オスマンから鍵をお借りするのを忘れてしまって……まぁ、目録作成は急ぎの仕事ではないし……」

 

そう言うとミス・ロングビルは立ち去ろうときびすを返した。

 

「ま、待って下さい。ミス・ロングビル」

 

「なんでしょう?」

 

照れくさそうに、ミスタ・コルベールは口を開いた。

 

「もし、その……よろしかったら昼食をご一緒にいかがですか?」

 

ミス・ロングビルは少し考えると、にっこりと微笑んだ。

 

「ええ、よろこんで」

 

そのまま二人は並んで歩き出した。

 

「ねぇ、ミスタ・コルベール『破壊の杖』をご存知?」

 

「あぁ、見たことありますぞ。説明しようのない奇妙な形をしてましたな」

 

「そうですか。それにしてもここの宝物庫は立派ですわね」

 

「そうですな。あらゆる呪文に対抗できるよう設計されたそうですぞ……ですが!!僕は一つだけ弱点があると思うのです!!」

 

「まぁ、無敵の宝物庫の弱点とは何ですの?」

 

ミス・ロングビルは、コルベールを頼もしげに見つめた。

 

「それはゴーレムなどを使った物理的な力です」

 

コルベールは、得意げに、ミス・ロングビルに実説を語った。聞き終わったあと、ミス・ロングビルは満足げに微笑んだ。

 

「大変興味深いお話でしたわ。ミスタ・コルベール」

 

 

 

 

 

さて、こちらは依頼をなんとか達成しようとしている三人である。

 

「どう?確保出来そう?」

 

「いや、すでに上級生が手に入れてるみたいで」

 

ルイズの言葉にギーシュは薔薇を弄りながら悔しそうに呟いた。

二人はため息をつく。

 

やはり、幻のケーキだけあって手に入れるのは至難なのだ。

 

ルイズとギーシュはケーキを手に入れて銀時に褒めてもらおうと強く期待していたせいか落胆も大きい。

 

モンモランシーは、そんな二人を見ながらため息をついた。

そして、考え込む。

 

「仕方ないわ、こうなったら最後の手段ね」

 

「最後の」

 

「手段だって?」

 

モンモランシーの言葉に二人は首を傾げた。

モンモランシーはクスッと笑い小さな小瓶をポケットから取り出した。

 

 

 

 

 

ある男子生徒はこの学院で出る幻のケーキを手に入れホクホクと自分の部屋に向かっていた。

 

 

「ジェニーさん喜んでくれるかな?」

 

どうやら好意を持っている女の子に渡すようだ。

男子生徒は、にまにまとにやけながら歩く。

 

しばらく歩いてるとどこからともなく花のような良い香りが漂っているのを感じた。

 

「ん?なんだろ……この香り……っ」

 

男子生徒は突然バタンと倒れた。

男子生徒が倒れると、モンモランシーがクスクス笑いながら出てきた。

 

「作戦成功ね」

 

モンモランシーが言うと、ルイズとギーシュも出てくる。

 

「ケーキも無事に手に入れたわ」

 

ルイズの言葉にギーシュが反応した。

 

「ギンさん、このギーシュ!!依頼達成しました!!」

 

三人は、倒れた男子生徒をそのままにケーキだけ盗ると去っていった。

残されたのは無様にも倒れたままの哀れな男子生徒だけである。

 

 

 

 

 

三人が食堂に戻るとちょうど銀時が戻ってきた。

 

「よぉ、お前ら手に入れたか?」

 

銀時が言うと三人はえっへんっと胸を張った。

そして、強奪したケーキの入った箱を見せる。

 

すると銀時は嬉しそうに笑った。そして、三人の頭をよしよしと撫でる。

 

 

ギーシュは大袈裟に喜び、ルイズは頬を染め、モンモランシーは照れくさそうに視線をそらした。

 

「じゃあ、そろそろおやつの時間だし一緒に食べるか」

 

銀時の言葉に三人は頷く。

 

「そういえば、ギンさん。万事屋の部屋はどうなったの?」

 

モンモランシーはキラキラとした輝いた表情でケーキを頬張る銀時に聞いた。

 

「あぁ、学院長と交渉してきたから大丈夫だ」

 

そう言いながら何故か何かをむしるような仕草をする銀時。

 

「そ、そう……」

 

何故かは分からないが深く聞かないほうがいいと思った。

 

ふとその時、銀時を見ているサラマンダーに気づいた。

 

(あら?あれはキュルケの……)

 

銀時に伝えようとするもやめた。幸せそうにケーキを食べていたからだ。周りにいるルイズとギーシュもそれを幸せそうに見ている。

 

 

(これから何か大変なことが起こりそうね)

 

モンモランシーは、幸せそうな三人を見ながら、メイドの持ってきてくれた紅茶を飲み、心の中でそう呟いた。

 

 

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