おはようございます。
今日も寒いですね……次ですが、まぁ適当な時間帯です(笑)
万事屋を設立したその夜、銀時は突然の尿意を感じ目を覚ました。
「……便所」
銀時はボソッと呟くと眠気眼で廊下を出る。
トイレも済ませてルイズの部屋に戻る途中、銀時はビクッと身体をはねらせる。
暗い廊下の中、突然赤い火の玉が宙に現れたのだ。
「ッ!?……ないない。いや、ないない」
銀時は即座に視線を逸らしブンブンと首を振った。
銀時は気のせいだと思いゆっくりともう一度みた。火の玉が近付いてきている。
「――ッ!?」
銀時は驚きながら辺りを見渡した。火の玉から逃げるため、どこかに身を隠すことにしたのだ。
(ルイズの部屋はあの火のそばを通らないと無理。……オイオイ、どうするよ俺)
考えてる間にも火の玉はユラユラと近付いてくる。
「ここだッ!!」
銀時はキョロキョロと辺りを見渡し、開かれたドアへと飛び込んだ。
そして、バタンとドアを閉める。
「これで大丈夫だよな?」
銀時がホッと息をつくと、後ろから女の声がした。
「いらっしゃい」
「ッ!?!?」
銀時は恐る恐ると後ろを振り向いた。
しかし、辺りは真っ暗で何も見えない。
だが、一人の人間の気配はする。
「だ、誰だ?」
銀時は眉を寄せたまま気配のする方へと声をかけた。すると、パチンと音がし一斉に周りのロウソクに火が灯りだした。
ロウソクの火に照らされぼんやりと気配の持ち主が姿を現す。
銀時はその姿を見ると目を見開いた。
「お前は……サ○シ君!!」
銀時の言葉にサ○シ扱いされたキュルケは眉を少し寄せた。そして、気にしてないようににっこりと微笑む。
「違うわ。あたしはキュルケ、微熱のキュルケよ」
「ああ、なる程な。サ○シじゃなくジ○リーダー的な奴か」
銀時はポンと手を打ち一人で納得した。
そんな銀時を見ながらキュルケは首を傾げる。初対面から全く話が合ってない。
しかし、キュルケは気にした素振りも見せず赤い髪をかきあげ、自分の胸を強調させて色っぽい声で銀時を呼ぶ。
「ねぇ、そんなところ居ないでこっちにいらして」
キュルケが呼ぶも銀時は動かない。
キュルケはもう一度呼ぼうと口を開いた時ガチャッとドアが開いた。
部屋に入ってきたのはキュルケの使い魔サラマンダーのフレイムだった。
何故か天井に張り付いており垂れ下がった尻尾の先の炎が宙に浮かんで見える。
「フレイム、あなた逆さまに歩くの好きね」
キュルケが言うと、フレイムはきゅるきゅると人懐っこい感じで鳴いた。
「まぁ、いいわ。ねぇ、ギント……あら?」
キュルケはフレイムから目を離しもう一度銀時に話しかけようとするもドアのそばに立っていた銀時が見当たらない。
キュルケは不思議に思いキョロキョロと辺りを見渡す。
するとベッドの毛布が不自然に膨らんでいるのを見つけた。
(もう、ベッドインなんてギントキってばせっかちなんだから)
キュルケは少し頬を染めるとゆっくりと毛布へと近付いた。
何故か、毛布がブルブルと震えている。
キュルケはそんなこと気にせず、毛布ごと銀時を抱きしめた。
「あなたもあたしと同じ気持ちだったのね」
「ッ!?」
キュルケが抱きしめると毛布をもぞもぞと動かして銀時は恐る恐ると顔を出した。
「な、な、何!?」
「まぁ、ギントキってば女のあたしからいわす気?」
キュルケは頬をそめて言うが銀時には何が起こってるのか分からない。
そして、部屋に霊的なものが来てないかキョロキョロと辺りを見渡した。
ここで霊的なものを見つけたらどうする気なのだろうか?
キュルケはそんな銀時の様子に誤解を深めていく。
「大丈夫よ。ここにはあなたとあたしだけ。誰も見てないもの」
キュルケは銀時を見つめると近寄り豊満な胸を銀時に押し付ける。
「ねぇ、ギントキ愛してるわ」
「は?」
突然の告白に思わず間の抜けた声を上げる銀時。
その時である。窓の外からコンコンとノックする音が聞こえた。銀時はとうとう来た!!っとビクッと身体を震わした。
しかし、外にいたのは霊的なものではなく一人の男だった。
魔法で浮いてるらしく怒ったようにこちらを見ている。
「キュルケ……僕というものがありながらそいつは誰だ!!」
「ベリッソン!!」
「話が違う!!恋人が居ないって言ってたじゃないか!!」
キュルケは男を見ると胸の谷間に差した魔法の杖を振った。
ロウソクの火がゆらゆらと揺らめき大蛇へと変わり窓ごと男を吹き飛ばす。
「誰?今の哀れな奴」
銀時が口端をひきつらせるとキュルケは何でもないようにきっぱり言った。
「ただの友達よ!!それより……」
キュルケはもう一度銀時に迫ろうとした。しかし、その度に男がやってきてキュルケに魔法で燃やされる。
本当に哀れな男たちである。
男たちが燃やされるのを何人かみた後、突然今度はドアが蹴り開けられた。
一体今度はどんな哀れな男だろうかと銀時が眉を寄せると、そこにいたのはネグリジェ姿のルイズだった。
ルイズは銀時に迫るキュルケを見ると額に青筋を浮かべてドスドスと近付いてくる。
「キュルケ!!あんたわたしの使い魔に手を出さないでよ!!」
ルイズは瞳をギラギラと輝かせ、怒っている。
そんなルイズにキュルケはにやりと笑った。
「いいじゃない?好きになっちゃったんだもの」
キュルケは悪そびれることもなく、きっぱりと言った。銀時は二人を見ながら首を傾げる。どうしてルイズが怒ってるのか分かってないようだ。
銀時がそんな風に考えてると、ルイズはキュルケと何かを言い合い突然銀時の手を握り引っ張った。
「もう!!ギントキ帰るわよ!!」
そして、銀時が頷く間もなく引っ張りながらさっさと部屋に向かって歩き出す。
部屋に戻るとルイズは鍵をかけ銀時を睨み付けた。銀時は訳が分からず首を傾げる。
「ギントキ!!あんな女やめときなさい!!絶対、絶対ダメなんだからね!!大体あんな女のどこが……」
ブツブツと呟くルイズに銀時はやはり分かってないらしく首を傾げる。
「なぁ、ルイズ。なんで怒ってんだ?」
「そ、そんなのあんたがあの女と付き合おうとするからでしょ!!だ、ダメなんだから!!恋人なんて作ったら絶対ダメなの!!わたしのそばに居なきゃダメなの!!」
ルイズは怒りで顔を真っ赤にし叫ぶように言う。怒りが強すぎてなんだかよく分からなくなっているのか目が潤み始めている。
銀時はギョッとした。そりゃそうだ、なんでか分からないが泣きそうになっているのだから。
「ルイズ、落ち着け!!」
「うるさい!!ギントキのバカァァア!!」
ルイズは叫ぶように言うととうとう泣き出した。
銀時はより慌てだす。そして、ギュッと抱き締めた。
まるで、泣いてる子供を慰める親のように優しく頭を撫でる。
その手付きは手慣れており、きっと神楽が癇癪を起こした時こうやって慰めていたのだろう。
しばらく撫でているとルイズはだんだんと大人しくなった。
「ルイズ」
「な、何よ」
銀時の声にルイズはぷぅっと頬を膨らまし拗ねたように答えた。銀時に頭を撫でられ少し落ち着いたのだろう。
「何を勘違いしてんのか分かんないけど……別に俺はお前から離れていかねぇよ」
銀時の言葉にルイズはピクンと反応した。そして、少し潤んだ瞳で銀時を見つめる。
「ほ、本当に?」
ルイズの問いかけに銀時はコクンと頷く。
ルイズはそれを見るととても嬉しそうに笑った。
その笑顔は誰もが見とれてしまうくらい可愛らしかった。